本試験問題(2021年実施)
令和3年度賃貸不動産経営管理士試験の過去問50問
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- 50問・四肢択一式(賃貸不動産経営管理士講習の修了者は45問)
- 本試験
問1賃貸住宅管理業法
解答 0/50・正解 0
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
令和3年度の全50問|問題文・正解・解説
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問1
賃貸住宅管理業法賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1管理受託契約重要事項説明は、管理受託契約の締結とできるだけ近接した時期に行うことが望ましい。
- 2管理受託契約重要事項説明は、業務管理者が行わなければならない。
- 3賃貸住宅管理業者は、賃貸人が管理受託契約重要事項説明の対象となる場合は、その者が管理受託契約について一定の知識や経験があったとしても、書面にて十分な説明をしなければならない。
- 4管理受託契約に定める報酬額を契約期間中に変更する場合は、事前説明をせずに変更契約を締結することができる。
正解:3
解説
正解は肢3です。管理業法13条1項が説明を要しない相手方として掲げるのは施行規則30条が列挙する賃貸住宅管理業者等に限られ、賃貸人に一定の知識や経験があってもそれだけで説明を省くことはできません。肢1は契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとされており、締結と近接した時期が望ましいわけではありません。肢2の説明を業務管理者が自ら行う必要はなく、業務管理者は管理及び監督に関する事務を行う立場です。肢4の報酬額の変更にも事前の説明が必要です。
問2
賃貸住宅管理業法次の記述のうち、賃貸住宅管理業者が管理受託契約重要事項説明において説明しなければならない事項として適切なものはいくつあるか。ア管理業務の内容及び実施方法イ報酬並びにその支払の時期及び方法ウ管理業務の一部の再委託に関する事項エ管理受託契約の更新及び解除に関する事項
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:4
解説
正解は肢4です。ア〜エの四つすべてが説明しなければならない事項です。施行規則31条は、管理業務の内容及び実施方法を3号に、報酬の額並びにその支払の時期及び方法を4号に、管理業務の一部の再委託に関する事項を6号に、管理受託契約の更新及び解除に関する事項を11号に、それぞれ掲げています。このほか責任及び免責に関する事項、委託者への報告に関する事項、入居者への周知に関する事項なども説明事項とされています。
問3
賃貸住宅管理業法管理受託契約重要事項説明におけるITの活用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1管理受託契約重要事項説明に係る書面(以下、本問において「管理受託契約重要事項説明書」という。)に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合、賃貸住宅の賃貸人の承諾が必要である。
- 2管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、出力して書面を作成できる方法でなければならない。
- 3管理受託契約重要事項説明をテレビ会議等のITを活用して行う場合、管理受託契約重要事項説明書の送付から一定期間後に説明を実施することが望ましい。
- 4管理受託契約重要事項説明は、賃貸住宅の賃貸人の承諾があれば、音声のみによる通信の方法で行うことができる。
正解:4
解説
正解は肢4です。管理受託契約重要事項説明をテレビ会議等のITを活用して行う場合には、図面等の書類や説明の内容を十分に理解できる程度に映像を視認でき、双方向でやりとりできる環境が必要とされており、音声のみによる通信の方法で行うことは認められません。肢1の電磁的方法による提供に賃貸人の承諾を要すること(法13条2項)、肢2の出力して書面を作成できること(施行規則32条2項1号)、肢3の説明書の送付から一定期間後に説明を実施することが望ましいことは、いずれも正しい記述です。
問4
賃貸住宅管理業法管理受託契約の性質に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1管理受託契約は、民法上の委任と雇用の性質を併有することが想定されている。
- 2民法上の請負は、法律行為又は事実行為をすることを目的とする。
- 3建物設備の維持保全業務は、民法上の準委任に当たる。
- 4民法上の委任契約は、書面で契約を締結することが義務付けられている。
正解:3
解説
正解は肢3です。建物設備の点検や清掃などの維持保全業務は、法律行為ではない事務の委託であり、民法656条の準委任にあたります。肢1の管理受託契約は委任と請負の性質を併有すると考えられており、雇用の性質を併有するものではありません。肢2の請負は仕事の完成を目的とする契約であり(632条)、法律行為又は事実行為をすることを目的とするのは委任及び準委任です。肢4の委任は諾成・不要式の契約であり、書面で締結することは義務づけられていません。
問5
賃貸住宅管理業法次の記述のうち、賃貸住宅標準管理受託契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23日公表。以下「標準管理受託契約書」という。)にて賃貸住宅管理業者に代理権が授与されている事項に含まれないものはどれか。
- 1未収金回収の紛争対応
- 2賃貸借契約の更新
- 3修繕の費用負担についての入居者との協議
- 4原状回復についての入居者との協議
正解:1
解説
正解は肢1です。賃貸住宅標準管理受託契約書は、敷金等の受領、未収金の督促、賃貸借契約の更新、修繕の費用負担についての入居者との協議、原状回復についての入居者との協議などを代理権授与の対象としていますが、未収金回収をめぐる紛争対応は含まれていません。訴訟等の法律事務は弁護士法72条により弁護士でなければ取り扱えないためです。したがって肢2から肢4はいずれも代理権が授与されている事項であり、含まれないものは肢1です。
問6
管理実務賃貸住宅の管理の実務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1借主の入れ替えに伴う鍵交換のタイミングは、新しい借主が決定した後ではなく、従前の借主が退去したときが望ましい。
- 2空室は、劣化や傷みをできるだけ防ぐため、室内に立ち入ることは望ましくない。
- 3共用部分の清掃に関し、年間の清掃計画と定期点検計画を借主に事前に知らせることは、賃貸住宅管理業者の重要な役割である。
- 4建物共用部分の廊下や階段に借主の私物が放置されている場合、賃貸住宅管理業者は発見後、直ちに自らその私物の移動や撤去をする必要がある。
正解:3
解説
正解は肢3です。共用部分の年間の清掃計画と定期点検計画をあらかじめ借主に知らせておくことは、生活への支障を減らし信頼関係を保つうえで賃貸住宅管理業者の重要な役割です。肢1の鍵交換は退去後の原状回復工事が終わり新しい借主が決定した後に行うのが望ましく、肢2の空室も定期的に立ち入って換気や通水を行う必要があり、肢4の廊下等に放置された私物は借主の所有物であるため、管理業者が直ちに自ら移動・撤去することは自力救済にあたり許されません。
問7
建物・設備賃貸住宅等の管理と自然災害に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1賃貸借契約締結時には、借主に対し、地方公共団体が作成した水害ハザードマップ等に記載された避難所の位置について示すことが望ましい。
- 2ブロック塀の耐震診断や除去・改修等を行う場合、地方公共団体が設ける助成金制度の活用を検討することが望ましい。
- 3震災等の不可抗力による賃貸住宅の損傷の修繕費用は借主が負担すべきものではない。
- 4震災等の不可抗力により賃貸住宅の設備の一部が損傷した場合、貸主はその修繕を拒むことができる。
正解:4
解説
正解は肢4です。貸主は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負い(民法606条1項)、損傷が震災等の不可抗力によるものであってもこの義務を免れません。修繕を拒めるのは借主の責めに帰すべき事由によって修繕が必要となった場合です。肢1の水害ハザードマップに記載された避難所の位置を示すこと、肢2のブロック塀の耐震診断や除去・改修に対する助成金制度の活用、肢3の不可抗力による損傷の修繕費用を借主に負担させられないことは、いずれも適切です。
問8
