承継する範囲
最重要- 単純承認
- 被相続人の権利義務をすべて承継する(920条)
- 限定承認
- 債務の弁済責任などを相続財産の限度でのみ負う留保をつけて、権利義務を承継する(922条)
- 相続放棄
- 被相続人の権利義務は一切承継しない(939条)
判断ポイント
限定承認は「承継はするが責任だけ限定する」制度で、承継しない放棄とは別物です。
2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み
60件の比較表で、主語・時点・母数・例外を整理します。必要な表を保存して復習できます。
最重要・比較表
最初に見るのは債務をどこまで引き継ぐかです。3か月以内に何もしなければ単純承認になるため、限定承認と放棄は期間内の申述が前提になります。
| 事由 | 単純承認 | 限定承認 | 相続放棄 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 承継する範囲最重要 | 被相続人の権利義務をすべて承継する(920条) | 債務の弁済責任などを相続財産の限度でのみ負う留保をつけて、権利義務を承継する(922条) | 被相続人の権利義務は一切承継しない(939条) | 限定承認は「承継はするが責任だけ限定する」制度で、承継しない放棄とは別物です。 |
| プラス300万円・マイナス700万円で相続人の固有財産が100万円のとき | 100万円に300万円と700万円の負債が加わり、相続人の財産は300万円のマイナスになる | 700万円の弁済は被相続人の300万円からのみ行われ、相続人の財産は100万円のまま残る | 資産も負債も相続しないため、相続人の財産は100万円のまま変わらない | 限定承認と放棄は手元に残る額が同じでも、プラスが多いときは限定承認の方が有利になります。 |
| 家庭裁判所の手続と期間 | 手続は不要。自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に何もしなければ単純承認とみなされる | 知った時から3か月以内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述する。共同相続では相続人全員で行う(923条・924条) | 知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する。各相続人が単独でできる | 起算点は相続開始の時ではなく「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。 |
判断ポイント
限定承認は「承継はするが責任だけ限定する」制度で、承継しない放棄とは別物です。
判断ポイント
限定承認と放棄は手元に残る額が同じでも、プラスが多いときは限定承認の方が有利になります。
判断ポイント
起算点は相続開始の時ではなく「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。
最重要・比較表
最初に見るのは、判断するのが行政庁か裁判所かです。ここが決まると、不当まで争えるか、いつまでに申し立てるか、結論が裁決か判決かがすべて決まります。
| 事由 | 審査請求(行政不服審査法) | 取消訴訟(行政事件訴訟法) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 判断する者 | 審査庁が審査し、裁決を出す。原則は処分庁等の最上級行政庁で、上級行政庁がないとき等は処分庁等自身が審査庁になる(4条) | 裁判所が審理し、判決を出す。第一審は地方裁判所が管轄する | 行政の中の見直しか、司法の判断かという違いがすべての出発点です。 |
| 審査の対象 | 違法な処分だけでなく、不当な処分も審査の対象にできる | 裁判所による審査なので、争えるのは処分が違法かどうかに限られる | 不当まで見られるのは行政庁が審査するからだ、と理由で覚えます。 |
| いつまでにするか最重要 | 処分を知った日の翌日から3か月、処分の日の翌日から1年(18条) | 処分を知った日から6か月、処分の日から1年(14条) | 3か月と6か月の入れ替えが最頻出です。どちらも正当な理由があれば例外があります。 |
| 審理中の執行停止 | 処分庁または上級行政庁である審査庁なら、申立てがなくても職権で執行停止できる | 申立てが必要で、裁判所が職権で執行停止をすることはできない | 審査庁は職権でできるから裁判所もできる、と誤らせる肢が典型です。 |
| 取り消すと公益に著しい障害が出るとき | 事情裁決になる。主文で処分が違法または不当であることを宣言して棄却する(45条3項) | 事情判決になる。主文で処分が違法であることを宣言して棄却する(31条1項) | どちらも結論は棄却です。宣言の対象に不当が入るのは事情裁決だけです。 |
| 国民の主張が通ったときにできること | 審査庁が上級行政庁なら、処分を取り消したうえで処分庁に許可処分をすべき旨を命じられる | 判決は処分を取り消すだけで、やり直しは拘束力により処分庁が改めて行う(33条2項) | 裁判所は処分をやり直させる命令まではせず、拘束力で行政庁に義務づけます。 |
判断ポイント
行政の中の見直しか、司法の判断かという違いがすべての出発点です。
判断ポイント
不当まで見られるのは行政庁が審査するからだ、と理由で覚えます。
判断ポイント
3か月と6か月の入れ替えが最頻出です。どちらも正当な理由があれば例外があります。
判断ポイント
審査庁は職権でできるから裁判所もできる、と誤らせる肢が典型です。
判断ポイント
どちらも結論は棄却です。宣言の対象に不当が入るのは事情裁決だけです。
判断ポイント
裁判所は処分をやり直させる命令まではせず、拘束力で行政庁に義務づけます。
最重要・比較表
まず、履行されていない義務が他人でも代われる義務かを確かめます。ここで代執行を使えるかが決まり、使えないときに残りの3類型と個別法の有無を検討します。
| 事由 | 代執行 | 強制徴収 | 直接強制 | 執行罰 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| どんな義務の不履行に使うか | 代替的作為義務、つまり他人でも代わりに行うことができる義務の不履行 | 租税など、行政上の金銭給付義務が履行されない場合 | 義務者が義務を履行しない場合一般。代替的作為義務に限られない | 義務者が期限内に義務を履行しない場合。将来の履行を促すために使う | 代執行だけは対象が代替的作為義務に限られ、ここで使える場面が絞られます。 |
| とられる方法最重要 | 行政庁自らが義務者のなすべき履行を行い、または他人に行わせ、その費用を義務者から徴収する | 行政庁が強制手段によって、その義務が履行されたのと同じ状態を実現する | 義務者の身体や財産に直接実力を加え、義務の履行があったのと同様の状態を実現する | 過料を科す旨を予告して心理的強制を加え、なお履行しないときは過料を強制的に徴収する | 執行罰は将来の履行を促す手段で、過去の義務違反への制裁ではありません。 |
| 根拠となる法律 | 行政代執行法。強制執行の方法について一般法があるのは代執行だけである | 国税徴収法など、個別の法律による。方法についての一般法はない | 成田新法など、個別の法律による。方法についての一般法はない | 砂防法など、個別の法律による。方法についての一般法はない | 一般法があるのは代執行だけ、と押さえると根拠法の肢に強くなります。 |
| 義務の不履行を前提とするか | 不履行が前提 | 不履行が前提 | 不履行が前提 | 不履行が前提 | 4類型はいずれも義務の不履行が前提です。義務を前提とせず実力を加える即時強制とはここで分かれます。 |
判断ポイント
代執行だけは対象が代替的作為義務に限られ、ここで使える場面が絞られます。
判断ポイント
執行罰は将来の履行を促す手段で、過去の義務違反への制裁ではありません。
判断ポイント
一般法があるのは代執行だけ、と押さえると根拠法の肢に強くなります。
判断ポイント
4類型はいずれも義務の不履行が前提です。義務を前提とせず実力を加える即時強制とはここで分かれます。
混同注意・比較表
まず、科されるのが刑罰か過料かを確かめます。ここで適用される手続法が分かれ、過料の場合はさらに根拠が法律か条例かで科す主体まで変わります。
| 事由 | 行政刑罰 | 秩序罰 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 科されるもの | 行政上の義務違反に対し、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料・没収といった刑罰が科される | 手続を怠るなど刑罰を科すほどではない比較的軽微な義務違反に対し、刑罰ではない過料が科される | 刑罰か過料かという入口で、この先の扱いがすべて変わります。 |
| 刑法総則の適用 | 適用あり | 適用なし | 秩序罰は刑罰ではないので、刑法総則の枠の外にあります。 |
| 刑事訴訟法の適用 | 適用あり | 適用なし | 秩序罰を裁判所が科すときの手続は、刑事訴訟法ではなく非訟事件手続法によります。 |
| 誰が科すか最重要 | 刑罰なので、原則として刑事訴訟法の手続によって科される | 法律に基づき法律違反者に科す場合は裁判所が科し、条例に基づき条例違反者に科す場合は地方公共団体の長が行政行為の形式で科す | 秩序罰は必ず裁判所が科すとする肢が定番の誤りです。条例違反の過料は知事や市町村長が科します。 |
| 法律の根拠 | 根拠が必要 | 根拠が必要 | どちらも法律の根拠が要る点は共通で、差が出るのは手続と主体です。 |
判断ポイント
刑罰か過料かという入口で、この先の扱いがすべて変わります。
判断ポイント
秩序罰は刑罰ではないので、刑法総則の枠の外にあります。
判断ポイント
秩序罰を裁判所が科すときの手続は、刑事訴訟法ではなく非訟事件手続法によります。
判断ポイント
秩序罰は必ず裁判所が科すとする肢が定番の誤りです。条例違反の過料は知事や市町村長が科します。
判断ポイント
どちらも法律の根拠が要る点は共通で、差が出るのは手続と主体です。
最重要・比較表
設定と公表を分けて、それぞれが法的義務か努力義務かを確かめます。先にその基準がどの場面で使うものかを押さえておくと、四つの組合せが混ざりません。
| 事由 | 審査基準 | 標準処理期間 | 処分基準 | 行政指導指針 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 使われる場面 | 申請により求められた許認可等をするかどうかを判断するための基準 | 申請が事務所に到達してから処分をするまでに通常要すべき標準的な期間の目安 | 不利益処分をするかどうか、どのような不利益処分とするかを判断するための基準 | 同一の行政目的で複数の者に行政指導をするとき、共通して内容となるべき事項を定めたもの | 申請を拒否する処分は申請に対する処分なので、そこで使うのは処分基準ではなく審査基準です。 |
| 定めること最重要 | 定めなければならない法的義務(5条1項) | 定めるよう努める努力義務にとどまる(6条) | 定めるよう努める努力義務にとどまる(12条1項) | 定めなければならない法的義務である(36条) | 審査基準の設定を努力に落とす肢と、処分基準の設定を義務に上げる肢が両方向から出ます。 |
| 公にする・公表すること | 公にしておくことは法的義務。行政上特別の支障があるときは除かれる(5条3項) | 定めたときは公にしておくことが法的義務(6条) | 公にしておくことも努力義務にとどまる(12条1項) | 公表することは法的義務。行政上特別の支障があるときは公表しなくてよい(36条) | 標準処理期間だけが、設定は努力・公表は義務という食い違った組合せになります。 |
| 同じ組合せの制度 | 設定も公表も義務という点で、行政指導指針と同じ組合せになる | 設定は努力・公表は義務。行政不服審査法16条の標準審理期間も同じ組合せである | 設定も公表も努力という組合せは、この処分基準だけである | 設定も公表も義務という点で、審査基準と同じ組合せになる | 処分基準だけが両方とも努力だと覚えると、残りは義務が絡む組合せに整理できます。 |
判断ポイント
申請を拒否する処分は申請に対する処分なので、そこで使うのは処分基準ではなく審査基準です。
判断ポイント
審査基準の設定を努力に落とす肢と、処分基準の設定を義務に上げる肢が両方向から出ます。
判断ポイント
標準処理期間だけが、設定は努力・公表は義務という食い違った組合せになります。
判断ポイント
処分基準だけが両方とも努力だと覚えると、残りは義務が絡む組合せに整理できます。
最重要・比較表
まず、法律に特別の定めがあるかを確かめます。定めがなければ選べるのは審査請求だけで、定めがあるときに相手方と対象、そして期間の数字が変わってきます。
| 事由 | 審査請求 | 再調査の請求 | 再審査請求 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| できる場合最重要 | 行政庁の処分や不作為について、法律の特別の定めがなくても一般にできる | 処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分について、法律に再調査の請求ができる旨の定めがあり、まだ審査請求をしていないとき | 法律に再審査請求ができる旨の定めがあるとき | 再調査の請求と再審査請求は、個別の法律に定めがあってはじめて使える例外的な手続です。 |
| 申し立てる相手方 | 法律に特別の定めがあればその行政庁。定めがなければ、処分庁等に上級行政庁がないとき等は処分庁等、それ以外は処分庁等の最上級行政庁(4条) | 処分をした処分庁自身に対してする。上級行政庁に出すものではない | 法律が再審査請求先として定める行政庁に対してする | 処分庁自身に出すのが再調査の請求で、審査請求が処分庁になるのは上級行政庁がない場合です。 |
| 対象 | 行政庁の処分と、申請に対する不作為の両方が対象になる | 処分のみが対象で、不作為は対象にならない | 審査請求に対する裁決(原裁決)が対象になる | 不作為について再調査の請求を認める肢は、ここで切れます。再審査請求は、条文上は原裁決だけでなく処分そのものも対象にできます(6条2項)。 |
| 知った日からの期間 | 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月。不作為には期間の制限がない | 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月 | 原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1か月 | 1か月に短くなるのは、すでに審査請求という慎重な手続を経た再審査請求です。 |
| 処分・裁決の日からの期間 | 処分があった日の翌日から起算して1年。正当な理由があるときは除かれる | 処分があった日の翌日から起算して1年。正当な理由があるときは除かれる | 原裁決があった日の翌日から起算して1年。正当な理由があるときは除かれる | 客観的期間はいずれも1年でそろうため、覚え違いが出るのは知った日からの期間だけです。 |
判断ポイント
再調査の請求と再審査請求は、個別の法律に定めがあってはじめて使える例外的な手続です。
判断ポイント
処分庁自身に出すのが再調査の請求で、審査請求が処分庁になるのは上級行政庁がない場合です。
判断ポイント
不作為について再調査の請求を認める肢は、ここで切れます。再審査請求は、条文上は原裁決だけでなく処分そのものも対象にできます(6条2項)。
判断ポイント
1か月に短くなるのは、すでに審査請求という慎重な手続を経た再審査請求です。
判断ポイント
客観的期間はいずれも1年でそろうため、覚え違いが出るのは知った日からの期間だけです。
最重要・比較表
最初に確認するのは起算点です。死亡届だけが「知った日」から数え、転出届だけが引っ越す前の届出なので日数の制限という形をとりません。
| 事由 | 出生届 | 死亡届 | 転出届 | 転入届 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 届出の期間 | 14日以内。国外で出生があったときは3か月以内(戸籍法49条1項) | 7日以内。国外で死亡があったときは3か月以内(戸籍法86条1項) | 日数の制限はなく、転出する前にあらかじめ届け出る(住民基本台帳法24条) | 転入した日から14日以内(住民基本台帳法22条1項) | 同じ市町村内での引越しにあたる転居届も、転居した日から14日以内です(23条)。 |
| 期間の起算点最重要 | 出生の日から数える。届出人が事実を知った日ではない | 届出義務者が死亡の事実を知った日から数える(戸籍法86条1項) | 転出前の届出なので起算点はなく、転出の予定年月日を届け出る | 現に転入した日から数える。転出の予定年月日ではない | 死亡届の起算点を「死亡の日」と読むと7日の数え方がずれます。 |
