2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

賃貸住宅管理業法

サブリースの不当勧誘とは?禁止行為と再勧誘の判断|賃貸不動産経営管理士【2026年度試験対応】

賃貸不動産経営管理士の不当勧誘を解説。重要事実の不告知・不実告知、威迫、迷惑な時間帯、断られた後の再勧誘を具体例で比較。特定転貸事業者と勧誘者の範囲、解除妨害も確認します。

要点 1件・基本問題 8・解説の確認問題 5問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

法令基準日
2026-04-01
最終確認日
2026-08-15
確認
chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15
サブリースの不当勧誘。禁止行為を見分ける賃貸不動産経営管理士の学習記事。

学習内容を表す生成イメージです。

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

サブリースの不当な勧誘等は、特定賃貸借契約の重要事項を故意に隠す・事実と違うことを告げる行為と、威迫や迷惑な方法などで相手方の判断を妨げる行為に分けます。契約を勧める場面だけでなく、解除を妨げる場面も対象です。相手が勧誘を断った後は、訪問から電話へ方法を変えても再勧誘は許されません。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12

規制の対象は誰?オーナーとのマスターリース契約を確認

ここでの対象は、オーナーから借りた住宅を第三者へ転貸する事業のための特定賃貸借契約です。オーナーとサブリース業者の契約をマスターリース契約、業者と入居者の契約を転貸借契約として分けると、誰を保護する規定かが見えてきます。

法29条は、特定転貸事業者だけでなく、その事業者が契約締結の勧誘を行わせる「勧誘者」にも適用されます。建設業者や不動産業者などでも、実際にそのような関係で勧誘を行う場合は対象になり得ます。

正式な委託契約書がないことだけで勧誘者から外れるとは限りません。一方、入居者を探す転貸借の募集をしているだけの場面を、オーナーとの契約の勧誘と取り違えないようにします。

根拠:賃貸住宅管理業法2条・28〜30条・42条国土交通省・サブリース事業適正化ガイドライン

事実不告知と不実告知|何を隠し、何を伝えたか

法29条1号は、契約締結の勧誘や解除の妨害のため、相手の判断を左右する重要事項について、故意に事実を告げないことや、不実のことを告げることを禁止しています。重要事項には賃料の変更、費用負担、解除の条件などが含まれます。

例えば、将来の賃料見直しがあり得るのに、その条件を意図的に伏せて勧める場面では事実不告知が問題になります。オーナーが負担する修繕費があるのに「すべて会社が負担する」と説明すれば、不実告知を検討します。

「説明していない事項が一つでもあれば必ず29条1号違反」とは判断しません。何の契約の、どの重要事項か、故意に隠したのか、事実と異なる説明をしたのかを順に確認します。重要事項説明書の交付・説明義務は法30条の別の義務です。

広告・勧誘・重要事項説明の違い
規定判断の中心
28条・誇大広告等広告で示した契約条件が著しく優良・有利と誤認させないか
29条・不当な勧誘等重要事項を隠す・偽る説明や、相手の判断を妨げる勧誘がないか
30条・契約前の説明所定の事項について契約前の書面交付・説明を行ったか

根拠:賃貸住宅管理業法2条・28〜30条・42条国土交通省・サブリース事業適正化ガイドライン

省令43条の4つの禁止行為を区別する

法29条2号を受けた施行規則43条は、相手方の保護に欠ける勧誘方法を定めています。事実に反する説明がなくても、方法によって禁止される点が1号との違いです。

迷惑な時間の電話・訪問と、私生活や業務の平穏を害して困惑させる勧誘は、別の項目です。電話・訪問ではないからすべて適法、と結論を飛ばさず、他の禁止類型に当たらないかも確認します。

施行規則43条の禁止類型
類型場面・判断の手がかり
威迫締結・更新をさせる、又は申込みの撤回・解除を妨げるために相手を威迫
迷惑な時間の電話・訪問締結・更新について、相手に迷惑を覚えさせる時間に電話や訪問で勧誘
困惑させる方法深夜・長時間など、私生活や業務の平穏を害する方法で勧誘
拒否後の執ような勧誘締結・更新や、その勧誘を受けることを断った相手へ勧誘