借地借家法・民法土地工作物責任に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。ア建物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、一次的には所有者が土地工作物責任を負い、所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、占有者が土地工作物責任を負う。イ建物の管理を行う賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として土地工作物責任を負うことがある。ウ建物に建築基準法違反があることによって他人に損害を生じたときは、建設業者が損害賠償責任を負うのであって、建物の所有者及び占有者は土地工作物責任を負わない。エ設置の瑕疵とは、設置当初から欠陥がある場合をいい、保存の瑕疵とは、設置当初は欠陥がなかったが、設置後の維持管理の過程において欠陥が生じた場合をいう。
- 1ア、ウ
- 2イ、ウ
- 3イ、エ
- 4ア、エ
正解:3
解説
正解は肢3です。イとエが適切な記述です。イのように建物の安全確保について事実上の支配を及ぼしている賃貸住宅管理業者は、民法717条1項の占有者として土地工作物責任を負うことがあります。エの設置の瑕疵と保存の瑕疵の区別も同項の解釈のとおりです。アは一次的に責任を負うのが占有者であり、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときに所有者が責任を負うため記述が逆です。ウは建築基準法違反があっても所有者・占有者が工作物責任を免れるわけではありません。
問9
管理実務「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1賃貸借契約書に居室のクリーニング費用の負担に関する定めがない場合、借主が通常の清掃を怠ったことにより必要となる居室のクリーニング費用は貸主負担となる。
- 2賃貸借契約書に原状回復について経年劣化を考慮する旨の定めがない場合、借主が過失により毀損したクロスの交換費用は経過年数を考慮せず、全額借主負担となる。
- 3賃貸借契約書に原状回復費用は全て借主が負担する旨の定めがあれば、当然に、借主は通常損耗に当たる部分についても原状回復費用を負担しなければならない。
- 4賃貸借契約書に借主の帰責事由に基づく汚損を修復する費用について借主負担とする旨の定めがない場合であっても、借主がクロスに行った落書きを消すための費用は借主の負担となる。
正解:4
解説
正解は肢4です。借主がクロスに行った落書きを消すための費用は、通常の使用によって生じた損耗ではなく借主の故意によって生じた損傷の修復にあたるため、契約書に特段の定めがなくても借主の負担となります。肢1の通常の清掃を怠ったことにより必要となったクリーニング費用は借主負担であり、肢2の借主の過失による毀損でも経過年数を考慮して負担割合を決めるのが原則であり、肢3の通常損耗まで借主負担とする特約はその旨が明確に合意されていなければ効力を認められません。
問10
管理実務原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1壁クロスの毀損箇所が一部分であっても、他の面と色や模様を合わせないと商品価値が維持できない場合には、居室全体の張り替え費用は借主負担となる。
- 2フローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借主の負担とすることはできない。
- 3畳の毀損箇所が1枚であっても、色合わせを行う場合は、居室全体の畳交換費用が借主負担となる。
- 4鍵の紛失に伴う鍵交換費用は、紛失した鍵の本数に応じた按分割合による額又は経過年数を考慮した額のいずれか低い額による。
正解:2
解説
正解は肢2です。原状回復ガイドラインは、フローリングの補修を原則として毀損部分の平方メートル単位とし、毀損が複数箇所に及んで居室全体の張替えが必要な場合を除き、居室全体の張替え費用を借主の負担とすることはできないとしています。肢1と肢3の色合わせや模様合わせは、借主に原状回復義務を超える負担を課すもので貸主の負担です。肢4の鍵交換費用は紛失した場合にシリンダーの交換費用を借主負担とするもので、本数按分や経過年数の考慮によるものではありません。
問11
建物・設備「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(国土交通省住宅局平成13年3月23日策定)において、新築される共同住宅に防犯上必要とされる事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するものとされている。
- 2住戸の玄関扉について、ピッキングが困難な構造を有する錠の設置までは不要とされている。
- 3接地階に存する住戸の窓で、バルコニー等に面するもの以外のものは、面格子の設置等の侵入防止に有効な措置を行うものとされている。
- 4共用玄関の照明設備の照度は、その内側の床面においては概ね50ルクス以上とされている。
正解:2
解説
正解は肢2です。「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」は、住戸の玄関扉について、ピッキングやサムターン回し等の侵入手口に対抗できる構造を有する錠を設置するものとしており、その設置までは不要とする肢2が最も不適切です。肢1のエレベーターのかご内への防犯カメラの設置、肢3の接地階に存する住戸の窓に対する面格子等の侵入防止措置、肢4の共用玄関の照明設備の照度を内側の床面で概ね50ルクス以上とすることは、いずれも同指針のとおりです。
問12
建物・設備住宅の居室に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1住宅の居室とは、人が長時間いる場所のことであり、居間や寝室等が該当し、便所は除かれる。
- 2住宅の居室には、原則として、床面積の20分の1以上の換気に有効な開口部が必要である。
- 3襖等常に解放できるもので間仕切られた2つの居室は、換気に関し、1室とみなすことはできない。
- 4共同住宅では、その階における居室の床面積の合計が100平方メートル(耐火、準耐火構造の場合は200平方メートル)を超える場合は、避難するための直通階段を2つ以上設けなければならない。
正解:3
解説
正解は肢3です。建築基準法28条4項は、ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた2室を、採光及び換気の規定の適用については1室とみなすと定めています。1室とみなすことはできないとする肢3が誤りです。肢1の居室の意義、肢2の換気に有効な開口部を床面積の20分の1以上とすること(同条2項)、肢4の共同住宅でその階の居室の床面積の合計が100平方メートル(耐火・準耐火構造は200平方メートル)を超える場合に直通階段を2以上設けること(施行令121条1項5号・2項)は、いずれも正しい記述です。
問13
建物・設備賃貸住宅の耐震改修方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1木造において、基礎と土台、柱と梁を金物で緊結して補強する。
- 2木造において、壁や開口部を構造パネルや筋かい等で補強する。
- 3木造において、地震力を吸収する制震装置(ダンパー)を取り付けても効果がない。
- 4鉄筋コンクリート造において、耐震壁や筋かいを増設する。
正解:3
解説
正解は肢3です。制震装置(ダンパー)は建物に入力された地震のエネルギーを吸収して揺れを低減する装置であり、木造住宅の耐震改修にも用いられて効果があります。効果がないとする肢3が最も不適切です。肢1の基礎と土台、柱と梁を金物で緊結する補強、肢2の壁や開口部を構造用パネルや筋かい等で補強すること、肢4の鉄筋コンクリート造における耐震壁や鉄骨ブレースの増設は、いずれも一般的な耐震改修の方法として適切です。
問14
建物・設備修繕履歴情報に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1建物の履歴情報の利用によっては、建物の維持保全にかかる費用の無駄を省くことはできない。
- 2賃貸借契約締結等の判断材料となり得る履歴情報が、賃貸借の意思決定時に適切に提供されることにより、入居後のトラブル防止にもつながる。
- 3正確な履歴情報を利用することにより、災害が発生した際の復旧に迅速かつ適切な対応をとることが可能となる。
- 4建物の履歴情報は、建物の所有者に帰属するものであるが、所有者から管理委託を受けている者が、必要に応じて利用に供することが考えられる。
正解:1
解説
正解は肢1です。修繕履歴情報を蓄積して利用すれば、劣化の進行状況や過去の工事内容を踏まえて必要な修繕を必要な時期に行えるため、建物の維持保全にかかる費用の無駄を省くことができます。これを否定する肢1が最も不適切です。肢2の賃貸借の意思決定時に履歴情報が提供されることによる入居後のトラブル防止、肢3の災害発生時の迅速かつ適切な復旧、肢4の履歴情報が所有者に帰属し管理委託を受けた者が必要に応じて利用に供することは、いずれも適切です。