| 届出先 | 本籍地または届出人の所在地のほか、出生地でも届け出られる(戸籍法25条1項、51条1項) | 本籍地または届出人の所在地のほか、死亡地でも届け出られる(戸籍法25条1項、88条1項) | 転出前に住んでいる市町村の市町村長に届け出る(住民基本台帳法24条) | 転入した先の市町村の市町村長に届け出る(住民基本台帳法22条1項) | 戸籍の届出は出生地・死亡地でもでき、住民異動は転出前と転入先で届出先が分かれます。 |
| 届け出る者と届出事項 | 嫡出子は父または母、非嫡出子は母が届け出る(戸籍法52条1項・2項) | 同居の親族、その他の同居者、家主・地主・家屋や土地の管理人(戸籍法87条1項) | 転出する者が、氏名・転出先・転出の予定年月日を届け出る(住民基本台帳法24条) | 転入した者が、氏名・住所・転入した年月日・従前の住所等を届け出る(住民基本台帳法22条1項) | 戸籍の届出は義務者が順位付きで法定されている点が、住民異動の届出と違います。 |
| 届け出なかった場合 | 正当な理由がなく期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法137条) | 正当な理由がなく期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法137条) | 正当な理由がなく届出をしない者は5万円以下の過料(住民基本台帳法52条2項) | 正当な理由がなく届出をしない者は5万円以下の過料(住民基本台帳法52条2項) | どちらの法律でも刑罰ではなく過料で、過料の裁判は簡易裁判所が行います。 |
判断ポイント
同じ市町村内での引越しにあたる転居届も、転居した日から14日以内です(23条)。
判断ポイント
死亡届の起算点を「死亡の日」と読むと7日の数え方がずれます。
判断ポイント
戸籍の届出は出生地・死亡地でもでき、住民異動は転出前と転入先で届出先が分かれます。
判断ポイント
戸籍の届出は義務者が順位付きで法定されている点が、住民異動の届出と違います。
判断ポイント
どちらの法律でも刑罰ではなく過料で、過料の裁判は簡易裁判所が行います。
混同注意・比較表
最初に見るのは利用目的を変えられる幅です。民間は「関連性」で足りるのに対し、行政機関等には「相当の関連性」が求められ、より狭く縛られます。
| 事由 | 個人情報取扱事業者(民間) | 行政機関等 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 利用目的の特定 | 個人情報を取り扱うに当たっては、その利用目的をできる限り特定しなければならない(17条1項) | 法令の定める所掌事務または業務の遂行に必要な場合に限り保有でき、そのうえで利用目的をできる限り特定する(61条1項) | 行政機関等には、特定の前に「そもそも保有できるか」という枠が先にかかります。 |
| 利用目的の変更の範囲最重要 | 変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて変更してはならない(17条2項) | 変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて変更してはならない(61条3項) | 「相当の」が付くのは行政機関等の側です。入れ替えて誤りとする問題が出ます。 |
| 正確性の確保 | 利用目的の達成に必要な範囲内で正確かつ最新の内容に保ち、必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう努める(22条) | 利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去または現在の事実と合致するよう努める(65条) | どちらも努力義務です。義務と言い切る記述に注意します。 |
| 安全管理措置 | 取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損の防止その他の安全管理のため、必要かつ適切な措置を講じなければならない(23条) | 保有個人情報の漏えい、滅失、毀損の防止その他の安全管理のため、必要かつ適切な措置を講じなければならない(66条1項) | 正確性の確保と違い、こちらは双方とも努力義務ではなく義務です。 |
| 目的外の利用・提供 | あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはならず(18条1項)、第三者提供も原則として本人の同意が必要(27条1項) | 原則として、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、または提供してはならない(69条1項) | 民間は「本人の同意があるか」、行政機関等は「利用目的の範囲内か」が判断の軸になります。 |
判断ポイント
行政機関等には、特定の前に「そもそも保有できるか」という枠が先にかかります。
判断ポイント
「相当の」が付くのは行政機関等の側です。入れ替えて誤りとする問題が出ます。
判断ポイント
どちらも努力義務です。義務と言い切る記述に注意します。
判断ポイント
正確性の確保と違い、こちらは双方とも努力義務ではなく義務です。
判断ポイント
民間は「本人の同意があるか」、行政機関等は「利用目的の範囲内か」が判断の軸になります。
混同注意・比較表
最初に、譲り渡す側の会社が消えるかどうかを見ます。会社ごと1つになる合併では債権者の異議手続が必要で、事業だけを渡す譲渡では不要です。
| 事由 | 事業譲渡 | 吸収合併 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 権利義務の移り方 | 包括的には移転せず、個別に権利移転の手続をとる必要がある | 消滅会社の権利義務関係が、存続会社に包括的に承継される | 個別移転か包括承継かが、両者を分ける出発点です。 |
| 譲り渡す側の会社 | 事業を譲渡しても会社は消滅せず、そのまま存続する | 消滅会社は解散し、消滅する | 「事業譲渡をすると譲渡会社が消える」とする肢が誤りの定番です。 |
| 対象になる範囲 | 事業の全部だけでなく、一部の譲渡もできる | 複数の会社が1つの会社になるもので、新設合併と吸収合併の2種類がある | 一部だけ切り出したいときに使えるのが事業譲渡です。 |
| 株主総会の特別決議最重要 | 全部の譲渡は譲渡会社・譲受会社の双方で必要。重要な一部の譲渡は譲渡会社だけ必要(309条2項11号) | 消滅会社・存続会社のそれぞれで、効力発生の前までに必要 | 重要でない一部の譲渡は、どちらの会社でも決議が不要になります。 |
| 反対株主の株式買取請求権 | 反対株主に認められる(469条1項) | 消滅会社・存続会社のそれぞれで、反対株主に認められる | 買取請求権はどちらにもあります。差がつくのは次の債権者異議手続です。 |
| 債権者異議手続 | 手続は不要 | 両社で債権者に異議を述べる機会が与えられ、異議が出れば弁済等をする | 債務が包括的に移る合併だけ、債権者を保護する手続が用意されています。 |
判断ポイント
個別移転か包括承継かが、両者を分ける出発点です。
判断ポイント
「事業譲渡をすると譲渡会社が消える」とする肢が誤りの定番です。
判断ポイント
一部だけ切り出したいときに使えるのが事業譲渡です。
判断ポイント
重要でない一部の譲渡は、どちらの会社でも決議が不要になります。
判断ポイント
買取請求権はどちらにもあります。差がつくのは次の債権者異議手続です。
判断ポイント
債務が包括的に移る合併だけ、債権者を保護する手続が用意されています。
最重要・比較表
まず総辞職を避ける道があるかを見ます。衆議院の不信任のときだけ解散という選択肢があり、残る二つは総辞職するほかありません。
| 事由 | 衆議院の不信任(69条) | 内閣総理大臣が欠けたとき | 総選挙後の国会召集 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| きっかけ最重要 | 衆議院で内閣不信任の決議案が可決され、または信任の決議案が否決されたこと | 内閣総理大臣が欠けたこと。内閣は首長を失うため、内閣そのものが総辞職する | 衆議院議員総選挙の後に、初めて国会の召集があったこと(解散による総選挙なら特別会、任期満了による総選挙なら臨時会または常会) | 内閣不信任の決議ができるのは衆議院だけで、参議院にこの制度はありません。 |
| 総辞職を避ける道 | 10日以内に衆議院を解散させれば、総辞職をしなくてよい(69条) | 解散という選択肢はない | 解散という選択肢はない | |
| 根拠条文とその後の流れ | 69条。解散した場合は解散の日から40日以内に総選挙、その選挙の日から30日以内に特別会が召集される | 70条。総辞職しても、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで内閣は引き続き職務を行う(71条) | 70条。総辞職しても、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで内閣は引き続き職務を行う(71条) | 解散を選んでも、総選挙後の特別会の召集でけっきょく総辞職になります。 |
判断ポイント
内閣不信任の決議ができるのは衆議院だけで、参議院にこの制度はありません。
判断ポイント
判断ポイント
解散を選んでも、総選挙後の特別会の召集でけっきょく総辞職になります。
混同注意・比較表
検閲にあたれば例外なく禁止されるので、まず誰がいつ何を審査したのかを確かめます。ここに挙げた三つはいずれも検閲にあたりませんが、あたらないとされた理由がそれぞれ違います。
| 事由 | 税関検査 | 裁判所による出版差止め | 教科書検定 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 何を審査するのか | 輸入される書籍や図画が輸入禁制品にあたるかどうかを、税関が輸入の際に検査する | 名誉を侵害する記事を載せた雑誌の発売を、裁判所が仮処分によって発売前に差し止める | 教科書として使えるかを発行前に審査する。不合格でも一般図書としての発行は妨げられない | |
| 検閲にあたるか最重要 | 検閲にあたらない | 検閲にあたらない | 検閲にあたらない | 三つとも結論は同じなので、覚えるべきはあたらないとされた理由のほうです。 |
| そう判断した理由 | 輸入が禁止される表現物は一般に国外で発表済みであり、事前に発表そのものを一切禁止するものではない | 差止めを行うのは司法権である裁判所であり、行政権が主体となって行うという性質を有しない | 発表の禁止を目的とするものではなく、発表前に審査して発表を禁止するという性質を有しない | |
| 事前抑制としての扱い | 発表そのものを事前に禁止するわけではないので、発表前の抑制としての問題は生じない | 公権力による事前抑制の一形態で原則として許されず、内容が真実でなく専ら公益目的でないことが明白で、重大で著しく回復困難な損害のおそれがある場合に限り許される | 一般図書としての発行を制限するものではないので、事前抑制にも該当しない | 検閲にあたらなくても、事前抑制として厳しい要件がかかる場合があります。 |
判断ポイント
判断ポイント
三つとも結論は同じなので、覚えるべきはあたらないとされた理由のほうです。
判断ポイント
判断ポイント
検閲にあたらなくても、事前抑制として厳しい要件がかかる場合があります。
最重要・比較表
最初にその行為が使用・保存・管理・変更のどれにあたるかを見分けます。ここが決まれば、単独でできるのか、持分の過半数が要るのか、全員の同意が要るのかが決まります。
| 事由 | 使用行為 | 保存行為 | 管理行為 | 変更行為 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| あてはまる行為の例 | 共有者の1人が共有物を自ら使用する | 共有物の妨害排除請求、保存登記 | 民法252条4項の期間内で共有物を第三者に賃貸する | 共有物そのものを第三者に売却する | 自分の持分だけを譲渡するのは各共有者が自由にできますが、共有物全体の売却は変更行為です。賃貸は期間によって管理行為か変更行為かが分かれます。 |
| 行使の要件最重要 | 各共有者が単独でできる(249条1項)。持分に応じた使用に限られる | 各共有者が単独でできる(252条5項) | 252条4項の期間内の賃貸は持分価格の過半数。山林10年・その他の土地5年・建物3年・動産6か月を超える賃貸等は原則として変更行為 | 共有者全員の同意が必要(251条1項) | 保存は単独、管理は持分価格の過半数、変更は原則全員同意です。賃貸を一律に管理行為とせず、252条4項の期間を確認します。 |
| 3人が持分平等で共有し、そのうち1人が動くとき | 単独で可 | 単独で可 | 他の2人のどちらか一方の賛成が必要 | 他の2人の両方の賛成が必要 | 頭数の多数決ではなく持分の価格の過半数で決めるため、持分が不均等なら結論も変わります。 |
| 間違えやすい点 | 共有物の使用には善良な管理者の注意が必要(249条3項) | 妨害排除は単独でできるが、損害賠償は自己の持分の割合に相当する額に限られる | 人数ではなく持分価格で数え、賃貸は252条4項の期間内かも確認する | 形状または効用の著しい変更を伴わないものは251条1項の変更から除かれる | 保存行為でも損害賠償だけは自分の持分の割合分しか請求できない点が落とし穴です。 |
判断ポイント
自分の持分だけを譲渡するのは各共有者が自由にできますが、共有物全体の売却は変更行為です。賃貸は期間によって管理行為か変更行為かが分かれます。
判断ポイント
保存は単独、管理は持分価格の過半数、変更は原則全員同意です。賃貸を一律に管理行為とせず、252条4項の期間を確認します。
判断ポイント
頭数の多数決ではなく持分の価格の過半数で決めるため、持分が不均等なら結論も変わります。
判断ポイント
保存行為でも損害賠償だけは自分の持分の割合分しか請求できない点が落とし穴です。
混同注意・比較表
まず当事者が商人かどうか、その行為が商行為かどうかを確認します。商人間の商行為なら商法が先に適用され、代理・寄託・留置権の結論が民法と変わります。
| 事由 | 民法(一般の人のルール) | 商法(商売をしている人のルール) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 適用される順序最重要 | 商事について商法にも商慣習にも定めがないときに、はじめて民法が適用される(商法1条2項) | 商人の営業・商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがある場合を除き商法による(1条1項) | 商法→商慣習→民法の順です。「まず民法、次に商慣習」と入れ替えた肢が定番の誤りです。 |
| 本人のためにすることを示さなかった代理行為 | 相手方が善意無過失のときは、代理人自身のためにした意思表示とみなされる(民法100条) | 示さなくても本人に対して効力を生じる。相手方が知らなかったときは代理人に履行を請求することもできる(504条) | 商法では相手方に選択の余地を残す形で、本人への効果帰属が原則になります。 |
| 本人が死亡したときの代理権 | 本人が死亡すると代理権は消滅する(民法111条1項1号) | 商行為の委任による代理権は、本人が死亡しても消滅しない(506条) | 商取引は継続的に行われるため、本人の死亡で取引を止めない扱いになっています。 |
| 無報酬で物を預かった者の注意義務 | 無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって保管すれば足りる(民法659条) | 営業の範囲内で寄託を受けた商人は、無報酬であっても善良な管理者の注意をもって保管する(595条) | 「無報酬だから注意義務が軽い」は民法の話で、商人にはあてはまりません。 |
| 留置権の目的物と牽連性 | 債務者所有の物かどうかを問わないが、債権と物との直接的・個別的な関係が必要 | 債務者所有の物に限られるが、債権と物との関係は一般的・抽象的なもので足りる(521条) | 商法は「目的物の範囲は狭く、牽連性はゆるく」と逆方向に振れています。 |
| 質権の流質契約 | 禁止される | 商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権では有効になる(515条) | 商人は自分の利害を自分で計算できるため、法が後見的に介入しないという理由づけです。 |
判断ポイント
商法→商慣習→民法の順です。「まず民法、次に商慣習」と入れ替えた肢が定番の誤りです。
判断ポイント
商法では相手方に選択の余地を残す形で、本人への効果帰属が原則になります。
判断ポイント
商取引は継続的に行われるため、本人の死亡で取引を止めない扱いになっています。
判断ポイント
「無報酬だから注意義務が軽い」は民法の話で、商人にはあてはまりません。