根拠:賃貸住宅管理業法2条・28〜30条・42条賃貸住宅管理業法施行規則43条

「勧誘は不要です」と断られたら、電話への切替も再勧誘

相手が勧誘を断った後に、訪問から電話へ方法を変えても再勧誘はできない。勧誘そのものを拒否する意思も含む。

条件と例外は本文の比較表でも確認できます。

図を大きく見る

相手が契約を締結しないと言った場合だけでなく、勧誘を受けること自体を断った場合も対象です。「契約の中身を説明する前に断られたので、もう一度説明してよい」という判断はできません。

ガイドラインは、拒否後にもう一度勧誘すれば、1度でも禁止行為に当たると整理しています。訪問から電話に変える、自宅から勤務先に変えるといった方法・場所の変更で、拒否の意思が消えるわけではありません。

例えば、訪問先で「今後の勧誘は不要」と言われた担当者が、後日「電話なら話を聞いてもらえる」と同じ契約を勧める場合です。回数の多さだけを数えるのではなく、勧誘拒否の意思表示より後かを確認します。

根拠:賃貸住宅管理業法施行規則43条国土交通省・サブリース事業適正化ガイドライン

時間帯と解除妨害|契約が成立しなくても問題になる

迷惑な時間かどうかは、相手の職業や生活習慣などによって個別に判断します。ガイドラインは、承諾や特段の理由がない午後9時から午前8時までの電話・訪問を一般的な目安として示していますが、午前8時以降なら常に許されるという線引きではありません。

また、契約をやめようとするオーナーに、認められる解除の可能性を否定する虚偽の説明をして、解除を妨げようとする行為も検討対象です。オーナーが説明を信用せず解除したとしても、実際に妨害に成功しなかったことだけで違反がなくなるわけではありません。

法29条1号違反には、法42条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、あるいは両方が定められています。この直接の罰則を、29条2号のあらゆる勧誘方法違反へそのまま当てはめないでください。条項と行政処分・命令違反を分けて確認します。

根拠:賃貸住宅管理業法2条・28〜30条・42条国土交通省・サブリース事業適正化ガイドライン

令和6年度問32で、拒否・方法・結果の読み違いを確認

令和6年度問32は、解除を妨げる説明、勧誘を断った相手への再度の電話、事務所で勧誘を続ける場面などを比較する出題例です。「相手が結局解除できた」「電話でやり直した」「相手が事務所へ来た」という一部分だけで結論を出さず、該当する禁止行為を見つけます。

確認問題では、誰が誰に何をしたかを言葉にしてから○×を選んでください。広告表示の問題で迷った場合は関連する誇大広告の解説へ、契約前に必要な手続で迷った場合は特定賃貸借契約の重要事項説明へ進むと、条文の役割を区別できます。

根拠:令和6年度試験問題・問32賃貸住宅管理業法2条・28〜30条・42条賃貸住宅管理業法施行規則43条2026年度試験の実施概要

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 不当な勧誘等の禁止は、特定転貸事業者には適用されるが、その依頼を受けた勧誘者には適用されない。

    根拠:資料1

  2. 2 特定賃貸借契約の勧誘を受けること自体を断った相手には、その後に訪問から電話へ変更しても同じ契約を再勧誘してはならない。

    根拠:資料1資料2

  3. 3 重要事項について不実の説明をして解除を妨げようとしても、オーナーが結局解除したなら、法29条1号違反になることはない。

    根拠:資料1

  4. 4 相手が事業者の事務所を訪れた場合、長時間の勧誘で相手を困惑させても、電話や訪問ではないためすべて禁止対象外になる。

    根拠:資料1

  5. 5 賃料の変更条件が相手の契約判断に影響する重要事項であるのに、勧誘時にその条件を意図的に隠す行為は、不当な勧誘等に当たり得る。

    根拠:資料1

この解説の一次資料

最重要ポイント

不当な勧誘等の禁止

勧誘に際し又は解除を妨げるため、相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について故意に事実を告げず又は不実のことを告げる行為が禁止される。契約が締結されたか、解除が実際に妨げられたかは問わない。省令ではほかに、①威迫する行為、②迷惑を覚えさせるような時間の電話・訪問、③深夜又は長時間の勧誘等で困惑させる行為、④契約しない旨の意思を表示した者への執ような勧誘を禁じる。罰則があるのは故意の事実不告知・不実告知のみで、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。