問15
建物・設備建物の維持保全に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1建築基準法第8条は、「建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない」と規定しているが、これは建物管理者にも課せられた義務である。
- 2集合賃貸住宅は、建築基準法第12条による定期調査・検査報告の対象とはならない。
- 3建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告は、建物の構造を対象とするものであり、敷地は対象とならない。
- 4建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告の対象には、昇降機は含まれない。
正解:1
解説
正解は肢1です。建築基準法8条1項は、建築物の所有者、管理者又は占有者に対し、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならないと定めており、建物の管理者もその名宛人です。肢2の集合賃貸住宅も特定行政庁が指定すれば12条の定期調査・検査報告の対象となり、肢3の定期調査の対象には敷地も含まれ(12条1項)、肢4の昇降機も特定建築設備等として定期検査報告の対象となるため(同条3項)、いずれも誤りです。
問16
建物・設備屋上と外壁の管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1陸屋根では、土砂や落ち葉、ゴミ等が排水口をふさいでしまうと、屋上に雨水が溜まり、防水の性能に影響を与え、漏水の原因にもなる。
- 2傾斜屋根(カラーベスト等)は、夏の温度上昇、冬の温度低下の繰り返しにより、素地自体の変形やゆがみ等を起こすことがあるが、雨漏れの要因とはならない。
- 3コンクリート打ち放しの外壁は、鉄筋発錆に伴う爆裂を点検する必要はない。
- 4タイル張り外壁の定期調査方法で、接着剤張り工法以外は、劣化等によりタイルが剥離するおそれがあるので、原則竣工後10年ごとに全面打診等の調査を行わなければならない。
正解:1
解説
正解は肢1です。陸屋根では排水口(ルーフドレン)が土砂や落ち葉、ゴミ等でふさがれると屋上に雨水が溜まり、防水層の性能を損なって漏水の原因になります。肢2の傾斜屋根は温度変化の繰り返しによる素地の変形やゆがみが雨漏れの要因となり、肢3のコンクリート打ち放しの外壁は中性化に伴う鉄筋の発錆と爆裂の点検が必要であり、肢4のタイル張り外壁の全面打診等の調査は接着剤張り工法も含めて竣工等から10年を超える場合に求められるため、いずれも誤りです。
問17
建物・設備建物の修繕に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1建物は時間の経過とともに劣化するので、長期修繕計画を策定し、維持管理コストを試算することは有益である一方、その費用は不確定なことから賃貸経営の中に見込むことはできない。
- 2長期修繕計画は、数年に一度は見直しを行うことにより、適切な実施時期を確定することが必要である。
- 3長期修繕計画によって修繕費とその支払時期が明確になることから、将来に備えて計画的な資金の積立てが必要となる。
- 4計画修繕を実施することで、住環境の性能が維持でき、入居率や家賃水準の確保につながり、賃貸不動産の安定的経営を実現できる。
正解:1
解説
正解は肢1です。長期修繕計画によって修繕費とその支払時期を見積もることは、賃貸経営の収支計画に修繕費用を織り込むために不可欠であり、費用が不確定であることを理由に賃貸経営の中に見込めないとする肢1が最も不適切です。肢2の数年に一度の見直しによって適切な実施時期を確定すること、肢3の修繕費とその支払時期が明確になることに伴う将来に備えた計画的な資金の積立て、肢4の計画修繕による住環境の性能維持と入居率・家賃水準の確保を通じた安定的経営の実現は、いずれも適切な記述です。
問18
建物・設備給水設備・給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1水道直結方式のうち直結増圧方式は、水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住居へ直接給水する方式である。
- 2さや管ヘッダー方式は、台所と浴室等、同時に2か所以上で使用しても水量や水圧の変動が少ない。
- 3受水槽の天井、底又は周壁は、建物の躯体と兼用することができる。
- 4ガス給湯機に表示される号数は、1分間に現状の水温+25℃のお湯をどれだけの量(リットル)を出すことができるかを表した数値である。
正解:3
解説
正解は肢3です。受水槽は上下・四方の6面すべてを点検できるようにしなければならず、天井、底又は周壁を建物の躯体と兼用することはできません。兼用できるとする肢3が最も不適切です。肢1の直結増圧方式が水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住戸へ直接給水する方式であること、肢2のさや管ヘッダー方式が同時使用時の水量・水圧の変動が小さいこと、肢4のガス給湯機の号数が水温に25度を加えた湯を1分間に何リットル出せるかを示す数値であることは、いずれも適切です。
問19
建物・設備換気設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用した方式である。
- 2給気・排気ともに機械換気とする方式は、機械室、電気室等に採用される。
- 3給気のみ機械換気とする方式は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない。
- 4新築建物は、ごく一部の例外を除いて、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物の除去対策として24時間稼働する機械換気設備の設置が義務づけられている。
正解:3
解説
正解は肢3です。給気のみを機械換気とする第2種換気方式は室内が正圧になり、室内の空気が他の部屋へ流出するため、清浄度を保つべき室に用いられます。室内が負圧になるとする肢3が誤りです。肢1の自然換気が室内外の温度差による対流や風圧等を利用する方式であること、肢2の給気・排気ともに機械で行う第1種換気を機械室や電気室等に採用すること、肢4の新築建物における24時間稼働の機械換気設備の設置義務(建築基準法28条の2第3号、施行令20条の8)は、いずれも正しい記述です。
問20
借地借家法・民法敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1貸主は、建物明渡し後でなければ、敷金を未払賃料に充当することができない。
- 2敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭であるから、貸主との合意があっても賃貸借契約の締結後に預け入れることができない。
- 3貸主が建物を借主に引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合、特段の事情がない限り、敷金に関する権利義務は当然に当該第三者に承継される。
- 4賃貸借契約が終了し、建物が明け渡された後、借主が行方不明となったことにより、借主に対し敷金の充当の通知ができない場合、貸主は敷金を未払賃料や原状回復費用に充当することができない。
正解:3
解説
正解は肢3です。賃貸建物の所有権が移転して賃貸人たる地位が譲受人に承継されると、敷金に関する権利義務も当然に譲受人に承継されます(民法605条の2第4項)。肢1は賃貸借の存続中であっても貸主の側から敷金を未払賃料に充当することができ(622条の2第2項)、肢2は敷金を契約締結後に預け入れる合意も有効であり、肢4は賃貸借が終了して建物が明け渡された時点で未払賃料等に当然に充当されるため借主への通知は不要であり、いずれも不適切です。
問21
借地借家法・民法賃料増減請求に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。ア賃料増減請求は、請求権を行使した時ではなく、客観的に賃料が不相当となった時に遡って効力を生ずる。イ賃料改定を協議により行うとする特約が定められている場合であっても、賃料増減請求を行うことができる。ウ借主が賃料減額請求を行ったが、協議が調わない場合、減額を正当とする裁判が確定するまでの間、借主は減額された賃料を支払えば足り、貸主は従前の賃料を請求することができない。エ賃料改定については、合意が成立しなければ、訴訟によって裁判所の判断を求めることになるが、原則として、訴訟提起の前に調停を申し立てなければならない。
- 1ア、イ
- 2ア、ウ
- 3イ、エ
- 4ウ、エ
正解:3
解説