判断ポイント
商法は「目的物の範囲は狭く、牽連性はゆるく」と逆方向に振れています。
判断ポイント
商人は自分の利害を自分で計算できるため、法が後見的に介入しないという理由づけです。
混同注意・比較表
まず脱退の自由がある団体かを確かめます。強制加入団体では、構成員の考えが割れる支出かどうかで、目的の範囲内といえるかの結論が変わります。
| 事由 | 株式会社 | 税理士会 | 司法書士会 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 団体の性質 | 加入も脱退も自由な法人で、自然人と同様に政治的行為の自由を有する | 加入が法律で義務付けられた強制加入団体。税理士として働くには登録が必要 | 税理士会と同じく、加入が法律で義務付けられた強制加入団体 | |
| 問題になった支出 | 政党など政治団体への政治資金の寄付。会社が政治献金をできるかが争われた | 税理士法の改正運動に関して政治献金をするため、会員から特別会費を徴収する総会決議 | 阪神・淡路大震災で被災した兵庫県司法書士会への復興支援拠出金の寄付 | |
| 目的の範囲内か最重要 | 範囲内の行為 | 範囲外の行為 | 範囲内の行為 | 同じ強制加入団体でも、政治献金か相互扶助かで結論が反転します。 |
| 判例 | 八幡製鉄事件(最大判昭和45年6月24日)。政治資金の寄付も政治的行為の自由の一環とした | 南九州税理士会政治献金事件(最判平成8年3月19日)。特別会費を徴収する総会決議を無効とした | 群馬司法書士会事件(最判平成14年4月25日)。復興支援拠出金を目的の範囲内とした | |
| 分かれ目 | 政治活動の自由の保障は株式会社にも及ぶので、政治献金を行うことができる | 政治色のある献金は、構成員個人の政治思想に基づいて判断すべきという要請が強く働く | 政治献金ではなく司法書士会どうしの支援であるため、強制加入団体でも範囲内とされた |
判断ポイント
判断ポイント
判断ポイント
同じ強制加入団体でも、政治献金か相互扶助かで結論が反転します。
判断ポイント
判断ポイント
混同注意・比較表
まず衆参が一緒に行うことなのか、各議院が単独で行えることなのかを見ます。裁判やルールづくりのように、似た名前で所属が分かれるものが狙われます。
| 事由 | 国会の権能 | 議院の権能 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 誰が行うか | 衆議院と参議院が共同して行うことができるもの | 衆議院と参議院がそれぞれ独立して行うことができるもの | |
| 裁判に関するもの最重要 | 弾劾裁判所の設置(64条)。裁判官を罷免すべきかを判断する機関で、衆参各7人の計14人で構成する | 議員の資格争訟の裁判(55条)。議席を失わせるには出席議員の3分の2以上の議決が必要 | 資格争訟は裁判という名前でも裁判所ではなく議院の権能です。 |
| ルールをつくるもの | 法律の制定(59条)と、憲法改正の発議(96条) | 議院規則の制定(58条2項)。各議院が自分の議事のルールを定める | |
| 人に関するもの | 内閣総理大臣の指名(67条)。国会議員の中から国会の議決で指名する | 議長その他の役員の選任(58条1項)と、議員の懲罰(58条2項) | |
| そのほか | 条約の承認(61条)と、予算の議決などの財政監督(86条等) | 国政調査権(62条)、国務大臣の出席要求(63条)、会期前に逮捕された議員の釈放要求(50条)、秘密会の開催(57条1項) |
判断ポイント
判断ポイント
資格争訟は裁判という名前でも裁判所ではなく議院の権能です。
判断ポイント
判断ポイント
判断ポイント
最重要・比較表
名称を覚えるだけでは肢が切れません。まず「誰を、いつから縛る効力か」を確かめると、国民を縛る効力と、私人の主張を封じる効力と、行政庁自身を縛る効力に分かれます。
| 事由 | 公定力 | 不可争力 | 不可変更力 | 執行力(自力執行力) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| どんな効力か | 瑕疵ある行政行為でも、権限のある行政機関または裁判所が取り消すまでは一応有効として扱われる | 一定期間が経過すると、相手方や利害関係人など私人の側からは効力を争えなくなる | 行政庁が行った行政行為を、行政庁が自ら変更することができなくなる | 義務を履行しない者に対し、裁判所の力を借りずに自力で内容を強制的に実現できる | 同じ「効力」でも、有効に扱う話・争えなくなる話・変えられなくなる話と中身が違います。 |
| 縛られるのは誰か最重要 | 国民の側。取り消されるまでは違法な処分でも有効なものとして扱われる | 私人の側。期間が過ぎても処分庁が職権で取り消すことは可能 | 行政庁の側。審査請求の裁決をした審査庁は、いったん下した裁決を自ら変更できない | 国民の側。義務の内容が行政庁の手で強制的に実現される | 不可争力は私人だけを封じる効力で、行政庁の職権取消しまでは封じません。 |
| どの行為に生じるか | 瑕疵ある行政行為一般。ただし重大かつ明白な瑕疵で無効な行為には公定力がない | 行政行為一般。無効な行為には生じず、期間の制限なくいつでも無効を主張できる | 審査請求の裁決など一部の行政行為に認められるもので、行政行為一般に認められるものではない | 義務を課す行政行為について問題になる。自力執行には別に法律の根拠が必要 | 無効な行政行為には公定力も不可争力も生じない、という線引きが出発点です。 |
| 落としやすい注意点 | 国家賠償請求訴訟や刑事訴訟で違法を主張するのに、あらかじめ取消判決を得ておく必要はない | 私人が争えなくなるだけで、期間経過後も行政庁が職権で取り消すことはできる | 裁決にも公定力と不可争力は働く。取り消されるまで有効で、期間が過ぎれば争えなくなる | 強制執行を自力で行うことを認めるだけで、法律の根拠なしに強制執行できる意味ではない | 公定力は取消しの話であって、金銭賠償を求める国家賠償には及びません。 |
判断ポイント
同じ「効力」でも、有効に扱う話・争えなくなる話・変えられなくなる話と中身が違います。
判断ポイント
不可争力は私人だけを封じる効力で、行政庁の職権取消しまでは封じません。
判断ポイント
無効な行政行為には公定力も不可争力も生じない、という線引きが出発点です。
判断ポイント
公定力は取消しの話であって、金銭賠償を求める国家賠償には及びません。
最重要・比較表
最初に見るのは、その効力が認容判決だけのものか、棄却判決にも生じるものかです。ここを分けておくと、誰に及ぶかとやり直し義務の有無も整理できます。
| 事由 | 形成力 | 第三者効 | 拘束力 | 既判力 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 効力の内容 | 取消判決により処分の効力が失われ、最初からなかったことになる | 処分を取り消す判決の形成力が、訴訟の当事者以外の第三者に対しても及ぶ | 取消判決が処分をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する | 判決が確定すると、同一の事項について確定判決と矛盾する主張・判断を後の訴訟でできなくなる | 3つは処分の運命に関する効力、既判力だけが後の訴訟に関する効力です。 |
| どの判決で生じるか最重要 | 請求を認める認容判決(取消判決)のときの効力である | 処分または裁決を取り消す判決だけに生じ、棄却判決には生じない | 取消判決のときの効力で、棄却判決には生じない | 認容判決にも棄却判決にも認められる効力である | 棄却判決にも拘束力や第三者効があるとする肢が正面から問われます。 |
| どこまで及ぶか | 処分の効力そのものに及び、処分庁の職権取消しを待たずに効力が失われる | 原告・被告以外の第三者にも判決の効力が及ぶ | 処分をした行政庁だけでなく、その他の関係行政庁にも及ぶ | 後の訴訟に及び、同じ事項を蒸し返すことができなくなる | 拘束力が処分庁だけに及ぶとする主体のすり替えに注意します。 |
| 実務上どうなるか | 処分は当初からなかった扱いになるため、改めて取消しの手続をとる必要がない | 処分が取り消されたことを前提に、第三者の法律関係も処理される | 申請を却下・棄却した処分が取り消されたら、処分庁は判決の趣旨に従い改めて処分をする(33条2項) | 同じ争点をもう一度訴訟で持ち出しても、判断は覆らない | やり直し義務まで課すのは拘束力だけで、形成力は処分を消すだけです。 |
判断ポイント
3つは処分の運命に関する効力、既判力だけが後の訴訟に関する効力です。
判断ポイント
棄却判決にも拘束力や第三者効があるとする肢が正面から問われます。
判断ポイント
拘束力が処分庁だけに及ぶとする主体のすり替えに注意します。
判断ポイント
やり直し義務まで課すのは拘束力だけで、形成力は処分を消すだけです。
最重要・比較表
最初に何の権利かを確認します。債権は主観的起算点と客観的起算点の二本立てで早い方の満了により完成し、不法行為では3年と20年に数字が変わります。
| 事由 | 一般の債権(166条1項) | 不法行為による損害賠償請求権(724条) | 債権・所有権以外の財産権(166条2項) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 知った時からの期間 | 権利を行使できることを知った時から5年 | 損害および加害者を知った時から3年 | 規定なし | 主観的起算点は「知った時」であり、権利が発生した時ではない点に注意します。 |
| 行使できる時からの期間 | 権利を行使することができる時から10年 | 不法行為の時から20年 | 権利を行使することができる時から20年 | 所有権そのものは消滅時効にかからず、所有権に基づく物権的請求権も同様です。 |
| 人の生命または身体の侵害の場合最重要 | 行使できる時からの期間が10年ではなく20年になる(167条) | 知った時からの期間が3年ではなく5年になる(724条の2) | 規定なし | どちらの構成でも「知った時から5年・起算点から20年」にそろうよう調整されています。 |
| 二つの期間の関係 | 両方を併用し、いずれかが満了した時に時効が完成する | いずれかが満了した時に時効が完成する | 行使できる時からの20年という一本だけ | 後から知っても客観的期間の満了で完成するため、遅い方まで待てるわけではありません。 |
判断ポイント
主観的起算点は「知った時」であり、権利が発生した時ではない点に注意します。
判断ポイント
所有権そのものは消滅時効にかからず、所有権に基づく物権的請求権も同様です。
判断ポイント
どちらの構成でも「知った時から5年・起算点から20年」にそろうよう調整されています。
判断ポイント
後から知っても客観的期間の満了で完成するため、遅い方まで待てるわけではありません。
最重要・比較表
最初に確かめるのは家庭裁判所の手続が要るかどうかです。欠格は当然に効力が生じ、廃除は被相続人の請求と審判があってはじめて効力が生じます。
| 事由 | 相続欠格(891条) | 推定相続人の廃除(892条) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 対象になる人 | 遺言書を偽造・隠匿するなど相続に関して悪い行為をしたすべての推定相続人 | 被相続人に虐待や重大な侮辱を加えたときなどの、遺留分を有する推定相続人 | 廃除は遺留分を持つ推定相続人が対象なので、遺留分のない兄弟姉妹は廃除できません。 |
| 効力の発生最重要 | 何らの手続も要らず、法律上当然に相続権を失わせる | 被相続人の請求により、家庭裁判所の審判で相続権を失わせる | 欠格に家庭裁判所の手続が必要と書かれていたら誤りです。ここが最頻出の分かれ目です。 |
| 他の人の相続との関係 | その被相続人以外の者との関係では相続能力は否定されず、他の人の相続人にはなれる | 廃除された者も、その被相続人以外の者との関係では相続能力を否定されない | どちらも一身専属的で、父の相続権を失っても母を相続することはできます。 |
| 資格を回復する制度 | 回復の制度はない | 被相続人は、家庭裁判所に廃除の取消しを請求することができる | 被相続人の意思で始まる廃除だからこそ、被相続人の意思で取り消せます。 |
| 代襲相続の原因になるか | なる。欠格で相続権を失った子の直系卑属が代わりに相続する(887条2項) | なる。廃除で相続権を失った場合も代襲相続が生じる(887条2項) | 代襲原因は死亡・欠格・廃除の3つで、相続放棄は代襲原因になりません。 |
判断ポイント
廃除は遺留分を持つ推定相続人が対象なので、遺留分のない兄弟姉妹は廃除できません。
判断ポイント
欠格に家庭裁判所の手続が必要と書かれていたら誤りです。ここが最頻出の分かれ目です。
判断ポイント
どちらも一身専属的で、父の相続権を失っても母を相続することはできます。
判断ポイント
被相続人の意思で始まる廃除だからこそ、被相続人の意思で取り消せます。
判断ポイント
代襲原因は死亡・欠格・廃除の3つで、相続放棄は代襲原因になりません。
最重要・比較表
最初にその動産がどう手を離れたかを見ます。だまし取られたのか、盗まれたか落としたのかで、元の所有者が取り戻せるかどうかと、そのための条件が変わります。
| 事由 | だまし取られた動産・貸していた動産 | 盗まれた動産・落とした動産 | 盗品等を競売や公の市場で善意で買った場合 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 買主の即時取得 | 192条の要件を満たせば成立し、元の所有者は所有権を失う | 192条の要件を満たせば成立するが、回復請求という例外がある | 192条の要件を満たせば成立し、代価の弁償なしには取り戻されない | 占有改定では即時取得できず、現実の引渡し・簡易の引渡し・指図による占有移転なら成立します。 |
| 元の所有者の回復請求最重要 | できない | できる | 占有者が支払った代価を弁償しなければできない(194条) | 回復請求が認められるのは盗品と遺失物だけで、詐取や貸借の場合には認められません。 |
| 請求できる期間と起算点 | 回復請求そのものが認められないため期間の定めもない | 盗難または遺失の時から2年(193条) | 盗難または遺失の時から2年(193条) | 起算点は占有者が買った時ではなく盗難・遺失の時で、ここを入れ替える出題が定番です。 |
判断ポイント
占有改定では即時取得できず、現実の引渡し・簡易の引渡し・指図による占有移転なら成立します。
判断ポイント
回復請求が認められるのは盗品と遺失物だけで、詐取や貸借の場合には認められません。
判断ポイント
起算点は占有者が買った時ではなく盗難・遺失の時で、ここを入れ替える出題が定番です。
最重要・比較表
最初に保護者に同意権があるかを見ます。成年後見人だけ同意権がないため、同意を得てした行為でもなお取り消せます。保佐人と補助人は審判で権限が足される点も押さえます。
| 事由 | 親権者・未成年後見人 | 成年後見人 | 保佐人 | 補助人 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 保護される本人 | 18歳未満の未成年者(4条)。親権者がいないときは未成年後見人が保護者になる | 事理を弁識する能力を欠く常況で後見開始の審判を受けた者(7条) | 事理を弁識する能力が著しく不十分で保佐開始の審判を受けた者(11条) | 事理を弁識する能力が不十分で補助開始の審判を受けた者(15条1項) | 判断能力がどれだけ残っているかで類型が決まり、残っているほど本人が単独でできる範囲が広がります。 |
| 同意権最重要 | あり | なし | あり | 原則なし。家庭裁判所の審判で設定できる | 成年後見人に同意権はないので、後見人の同意を得てした行為でもなお取り消すことができます。 |
| 代理権 | あり | あり | 原則なし。代理権付与の審判で付与される(876条の4) | 原則なし。家庭裁判所の審判で設定できる | 保佐人と補助人は当然には代理権をもたず、代理権付与の審判があってはじめて代理できます。 |
| 取消権・追認権 | どちらもあり | どちらもあり | どちらもあり | 原則なし。家庭裁判所の審判で設定できる | 取り消せるのは本人と保護者の双方であり、契約の相手方には取消権が認められていません。 |
| 本人が単独でできる行為 | 単に権利を得または義務を免れる行為、処分を許された財産の処分、許された営業に関する行為(5条1項・3項、6条1項) | 日用品の購入その他日常生活に関する行為。これは勝手に行っても取り消せない(9条) | 13条1項に挙げられた重要な財産上の行為以外は単独でできる | 13条1項の行為のうち審判で定められた特定の行為以外は単独でできる | 後見は原則単独では不可で例外的に可、保佐と補助は原則単独で可で例外的に不可と、発想が逆になります。 |
判断ポイント
