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資格・キャリア2026年版

賃貸不動産経営管理士は国家資格?独占業務と業務管理者の関係【2026年版】

2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。

賃貸不動産経営管理士は、もとは民間の資格でしたが、賃貸住宅管理業法の施行に合わせて国家資格になりました。ただ、「国家資格になった」ことと「この資格がないとできない業務がある」ことは別の話です。この記事では、賃貸住宅管理業法とその施行規則の条文、協議会と国土交通省の案内で、国家資格としての位置づけと、業務管理者との関係を確かめます。

公開日
2026年11月6日
更新日
2026年11月6日
読了目安
約22分
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年11月6日
賃管は国家資格かの記事カバー

先に結論

賃貸不動産経営管理士は、2021年(令和3年)4月21日の国土交通省令で、賃貸住宅管理業法の業務管理者の要件となる国家資格になりました。法令に「賃貸不動産経営管理士でなければできない」という形の独占業務はありません。法令が定めるのは、管理業者が営業所ごとに業務管理者を置く義務で、業務管理者には賃貸不動産経営管理士のほか、指定講習を修了した宅建士もなれます。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 2021年4月21日の国土交通省令で国家資格になった
  • 法令に賃管士だけができる独占業務の規定はない
  • 管理業者は営業所ごとに業務管理者を1人以上置かなければならない
  • 業務管理者には、賃管士のほか指定講習を修了した宅建士もなれる

01結論:国家資格だが、資格者だけの独占業務はない

協議会の沿革によると、賃貸不動産経営管理士は2021年(令和3年)4月21日の国土交通省令によって国家資格になりました。賃貸住宅管理業法は同じ年の6月15日に全面施行されています。

ただし、賃貸住宅管理業法とその施行規則には、「賃貸不動産経営管理士でなければしてはならない」という形の規定は見当たりません。法令が定めているのは、管理業者が業務管理者を置く義務と、業務管理者になれる人の要件です。

業務管理者になる道は、賃貸不動産経営管理士として証明を受ける道と、宅建士で指定講習を修了する道の2つ。どちらも2年以上の実務経験などが前提
図解要件は賃貸住宅管理業法施行規則14条によります。実務経験に代わる能力の認定もあります。拡大して見る ↗

国家資格かどうかと、独占業務があるかどうかは、分けて考えます。賃貸不動産経営管理士は前者に当たり、後者の規定は法令に見当たらない、という整理です。

02どのように国家資格になったか

賃貸住宅管理業法は、管理業者に業務管理者を置くことを義務づけ、業務管理者の要件を国土交通省令で定めるとしています。その省令である施行規則14条で、賃貸不動産経営管理士として証明を受けている人が要件の一つに位置づけられました。

協議会は、賃貸不動産経営管理士を、業務管理者の要件とされた国家資格と説明しています。法律の条文に資格の名前が直接書かれているわけではなく、省令の要件として位置づけられた資格だという点を押さえておきます。

法律の全面施行は2021年6月15日で、国家資格になった4月21日はその前です。管理業者の登録制度と業務管理者の設置義務が始まるのに合わせて、要件となる資格が先に定められました。

03管理業者には業務管理者を置く義務がある

賃貸住宅管理業法12条1項は、賃貸住宅管理業者に、営業所または事務所ごとに1人以上の業務管理者を選任することを求めています。業務管理者がいない営業所では、新たに選任するまでの間、管理受託契約を結ぶことができません(同条2項)。

この義務があるため、管理業者にとって業務管理者の要件を満たす人は欠かせません。賃貸不動産経営管理士の資格が仕事で求められる理由は、独占業務ではなく、この設置義務にあります。

業務管理者は、営業所または事務所ごとに置く必要があるので、営業所が多い管理業者ほど、要件を満たす人が多く必要になります。

設置義務に反して業務管理者を置かないまま管理受託契約を結ぶことは、法律の定めに反します。管理業者が要件を満たす人を確保しようとするのは、このためです。

04業務管理者の要件:2つの道

施行規則14条は、管理業務に関し2年以上の実務の経験を持つ人、またはそれと同等以上の能力があると認められた人で、次のどちらかに当たる人を業務管理者の要件としています。

一つは、登録証明事業による証明を受けている人で、これが賃貸不動産経営管理士です。もう一つは、宅地建物取引士で、国土交通大臣が指定する講習を修了した人です。

2年以上の実務経験に代わるものとして、同等以上の能力があると認められた人も対象になります。賃貸不動産経営管理士の登録で実務経験の代わりになる実務講習も、この考え方に沿った制度です。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