正解は肢3です。イとエが適切な記述です。イの賃料改定を協議により行うとする特約があっても、借地借家法32条1項の賃料増減請求権は排除されません。エの賃料改定を求める訴えは調停前置とされ、原則として訴えの提起の前に調停を申し立てる必要があります(民事調停法24条の2)。アの増減請求は形成権であり、意思表示が到達した時から将来に向かって効力を生じます。ウは減額請求について協議が調わない間、貸主は相当と認める額の賃料の支払を請求できます(32条3項)。
問22
管理実務賃料回収及び明渡しに向けた業務に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。ア明渡しを命じる判決が確定すれば、貸主は、強制執行によることなく、居室内に立ち入り、残置物を処分することができる。イ貸主は、契約解除後、借主が任意に明渡すことを承諾している場合、明渡し期限後の残置物の所有権の放棄を内容とする念書を取得すれば、借主が退去した後に残置物があったとしても自らこれを処分することができる。ウ貸主は、借主の未払賃料について、支払を命じる判決が確定しなければ、賃料債務の有無及び額が確定しないため、敷金を充当することができない。エ貸主は、賃貸借契約書を公正証書で作成した場合であっても、建物の明渡しの強制執行をするためには、訴訟を提起して判決を得なければならない。
- 1ア、イ
- 2ア、ウ
- 3イ、エ
- 4ウ、エ
正解:2
解説
正解は肢2です。不適切なものはアとウの組合せです。アは明渡しを命じる判決が確定しても、貸主が自ら居室に立ち入って残置物を処分することは自力救済にあたり許されず、強制執行の手続によらなければなりません。ウは敷金が賃貸借に基づいて生じた債務に充当されるものであり(民法622条の2第2項)、判決の確定を待つ必要はありません。イの所有権放棄の念書を取得したうえでの残置物の処分、エの建物明渡しについて公正証書が債務名義とならないことは、いずれも適切です。
問23
借地借家法・民法賃貸住宅標準契約書(国土交通省住宅局平成30年3月公表)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1賃貸住宅標準契約書では、建物賃貸借の目的を「住居」と「事務所」に限定している。
- 2賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。
- 3賃貸住宅標準契約書では、賃料は、建物の使用対価のみを指し、敷地の使用対価は含まないものとされている。
- 4賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は、貸主が負担するものとされている。
正解:2
解説
正解は肢2です。賃貸住宅標準契約書には更新料の支払に関する条項が置かれていません。同契約書は国土交通省が公表する参考様式であり、当事者が合意して更新料の定めを設けること自体は妨げられません。肢1は使用目的を居住に限っており事務所は含まれず、肢3は賃料が建物の使用対価であるとともに敷地の使用対価も含むものとされ、肢4は共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用が共益費として借主の負担とされているため、いずれも誤りです。
問24
借地借家法・民法Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借契約においてBが死亡した場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実及び特約はないものとする。
- 1Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(Bには相続人が存在するものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡しを拒むことができない。
- 2Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(Bには相続人が存在しないものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡しを拒むことができない。
- 3Aが地方公共団体の場合で、賃貸住宅が公営住宅(公営住宅法第2条第2号)であるときに、Bが死亡しても、その相続人は当然に使用権を相続によって承継することにはならない。
- 4Bが死亡し、相続人がいない場合、賃借権は当然に消滅する。
正解:3
解説
正解は肢3です。公営住宅の使用関係には公営住宅法及び条例が優先して適用され、入居者が死亡しても相続人が当然に使用権を相続によって承継することにはならないとするのが判例です。肢1は相続人がいる場合でも内縁の配偶者は相続人が承継した賃借権を援用して居住を続けられ、肢2は相続人がいない場合に借地借家法36条により内縁の配偶者が賃借人の権利義務を承継し、肢4は相続人がいなくても賃借権が当然に消滅するわけではないため、いずれも不適切です。
問25
借地借家法・民法建物賃貸借契約における必要費償還請求権、有益費償還請求権及び造作買取請求権に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。ア賃貸物件に係る必要費償還請求権を排除する旨の特約は有効である。イ借主が賃貸物件の雨漏りを修繕する費用を負担し、貸主に請求したにもかかわらず、貸主が支払わない場合、借主は賃貸借契約終了後も貸主が支払をするまで建物の明渡しを拒むことができ、明渡しまでの賃料相当損害金を負担する必要もない。ウ借主が賃貸物件の汲取式トイレを水洗化し、その後賃貸借契約が終了した場合、借主は有益費償還請求権として、水洗化に要した費用と水洗化による賃貸物件の価値増加額のいずれか一方を選択して、貸主に請求することができる。エ借主が賃貸物件に空調設備を設置し、賃貸借契約終了時に造作買取請求権を行使した場合、貸主が造作の代金を支払わないときであっても、借主は賃貸物件の明渡しを拒むことができない。
- 1ア、イ
- 2イ、ウ
- 3ウ、エ
- 4ア、エ
正解:4
解説
正解は肢4です。アとエが適切な記述です。アの民法608条1項は任意規定であり、必要費償還請求権を排除する特約も有効です。エの造作買取請求権に基づく代金債権は建物自体に関して生じた債権ではないため、借主は同時履行の抗弁や留置権を理由に建物の明渡しを拒むことはできません。イは留置権により明渡しを拒めても賃料相当額は不当利得として返還を要し、ウの有益費は支出した金額か増価額かを貸主が選択するため(608条2項・196条2項)、いずれも不適切です。
問26
借地借家法・民法定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1中途解約特約のある定期建物賃貸借契約において、貸主は契約期間中であっても、正当事由を具備することなく契約を解約することができる。
- 2定期建物賃貸借契約書は、同契約を締結する際に義務付けられる事前説明の書面を兼ねることができる。
- 3賃貸借の媒介業者が宅地建物取引業法第35条に定める重要事項説明を行う場合、定期建物賃貸借契約であることの事前説明の書面は不要である。
- 4定期建物賃貸借契約において、賃料減額請求権を行使しない旨の特約は有効である。
正解:4
解説
正解は肢4です。定期建物賃貸借では借賃の改定に係る特約があるときは借地借家法32条が適用されないため(38条9項)、賃料減額請求権を行使しない旨の特約も有効です。肢1は中途解約特約があっても貸主からの解約には正当事由が必要であり、肢2の事前説明の書面は契約書とは別個独立の書面でなければならないとするのが判例であり、肢3は宅地建物取引業法35条の重要事項説明を行っても借地借家法38条3項の事前説明を省略できないため、いずれも誤りです。
問27
借地借家法・民法Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借においてCを連帯保証人とする保証契約に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。アBが賃料の支払を怠ったので、AがCに対して保証債務履行請求権を行使した場合、Cは、Bには弁済する資力があり、かつその執行が容易である旨を証明すれば、AがBの財産について執行を行わない間は保証債務の履行を免れる。イAの賃料債権を被担保債権とする抵当権がD所有の甲不動産に設定されていた場合、Dの負う責任は甲不動産の範囲に限られるところ、Cの負う責任はCの全財産に及ぶ。ウCが自然人ではなく法人の場合は、極度額を書面で定めなくてもよい。エBの賃借人の地位がAの承諾の下、第三者に移転した場合、Cが引き続き連帯保証債務を負担することを「保証の随伴性」という。
- 1ア、イ
- 2イ、ウ
- 3ウ、エ
- 4ア、エ
正解:4
解説