判断能力がどれだけ残っているかで類型が決まり、残っているほど本人が単独でできる範囲が広がります。
判断ポイント
成年後見人に同意権はないので、後見人の同意を得てした行為でもなお取り消すことができます。
判断ポイント
保佐人と補助人は当然には代理権をもたず、代理権付与の審判があってはじめて代理できます。
判断ポイント
取り消せるのは本人と保護者の双方であり、契約の相手方には取消権が認められていません。
判断ポイント
後見は原則単独では不可で例外的に可、保佐と補助は原則単独で可で例外的に不可と、発想が逆になります。
最重要・比較表
最初に見るのは事務所の数です。複数の事務所を禁じられているのは個人だけで、そこから懲戒処分の3つ目の内容まで枝分かれしていきます。
| 事由 | 行政書士(個人) | 行政書士法人 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 事務所 | 業務を行うための事務所を設けなければならず、2以上設けてはならない(8条1項・2項)。使用人である行政書士等は事務所を設けられない(同3項) | 定款に主たる事務所および従たる事務所の所在地を記載する(13条の8第3項) | 複数事務所の禁止は個人に対する規制です。法人にも及ぶとする記述が誤りになります。 |
| 成立の仕方 | 行政書士となる資格を有する者が行政書士名簿に登録を受けて行政書士となる(6条1項) | 社員となる行政書士が定款を定め(13条の8第1項)、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることによって成立する(13条の9) | 法人は主たる事務所の所在地での設立登記によって成立し(13条の9)、社員となれるのは行政書士だけです(13条の5第1項)。 |
| 懲戒処分の種類最重要 | 戒告、2年以内の業務の停止、業務の禁止の3つ(14条) | 戒告、2年以内の業務の全部または一部の停止、解散の3つ(14条の2第1項) | 個人に解散はなく、法人に業務の禁止はありません。3つ目だけが入れ替わります。 |
| 懲戒を行う者 | 都道府県知事が、当該行政書士に対して懲戒処分をする(14条) | 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事が処分をする(14条の2第1項) | 懲戒権者は連合会でも総務大臣でもなく都道府県知事です。 |
| 立入検査 | 都道府県知事は日没から日出までの時間を除き、事務所に立ち入り帳簿と関係書類を検査させることができる(13条の22第1項) | 法人の事務所も同じ規定の対象で、日没から日出までの時間を除いて検査させることができる(13条の22第1項) | 夜間に立入検査ができるとする記述は誤りです。個人と法人で扱いは変わりません。 |
判断ポイント
複数事務所の禁止は個人に対する規制です。法人にも及ぶとする記述が誤りになります。
判断ポイント
法人は主たる事務所の所在地での設立登記によって成立し(13条の9)、社員となれるのは行政書士だけです(13条の5第1項)。
判断ポイント
個人に解散はなく、法人に業務の禁止はありません。3つ目だけが入れ替わります。
判断ポイント
懲戒権者は連合会でも総務大臣でもなく都道府県知事です。
判断ポイント
夜間に立入検査ができるとする記述は誤りです。個人と法人で扱いは変わりません。
混同注意・比較表
最初に確認するのは「誰が行うか」です。3つとも日本行政書士会連合会が行い都道府県知事は出てきません。次に義務か裁量かを見ます。
| 事由 | 登録の拒否 | 登録の取消し | 登録の抹消 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 処分を行う者 | 日本行政書士会連合会が登録を拒否する(6条の2第2項) | 日本行政書士会連合会が登録を取り消す(6条の5第1項) | 日本行政書士会連合会が登録を抹消する(7条1項・2項) | 行政書士名簿は連合会に備えられ、登録に関する処分もすべて連合会が行います。 |
| 主な事由 | 行政書士となる資格がないとき、心身の故障で業務を行えないとき、信用や品位を害するおそれがあるなど適格性を欠くとき(6条の2第2項) | 偽りその他不正の手段により登録を受けたことが判明したとき(6条の5第1項) | 欠格事由への該当、廃業の届出、死亡、登録取消処分(7条1項)。2年以上業務を行わないとき等は7条2項による | 不正な手段で登録を受けた場合は取消し、資格や業務の実態が失われた場合は抹消と整理します。 |
| 義務か裁量か最重要 | 事由に当たると認めたときは登録を拒否しなければならない(6条の2第2項) | 判明したときは登録を取り消さなければならない(6条の5第1項) | 7条1項の事由は抹消しなければならず、7条2項の事由は抹消することができる | 抹消だけが義務と裁量に分かれます。この2つを入れ替えて誤りとする問題が定番です。 |
| 不服があるとき | 総務大臣に対して審査請求をすることができる(6条の3第1項) | 同じく総務大臣に対して審査請求をすることができる(6条の5第3項) | 7条2項の裁量的な抹消であれば、同じく総務大臣に対して審査請求をすることができる(7条3項)。7条1項の必要的な抹消は準用の対象外 | 相手方を都道府県知事とする記述は誤りです。登録まわりの不服申立ては総務大臣です。 |
判断ポイント
行政書士名簿は連合会に備えられ、登録に関する処分もすべて連合会が行います。
判断ポイント
不正な手段で登録を受けた場合は取消し、資格や業務の実態が失われた場合は抹消と整理します。
判断ポイント
抹消だけが義務と裁量に分かれます。この2つを入れ替えて誤りとする問題が定番です。
判断ポイント
相手方を都道府県知事とする記述は誤りです。登録まわりの不服申立ては総務大臣です。
混同注意・比較表
最初に見るのは「不服申立ての代理かどうか」です。特定行政書士に限られるのはそこだけで、書類の作成も提出手続の代理も一般の行政書士が行えます。
| 事由 | 一般の行政書士 | 特定行政書士 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 作成できる書類 | 官公署に提出する書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の3類型を作成できる(1条の3第1項) | 作成できる書類は一般の行政書士と同じ3類型で、特定行政書士になっても作成できる書類は増えない | 特定行政書士は作成できる書類が広がる資格ではありません。差は代理の場面に出ます。 |
| 提出手続の代理と相談 | 官公署に提出する手続を代理でき(1条の4第1項1号)、書類の作成について相談に応ずることもできる(同項4号) | 同じく提出手続の代理も相談もできる。これらは特定行政書士に限定された業務ではない | 1条の4の業務がすべて特定行政書士に限られる、という言い回しが誤りの定番です。 |
| 許認可等の不服申立ての代理最重要 | 代理できない | 行政書士が作成できる官公署提出書類に係る許認可等に関する審査請求等の手続を代理できる(1条の4第1項2号・2項) | 差がつくのはこの1行だけです。対象は自分が作成できる官公署提出書類に係る許認可等に限られます。 |
| 必要な手続 | 行政書士名簿への登録を受ければ足り、それ以上の研修は求められない | 日本行政書士会連合会が実施する所定の研修課程を修了した行政書士が特定行政書士となる(1条の4第2項) | 特定行政書士は試験ではなく研修の修了で得られる立場である点が問われます。 |
判断ポイント
特定行政書士は作成できる書類が広がる資格ではありません。差は代理の場面に出ます。
判断ポイント
1条の4の業務がすべて特定行政書士に限られる、という言い回しが誤りの定番です。
判断ポイント
差がつくのはこの1行だけです。対象は自分が作成できる官公署提出書類に係る許認可等に限られます。
判断ポイント
特定行政書士は試験ではなく研修の修了で得られる立場である点が問われます。
最重要・比較表
まず、その不利益処分が許認可の取消しなど打撃の大きいものかを確かめます。ここで聴聞か弁明かが決まり、使える手続の中身まで一気に変わります。
| 事由 | 聴聞 | 弁明の機会の付与 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| とられる場面最重要 | 許認可等を取り消す処分、名あて人の資格や地位を直接はく奪する処分、法人の役員の解任を命ずる処分など。これら以外でも行政庁が相当と認めるときは聴聞になる | 聴聞の手続がとられる場合以外の不利益処分。営業停止の処分をしようとするときが例 | 営業停止は資格のはく奪ではないので、原則として弁明で足ります。 |
| 審理の方式 | 口頭審理を原則とする正式の手続で、期日に出頭して意見を述べる | 書面審理を原則とする略式の手続。行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明書の提出による | 口頭でするかどうかを選べるのは行政庁で、当事者が選べるわけではありません。 |
| 参加人・補佐人 | 利害関係人は主宰者の許可を得て参加でき、当事者は主宰者の許可を得て補佐人とともに出頭できる | 参加人の規定も補佐人の規定も準用されていない | 参加の求めも許可も主宰者の権限で、行政庁の権限ではありません。 |
| 代理人 | 選任できる | 選任できる | 弁明に準用されているのは、公示送達(15条3項)と代理人(16条)だけです。 |
| 文書等の閲覧請求 | 聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求められる | 閲覧請求はできない | 閲覧できる期間の終わりは聴聞の期日ではなく、聴聞が終結する時までです。 |
| 通知の際の教示 | 期日に出頭して意見を述べ証拠書類等を提出できること、資料の閲覧を求められることを教示する | 教示の規定はない | 弁明の通知事項は、処分の内容と根拠、原因事実、弁明書の提出先と提出期限の三つだけです。 |
判断ポイント
営業停止は資格のはく奪ではないので、原則として弁明で足ります。
判断ポイント
口頭でするかどうかを選べるのは行政庁で、当事者が選べるわけではありません。
判断ポイント
参加の求めも許可も主宰者の権限で、行政庁の権限ではありません。
判断ポイント
弁明に準用されているのは、公示送達(15条3項)と代理人(16条)だけです。
判断ポイント
閲覧できる期間の終わりは聴聞の期日ではなく、聴聞が終結する時までです。
判断ポイント
弁明の通知事項は、処分の内容と根拠、原因事実、弁明書の提出先と提出期限の三つだけです。
混同注意・比較表
最初に確認するのは開示を受けたかどうかです。訂正と利用停止は開示を受けた後90日以内でなければ請求できず、開示請求だけが入口になります。
| 事由 | 開示請求 | 訂正請求 | 利用停止請求 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 請求できる場面 | 何人も、行政機関の長等に対し、自己を本人とする保有個人情報の開示を請求できる(76条1項) | 何人も、自己を本人とする保有個人情報の内容が事実でないと思料するときに請求できる(90条1項) | 何人も、利用目的の達成に必要な範囲を超えて保有されていると思料するときに請求できる(98条1項1号) | いずれも「自己を本人とする」保有個人情報に限られ、他人の情報は請求できません。 |
| 請求できる内容 | 当該保有個人情報の開示。法定代理人や任意代理人も本人に代わって請求できる(76条2項) | 当該保有個人情報の内容の訂正、追加または削除(90条1項) | 当該保有個人情報の利用の停止または消去(98条1項) | 訂正の対象は内容が事実でないことです。主観的な評価は訂正を求められません。 |
| 開示を受けていることが前提か最重要 | 開示を受けていることは要件ではなく、この請求が本人関与の入口になる | 開示を受けた日から90日以内にしなければならない(90条3項) | 開示を受けた日から90日以内にしなければならない(98条3項) | 訂正と利用停止には開示前置主義がとられており、順序を逆にはできません。 |
| 不服があるとき | 開示決定等や請求に係る不作為について審査請求ができ、原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問される(105条1項) | 訂正決定等や請求に係る不作為について審査請求ができ、同じく審査会に諮問される(105条1項) | 利用停止決定等や請求に係る不作為について審査請求ができ、同じく審査会に諮問される(105条1項) | 諮問先は個人情報保護委員会ではなく情報公開・個人情報保護審査会です。 |
判断ポイント
いずれも「自己を本人とする」保有個人情報に限られ、他人の情報は請求できません。
判断ポイント
訂正の対象は内容が事実でないことです。主観的な評価は訂正を求められません。
判断ポイント
訂正と利用停止には開示前置主義がとられており、順序を逆にはできません。
判断ポイント
諮問先は個人情報保護委員会ではなく情報公開・個人情報保護審査会です。
最重要・比較表
まず何についての議決かを確かめます。衆議院の優越が認められるのはこの四つだけで、両院協議会が任意か必要か、参議院が動かないときの日数がそれぞれ違います。
| 事由 | 法律案の議決 | 予算の議決 | 条約の承認 | 内閣総理大臣の指名 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 衆議院の先議権 | 先議権はない | 先に衆議院に提出しなければならない(60条1項) | 先議権はない | 先議権はない | 四つのうち先に衆議院へ出すことが決まっているのは予算だけです。 |
| 両院協議会の開催最重要 | 任意的。衆議院が求めることはできるが、開かなくてもよい(59条3項) | 必要的。両院で異なった議決になったときは必ず開かれる | 必要的。両院で異なった議決になったときは必ず開かれる | 必要的。両院で異なった議決になったときは必ず開かれる | 任意なのは法律案だけ。任意と必要を入れ替える肢が定番です。 |
| 参議院が議決しないとき | 60日以内に議決しないときは、衆議院は参議院が否決したものとみなすことができる | 30日以内に議決しないときは、衆議院の議決がそのまま国会の議決となる | 30日以内に議決しないときは、衆議院の議決がそのまま国会の議決となる | 10日以内に議決しないときは、衆議院の議決がそのまま国会の議決となる | 60日は否決とみなす制度、30日と10日は衆議院の議決が国会の議決になる制度です。 |
| 衆議院の再可決 | あり。出席議員の3分の2以上の多数で再び可決すれば法律となる | 再可決の制度はない | 再可決の制度はない | 再可決の制度はない |
判断ポイント
四つのうち先に衆議院へ出すことが決まっているのは予算だけです。
判断ポイント
任意なのは法律案だけ。任意と必要を入れ替える肢が定番です。
判断ポイント
60日は否決とみなす制度、30日と10日は衆議院の議決が国会の議決になる制度です。
判断ポイント
混同注意・比較表
最初に「誰に催告したか」を確かめます。単独で追認できる人に催告して返事がなければ追認、そうでない本人に催告したときは類型ごとに取消しか効果なしに分かれます。
| 事由 | 未成年者 | 成年被後見人 | 被保佐人 | 被補助人 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 行為能力者となった後に本人へ催告した | 追認とみなす | 追認とみなす | 追認とみなす | 追認とみなす | 行為能力者になった本人は単独で追認できる立場なので、無言なら追認したものとして扱われます。 |
| 制限行為能力者のまま保護者へ催告した | 追認とみなす | 追認とみなす | 追認とみなす | 追認とみなす | 保護者は単独で追認できるため、返事がなければ契約は確定的に有効になります。 |
| 制限行為能力者のまま本人へ催告した最重要 | 効果が生じない | 効果が生じない | 取り消したものとみなす。保佐人の追認を得よという催告に期間内の通知がないとき | 取り消したものとみなす。補助人の追認を得よという催告に期間内の通知がないとき | 未成年者と成年被後見人は催告を受け取る力がなく、被保佐人と被補助人は取消し扱いになります。 |
| 定めるべき期間 | 1か月以上の期間を定めて催告する(20条) | 1か月以上の期間を定めて催告する(20条) | 1か月以上の期間を定めて催告する(20条) | 1か月以上の期間を定めて催告する(20条) | 期間は類型を問わず1か月以上で、無権代理の催告が「相当の期間」であるのと書き分けられています。 |
判断ポイント
行為能力者になった本人は単独で追認できる立場なので、無言なら追認したものとして扱われます。
判断ポイント
保護者は単独で追認できるため、返事がなければ契約は確定的に有効になります。
判断ポイント