業務管理者の要件(賃貸住宅管理業法施行規則14条)
前提道内容
2年以上の実務経験など1号賃貸不動産経営管理士として証明を受けている
2年以上の実務経験など2号宅建士で、国土交通大臣が指定する講習を修了

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(確認日 2026年11月6日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「協議会の沿革」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「賃貸不動産経営管理士とは」(確認日 2026年11月6日)/国土交通省「業務管理者について」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「業務管理者移行講習・指定講習」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「業務管理者の要件を満たす人数」(プレスリリース)(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「資格登録手続き」(確認日 2026年11月6日)

05業務管理者が管理・監督する事務

施行規則13条は、業務管理者が管理・監督する事務を定めています。重要事項の説明と書面の交付、契約締結時の書面の交付、維持保全と金銭の管理、帳簿、委託者への定期報告、秘密の保持、入居者からの苦情の処理などです。

これらの事務を行うこと自体を資格者に限る規定ではなく、業務管理者がこれらの事務を管理・監督するという定めです。条文の形からは、実務を担う従業者を業務管理者が管理・監督する体制が読み取れます。

表の事務は、管理受託契約を結ぶときから、維持保全や金銭の管理、委託者への報告まで、管理の仕事の流れ全体にわたっています。業務管理者は、この流れ全体を見る立場です。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

業務管理者が管理・監督する事務(施行規則13条)
事務根拠
重要事項の説明と書面の交付法13条
契約締結時の書面の交付法14条
維持保全・家賃や敷金などの金銭の管理施行規則13条
帳簿の備付け法18条
委託者への定期報告法20条
秘密の保持法21条
入居者からの苦情の処理施行規則13条

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(確認日 2026年11月6日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「協議会の沿革」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「賃貸不動産経営管理士とは」(確認日 2026年11月6日)/国土交通省「業務管理者について」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「業務管理者移行講習・指定講習」(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「業務管理者の要件を満たす人数」(プレスリリース)(確認日 2026年11月6日)/賃貸不動産経営管理士協議会「資格登録手続き」(確認日 2026年11月6日)

06独占業務がないことの意味

宅建士の重要事項の説明のように、資格者に説明させなければならないと条文で定める資格もあります。賃貸住宅管理業法の重要事項の説明は、業務管理者が管理・監督する事務に入っていますが、説明する人を賃貸不動産経営管理士に限る規定はありません。

そのため、「独占業務がない資格」と言われることがあります。一方で、業務管理者の要件として位置づけられ、管理業者の営業所ごとに要件を満たす人が必要になる点で、仕事の上での役割ははっきりしています。

試験の勉強では、「業務管理者でなければ行えない」と「業務管理者が管理・監督する」の違いを問う問題に注意します。条文の言い回しを正確に覚えておくと、選択肢の言い換えに惑わされません。

07宅建士の指定講習は今も続いている

国土交通省の案内では、宅建士を対象とする指定講習は、法律の施行後1年間(2021年6月〜2022年6月)と、施行後1年以降(2022年6月〜)に実施するとされています。廃止や受付の期限は示されていません。

協議会の案内によると、指定講習はeラーニングで行われ、2年以上の実務経験がある宅建士が対象です。指定講習を修了しても、賃貸不動産経営管理士の資格を取得することはできません。

国土交通省の案内は、指定講習の実施時期を区切って示しています。最新の受付状況は、協議会の講習のページで確かめます。

宅建士が指定講習を修了した後も、業務管理者として選任されるには2年以上の実務経験などの前提が必要です。講習の修了だけで要件がそろうわけではありません。

08終わったのは「移行講習」

宅建士の指定講習とは別に、旧制度の試験に合格して登録していた人を対象にした移行講習がありました。国土交通省の案内では、この移行講習は2022年6月15日に終了したとされています。

「宅建士ルートが廃止された」という話を見かけたときは、どちらの講習のことかを確かめます。2026年11月6日の時点で、宅建士向けの指定講習が終わったという公式の案内は確かめられませんでした。

移行講習は、旧試験の合格者が業務管理者の要件を満たすための経過的な講習でした。宅建士向けの指定講習とは対象も目的も違います。

09指定講習の修了証は5年ごとに更新

協議会の案内では、指定講習の修了証の有効期限は5年です。最初の期限は2027年3月31日で、更新講習の受付は2026年10月1日に始まり、受講料は16,500円です。