正解は肢4です。誤っているものはアとエの組合せです。アの連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権もありません(民法454条)。エは主たる債務者である借主の地位が第三者に移転した場合、保証は原則として新賃借人の債務には及ばず、これを保証の随伴性とはいいません。随伴性は債権が譲渡された場合に保証債務も移転することをいいます。イの物上保証人と保証人とで責任財産の範囲が異なること、ウの保証人が法人であれば極度額の定めを要しないことは、いずれも正しい記述です。
問28
借地借家法・民法Aを貸主、Bを借主とする賃貸住宅(以下、「甲建物」という。)の所有権がCに移転した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。
- 1Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けていれば、賃貸人たる地位はCに移転する。
- 2Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けている場合に、AC間で賃貸人の地位をAに留保し、かつCがAに甲建物を賃貸する旨の合意をすれば、Bの承諾がなくても、賃貸人の地位はAに留保される。
- 3Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けている場合に、所有権移転登記を経由していないCから甲建物の賃料の支払を求められても、Bは支払を拒むことができる。
- 4Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けておらず、かつ賃貸借の登記も経由していない場合に、AC間で賃貸人の地位を移転することにつき合意しても、Bの承諾がなければ、賃貸人の地位はCに移転しない。
正解:4
解説
正解は肢4です。不動産の譲渡人が賃貸人であるときは、賃貸人たる地位は賃借人の承諾を要しないで譲渡人と譲受人との合意により譲受人に移転させることができます(民法605条の3)。承諾がなければ移転しないとする肢4が誤りです。肢1は対抗要件を備えた賃借人がいる場合の当然承継(605条の2第1項)、肢2は賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨の合意(同条2項)、肢3は所有権移転登記がなければ賃貸人たる地位の移転を賃借人に対抗できないこと(同条3項)を述べたもので、いずれも正しい記述です。
問29
賃貸住宅管理業法管理業法における賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1賃貸住宅とは、賃貸借契約を締結し賃借することを目的とした、人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分をいう。
- 2建築中の家屋は、竣工後に賃借人を募集する予定で、居住の用に供することが明らかな場合であっても、賃貸住宅に該当しない。
- 3未入居の住宅は、賃貸借契約の締結が予定され、賃借することを目的とする場合、賃借人の募集前であっても、賃貸住宅に該当する。
- 4マンションのように通常居住の用に供される一棟の家屋の一室について賃貸借契約を締結し、事務所としてのみ賃借されている場合、その一室は賃貸住宅に該当しない。
正解:2
解説
正解は肢2です。管理業法2条1項の賃貸住宅は賃貸の用に供する住宅をいい、建築中の家屋であっても、竣工後に賃借人を募集する予定で居住の用に供することが明らかな場合には賃貸住宅に該当します。該当しないとする肢2が誤りです。肢1の定義、肢3の未入居の住宅が賃借人の募集前でも賃貸住宅にあたること、肢4のマンションの一室が事務所としてのみ賃借されている場合は人の生活の本拠として使用されないため賃貸住宅にあたらないことは、いずれも正しい記述です。
問30
賃貸住宅管理業法管理業法における管理業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1管理業務には、賃貸住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃その他の維持を行い、及び必要な修繕を行うことが含まれる。
- 2管理業務には、賃貸住宅の維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務が含まれるが、当該契約は賃貸人が当事者となるものに限られる。
- 3賃貸住宅に係る維持から修繕までを一貫して行う場合であっても、賃貸住宅の居室以外の部分のみについて行うときは、賃貸住宅の維持保全には該当しない。
- 4管理業務には、賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務が含まれるが、維持保全と併せて行うものに限られる。
正解:2
解説
正解は肢2です。管理業法2条2項1号は、維持保全を行う業務に加え、賃貸人のために維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務を管理業務に含めています。取次ぎは自己の名で行うものであり、賃貸人が当事者となるものに限られるとする肢2が誤りです。肢1の点検・清掃その他の維持と必要な修繕、肢3の居室以外の部分のみでは維持保全に該当しないこと、肢4の金銭の管理が維持保全と併せて行うものに限られること(同項2号)は、いずれも正しい記述です。
問31
賃貸住宅管理業法管理業法における賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1賃貸住宅管理業者は、使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければならない。
- 2賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない。
- 3賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに、業務に関する帳簿を備え付け、委託者ごとに管理受託契約について契約年月日等の事項を記載して保存しなければならない。
- 4賃貸住宅管理業者は、再委託先が賃貸住宅管理業者であれば、管理業務の全部を複数の者に分割して再委託することができる。
正解:4
解説
正解は肢4です。管理業法15条は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に対し再委託することを禁じています。再委託先が賃貸住宅管理業者であっても、また複数の者に分割して委託しても、全部を再委託することは許されないため肢4が誤りです。肢1の従業者証明書の携帯(17条1項)、肢2の家賃等の分別管理(16条)、肢3の営業所又は事務所ごとの帳簿の備付けと委託者ごとの記載・保存(18条)は、いずれも正しい記述です。
問32
賃貸住宅管理業法管理業法における登録及び業務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1賃貸住宅管理業者である個人が死亡したときは、その相続人は、死亡日から30日以内に国土交通大臣に届け出なければならない。
- 2賃貸住宅管理業者である法人が合併により消滅したときは、その法人の代表役員であった者が国土交通大臣に届け出なくても、賃貸住宅管理業の登録は効力を失う。
- 3破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は、賃貸住宅管理業者の役員となることはできないが、業務管理者となることができる。
- 4賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに掲示しなければならない標識について公衆の見やすい場所を確保できない場合、インターネットのホームページに掲示することができる。
正解:2
解説
正解は肢2です。賃貸住宅管理業者である法人が合併により消滅したときは、その法人を代表する役員であった者が届け出るものとされていますが(管理業法9条1項2号)、登録の効力は届出の有無にかかわらず失われます(同条2項)。肢1の個人が死亡した場合の起算点はその事実を知った日であり、肢3の破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は6条1項2号に該当し業務管理者にもなれず(12条4項)、肢4の標識はホームページへの掲示では足りないため、いずれも誤りです。
問33
賃貸住宅管理業法特定賃貸借標準契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23日更新。以下、各問において同じ。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、特約はないものとする。
- 1特定賃貸借標準契約書では、賃貸住宅内の修繕を借主が実施するとしている場合には、転貸借契約終了時の賃貸住宅内の修繕は、貸主と協議をすることなく借主がその内容及び方法を決定することができるとされている。
- 2特定賃貸借標準契約書では、転貸借契約を定期建物賃貸借にするか否かは、借主と転借人との間の合意により自由に決定することができるとされている。