未成年者と成年被後見人は催告を受け取る力がなく、被保佐人と被補助人は取消し扱いになります。
判断ポイント
期間は類型を問わず1か月以上で、無権代理の催告が「相当の期間」であるのと書き分けられています。
最重要・比較表
最初に、発起人以外からも出資を募るかどうかを確認します。募るなら創立総会の開催が必要になり、払込取扱機関の保管証明義務も生じます。
| 事由 | 発起設立 | 募集設立 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 誰が出資するか | 発起人だけが設立時発行株式の全部を引き受けて出資する | 発起人が一部を引き受けたうえで、残りについて発起人以外の引受人を募集する | どちらの方法でも、各発起人は最低1株以上を引き受けなければなりません(25条2項)。 |
| 創立総会の開催最重要 | 開催は不要 | 開催が必要(65条1項) | 創立総会は募集設立だけの手続です。「発起設立でも必要」とする肢が定番の誤りです。 |
| 設立時取締役の選任 | 発起人が、その議決権の過半数で選任する(38条1項) | 創立総会の決議によって選任する(88条1項) | 設立時取締役の仕事は設立過程の調査で、設立手続の執行は発起人の仕事です。 |
| 出資を履行しない者の扱い | 発起人に失権予告付きの催告をし、それでも履行しないときに失権する(36条) | 発起人には失権予告付催告が必要だが、発起人以外の引受人は期日までに履行しないと当然に失権する(63条3項) | 催告が要るのは発起人だけ。募集に応じた引受人は催告なしで当然失権します。 |
| 払込取扱機関の保管証明義務 | 証明義務なし | 証明義務あり(64条1項) | 払込みを銀行等の払込取扱場所で行う点は共通で、証明義務の有無だけが違います。 |
| 発起人の引受担保責任 | なし。予定額に届かなくても発起人が差額を負担する義務はない | なし。かつては存在したが法改正で廃止されている | どちらの方法でも引受担保責任は生じません。改正前の知識を使わせる肢に注意します。 |
判断ポイント
どちらの方法でも、各発起人は最低1株以上を引き受けなければなりません(25条2項)。
判断ポイント
創立総会は募集設立だけの手続です。「発起設立でも必要」とする肢が定番の誤りです。
判断ポイント
設立時取締役の仕事は設立過程の調査で、設立手続の執行は発起人の仕事です。
判断ポイント
催告が要るのは発起人だけ。募集に応じた引受人は催告なしで当然失権します。
判断ポイント
払込みを銀行等の払込取扱場所で行う点は共通で、証明義務の有無だけが違います。
判断ポイント
どちらの方法でも引受担保責任は生じません。改正前の知識を使わせる肢に注意します。
最重要・比較表
最初に効果が無効か取消しかを確認し、次に保護される第三者の主観を見ます。善意で足りるのか無過失まで要るのか、強迫だけ保護規定がないことが結論を分けます。
| 事由 | 虚偽表示(94条) | 錯誤(95条) | 詐欺(96条) | 強迫(96条) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 意思表示の効果 | 無効となる | 取り消せる | 取り消せる | 取り消せる | 取消しは瑕疵ある意思表示をした本人や代理人・承継人しかできず、無効にはその制限がありません。 |
| 第三者を保護する規定 | 94条2項が、無効を善意の第三者に対抗できないと定める | 95条4項が、取消しを善意でかつ過失がない第三者に対抗できないと定める | 96条3項が、取消しを善意でかつ過失がない第三者に対抗できないと定める | 規定なし | 96条3項は詐欺だけを対象にしており、強迫には第三者を保護する規定が置かれていません。 |
| 保護される第三者の主観 | 善意であればよく、過失の有無も登記を備えているかも問わない | 善意でかつ過失がないことが必要 | 善意でかつ過失がないことが必要。登記名義を移してあるかは関係ない | 保護規定がないため、善意か悪意か、過失があるかを問わない | 虚偽表示だけが善意で足り、錯誤と詐欺は無過失まで要求される点が答えを分けます。 |
| 善意無過失の第三者に無効・取消しを対抗できるか最重要 | できない | できない | できない | できる | 強迫された表意者には落ち度がないため、善意無過失の第三者よりも厚く保護されます。 |
判断ポイント
取消しは瑕疵ある意思表示をした本人や代理人・承継人しかできず、無効にはその制限がありません。
判断ポイント
96条3項は詐欺だけを対象にしており、強迫には第三者を保護する規定が置かれていません。
判断ポイント
虚偽表示だけが善意で足り、錯誤と詐欺は無過失まで要求される点が答えを分けます。
判断ポイント
強迫された表意者には落ち度がないため、善意無過失の第三者よりも厚く保護されます。
混同注意・比較表
最初に見るのは対価があるかどうかです。無償の使用貸借は借主の死亡で終わり、通常の必要費も借主が負担するなど、費用と終了の扱いが変わります。
| 事由 | 賃貸借契約 | 使用貸借契約 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 対価 | 相手方に物の使用・収益をさせ、賃料の支払を受ける有償の契約(601条) | 受け取った物を無償で使用・収益させ、終了時に返還を受ける契約(593条) | 賃料があるかどうかが出発点で、ここから費用負担や終了のルールが枝分かれします。 |
| 存続期間と終わり方 | 存続期間は最長50年で、これより長い期間を定めても50年になる(604条1項) | 期間を定めればその満了で終了し、期間も使用収益の目的も定めなければ貸主はいつでも解除できる(598条2項) | 使用貸借には上限期間の規定がなく、目的も期間も決めていなければ貸主の一存で終わらせられます。 |
| 通常の必要費 | 賃貸人の負担。賃借人が支出したときは直ちに償還を請求できる(608条1項) | 借主が自分で負担する。貸主に償還を請求できない(595条1項) | 「直ちに償還請求できる」のは賃貸借の必要費だけで、使用貸借では借主の持ち出しになります。 |
| 有益費 | 賃貸借の終了の時に、価格の増加が現存する限り償還される(608条2項本文) | 通常の必要費以外の費用として、貸主に償還を請求できる(595条2項) | 有益費はどちらも終了時の精算で、必要費のように直ちに請求できるわけではありません。 |
| 借主が死亡したとき最重要 | 賃借人が死亡しても賃貸借契約の効力は失われない | 借主の死亡によって使用貸借は終了する(597条3項) | 無償で借りている以上、借主個人への信頼が前提なので死亡で終わると考えると覚えやすいです。 |
判断ポイント
賃料があるかどうかが出発点で、ここから費用負担や終了のルールが枝分かれします。
判断ポイント
使用貸借には上限期間の規定がなく、目的も期間も決めていなければ貸主の一存で終わらせられます。
判断ポイント
「直ちに償還請求できる」のは賃貸借の必要費だけで、使用貸借では借主の持ち出しになります。
判断ポイント
有益費はどちらも終了時の精算で、必要費のように直ちに請求できるわけではありません。
判断ポイント
無償で借りている以上、借主個人への信頼が前提なので死亡で終わると考えると覚えやすいです。
最重要・比較表
行政が作るルールは、国民の権利義務に直接影響するかどうかで扱いが変わります。まず、新しい義務を課すものか、実施の細目にすぎないか、内部の基準かを確かめます。
| 事由 | 委任命令 | 執行命令 | 行政規則 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 定められる内容最重要 | 法律の個別具体的な委任により、私人の権利義務の内容自体を新たに定める | 権利義務関係の内容それ自体ではなく、その内容実現のための手続や実施に必要な具体的細目を定める | 国民の権利義務に直接影響を及ぼさない事項を定める。訓令、通達、審査基準、処分基準、行政指導指針や、行政規則の性質をもつ告示がこれにあたる。告示は公示の形式にすぎず、学習指導要領のように法規の性質をもつものもある | 新たに義務を課せるのは委任命令だけで、執行命令は細目どまりです。 |
| 法律の根拠(委任) | 法律の根拠が必要 | 法律の根拠が必要 | 法律の根拠は不要 | 法規命令と行政規則のどちらにも法律の根拠が要る、とする肢が定番の誤りです。 |
| 国民や裁判所を拘束するか | 法規たる性質をもつ命令であり、国民の権利義務を規律する | 法規たる性質をもつ命令であり、国民の権利義務を規律する | 法規の性質をもたない。通達は行政組織内部の命令にすぎず、一般国民は直接拘束されず、裁判所も通達と異なる独自の解釈ができる | 通達に国民が拘束されない以上、通達違反の処分が当然に違法になるわけでもありません。 |
判断ポイント
新たに義務を課せるのは委任命令だけで、執行命令は細目どまりです。
判断ポイント
法規命令と行政規則のどちらにも法律の根拠が要る、とする肢が定番の誤りです。
判断ポイント
通達に国民が拘束されない以上、通達違反の処分が当然に違法になるわけでもありません。
最重要・比較表
法律上の争訟にあたっても審査されないことがあります。まず誰の判断に委ねられた事柄かを見て、次にその判断が一般社会に影響するかを確かめます。
| 事由 | 司法審査の対象 | そうなる理由と判例 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 法律の制定の議事手続 | 審査されない | 両院の自主性を尊重すべき自律権の問題であり、有効無効を判断すべきでない(警察法改正無効事件) | |
| 衆議院の解散 | 審査されない | 直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為であり、法律的な判断が可能でも対象から除外される(苫米地事件) | 法律上の争訟にあたらないから審査しない、という理由づけではありません。 |
| 大学の単位の不認定 | 審査されない | 一般市民法秩序と直接の関係を有しない大学内部の問題にとどまる(富山大学単位不認定事件) | |
| 大学の専攻科修了の不認定 | 審査される | 専攻科の修了を認定しないことは、実質的に一般市民としての学生の国公立大学の利用を拒否するに等しく、一般市民法秩序と直接の関係をもつ(富山大学専攻科修了認定事件) | |
| 地方議会議員の出席停止最重要 | 審査される | 議員としての中核的な活動ができなくなるため、裁判所は常にその適否を判断できる(最大判令和2年11月25日) | 令和2年の判例変更で除名と同じ扱いになりました。国会議員の除名は自律権の問題として今も対象外です。 |
| 行政や立法の裁量に任された行為 | 原則として対象外 | 裁量権の逸脱または濫用があった場合に限って審査される(朝日訴訟・堀木訴訟) |
判断ポイント
判断ポイント
法律上の争訟にあたらないから審査しない、という理由づけではありません。
判断ポイント
判断ポイント
判断ポイント
令和2年の判例変更で除名と同じ扱いになりました。国会議員の除名は自律権の問題として今も対象外です。
判断ポイント
最重要・比較表
適用の有無は「何の手続か」と「根拠がどこにあるか」の二段で決まります。まず手続の種類を確かめ、そのうえで根拠規定が法律にあるか条例にあるかを見ます。
| 事由 | 根拠が法律・命令 | 根拠が条例・規則 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 処分最重要 | 適用される | 適用されない | 条例を根拠に処分するなら手続の定めも条例(行政手続条例)でよい、という発想です。 |
| 行政指導 | 適用されない | 適用されない | 行政指導は根拠を問わず一律に除外され、法律に根拠があれば適用されるとする肢は誤りです。 |
| 届出 | 適用される | 適用されない | 処分と届出だけが、根拠のありかによって結論が分かれます。 |
| 命令等を定める行為 | 適用されない | 適用されない | 命令等制定も根拠を問わず一律に除外されます。 |
判断ポイント
条例を根拠に処分するなら手続の定めも条例(行政手続条例)でよい、という発想です。
判断ポイント
行政指導は根拠を問わず一律に除外され、法律に根拠があれば適用されるとする肢は誤りです。
判断ポイント
処分と届出だけが、根拠のありかによって結論が分かれます。
判断ポイント
命令等制定も根拠を問わず一律に除外されます。
混同注意・比較表
最初に、その人が支配人として選任された者か、支配人らしい名称を付けられただけの者かを見ます。この区別で、裁判上の行為ができるかどうかが分かれます。
| 事由 | 支配人 | 表見支配人 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| どういう者か | 商人に雇われ、その営業に関する行為をする権限を与えられた商業使用人(21条1項) | 支配人ではないが、営業所の営業の主任者であるかのような名称を付けられた使用人(24条) | どちらも商人に雇われている使用人で、支配人自身が商人になるわけではありません。 |
| 代理権の範囲 | 商人に代わって、その営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をすることができる(21条1項) | 当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる(24条本文) | 表見支配人は「権限があるものとみなされる」だけで、支配人にみなされるわけではありません。 |
| 裁判上の行為最重要 | できる | 含まれない | 擬制されるのは裁判外の行為の代理権だけ。ここが最も出題される分かれ目です。 |
| 相手方が悪意のとき | 代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できないが、悪意の第三者には対抗できる(21条3項) | 相手方が悪意であるときは、表見支配人の規定は適用されない(24条ただし書) | 支配人は「制限を対抗できるか」、表見支配人は「制度自体が使えるか」で悪意が効いてきます。 |
| 地位の生じ方 | 商人が支配人として選任し、選任したときはその登記をしなければならない(22条前段) | 支配人らしい名称を付けたことにより、法律上その権限があるものとみなされるにとどまる | 選任と登記があるのが支配人、名称だけなのが表見支配人という入口の違いです。 |
判断ポイント
どちらも商人に雇われている使用人で、支配人自身が商人になるわけではありません。
判断ポイント
表見支配人は「権限があるものとみなされる」だけで、支配人にみなされるわけではありません。
判断ポイント
擬制されるのは裁判外の行為の代理権だけ。ここが最も出題される分かれ目です。
判断ポイント
支配人は「制限を対抗できるか」、表見支配人は「制度自体が使えるか」で悪意が効いてきます。
判断ポイント
選任と登記があるのが支配人、名称だけなのが表見支配人という入口の違いです。
最重要・比較表
最初に確かめるのは、法令に基づく申請をしているかどうかです。申請していれば申請型になり、重大な損害も補充性も不要になる代わりに併合提起が必要です。
| 事由 | 非申請型(直接型)義務付け訴訟 | 申請型義務付け訴訟 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 使う場面 | 申請を前提とせず、出すべき処分が出されないとき。違反建築物への是正命令を周辺住民が求める場合など | 法令に基づく申請をしたのに何も返答がない場合や、申請を拒否する処分がされた場合 | 自分が申請したかどうかで、そもそもどちらの類型かが決まります。 |
| 提起できる人 | 処分を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限られる(37条の2第3項) | 法令に基づく申請または審査請求をした者に限られる(37条の3第2項) | 非申請型は処分の名宛人ではない第三者が原告になることが多い類型です。 |
| 重大な損害の要件最重要 | 処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあることが必要(37条の2第1項) | 重大な損害は不要 | 非申請型の要件をそのまま申請型に当てはめる混同が最頻出です。 |
| 補充性の要件 | その損害を避けるため他に適当な方法がないことが必要(37条の2第1項) | 補充性の要件はない | 重大な損害だけ挙げて補充性を落とす肢が典型の誤りです。 |
| 他の訴えとの併合 | 義務付け訴訟だけを単独で提起できる。併合提起の要求は非申請型には及ばない | 不作為型なら不作為の違法確認の訴え、拒否処分型なら取消訴訟等を併合提起しなければならない | 併合が必要なのは申請型だけ。条文は「しなければならない」です。 |
判断ポイント
自分が申請したかどうかで、そもそもどちらの類型かが決まります。
判断ポイント