覚え方契約に至らなくても不実告知は違反

最重要・比較表

誇大広告等の禁止と不当な勧誘等の禁止

最初に見るのは、問題になっているのが広告の表示か、人への働きかけかです。どちらも特定転貸事業者と勧誘者の双方にかかりますが、禁止の中身と罰則が違います。

規制がかかる場面

誇大広告等の禁止
広告の表示。媒体は問わず、誇大広告だけでなく虚偽の広告も対象になる
不当な勧誘等の禁止
特定賃貸借契約の締結の勧誘の際、または契約の解除を妨げるために相手方等へ働きかける場面

判断ポイント

紙面かウェブか動画かは関係なく、表示であれば広告規制の対象です。

禁止される中身

最重要
誇大広告等の禁止
支払う家賃等の賃貸の条件とその変更、維持保全の実施方法、維持保全に要する費用の分担、契約の解除の4事項について、著しく事実に相違する表示等をすること
不当な勧誘等の禁止
重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げること。ほかに威迫、迷惑を覚えさせる時間の電話・訪問、深夜や長時間の勧誘、執ような勧誘も禁止される

判断ポイント

広告は4事項に限定、勧誘は行為の型で押さえるのが早道です。

時間帯の制限

誇大広告等の禁止
定めがない
不当な勧誘等の禁止
相手方の承諾がある場合を除き、午後9時から午前8時までの電話または訪問による勧誘が禁止される

判断ポイント

禁止されるのは電話と訪問であり、その時間帯に営業所へ来た相手への勧誘は対象外です。

違反かどうかの見方

誇大広告等の禁止
著しく事実に相違するかは、相手方が相違を知っていれば通常誘引されない程度かで判断し、相違の度合いの大きさだけでは決まらない
不当な勧誘等の禁止
契約が締結されたか、解除が実際に妨げられたかは問わず、行為があった時点で違反となる

判断ポイント

結果として契約しなかったから違反ではない、という理由づけは通りません。

罰則

誇大広告等の禁止
特定転貸事業者にも勧誘者にも30万円以下の罰金が科される
不当な勧誘等の禁止
故意に事実を告げず、または不実のことを告げた場合は6ヵ月以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金。威迫や執ような勧誘には罰則がない

判断ポイント

勧誘規制のうち罰則があるのは、事実不告知と不実告知だけです。

01不当な勧誘等の禁止の重要暗記項目

01
重要度 S

不当な勧誘等の禁止

勧誘に際し又は解除を妨げるため、相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について故意に事実を告げず又は不実のことを告げる行為が禁止される。契約が締結されたか、解除が実際に妨げられたかは問わない。省令ではほかに、①威迫する行為、②迷惑を覚えさせるような時間の電話・訪問、③深夜又は長時間の勧誘等で困惑させる行為、④契約しない旨の意思を表示した者への執ような勧誘を禁じる。罰則があるのは故意の事実不告知・不実告知のみで、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。

覚え方契約に至らなくても不実告知は違反

ひっかけ注意「結果として契約しなかったのだから違反ではない」とする誤りが定番。威迫や執ような勧誘に罰則があるとする誤りも狙われる。

賃貸住宅管理業法の暗記表をすべて見る →

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    特定賃貸借契約の締結・解除を妨げる場面で、重要事実の故意の不告知と不実告知を判定する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    威迫する言動、私生活・業務の平穏を害する時間帯や方法など省令上の禁止行為も確認する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    特定転貸事業者だけでなく、その依頼を受けた勧誘者にも不当勧誘の禁止が及ぶ

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026-04-01
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