- 3特定賃貸借標準契約書では、転借人が賃貸借の目的物を反社会的勢力の事務所に供していた場合には、借主は、催告をすることなく、転貸借契約を解除することができるとされている。
- 4特定賃貸借標準契約書では、転貸借契約から生じる転借料と転借人から交付された敷金は、借主の固有の財産及び他の貸主の財産と分別したうえで、まとめて管理することができるとされている。
正解:3
解説
正解は肢3です。特定賃貸借標準契約書は、転借人が賃貸借の目的物を反社会的勢力の事務所その他の活動の拠点に供した場合を、催告を要しない解除事由としています。肢1の賃貸住宅内の修繕を借主が実施する場合でも、その内容及び方法は貸主と協議して決めるものとされ、肢2の転貸借契約を定期建物賃貸借とするか否かは貸主が定める転貸の条件に関わるため借主と転借人の合意のみで自由に決められず、肢4の転借料と転借人から交付された敷金は分別して管理する必要があるため、いずれも不適切です。
問34
賃貸住宅管理業法特定賃貸借標準契約書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、特約はないものとする。
- 1特定賃貸借標準契約書では、借主が賃貸住宅の維持保全をするに当たり、特定賃貸借契約締結時に貸主から借主に対し必要な情報の提供がなかったことにより借主に損害が生じた場合には、その損害につき貸主に負担を求めることができるとされている。
- 2特定賃貸借標準契約書では、貸主が賃貸住宅の修繕を行う場合は、貸主はあらかじめ自らその旨を転借人に通知しなければならないとされている。
- 3特定賃貸借標準契約書では、賃貸住宅の修繕に係る費用については、借主又は転借人の責めに帰すべき事由によって必要となったもの以外であっても、貸主に請求できないものがあるとされている。
- 4特定賃貸借標準契約書では、借主が行う賃貸住宅の維持保全の内容及び借主の連絡先については、転借人に対し、書面又は電磁的方法による通知をしなければならないとされている。
正解:2
解説
正解は肢2です。特定賃貸借標準契約書では、貸主が賃貸住宅の修繕を行う場合、貸主はあらかじめ借主を通じて転借人に通知するものとされており、貸主が自ら転借人に通知するのではありません。肢1の契約締結時に貸主から必要な情報の提供がなかったことにより借主に損害が生じた場合の負担、肢3の借主・転借人の責めに帰すべき事由によらない修繕費用でも貸主に請求できないものがあること、肢4の維持保全の内容と借主の連絡先を書面又は電磁的方法で転借人に通知することは、いずれも適切です。
問35
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者の貸主への報告に関する次の記述のうち、特定賃貸借標準契約書によれば最も適切なものはどれか。ただし、特約はないものとする。
- 1貸主との合意に基づき定めた期日において、賃貸住宅の維持保全の実施状況や転貸条件の遵守状況、転借人からの転借料の収納状況について、貸主に対し書面を交付して定期報告を行わなければならない。
- 2貸主は、借主との合意に基づき定めた期日以外であっても、必要があると認めるときは、借主に対し、維持保全の実施状況に関して報告を求めることができる。
- 3修繕を必要とする箇所を発見した場合、それが緊急を要する状況ではなかったときには、定期報告において貸主に書面を交付して報告を行うことができる。
- 4自然災害が発生し緊急に修繕を行う必要が生じたため、貸主の承認を受ける時間的な余裕がなく、承認を受けずに当該業務を実施したときは、貸主への報告をする必要はない。
正解:2
解説
正解は肢2です。特定賃貸借標準契約書は、貸主が必要があると認めるときは、合意に基づき定めた期日以外であっても借主に対し維持保全の実施状況に関して報告を求めることができるとしています。肢1の定期報告は書面を交付して行うことまでは求められておらず、肢3の修繕を必要とする箇所を発見したときは緊急を要しない場合でも速やかに貸主に通知すべきものとされ、肢4の緊急修繕を承認なく実施した場合も事後に速やかに報告する必要があるため、いずれも不適切です。
問36
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対して交付しなければならない書面(以下、「特定賃貸借契約締結時書面」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1特定賃貸借契約締結時書面は、特定賃貸借契約書と同時に賃貸人に交付する必要はない。
- 2特定転貸事業者が特定賃貸借契約を更新する際、賃貸人に支払う家賃を減額するのみでその他の条件に変更がなければ、特定賃貸借契約締結時書面の交付は不要である。
- 3特定賃貸借契約締結時書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合、あらかじめ相手方の承諾を得なければならない。
- 4特定転貸事業者が特定賃貸借契約締結時書面の交付を怠った場合、50万円以下の罰金に処される場合がある。
正解:2
解説
正解は肢2です。特定賃貸借契約を更新する際に賃貸人に支払う家賃を減額することは契約内容の変更にあたるため、変更のあった事項について特定賃貸借契約締結時書面を交付しなければならず、不要とする肢2が誤りです。肢1の締結時書面は遅滞なく交付すれば足り契約書と同時である必要はなく、肢3の電磁的方法による提供にはあらかじめ相手方の承諾を要し(管理業法31条2項・30条2項)、肢4の交付を怠った場合に50万円以下の罰金に処されること(43条)は、いずれも正しい記述です。
問37
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結しようとするときに契約の相手方となろうとする者に説明しなければならない事項に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア特定賃貸借契約の対象となる賃貸住宅の面積イ特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃の設定根拠ウ特定賃貸借契約の相手方に支払う敷金がある場合はその額エ特定転貸事業者が賃貸住宅の維持保全を行う回数や頻度
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:4
解説
正解は肢4です。ア〜エの四つすべてが説明しなければならない事項です。施行規則45条(当時は46条)は、特定賃貸借契約の対象となる賃貸住宅を2号に、相手方に支払う家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件を3号に、特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法を4号に掲げています。アの面積は対象住宅を特定する事項、イの家賃の設定根拠とウの敷金の額は賃貸の条件、エの維持保全の回数や頻度は実施方法として、いずれも説明を要します。
問38
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う相手方への説明に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1説明の前に管理業法第30条に規定する書面(以下、本問において「特定賃貸借契約重要事項説明書」という。)等を送付しておき、送付から一定期間後に説明を実施した上で速やかに契約書を取り交わした。
- 2相手方とは、既に別の賃貸住宅について特定賃貸借契約を締結していたため、その契約と同じ内容については特定賃貸借契約重要事項説明書への記載を省略した。
- 3相手方への説明を、賃貸不動産経営管理士の資格を有しない従業者に行わせた。
- 4賃貸住宅の修繕は、特定転貸事業者が指定した業者に施工させなければならないという条件を契約に盛り込むこととし、その旨説明した。
正解:2
解説
正解は肢2です。特定賃貸借契約重要事項説明書は契約ごとに作成し、施行規則45条が定める事項をすべて記載しなければならず、同じ相手方と別の賃貸住宅について既に契約を締結していても記載を省略することはできません。肢1の書面を事前に送付して一定期間後に説明を実施することは望ましい進め方であり、肢3の説明者に資格の要件はなく、肢4の修繕を特定転貸事業者の指定業者に施工させる条件も、その旨を説明していれば直ちに不当とはいえないため、いずれも適切です。
問39
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者が特定賃貸借契約の条件について広告をする際に禁止される行為に当たるものに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア実際の周辺相場について調査していなかったが、「周辺相場より高い家賃で借り上げ」と表示した。イ大規模修繕積立金として月々の家賃から一定額を差し引く一方、日常修繕の費用負担は賃貸人に求めない予定であったため、「修繕費負担なし」と表示した。ウ契約を解除する場合には、月額家賃の数か月を支払う必要があるにもかかわらず、その旨を記載せずに、「いつでも借り上げ契約は解除できます」と表示した。エ借地借家法上の賃料減額請求が可能であるにもかかわらず、その旨を表示せず、「10年家賃保証」と表示した。