非申請型は処分の名宛人ではない第三者が原告になることが多い類型です。
判断ポイント
非申請型の要件をそのまま申請型に当てはめる混同が最頻出です。
判断ポイント
重大な損害だけ挙げて補充性を落とす肢が典型の誤りです。
判断ポイント
併合が必要なのは申請型だけ。条文は「しなければならない」です。
最重要・比較表
最初に確かめるのは催告が要るかどうかです。追完請求だけは催告なしででき、代金減額と解除は相当の期間を定めた催告が原則になります。
| 事由 | 履行の追完請求 | 代金減額請求 | 契約の解除 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 請求できる内容 | 目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しを請求できる(562条1項本文) | 不適合の程度に応じて代金の減額を請求できる(563条1項) | 債務不履行として415条の損害賠償を請求でき、541条・542条により契約を解除できる(564条) | 564条があるため、損害賠償と解除は追完請求や代金減額請求ができる場合でも重ねて使えます。 |
| 催告が必要か最重要 | 催告は不要。修補・代替物・不足分のうち買主が方法を選んで請求する(562条1項本文) | 相当の期間を定めて追完を催告し、その期間内に追完がないときにできる(563条1項) | 相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときにできる(541条本文) | 催告なしでよいのは追完請求だけです。減額と解除は「まず催告」が出発点になります。 |
| 催告なしでできる場合 | 催告の規定なし | 追完が不能なとき、売主が追完を拒絶する意思を明確に表示したとき、定期行為で時期を経過したときなど(563条2項) | 債務の全部の履行が不能なとき、債務者が全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときなど(542条1項) | 催告しても意味がない場面という発想は、563条2項と542条1項でほぼ共通しています。 |
| 買主に帰責事由があるとき | 請求できない | 請求できない | 解除できない | 不適合や不履行が買主(債権者)の責めに帰すべき事由によるときは、いずれの手段も使えません(562条2項・563条3項・543条)。 |
判断ポイント
564条があるため、損害賠償と解除は追完請求や代金減額請求ができる場合でも重ねて使えます。
判断ポイント
催告なしでよいのは追完請求だけです。減額と解除は「まず催告」が出発点になります。
判断ポイント
催告しても意味がない場面という発想は、563条2項と542条1項でほぼ共通しています。
判断ポイント
不適合や不履行が買主(債権者)の責めに帰すべき事由によるときは、いずれの手段も使えません(562条2項・563条3項・543条)。
混同注意・比較表
最初に見るのは、処分の相手方への教示か、利害関係人から求められた教示かです。ここが決まると、書面でしなければならないかどうかが決まります。
| 事由 | 必要的教示(82条1項) | 請求による教示(82条2項) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 誰に対して教示するか | 処分の相手方に対して、行政庁の側から教示する | 処分の相手方以外の利害関係人に対して教示する | 相手方かそれ以外かで、行政庁が自分から動くかどうかが変わります。 |
| 教示義務が生じるきっかけ | 審査請求できる処分を書面でするときに、当然に義務が生じる | 利害関係人から教示を求められて初めて義務が生じる | 求めがなければ動かなくてよいのが2項の教示です。 |
| 教示する内容 | 審査請求できる旨、審査請求の宛先となる行政庁、審査請求できる期間の3つ | 審査請求できる処分かどうか、審査請求をすべき行政庁、審査請求できる期間 | 執行停止の申立てができる旨は、どちらの教示事項にも含まれません。 |
| 方式最重要 | 必ず書面でしなければならない。処分を口頭でする場合は教示義務がない | 方式の定めがなく口頭でもよいが、書面による教示を求められたときは書面でする(82条3項) | 1項の書面主義を2項にも及ぼす肢が典型の誤りです。 |
判断ポイント
相手方かそれ以外かで、行政庁が自分から動くかどうかが変わります。
判断ポイント
求めがなければ動かなくてよいのが2項の教示です。
判断ポイント
執行停止の申立てができる旨は、どちらの教示事項にも含まれません。
判断ポイント
1項の書面主義を2項にも及ぼす肢が典型の誤りです。
最重要・比較表
最初に、4つとも選任は株主総会決議だと押さえます。差がつくのは解任の決議要件と任期の年数、そして設置が義務か任意かの3点です。
| 事由 | 取締役 | 監査役 | 会計参与 | 会計監査人 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 役割 | 会社の業務を執行する(348条1項) | 取締役の職務の執行を監査する(381条1項) | 取締役と共同して計算書類等を作成する(374条1項) | 計算書類等を監査する(396条1項) | 会計参与は「作る側」、会計監査人は「チェックする側」という違いです。 |
| 選任 | 株主総会の決議で選任する(329条1項) | 株主総会の決議で選任する。取締役が選任議案を出すには監査役(複数のときは過半数)の同意が必要(343条1項) | 株主総会の決議で選任する(329条1項) | 株主総会の決議で選任する(329条1項) | 4つとも選任は株主総会決議です。違いが出るのは解任のほうです。 |
| 解任最重要 | 株主総会の決議で解任できる(339条1項) | 株主総会の特別決議が必要(339条1項、309条2項7号) | 株主総会の決議で解任できる(339条1項) | 株主総会の決議で解任できる(339条1項) | 特別決議が要るのは監査役の解任だけ。監査する立場を守るための加重です。 |
| 任期 | 2年(選任後2年以内に終了する事業年度の最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで) | 4年。4つの中で最も長く、取締役の2倍になる | 2年。取締役と同じ年数になる | 1年。4つの中で最も短い | 2年・4年・2年・1年の並びで覚えます。非公開会社では取締役・監査役に加えて会計参与も10年まで伸長できますが(332条2項・336条2項・334条1項)、会計監査人は伸長できません。監査等委員会設置会社では監査等委員である取締役が2年、それ以外の取締役は1年です(332条3項・4項)。 |
| 設置 | すべての株式会社に必ず置かなければならない | 公開会社では設置が必要。ただし監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社では置けない(327条4項) | 会社の規模や機関設計にかかわらず、定款で任意に設置できる(326条2項) | 監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社・大会社では設置が義務(327条5項、328条) | 大会社は資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社です。会計参与と入れ替えた肢に注意します。 |
| 会社法上の役員にあたるか | 役員にあたる | 役員にあたる | 役員にあたる | 役員ではない | 会計監査人だけが「役員」に含まれません(329条1項)。 |
判断ポイント
会計参与は「作る側」、会計監査人は「チェックする側」という違いです。
判断ポイント
4つとも選任は株主総会決議です。違いが出るのは解任のほうです。
判断ポイント
特別決議が要るのは監査役の解任だけ。監査する立場を守るための加重です。
判断ポイント
2年・4年・2年・1年の並びで覚えます。非公開会社では取締役・監査役に加えて会計参与も10年まで伸長できますが(332条2項・336条2項・334条1項)、会計監査人は伸長できません。監査等委員会設置会社では監査等委員である取締役が2年、それ以外の取締役は1年です(332条3項・4項)。
判断ポイント
大会社は資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社です。会計参与と入れ替えた肢に注意します。
判断ポイント
会計監査人だけが「役員」に含まれません(329条1項)。
最重要・比較表
最初に見るのは実方の父母との関係が切れるかどうかです。切れるのは特別養子だけで、そのぶん成立の手続も年齢の要件も厳しく定められています。
| 事由 | 普通養子縁組 | 特別養子縁組 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 成立の方法 | 縁組意思の合致と養子縁組の届出によって成立する | 養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判によって成立する(817条の2第1項) | 届出で成立するか審判で成立するかが、そのまま他の要件の厳しさに直結します。 |
| 家庭裁判所の許可 | 未成年者を養子とする場合など、必要となるときがある | 不要。審判によって成立するため、別に許可を得る必要はない | 特別養子で「許可が必要」と書かれていたら誤りです。審判そのものが成立要件だからです。 |
| 養親の要件 | 20歳以上であること。配偶者のある者が未成年者を養子とするときは夫婦共同縁組による | 原則25歳以上で、夫婦であり共同で縁組をすること。片方が25歳以上なら他方は20歳以上でよい | 普通養子は独身でもなれますが、特別養子は夫婦であることが要件です。 |
| 養子の要件 | 年齢の上限はないが、尊属または年長者を養子とすることはできない(793条) | 原則15歳未満であること。実方の父母の同意と6か月以上の試験養育期間も必要 | 特別養子は実親子関係を切るため、実方の父母の同意と試験養育という手続が加わります。 |
| 実方の父母との関係最重要 | 終了しない | 終了する | 効果の最大の違いはここで、届出でした縁組なら実親子関係は切れません。 |
判断ポイント
届出で成立するか審判で成立するかが、そのまま他の要件の厳しさに直結します。
判断ポイント
特別養子で「許可が必要」と書かれていたら誤りです。審判そのものが成立要件だからです。
判断ポイント
普通養子は独身でもなれますが、特別養子は夫婦であることが要件です。
判断ポイント
特別養子は実親子関係を切るため、実方の父母の同意と試験養育という手続が加わります。
判断ポイント
効果の最大の違いはここで、届出でした縁組なら実親子関係は切れません。
混同注意・比較表
条文の見出しが「許可」でも、講学上の分類は別物のことがあります。まず、本来禁止されていることを解除するのか、新しく権利を与えるのか、私人間の契約を完成させるのかを確かめます。
| 事由 | 許可 | 特許 | 認可 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 行為の内容最重要 | 法令等で一般的に禁止されていることを、特定の場合に解除する行為 | 特定人のために新しく権利を設定したり、法律上の力や地位を付与する行為 | 当事者間の法律行為を補充して、その法律効果を完成させる行為 | もともと自由だったことを戻すのが許可、もともとない権利を与えるのが特許です。 |
| 分類上の位置づけ | 命令的行為。国民が本来有している自由を制限し、またはその制限を解除する行為にあたる | 形成的行為。国民が本来有していない権利や地位を与える行為にあたる | 形成的行為。私人の法律行為を補充して効果を完成させるものとして分類される | 命令的行為か形成的行為かで、そもそも与えているものが違うと分かります。 |
| 具体例 | 自動車運転免許、飲食店営業許可。いずれも一般的な禁止を特定の場合に解除している | 道路の占用許可、外国人の帰化許可、公有水面の埋立免許 | 農地の権利移転の許可、銀行の合併の認可、河川占用権の譲渡の承認 | 特許と認可の例には、条文上「許可」と書かれているものが混じっています。 |
| 条文の名称にだまされない例 | 自動車の運転免許は運転を認めるものなので、特許ではなく許可にあたる | 道路の占用許可は本来ない占用の権利を設定するものなので、許可ではなく特許にあたる | 農地の権利移転の許可は売買契約を補充して所有権移転を完成させるので、許可ではなく認可にあたる | 法律が「○○の許可」と書いていても、分類は与えている効果で決まります。 |
判断ポイント
もともと自由だったことを戻すのが許可、もともとない権利を与えるのが特許です。
判断ポイント
命令的行為か形成的行為かで、そもそも与えているものが違うと分かります。
判断ポイント
特許と認可の例には、条文上「許可」と書かれているものが混じっています。
判断ポイント
法律が「○○の許可」と書いていても、分類は与えている効果で決まります。
最重要・比較表
最初に見るのはデータベースを構成しているかどうかです。構成して初めて個人データになり、事業者に開示等の権限があるものが保有個人データになります。
| 事由 | 個人情報 | 個人データ | 保有個人データ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 定義最重要 | 生存する個人に関する情報で、氏名等の記述により特定の個人を識別できるもの、または個人識別符号が含まれるもの(2条1項) | 個人情報データベース等を構成する個人情報(16条3項) | 事業者が開示、内容の訂正・追加・削除、利用の停止、消去、第三者提供の停止を行う権限を有する個人データ(16条4項) | 範囲は個人情報から個人データ、保有個人データへと段階的に狭くなります。 |
| 事業者に課される主な義務 | 利用目的をできる限り特定し(17条1項)、本人の同意なく目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱わない(18条1項) | 正確かつ最新の内容に保つ努力、安全管理措置、第三者提供の制限が加わる(22条・23条・27条1項) | これらに加え、本人からの開示・訂正等・利用停止等の請求に応じる義務を負う(33条〜35条) | 義務は積み上がっていきます。範囲が狭いほど負う義務は重くなると考えます。 |
| 本人の開示請求 | 請求の対象外 | 請求の対象外 | 開示を請求できる | 開示・訂正等・利用停止等を請求できるのは保有個人データだけです(33条1項)。 |
| 範囲から外れるもの | 法人の名称、死者の氏名、連絡先だけで特定の個人を識別できない情報は個人情報にあたらない | 個人情報データベース等を構成していない、散在した状態の個人情報は個人データにあたらない | 存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるものは除かれる(16条4項) | 6か月以内に消去するものを除くという規定は2022年4月施行の改正で削除されています。 |
判断ポイント
範囲は個人情報から個人データ、保有個人データへと段階的に狭くなります。
判断ポイント
義務は積み上がっていきます。範囲が狭いほど負う義務は重くなると考えます。
判断ポイント
開示・訂正等・利用停止等を請求できるのは保有個人データだけです(33条1項)。
判断ポイント
6か月以内に消去するものを除くという規定は2022年4月施行の改正で削除されています。
最重要・比較表
最初に確かめるのは、本案としてどの訴訟を起こしているかです。本案が決まると、求められる損害の重さも、本案の見込みを積極要件とするかどうかも決まります。
| 事由 | 執行停止 | 仮の義務付け | 仮の差止め | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 前提となる本案訴訟 | 取消訴訟の提起が前提。取消訴訟を提起せずに執行停止だけを申し立てることはできない | 義務付け訴訟の提起が前提。申請型と非申請型のいずれでも申し立てられる | 差止め訴訟の提起が前提。差止め訴訟なしに仮の差止めだけを申し立てることはできない | どれも仮の救済だけを単独で申し立てることはできません。 |
| 損害の要件最重要 | 処分等により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があること(25条2項) | 処分がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があること | 処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があること | 仮の義務付け・仮の差止めのほうが、要求される損害が重い点が急所です。 |