不当な勧誘等の禁止の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

賃貸住宅管理業法重要度 S

不当な勧誘等の禁止

特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際して故意に事実を告げなかった場合であっても、実際に特定賃貸借契約が締結されなかったときは、不当な勧誘等の禁止に違反しない。

不当な勧誘等の禁止○×一問一答9問|問題と解説

この論点で収録している9問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    不当な勧誘等の禁止重要度S

    特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際して故意に事実を告げなかった場合であっても、実際に特定賃貸借契約が締結されなかったときは、不当な勧誘等の禁止に違反しない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について事実の不告知・不実告知があれば足り、契約締結の有無は問わない。

  2. 2

    不当な勧誘等の禁止重要度S

    新築当初の数か月間について借上げ家賃の支払の免責期間があることを相手方となろうとする者に告げずに勧誘した特定転貸事業者は、不当な勧誘等の禁止に違反したものとして指示の対象となる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。免責期間の不告知は、判断に影響を及ぼす重要な事項について故意に事実を告げない行為の典型例とされている。

  3. 3

    不当な勧誘等の禁止重要度A

    特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結を勧誘するに際し、相手方の承諾を得ていないにもかかわらず、午後9時から午前8時までの時間帯に電話又は訪問により勧誘することは、不当な勧誘等として禁止される行為に当たる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。特定転貸事業者及び勧誘者は、特定賃貸借契約の勧誘に際し、相手方等に迷惑を覚えさせるような時間に電話又は訪問により勧誘してはならない(法29条2号、規則44条2号)。何時が「迷惑を覚えさせるような時間」に当たるかは相手方の職業や生活習慣により個別に判断されるが、サブリースガイドラインは、相手方の承諾を得ている場合を除き、一般に午後9時から午前8時までがこれに当たるとしている。

  4. 4

    不当な勧誘等の禁止重要度A

    特定賃貸借契約を締結しない旨の意思を表示した相手方に対しては、その場での勧誘を続けることは禁止されるが、日を改めて別の担当者が再度勧誘することは禁止されない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。意思表示後は日を改めた勧誘も同一業者の他の担当者による勧誘も禁止され、一度でも再勧誘すれば違反となる。

  5. 5

    不当な勧誘等の禁止重要度A

    相手方が自ら特定転貸事業者の事務所を訪問した場合において、午後9時から午前8時までの時間帯に勧誘を行ったとしても、迷惑を覚えさせるような時間の勧誘として禁止される行為には当たらない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。当該規定は電話勧誘又は訪問勧誘を禁止するものであり、相手方が事務所を訪問した場合の勧誘は対象とならない。

  6. 6

    不当な勧誘等の禁止重要度A

    特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際し、相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項につき故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた者は、6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金に処せられ、又はこれらが併科される。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。故意の事実不告知・不実告知は6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金、又はその併科である。

  7. 7

    不当な勧誘等の禁止重要度A

    不当な勧誘等として禁止される威迫する行為に当たるためには、相手方に恐怖心を生じさせる程度の言動が必要である。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。威迫する行為は脅迫とは異なり、恐怖心を生じさせるまでは要せず、不安の念を抱かせる行為で足りる。

  8. 8

    不当な勧誘等の禁止重要度A

    事実の不告知又は不実告知を理由とする国土交通大臣の指示及び命令は、特定転貸事業者等に故意がなく、過失により事実を告げなかったにすぎない場合にも行われる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。事実の不告知・不実告知に係る指示及び命令は、故意になされた場合に限られる。

  9. 9

    不当な勧誘等の禁止重要度B

    特定賃貸借契約の勧誘に先立って、特定転貸事業者の商号及び勧誘をする目的である旨を告げないで勧誘する行為は、国土交通省令が定める禁止行為に当たる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。省令が定める禁止行為は威迫、迷惑を覚えさせる時間の電話・訪問勧誘、困惑させる行為、執ような勧誘の4類型であり、勧誘目的の不告知は含まれない。

次の学習

不当な勧誘等の禁止の問題を続けて解く

この論点に対応する9問を絞り込んで出題します。

○×一問一答