賃貸不動産経営管理士の登録の有効期間も5年です。業務管理者として働き続けるには、どちらの道でも5年ごとの手続が必要になります。

更新の時期が近づいたら、協議会の案内で受講の方法と期限を確かめます。期限を過ぎると、業務管理者の要件を満たさなくなるおそれがあります。

10業務管理者の要件を満たす人の数

協議会のプレスリリース(2026年3月6日時点)によると、指定講習を修了した宅建士は17,147人、業務管理者の要件を満たす人は合計111,964人です。

賃貸不動産経営管理士の資格者の総数は、民間資格からの移行者も含めて94,817人です。業務管理者の要件を満たす人の多くが、賃貸不動産経営管理士の道を通っています。

業務管理者の要件を満たす人の数は、管理業者の営業所の数と比べると、仕事の上で要件を満たす人がどれくらい求められているかの目安になります。

この数字は協議会がまとめた時点のもので、指定講習の修了者や登録者は毎年増えています。最新の数字は協議会のプレスリリースで確かめます。

11国家資格として使うには登録が要る

試験に合格しただけでは、業務管理者の要件の「証明を受けている人」には当たりません。協議会の登録手続によると、登録には、委託を受けて管理業務を2年以上行った実務経験か、実務講習の修了が必要です。

登録料は6,600円(資格者証の発行手数料4,500円を含む)で、登録の有効期間は5年です。合格から1年以上たって登録する場合は、先に登録講習を受けます。

実務講習は、eラーニングと冊子での自習を合わせた講習で、修了試験で7割以上正解すると修了です。受講料は20,000円(郵送受講は25,000円)です。

登録の手続を済ませると、賞状の形の認定証書と、カードの認定証が届きます。業務管理者として選任されるときは、登録を受けていることをこれらで示せます。

12賃管士と宅建士+指定講習のどちらを選ぶか

すでに宅建士の人は、指定講習を修了すれば業務管理者の要件を満たせます。賃貸住宅の管理を専門にするなら、管理業務の範囲を体系的に学べる賃貸不動産経営管理士を取る道もあります。

宅建を持っていない人は、賃貸不動産経営管理士の試験に合格して登録するのが、業務管理者への直接の道です。仲介の仕事にも関わるなら、後から宅建を取ると両方の道を持てます。

どちらの道でも、業務管理者として選任されるのは管理業者の判断です。資格や講習の修了は要件を満たすためのもので、選任されるかどうかは勤め先の体制によります。

132026年度の試験と発表

2026年度の賃貸不動産経営管理士試験は11月15日(日)の13時から15時までで、合格発表は12月24日(木)10時です。申込者は過去最多の37,855人でした。

合格点は年度ごとに決まり、令和7年度は50問中38問でした。合格発表の日に、合格者の受験番号と正解番号表がホームページに掲載されます。

令和7年度は、受験者31,792人のうち9,370人が合格し、合格率は29.5%でした。5問免除者の合格率は36.6%でした。

14業務管理者の範囲を問題で確かめる

業務管理者の要件、設置義務、重要事項の説明などの賃貸住宅管理業法の範囲は、試験でも出題されます。条文の数字と、誰が何をするかの組み合わせを問題で確かめておきます。

合トレの一問一答では、賃貸住宅管理業法の論点ごとに問題を解けます。間違えた問題は復習の一覧に残るので、条文に戻って確かめるきっかけになります。

業務管理者の要件は、2年以上の実務経験と、賃貸不動産経営管理士または宅建士+指定講習の組み合わせです。前提と2つの道を分けて覚えると、選択肢の取り違えを防げます。

よくある質問

賃貸不動産経営管理士は国家資格ですか。

国家資格です。2021年(令和3年)4月21日の国土交通省令で、賃貸住宅管理業法の業務管理者の要件となる資格に位置づけられました。

賃貸不動産経営管理士に独占業務はありますか。

法令に、賃貸不動産経営管理士でなければできないという形の規定はありません。管理業者が営業所ごとに業務管理者を置く義務があり、その要件の一つになっています。

宅建士でも業務管理者になれますか。

なれます。2年以上の実務経験などがある宅建士が、国土交通大臣が指定する講習を修了すると要件を満たします。指定講習は2026年11月時点でも実施されています。

宅建士ルートは廃止されたのですか。

終了したのは、旧試験の合格者向けの移行講習(2022年6月15日終了)です。宅建士向けの指定講習の終了は、公式の案内では確かめられませんでした。

合格すればすぐに業務管理者になれますか。

登録が必要です。2年以上の実務経験か実務講習の修了で登録でき、業務管理者の要件の「証明を受けている人」に当たります。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。