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:4
解説
正解は肢4です。ア〜エの四つすべてが禁止される行為に当たります。管理業法28条は誇大広告等を禁じ、施行規則42条(当時は43条)は家賃等の賃貸の条件、維持保全の実施方法、維持保全に要する費用の分担、契約の解除に関する事項を対象としています。アは根拠なく周辺相場より高いと表示する点、イは実際には家賃から積立金を差し引く点、ウは解約時の負担に触れない点、エは減額請求の可能性を示さず家賃保証を掲げる点で、いずれも著しく優良又は有利と誤認させる表示です。
問40
賃貸住宅管理業法特定賃貸借契約の締結について不当な勧誘を禁止される「勧誘者」に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ア勧誘者は、特定転貸事業者から委託料を受け取って勧誘の委託を受けた者に限られない。イ勧誘者が勧誘行為を第三者に再委託した場合、再委託を受けた第三者も勧誘者に該当する。ウ特定転貸事業者である親会社との間で特定賃貸借契約を結ぶよう勧める場合の子会社は、勧誘者にあたらない。エ勧誘者には不当な勧誘等が禁止されるが、誇大広告等の禁止は適用されない。
- 1ア、イ
- 2イ、ウ
- 3ウ、エ
- 4ア、エ
正解:1
解説
正解は肢1です。アとイが正しい記述です。勧誘者は特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者をいい(管理業法28条括弧書)、委託料を受け取っているかどうかは問わず、勧誘行為の再委託を受けた者も勧誘者にあたります。ウは特定転貸事業者である親会社との契約を勧める子会社も勧誘者に該当し得るため誤りです。エは28条の誇大広告等の禁止も29条の不当な勧誘等の禁止も、いずれも勧誘者に適用されるため誤りです。
問41
賃貸住宅管理業法特定賃貸借契約の適正化のための国土交通大臣の監督に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1国土交通大臣は、特定転貸事業者が国土交通大臣の指示に従わない場合でも、特定賃貸借契約に関する業務の全部の停止を命じることはできない。
- 2勧誘者が不当な勧誘等の禁止に違反した場合、特定転貸事業者が監督処分を受けることがある。
- 3国土交通大臣は、特定転貸事業者が誇大広告等の禁止に違反した場合、違反の是正のための措置をとるべきことを指示できることがある。
- 4国土交通大臣は、特定転貸事業者に対し業務停止の命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
正解:1
解説
正解は肢1です。管理業法34条1項は、特定転貸事業者が33条1項の指示に従わないときは、1年以内の期間を限り、勧誘の停止又は特定賃貸借契約に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができると定めています。全部の停止を命じられないとする肢1が誤りです。肢2は勧誘者の違反を理由に特定転貸事業者が監督処分を受けること(33条1項・34条1項)、肢3は誇大広告等の禁止違反に対する指示、肢4は業務停止命令をしたときの公表義務(34条3項)を述べたもので、いずれも正しい記述です。
問42
賃貸経営賃貸住宅の管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1募集の準備等の契約前業務、賃料の収納と送金等の契約期間中の業務、期間満了時の契約更新業務、明渡しや原状回復等の契約終了時の業務、建物の維持管理や清掃等の維持保全業務は、いずれも居室部分を対象とする業務である。
- 2貸主が賃貸住宅管理業者に管理業務を委託する管理受託方式の賃貸住宅経営において、賃貸住宅管理業者は、借主の募集、賃料の収受や契約条件の交渉、建物の維持管理の業務を、いずれも貸主の代理として行う。
- 3賃貸住宅管理業者は、建物管理のプロとしての役割を果たす、循環型社会への移行に貢献する、管理業務に関する専門知識の研鑽と人材育成に努める、といった社会的責務を負うが、貸主の賃貸住宅経営を総合的に代行する資産運営の専門家というわけではない。
- 4借主保持と快適な環境整備、透明性の高い説明と報告、新たな経営管理手法の研究と提案、能動的・体系的管理の継続、非常事態における借主のサポートは、いずれも賃貸住宅管理業者に求められる役割である。
正解:4
解説
正解は肢4です。借主保持と快適な環境整備、透明性の高い説明と報告、新たな経営管理手法の研究と提案、能動的・体系的な管理の継続、非常事態における借主のサポートは、いずれも賃貸住宅管理業者に求められる役割です。肢1の維持保全や清掃は共用部分も対象であり居室部分に限られず、肢2の管理受託方式では代理のほか媒介や事実行為として行う業務も含まれ、肢3の管理業者は貸主の賃貸住宅経営を総合的に代行する資産運営の専門家としての役割も担うため、いずれも不適切です。
問43
賃貸経営賃貸不動産経営管理士の業務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1賃貸不動産経営管理士は業務管理者として、管理受託契約重要事項説明書の交付、維持保全の実施、家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理、帳簿の備付け、貸主に対する定期報告、入居者からの苦情の処理に関する事項等を自ら実施する役割を担っている。
- 2賃貸不動産経営管理士は、業務管理者としての事務を適切に実施することに加え、賃貸借関係の適正化を図るために賃貸住宅管理業者が行う業務につき、管理・監督する役割や自ら実施する役割を担う。
- 3賃貸不動産経営管理士は、宅地建物取引業者が媒介や代理をしないサブリース方式の転貸借契約において、宅地建物取引業法に準じ、転借人に対して契約締結前の重要事項説明や契約成立時の書面の交付を行うことが期待される。
- 4賃貸不動産経営管理士は、不動産をめぐる新たな政策課題や賃貸不動産の活用方式の普及に積極的に協力して取り組み、不動産政策の推進とそれに伴う国民生活の安定向上に貢献することが求められる。
正解:1
解説
正解は肢1です。業務管理者は、重要事項説明書の交付、維持保全の実施、家賃等の金銭の管理、帳簿の備付け、貸主への定期報告、入居者からの苦情の処理といった事項について、管理及び監督に関する事務を行う立場であり(管理業法12条1項、施行規則13条)、これらを自ら実施する役割を担うとする肢1が最も不適切です。肢2の賃貸借関係の適正化に向けた管理・監督、肢3のサブリース方式における転借人への説明や書面の交付、肢4の政策課題への協力は、いずれも適切です。
問44
管理実務宅地建物取引業におけるおとり広告に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1成約済みの物件を速やかに広告から削除せずに当該物件のインターネット広告等を掲載することは、おとり広告に該当する。
- 2実際には取引する意思のない実在する物件を広告することは、物件の内容が事実に基づくものである限り、おとり広告に該当しない。
- 3他の物件情報をもとに、賃料や価格、面積又は間取りを改ざんする等して実際には存在しない物件を広告することは、おとり広告に該当する。
- 4おとり広告は、宅地建物取引業法には違反しないが、不動産の表示に関する公正競争規約(平成17年公正取引委員会告示第23号)に違反する行為である。
正解:1
解説
正解は肢1です。成約済みの物件を速やかに広告から削除せずインターネット広告等に掲載し続けることは、取引の対象とならない物件を広告するものであっておとり広告に該当します。肢2の実際には取引する意思のない物件の広告は、物件自体が実在し内容が事実であってもおとり広告にあたります。肢3の実際には存在しない物件を広告することは虚偽広告に分類されます。肢4のおとり広告は宅地建物取引業法32条の誇大広告等の禁止に違反し、公正競争規約違反にとどまるものではありません。
問45
賃貸経営不動産の税金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1サラリーマン等給与所得者は会社の年末調整により税額が確定するので、通常は確定申告をする必要はないが、不動産所得がある場合には、確定申告により計算・納付をしなければならない。
- 2不動産所得の計算において、個人の場合、減価償却の方法は定率法を原則とするが、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すれば定額法によることも認められる。