| 本案の見込み | 本案について理由がないとみえるときはできない、という消極的要件になっている | 本案について理由があるとみえることが必要という積極的要件になっている | 本案について理由があるとみえることが必要という積極的要件になっている | 要件の向きが逆です。執行停止は見込みがなさそうなら不可、仮の救済は見込みが要ります。 |
| 認められたときの状態 | 裁判所が処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部を選んで停止する。執行・手続の停止だけでは処分の効力自体は残る | 判決が出るまでの間、行政庁がとりあえず処分を出した状態が作られる | 判決が出るまでの間、行政庁が処分を出さない状態が保たれる | 執行停止には三つの態様があり、効力停止は他の停止で目的を達せられない場合に限られます。仮の義務付け・差止めとは救済の向きも異なります。 |
判断ポイント
どれも仮の救済だけを単独で申し立てることはできません。
判断ポイント
仮の義務付け・仮の差止めのほうが、要求される損害が重い点が急所です。
判断ポイント
要件の向きが逆です。執行停止は見込みがなさそうなら不可、仮の救済は見込みが要ります。
判断ポイント
執行停止には三つの態様があり、効力停止は他の停止で目的を達せられない場合に限られます。仮の義務付け・差止めとは救済の向きも異なります。
最重要・比較表
最初に見るのは元の個人情報に戻せるかどうかです。戻せる仮名加工情報は第三者提供が禁じられ、戻せない匿名加工情報は提供できます。
| 事由 | 仮名加工情報 | 匿名加工情報 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 加工後の識別可能性 | 他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように加工したもの(2条5項) | 特定の個人を識別することができないように加工したもの(2条6項) | 仮名加工は「照合しなければ識別できない」という状態にとどまる点が出発点です。 |
| 元の個人情報の復元最重要 | 元の個人情報を復元できる情報を含んだままでよい | 元の個人情報を復元することができないようにしておく必要がある | 復元できるかどうかが、この2つを分ける決定的な違いです。 |
| 第三者への提供 | 提供は禁止される | 提供できる | 仮名加工情報も第三者に提供できるとする記述が誤りの定番です。 |
| 加工の方法 | 氏名や連絡先等の記述の一部を削除・置換えし、個人識別符号を含む場合はその全部を削除・置換えする | 同じ措置を講じたうえで、当該個人情報を復元できないようにする一手間が加わる | 加工の手順自体は共通で、復元を不可能にする措置の有無で結論が変わります。 |
判断ポイント
仮名加工は「照合しなければ識別できない」という状態にとどまる点が出発点です。
判断ポイント
復元できるかどうかが、この2つを分ける決定的な違いです。
判断ポイント
仮名加工情報も第三者に提供できるとする記述が誤りの定番です。
判断ポイント
加工の手順自体は共通で、復元を不可能にする措置の有無で結論が変わります。
最重要・比較表
最初に、株式の譲渡に会社の承認が必要かどうかを確認します。譲渡が自由な株式を発行していれば公開会社で、機関設計も役員の任期も厳しい側のルールになります。
| 事由 | 公開会社 | 非公開会社 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| どういう会社か | 株式の譲渡が自由な株式を発行している会社で、資金調達をしたい会社のイメージ | 株式の譲渡に会社の承認を必要とする制限をかけている会社で、閉鎖的に経営したい会社のイメージ | 多くの人が関わる公開会社ほど、会社法のルールが厳しく設定されています。 |
| 取締役会の設置最重要 | 必ず設置しなければならない(327条1項) | 取締役会設置会社と非設置会社のどちらも選べる | 非公開会社なら取締役1人だけの会社も可能です。 |
| 取締役を株主に限る定款の定め | 定められない | 定められる | この資格制限が禁じられるのは公開会社のときだけです(331条2項)。会社の種類を入れ替えた肢に注意します。 |
| 取締役の任期 | 選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで(332条1項) | 定款に定めることで10年まで伸長できる(332条2項) | 身内だけの会社なら長く任せてよい、という発想で伸長が認められます。 |
| 監査役の任期 | 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで(336条1項) | 定款に定めることで10年まで伸長できる(336条2項) | 取締役2年・監査役4年が原則で、非公開会社ではどちらも10年まで伸ばせます。 |
判断ポイント
多くの人が関わる公開会社ほど、会社法のルールが厳しく設定されています。
判断ポイント
非公開会社なら取締役1人だけの会社も可能です。
判断ポイント
この資格制限が禁じられるのは公開会社のときだけです(331条2項)。会社の種類を入れ替えた肢に注意します。
判断ポイント
身内だけの会社なら長く任せてよい、という発想で伸長が認められます。
判断ポイント
取締役2年・監査役4年が原則で、非公開会社ではどちらも10年まで伸ばせます。
最重要・比較表
まず規制が何のために置かれたのかを確かめます。国民の生命や健康を守るための規制か、弱者保護という政策のための規制かで、裁判所の踏み込み方が変わり、結論も変わります。
| 事由 | 消極目的規制 | 積極目的規制 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 何のための規制か | 国民の生命・健康に対する危険の防止など、他人の迷惑になることを防ぐための規制 | 貧富の差といった問題に対応するため、弱者保護という政策的な観点から置かれる規制 | 規制がなぜ置かれたのかを、条文と立法の経緯から読み取るのが最初の作業です。 |
| 合憲かどうかの見方最重要 | 目的を達成するために必要かつ合理的な規制といえるかを、裁判所が実質的に検討する | 立法府の判断を尊重し、規制が著しく不合理であることが明白な場合に限って違憲とする | 積極目的では裁判所が一歩引くため、違憲となる場面がぐっと狭くなります。 |
| 代表的な判例 | 薬局距離制限事件(最大判昭和50年4月30日)。薬局開設の許可基準に距離制限を設けた事案 | 小売市場事件(最大判昭和47年11月22日)。中小企業保護のため小売市場に許可制と距離制限を設けた事案 | |
| 結論 | 22条1項に違反する | 22条1項に違反しない | どちらも距離制限ですが、目的の性質によって変わるのは審査の枠組みです。消極目的なら厳格に、積極目的なら明白の原則で審査するというだけで、目的の類型から結論が自動的に決まるわけではありません。 |
判断ポイント
規制がなぜ置かれたのかを、条文と立法の経緯から読み取るのが最初の作業です。
判断ポイント
積極目的では裁判所が一歩引くため、違憲となる場面がぐっと狭くなります。
判断ポイント
判断ポイント
どちらも距離制限ですが、目的の性質によって変わるのは審査の枠組みです。消極目的なら厳格に、積極目的なら明白の原則で審査するというだけで、目的の類型から結論が自動的に決まるわけではありません。
最重要・比較表
条文に「取消し」と書いてあっても、理由が後から起きた事情なら撤回です。まず、瑕疵が最初からあったのか、あとから生じた事情なのかを確かめてから効果を考えます。
| 事由 | 取消し | 撤回 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 効力を失わせる理由 | 行政行為が行われた時点で存在していた瑕疵(原始的瑕疵)を理由とする | 行為の時点では瑕疵がなく、あとから生じた事情(後発的事情)を理由とする | 分類を決めるのは条文の言葉ではなく、瑕疵がいつからあったかです。 |
| 効力が失われる範囲最重要 | 遡及効。さかのぼって最初から効力がなかったことになる | 将来効。今後に向かって効力がないことになり、過去の効力は残る | 撤回の効果が処分時にさかのぼるとする肢は、ここで切れます。 |
| 法律の根拠 | 根拠は不要 | 根拠は不要 | 撤回にだけ明文の根拠が要ると誤らせる肢が出ますが、紙面はどちらも不要としています。 |
| 行政手続法上の聴聞 | 許認可等を取り消す不利益処分にあたるなら聴聞が必要(行政手続法13条1項1号イ)。相手方に不利益を課さない職権取消しには意見陳述手続は不要 | 許認可等を取り消す不利益処分にあたるため聴聞が必要(行政手続法13条1項1号イ) | 13条1項が要求する意見陳述の機会は、撤回にあたる場合にも及びます。 |
| 具体例 | 懲戒処分を受ける理由もないのにされた懲戒処分を取り消すこと | 道路交通法違反を理由に運転免許を取り消すこと。砂利採取業者が採取計画に従わないことを理由とする認可の取消しも撤回にあたる | 砂利採取法のように条文が「取り消す」と書いていても、分類上は撤回です。 |
判断ポイント
分類を決めるのは条文の言葉ではなく、瑕疵がいつからあったかです。
判断ポイント
撤回の効果が処分時にさかのぼるとする肢は、ここで切れます。
判断ポイント
撤回にだけ明文の根拠が要ると誤らせる肢が出ますが、紙面はどちらも不要としています。
判断ポイント
13条1項が要求する意見陳述の機会は、撤回にあたる場合にも及びます。
判断ポイント
砂利採取法のように条文が「取り消す」と書いていても、分類上は撤回です。
混同注意・比較表
最初に確かめるのは、その処分について法律に特別の定めがあるかどうかです。定めがなければ選べるのは審査請求だけで、相手方も期間もそこから決まります。
| 事由 | 審査請求 | 再調査の請求 | 再審査請求 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 使える場面 | 処分や不作為であれば原則として使える。7条1項が列挙する適用除外に当たらない限り対象になる | 処分庁以外の行政庁に審査請求でき、かつ個別の法律に再調査の請求ができる定めがあるときだけ | 法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合だけ(6条1項) | 審査請求だけが一般概括主義で、他の2つは個別法の定めが出発点になります。 |
| 対象 | 処分と不作為の両方 | 処分のみ。不作為は対象外 | 審査請求に対する裁決(原裁決)に不服がある場合に、その裁決を対象として行う | 不作為について再調査の請求はできない点がそのまま出題されます。再審査請求は、条文上は原裁決だけでなく処分そのものも対象にできます(6条2項)。 |
| 誰に対して行うか | 原則として処分庁等の最上級行政庁に対して行う。上級行政庁がないとき等は処分庁等自身が審査庁になる(4条) | 処分をした処分庁自身に対して行う(5条1項) | 法律が指定する行政庁(再審査庁)に対して行う。行政不服審査会に対して行うのではない | 再調査は必ず処分庁本人。審査請求も、上級行政庁がなければ結果として処分庁が審査庁になります。 |
| 請求できる期間最重要 | 処分を知った日の翌日から3か月、処分の日の翌日から1年(18条) | 処分を知った日の翌日から3か月、処分の日の翌日から1年(54条) | 原裁決を知った日の翌日から1か月、原裁決の日の翌日から1年(62条) | 再審査請求だけ主観的期間が1か月です。3か月と書き換える改変が狙われます。 |
| 出される結論の名称 | 審査庁が出す結論は裁決。却下・棄却・認容がある | 処分庁が出す調査結果は決定と呼ばれる | 再審査庁が出す結論は裁決。却下・棄却のほか原裁決を取り消す裁決がある(64条・65条) | 決定という名前が出てくるのは再調査の請求だけです。 |
| 先に選んだときの扱い | 審査請求を選んだ場合、同じ処分について再調査の請求をすることはできない | 再調査の請求をしたときは、その決定を受けた後でなければ審査請求できない(5条2項) | 審査請求の裁決を受けた後に、さらに争うための二段階目の手続である | 審査請求と再調査は選択、再審査は審査請求の後という順序関係です。 |
判断ポイント
審査請求だけが一般概括主義で、他の2つは個別法の定めが出発点になります。
判断ポイント
不作為について再調査の請求はできない点がそのまま出題されます。再審査請求は、条文上は原裁決だけでなく処分そのものも対象にできます(6条2項)。
判断ポイント
再調査は必ず処分庁本人。審査請求も、上級行政庁がなければ結果として処分庁が審査庁になります。
判断ポイント
再審査請求だけ主観的期間が1か月です。3か月と書き換える改変が狙われます。
判断ポイント
決定という名前が出てくるのは再調査の請求だけです。
判断ポイント
審査請求と再調査は選択、再審査は審査請求の後という順序関係です。
混同注意・比較表
最初に確かめるのは、審査庁が処分庁とどういう関係にあるかです。処分庁を監督できる立場かどうかで、執行停止でとれる措置も認容裁決の中身も変わります。
| 事由 | 処分庁自身が審査庁 | 処分庁の上級行政庁が審査庁 | そのいずれでもない審査庁 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 申立てがなくても執行停止できるか | 職権でもできる | 職権でもできる | 申立てがないとできない | 処分庁への監督権があるかどうかが、職権での執行停止を認める根拠です。 |
| 処分庁の意見聴取 | 意見聴取は不要 | 意見聴取は不要 | 意見聴取が必要 | 第三者の立場で審査する審査庁だけ、処分庁の言い分を聞く手続が要ります。 |
| その他の措置 | とれる。免職処分を停職処分に変えるなど、処分の内容に踏み込む措置ができる | とれる。処分を別の軽い処分に変えるなど積極的な措置ができる | とれない。効力の停止・執行の停止・手続の続行の停止に限られる | 25条2項と3項で措置の範囲が違います。積極的措置は2項の審査庁だけです。 |
| 申請の却下処分を取り消す認容裁決の中身最重要 | 却下処分を取り消したうえで、審査庁が自ら許可処分をする(46条2項) | 却下処分を取り消したうえで、処分庁に許可処分をすべき旨を命じる | 却下処分を取り消すだけで、許可処分をすることも命じることもできない | 取り消した先に何ができるかは、審査庁が処分をする権限を持つかで決まります。 |
| 不作為の審査請求を認容するときの中身 | 不作為の違法を宣言したうえで、審査庁が自ら許可処分をする(49条3項) | 不作為の違法を宣言したうえで、処分庁に許可処分をすべき旨を命じる | 不作為が違法であることを宣言するにとどまる | 処分の場合と同じ3パターンで整理すると、条文を引かずに答えを出せます。 |
| 処分を別のものに変更する裁決 | できる(46条1項)。ただし審査請求人に不利益な変更はできない(48条) | できる(46条1項)。ただし不利益な方向への変更は禁止される(48条) | できない。処分を別のものに変更する裁決は下されない | 変更できる審査庁でも、元の処分より重くする方向の変更は禁止されます。 |
判断ポイント
処分庁への監督権があるかどうかが、職権での執行停止を認める根拠です。
判断ポイント
第三者の立場で審査する審査庁だけ、処分庁の言い分を聞く手続が要ります。
判断ポイント
25条2項と3項で措置の範囲が違います。積極的措置は2項の審査庁だけです。
判断ポイント
取り消した先に何ができるかは、審査庁が処分をする権限を持つかで決まります。
判断ポイント
処分の場合と同じ3パターンで整理すると、条文を引かずに答えを出せます。
判断ポイント
変更できる審査庁でも、元の処分より重くする方向の変更は禁止されます。
混同注意・比較表
国家と宗教の完全な分離までは求められていないので、かかわり合いが相当とされる限度を超えたかを見ます。似た場面で結論が反転するため、必ず対にして覚えます。
| 事由 | 政教分離に違反しない | 政教分離に違反する | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 判断の物差し | 目的がもっぱら世俗的で、効果も特定の宗教を援助・助長したり他の宗教を圧迫したりしない場合 | 行為の目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教への援助・助長・促進または圧迫・干渉になる場合 | 禁じられるのは、かかわり合いが相当とされる限度を超えるものだけです。 |
| 儀式・祭祀への公金支出最重要 | 市が体育館の建設にあたり神式の地鎮祭を行い、公金を支出したこと(津地鎮祭事件) | 県が靖国神社等に対し玉串料その他の名目で、公金により金品を支出したこと(愛媛玉串料訴訟) | 同じ公金支出でも、その行為が宗教的意義を失っているかどうかで分かれます。 |
| 公有地の無償での提供 | 小学校の工事に伴い、遺族会所有の忠魂碑の移転先敷地を市が無償で貸し付けたこと(箕面忠魂碑訴訟) | 市が町内会に対し、市有地を神社施設の敷地として無償で利用させていたこと(砂川空知太神社訴訟) | |