- 3賃貸不動産購入時のさまざまな支出のうち、不動産取得税や登録免許税、登記費用、収入印紙等はその年の必要経費とすることができるが、建築完成披露のための支出は建物の取得価額に含まれる。
- 4不動産所得の収入に計上すべき金額は、その年の1月1日から12月31日までの間に実際に受領した金額とすることが原則であり、未収賃料等を収入金額に含める必要はない。
正解:1
解説
正解は肢1です。給与所得者は年末調整により所得税額が確定しますが、不動産所得がある場合には確定申告により税額を計算して納付しなければなりません。肢2は個人の減価償却が定額法を原則とし届出により定率法も選択できるという関係で記述が逆であり、肢3は建築完成披露のための支出も必要経費とされ建物の取得価額に含めるものではなく、肢4は不動産所得が発生主義により計算され未収賃料も収入金額に計上する必要があるため、いずれも誤りです。
問46
賃貸経営登録講習修了者は免除賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1住生活基本法に基づき令和3年3月19日に閣議決定された住生活基本計画では、基本的な施策として、子育て世帯等が安心して居住できる賃貸住宅市場の整備が掲げられている。
- 2家賃債務保証業者登録規程(平成29年10月2日国土交通省告示第898号)によれば、国土交通大臣は、家賃債務保証業者登録簿を一般の閲覧に供する。
- 3不動産登記において建物の床面積は、区分所有建物の専有部分の場合を除き、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により計算する。
- 4土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じたときの損害賠償責任を、賃貸不動産の管理を受託した賃貸住宅管理業者が負うことはない。
正解:4
解説
正解は肢4です。土地の工作物の設置又は保存の瑕疵による損害賠償責任は一次的に占有者が負うところ(民法717条1項)、建物の安全確保について事実上の支配を及ぼす賃貸住宅管理業者も占有者として責任を負うことがあり、負うことはないとする肢4が誤りです。肢1の住生活基本計画における子育て世帯等が安心して居住できる賃貸住宅市場の整備、肢2の家賃債務保証業者登録簿の一般への閲覧、肢3の建物の床面積が区分建物の専有部分を除き壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によることは、いずれも正しい記述です。
問47
管理実務登録講習修了者は免除管理業務に関わる法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1障害者の差別の解消の推進に関する法律で禁止される行為を示した国土交通省のガイドライン(国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の促進に関する対応指針。平成29年3月国土交通省公表)は、宅地建物取引業者を対象としており、主として仲介の場面を想定した内容であるため、賃貸住宅管理業者の業務においては参考とならない。
- 2賃貸借契約における原状回復に係る負担の特約は、原状回復ガイドラインや過去の判例等に照らして賃借人に不利であり、それを正当化する理由がない場合には、無効とされることがある。
- 3住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録を受けるためには、国土交通省令で定める登録基準に適合していなければならない。
- 4賃貸住宅の敷地の南側に隣接する土地に高層建物が建設されることを知りながら、「陽当たり良好」と説明して賃貸借契約を成立させた場合、消費者契約法に基づき、当該賃貸借契約が取り消される場合がある。
正解:1
解説
正解は肢1です。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づく国土交通省の対応指針は、賃貸住宅の管理を行う事業者も対象としており、入居審査や入居後の対応の場面でも参考となります。参考とならないとする肢1が最も不適切です。肢2の借主に不利な原状回復特約が無効とされ得ること、肢3の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録基準への適合、肢4の重要事項の不実告知等による消費者契約法4条に基づく取消しは、いずれも適切な記述です。
問48
賃貸経営登録講習修了者は免除賃貸住宅に係る新たな政策課題に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1賃貸不動産経営管理士は、所属する賃貸住宅管理業者の積極的な指示がある場合に限り、重要な政策課題や新しい賃貸住宅の活用のあり方について制度設計を進め、実際の業務の管理及び監督や実施を担う等により、課題解決に関与する。
- 2賃貸不動産経営管理士が有する賃貸借契約や賃貸不動産管理に関する専門性は、住宅宿泊事業で必要となる専門性と親和性があることから、賃貸不動産経営管理士は、住宅宿泊事業における専門家としての役割を担う資質と能力を有している。
- 3賃貸不動産経営管理士は、空き家所有者に対し賃貸借に係る情報、入居者の募集、賃貸住宅の管理の引受けについて助言や提言をすることにより、空き家所有者が安心して賃貸不動産経営に参画できる環境を整備し、空き家問題の解決のために役割を果たすことが期待される。
- 4賃貸不動産経営管理士は、住宅扶助費の代理納付制度や残置物の処理に係る契約上の取扱い等を貸主に説明することを通じ、住宅確保要配慮者が安心して暮らせる賃貸住宅の提供のための役割を果たすことが期待される。
正解:1
解説
正解は肢1です。賃貸不動産経営管理士は、所属する賃貸住宅管理業者からの指示の有無にかかわらず、専門家として重要な政策課題や新しい賃貸住宅の活用のあり方に主体的に関与することが期待されており、積極的な指示がある場合に限るとする肢1が最も不適切です。肢2の住宅宿泊事業で必要となる専門性との親和性、肢3の空き家問題の解決への関与、肢4の住宅扶助費の代理納付制度や残置物の処理に係る取扱いの貸主への説明は、いずれも期待される役割として適切です。
問49
賃貸経営登録講習修了者は免除保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1保険とは、将来起こるかもしれない危険(事故)に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度である。
- 2賃貸不動産経営において最も活用される損害保険は、保険業法上、第一分野に分類される。
- 3地震保険は、地震、噴火又はこれらによる津波を原因とする建物や家財の損害を補償する保険であるが、特定の損害保険契約(火災保険)に付帯して加入するものとされており、単独での加入はできない。
- 4借家人賠償責任保険は、火災・爆発・水ぬれ等の不測かつ突発的な事故によって、賃貸人(転貸人を含む。)に対する法律上の損害賠償責任を負った場合の賠償金等を補償するものである。
正解:2
解説
正解は肢2です。保険業法上、生命保険が第一分野、損害保険が第二分野、傷害・医療保険等が第三分野とされており、賃貸不動産経営において最も活用される損害保険は第二分野に分類されます。第一分野とする肢2が最も不適切です。肢1の保険が相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度であること、肢3の地震保険が火災保険に付帯して加入するもので単独では加入できないこと、肢4の借家人賠償責任保険が賃貸人に対する法律上の損害賠償責任を補償することは、いずれも適切です。
問50
賃貸経営登録講習修了者は免除賃貸不動産経営の企画提案書の作成にあたっての物件調査や市場調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1物件の所在を特定する手段として、不動産登記法に基づく地番と住居表示に関する法律に基づく住居表示とがある。
- 2「事業計画」の策定においては、建築する建物の種類・規模・用途、必要資金の調達方法、事業収支計画の3点が重要な項目である。
- 3公的な土地の価格である固定資産税評価額は、公示価格の水準の6割程度とされている。
- 4公的な土地の価格である路線価(相続税路線価)は、公示価格の水準の8割程度とされている。
正解:3
解説
正解は肢3です。公的な土地の価格のうち固定資産税評価額は公示価格の7割程度を目安に評定されており、6割程度とする肢3が最も不適切です。企画提案書の作成にあたっては、これらの公的価格の水準の違いを踏まえて土地の評価額を見積もる必要があります。肢1の不動産登記法に基づく地番と住居表示に関する法律に基づく住居表示という所在の特定方法、肢2の事業計画における建物の種類・規模・用途、必要資金の調達方法、事業収支計画という3点、肢4の相続税路線価が公示価格の8割程度であることは、いずれも適切です。