| そのほかの便宜・関与 | 殉職自衛官の護国神社への合祀申請に自衛隊職員が協力したこと(殉職自衛官合祀拒否訴訟) | 市が公園内に設置された孔子廟について、土地使用料の全額を免除していたこと(孔子廟訴訟) |
判断ポイント
禁じられるのは、かかわり合いが相当とされる限度を超えるものだけです。
判断ポイント
同じ公金支出でも、その行為が宗教的意義を失っているかどうかで分かれます。
判断ポイント
判断ポイント
最重要・比較表
最初に確かめるのは、注意を尽くしたと証明できれば責任を免れるかどうかです。工作物の所有者だけは免責事由がなく、過失がなくても責任を負います。
| 事由 | 監督者責任(714条) | 使用者責任(715条) | 工作物の占有者(717条) | 工作物の所有者(717条) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 責任を負う場面 | 直接の加害者が責任無能力者で責任を負わない場合に、その者を監督する法定の義務を負う者が負う(714条1項本文) | 被用者が事業の執行について他人に加えた損害について、人を雇っている使用者が負う(715条1項本文) | 土地の工作物の設置または保存に瑕疵があったときに、まず占有者が負う(717条1項本文) | 占有者が免責されるときに、代わって所有者が負う(717条1項ただし書) | 工作物責任は占有者と所有者を自由に選べるのではなく、占有者が先で所有者は後という順序があります。 |
| 免責されるか最重要 | 免責される | 免責される | 免責される | 免責されない | 無過失責任なのは工作物の所有者だけです。監督者・使用者・占有者はいずれも中間責任です。 |
| 免責事由 | 監督義務を怠らなかったとき、または義務を怠らなくても損害が生ずべきであったとき | 被用者の選任・監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき | 損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき(717条1項ただし書) | 免責事由はなく、過失がなくても責任を免れない無過失責任 | 免責の証明責任は責任を負う側にあるので、証明できなければそのまま賠償責任が残ります。 |
| 他の責任者との関係 | 直接の加害者は責任無能力者なので、加害者本人は損害賠償責任を負わない | 被用者本人も709条の責任を負い、使用者が賠償したときは信義則上相当と認められる限度で求償できる | 損害の原因について他に責任を負う者があるときは、その者に求償できる(717条3項) | 所有者も同じく、他に責任を負う者があるときはその者に求償できる(717条3項) | 使用者責任では被害者は被用者本人にも請求でき、使用者の求償は全額ではなく制限されます。 |
判断ポイント
工作物責任は占有者と所有者を自由に選べるのではなく、占有者が先で所有者は後という順序があります。
判断ポイント
無過失責任なのは工作物の所有者だけです。監督者・使用者・占有者はいずれも中間責任です。
判断ポイント
免責の証明責任は責任を負う側にあるので、証明できなければそのまま賠償責任が残ります。
判断ポイント
使用者責任では被害者は被用者本人にも請求でき、使用者の求償は全額ではなく制限されます。
最重要・比較表
最初に見るのは、損害の原因が人の行為か物の状態かです。公務員の行為なら1条で故意・過失が要件になり、営造物の欠陥なら2条で無過失責任になります。
| 事由 | 1条(公務員の不法行為) | 2条(営造物の設置・管理の瑕疵) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 責任の原因 | 公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行うについて他人に損害を加えたこと | 道路・河川その他の公の営造物の設置または管理に瑕疵があり、損害が生じたこと | 人の行為が原因か、物の状態が原因かで適用条文が分かれます。 |
| 故意・過失の要否最重要 | 故意または過失があることが要件になる(過失責任) | 過失がなくても責任を免れない(無過失責任) | 設置管理者に過失がなければ2条の責任は生じないとする肢は誤りです。 |
| 要件の中身 | 公権力の行使、公務員の行為、職務を行うについて、故意または過失、違法な損害の5つ | 公の営造物に関するものであること、設置・管理の瑕疵に基づく損害が発生していることの2つ | 2条は要件が少ない代わりに、瑕疵の有無が争点になります。 |
| 誰が責任を負うか | 国または公共団体が責任を負い、加害公務員個人に直接損害賠償を請求することはできない。選任・監督者と費用負担者が異なるときは費用負担者も責任を負う(3条1項) | 営造物を設置・管理する国または公共団体が責任を負う。設置・管理者と費用負担者が異なるときは費用負担者も責任を負う(3条1項) | 1条では公務員個人に請求できません。故意・重過失は求償の要件です(1条2項)。 |
| 対象になる具体例 | 行政指導、公立学校での教師の教育活動、裁判官がした裁判、立法行為などが公権力の行使にあたる | 物理的な欠陥だけでなく機能的瑕疵も含まれ、利用者以外の周辺住民への損害も対象になる | 1条の公権力の行使は非権力的作用まで含む広い意味で使われます。 |
判断ポイント
人の行為が原因か、物の状態が原因かで適用条文が分かれます。
判断ポイント
設置管理者に過失がなければ2条の責任は生じないとする肢は誤りです。
判断ポイント
2条は要件が少ない代わりに、瑕疵の有無が争点になります。
判断ポイント
1条では公務員個人に請求できません。故意・重過失は求償の要件です(1条2項)。
判断ポイント
1条の公権力の行使は非権力的作用まで含む広い意味で使われます。
混同注意・比較表
最初に確かめるのは、その行政活動が違法か適法かです。違法なら国家賠償、適法な活動で財産権に特別の犠牲が生じたなら損失補償という順で切り分けます。
| 事由 | 国家賠償 | 損失補償 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 対象となる行政活動最重要 | 違法な行政活動から生じた損害を賠償する制度である | 適法な行政活動によって生じた損失を填補する制度である | 違法か適法かが最初の分かれ道です。ここを外すと制度ごと間違えます。 |
| 対象となる権利・利益 | 財産権のほか、生命・身体への侵害も賠償の対象になる | 財産権に対して特別の犠牲を加えたことが補償の対象になる | 損失補償は財産権が対象で、生命・身体の被害は国家賠償の領域です。 |
| 一般法があるか | 国家賠償法という一般法があり、1条と2条に責任の要件が定められている | 一般法はなく、憲法29条3項と土地収用法などの個別の法律による | 損失補償に国家賠償法にあたる一般法はない、というのが定番の出題点です。 |
| 誰が支払うか | 国または公共団体が賠償の責任を負い、加害公務員個人は責任を負わない | 土地の収用では、起業者が損失を補償しなければならない(土地収用法68条) | 収用の補償は都道府県ではなく起業者が支払う点が狙われます。 |
| 請求するときの前提 | 処分の違法を理由に請求するのに、あらかじめ取消判決や無効確認の判決を得ておく必要はない | 個別法に補償規定がなくても、直接憲法29条3項を根拠に補償を請求する余地がある | 補償規定を欠く法令が直ちに違憲無効になるわけではない、という判例と対で覚えます。 |
判断ポイント
違法か適法かが最初の分かれ道です。ここを外すと制度ごと間違えます。
判断ポイント
損失補償は財産権が対象で、生命・身体の被害は国家賠償の領域です。
判断ポイント
損失補償に国家賠償法にあたる一般法はない、というのが定番の出題点です。
判断ポイント
収用の補償は都道府県ではなく起業者が支払う点が狙われます。
判断ポイント
補償規定を欠く法令が直ちに違憲無効になるわけではない、という判例と対で覚えます。
最重要・比較表
最初に抵当権を設定した当時に建物があったかを確認します。更地なら後から建てても成立せず、建物を建て直した場合は抵当権の付き方によって結論が分かれます。
| 事由 | 更地に抵当権を設定した後に建物を建てた | 一番抵当権のときは更地、二番抵当権のときは建物あり | 建物のある土地に抵当権。建物を取り壊して再築 | 土地と建物に共同抵当。建物を取り壊して再築 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 抵当権を設定した当時の状態 | 土地の上に建物がない更地だった | 一番抵当権のときは更地で、二番抵当権のときは建物があった | 土地の上に建物があり、後に取り壊して建て直した | 土地と建物の両方に抵当権があり、後に建物を建て直した | 388条の要件は、抵当権設定当時に建物が存在し、土地と建物が同一人の所有であることです。 |
| 法定地上権の成否最重要 | 成立しない | 成立しない | 成立する | 成立しない | 抵当権設定当時に建物が存在することは必要条件であって十分条件ではありません。土地だけに抵当権を設定した後の再築なら成立しますが(大判昭和10年8月10日)、土地と建物に共同抵当を設定した後の取壊し・再築では、特段の事情がない限り成立しません(最判平成9年2月14日)。 |
| そう扱う理由と判例 | 抵当権者は建物がない前提で土地を評価しているため(最判昭和36年2月10日) | 成否は一番抵当権設定時を基準に判断し、一番抵当権者の不利益を防ぐため(最判昭和47年11月2日) | 最初に抵当権を設定した時点で土地の上に建物が存在していたため(大判昭和10年8月10日) | 抵当権者は土地と建物の全体の担保価値を把握していたため(最判平成9年2月14日) | 抵当権者がその土地をいくらと見積もって貸したか、という視点で考えると結論を思い出せます。 |
判断ポイント
388条の要件は、抵当権設定当時に建物が存在し、土地と建物が同一人の所有であることです。
判断ポイント
抵当権設定当時に建物が存在することは必要条件であって十分条件ではありません。土地だけに抵当権を設定した後の再築なら成立しますが(大判昭和10年8月10日)、土地と建物に共同抵当を設定した後の取壊し・再築では、特段の事情がない限り成立しません(最判平成9年2月14日)。
判断ポイント
抵当権者がその土地をいくらと見積もって貸したか、という視点で考えると結論を思い出せます。
最重要・比較表
最初に確かめるのは原賃貸借の終わり方です。債務不履行による解除は転借人に対抗でき、合意解除は対抗できないという分かれ方をします。
| 事由 | 賃借人の債務不履行による解除 | 賃貸人と賃借人の合意解除 | 解除権があるときの合意解除 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 解除を転借人に対抗できるか最重要 | 対抗できる | 対抗できない | 対抗できる | 承諾を得た転貸でも、賃借人の債務不履行が原因なら転借人は保護されません。 |
| 転借人の立場 | 賃貸人から明渡しを請求され、転貸借はその請求の時に終了する | 転貸借の期間中は建物を明け渡す必要がなく、出ていかなくてよい | 合意解除であっても賃貸人が解除を対抗でき、転借人は明け渡すことになる | 対抗できるかどうかは、転借人が住み続けられるかという結論に直結します。 |
| 解除に必要なもの | 賃借人の債務不履行があれば足り、転借人に催告をする必要はない | 賃貸人と賃借人の合意だけで解除できるが、その効果を転借人には主張できない(613条3項本文) | 解除の当時に賃貸人が債務不履行による解除権を有していたこと(613条3項ただし書) | 合意解除でも解除権を持っていたなら実質は債務不履行解除と同じなので、対抗を認めてよいという発想です。 |
判断ポイント
承諾を得た転貸でも、賃借人の債務不履行が原因なら転借人は保護されません。
判断ポイント
対抗できるかどうかは、転借人が住み続けられるかという結論に直結します。
判断ポイント
合意解除でも解除権を持っていたなら実質は債務不履行解除と同じなので、対抗を認めてよいという発想です。
最重要・比較表
最初に見るのは、審査請求が形式として適法かどうかです。適法なら中身の審理に入り、理由があるかどうか、取り消すと公益を害しないかで結論が分かれます。
| 事由 | 却下裁決 | 棄却裁決 | 事情裁決 | 認容裁決 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| どんなときに出るか | 審査請求が法定の期間経過後にされたなど、形式として不適法な場合(45条1項) | 審理の結果、審査請求に理由がないと判断された場合(45条2項) | 処分は違法または不当だが、取り消すと公の利益に著しい障害を生じる場合(45条3項) | 審理の結果、審査請求に理由があると判断された場合(46条1項) | 却下だけが門前払いで、残りの3つは中身を審理したうえでの結論です。 |
| 処分はどうなるか | 中身を審理していないので、処分はそのまま残る | 処分に違法・不当がないとされ、処分はそのまま維持される | 処分が違法または不当と認められたのに、取り消されずに残る | 処分が取り消され、その効力は当初から生じていなかったことになる(形成力) | 事情裁決だけが、違法と認めながら処分を残すというねじれた結論です。 |
| 裁決の主文最重要 | 審査請求を却下する旨を記載する。違法・不当の宣言は入らない | 審査請求を棄却する旨を記載する。違法・不当の宣言は入らない | 棄却するにあたり、主文で処分が違法または不当であることを宣言しなければならない | 処分を取り消す旨を記載する。審査庁が処分庁自身か上級行政庁なら処分の変更もできる | 違法の宣言を理由中で示せば足りるとする肢は誤りです。主文に書きます。 |
| 審査請求人から見た結果 | 中身を見てもらえないまま終わる門前払いになる | 国民の負けで、求めた取消しは認められない | 内容は国民の勝ちだが、結果は棄却なので国民の負けになる | 国民の勝ちで、求めたとおりに処分が取り消される | 事情裁決を認容裁決の一種と位置づける肢が定番の誤りです。 |
判断ポイント
却下だけが門前払いで、残りの3つは中身を審理したうえでの結論です。
判断ポイント
事情裁決だけが、違法と認めながら処分を残すというねじれた結論です。
判断ポイント
違法の宣言を理由中で示せば足りるとする肢は誤りです。主文に書きます。
判断ポイント
事情裁決を認容裁決の一種と位置づける肢が定番の誤りです。
混同注意・比較表
最初に見るのは報酬が何に対して支払われるかです。請負は仕事の完成、委任は事務の履行が基準で、途中で終わったときの計算も解除の要件も変わります。
| 事由 | 請負契約 | 委任契約 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 契約の目的 | 一方が仕事を完成することを約し、相手方がその結果に対して報酬を支払う契約(632条) | 一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方が承諾することで成立する契約(643条) | 完成という結果が求められるのが請負、事務の処理そのものが目的なのが委任です。 |
| 報酬の支払時期 | 仕事の完成後、目的物の引渡しと同時に支払われる(633条本文) | 特約がなければ請求できず、委任事務を履行した後でなければ請求できない(648条1項・2項) | 委任は特約がなければ無報酬が原則で、報酬があっても後払いです。 |
| 途中で終わったときの報酬 | 注文者の責めに帰することができない事由で完成できなくなったときなどは、可分な部分について注文者が受ける利益の割合に応じて請求できる(634条) | 委任者の責めに帰することができない事由で履行できなくなったときや中途で終了したときは、既にした履行の割合に応じて請求できる(648条3項) | どちらも割合的な報酬が認められますが、請負は「注文者が受ける利益」、委任は「履行の割合」が基準です。 |
| 任意解除最重要 | 注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して解除できる(641条) | 各当事者がいつでも解除でき、相手方に不利な時期の解除などは損害を賠償する(651条) | 請負の任意解除は注文者側だけで、しかも完成後は使えません。委任は双方がいつでも解除できます。 |
判断ポイント
完成という結果が求められるのが請負、事務の処理そのものが目的なのが委任です。
判断ポイント
委任は特約がなければ無報酬が原則で、報酬があっても後払いです。
判断ポイント
どちらも割合的な報酬が認められますが、請負は「注文者が受ける利益」、委任は「履行の割合」が基準です。
判断ポイント
請負の任意解除は注文者側だけで、しかも完成後は使えません。委任は双方がいつでも解除できます。