本試験問題(2022年実施)
令和4年度賃貸不動産経営管理士試験の過去問50問
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- 50問
- 収録数
- 50問・四肢択一式(賃貸不動産経営管理士講習の修了者は45問)
- 本試験
問1賃貸住宅管理業法
解答 0/50・正解 0
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。)の内容に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア管理業務の内容について、回数や頻度を明示して具体的に記載し、説明しなければならない。イ管理業務の実施に伴い必要となる水道光熱費や、空室管理費等の費用について説明しなければならない。ウ管理業務の一部を第三者に再委託する際には、再委託する業務の内容、再委託予定者を説明しなければならない。エ賃貸住宅管理業者が行う管理業務の内容、実施方法に関して、賃貸住宅の入居者に周知する方法を説明しなければならない。
令和4年度の全50問|問題文・正解・解説
収録している50問を、正解と解説つきで通して読めます。上の演習で 間違えた問題を見直すときや、特定の論点がどう問われたかを確かめたいときに使ってください。 正解番号は賃貸不動産経営管理士協議会の公表資料に基づきます。
問1
賃貸住宅管理業法賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。)の内容に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア管理業務の内容について、回数や頻度を明示して具体的に記載し、説明しなければならない。イ管理業務の実施に伴い必要となる水道光熱費や、空室管理費等の費用について説明しなければならない。ウ管理業務の一部を第三者に再委託する際には、再委託する業務の内容、再委託予定者を説明しなければならない。エ賃貸住宅管理業者が行う管理業務の内容、実施方法に関して、賃貸住宅の入居者に周知する方法を説明しなければならない。
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:4
解説
正解は肢4です。管理受託契約重要事項説明の説明事項は賃貸住宅管理業法施行規則31条に列挙されています。アの管理業務の内容及び実施方法は3号にあたり、回数や頻度を明示して可能な限り具体的に記載します。イの水道光熱費や空室管理費等は、5号の報酬に含まれていない管理業務に関する費用で通常必要とするものにあたります。ウの再委託に関する事項は6号、エの入居者への周知方法は10号に掲げられています。したがってア〜エの四つすべてが説明事項であり、適切なものは四つです。
問2
賃貸住宅管理業法管理受託契約重要事項説明に係る書面(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明書」という。)に記載すべき事項の電磁的方法による提供に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1賃貸住宅管理業者は、賃貸人の承諾を得た場合に限り、管理受託契約重要事項説明書について書面の交付に代え、書面に記載すべき事項を電磁的記録により提供することができる。
- 2管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、その提供方法や使用するソフトウェアの形式等、いかなる方法で提供するかは賃貸住宅管理業者の裁量に委ねられている。
- 3管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、出力して書面を作成することができ、改変が行われていないか確認できることが必要である。
- 4賃貸住宅管理業者は、賃貸人から電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときであっても、その後改めて承諾を得れば、その後は電磁的方法により提供してもよい。
正解:2
解説
正解は肢2です。管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供するには、賃貸住宅管理業法13条2項と同法施行令2条1項により、あらかじめ用いる電磁的方法の種類及び内容を示して賃貸人の承諾を得る必要があり、提供方法を管理業者が一方的に決められるわけではないため肢2が不適切です。肢1の承諾の要否、肢3の出力して書面を作成でき改変が行われていないか確認できること、肢4の提供を受けない旨の申出があった後に改めて承諾を得た場合の再提供は、いずれも適切な記述です。
問3
賃貸住宅管理業法賃貸住宅標準管理受託契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23日公表。以下、各問において「標準管理受託契約書」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1鍵の管理(保管・設置、交換及びその費用負担)に関する事項は、賃貸住宅管理業者が行うこととされている。
- 2入居者から代理受領した敷金等は、速やかに賃貸人に引き渡すこととされている。
- 3賃貸住宅管理業者は、あらかじめ入居者に通知し、承諾を得なければ住戸に立ち入ることができないものとされている。
- 4賃貸住宅管理業者は、賃貸人との間で管理受託契約を締結したときは、入居者に対し、遅滞なく連絡先等を通知しなければならず、同契約が終了したときにも、管理業務が終了したことを通知しなければならないものとされている。
正解:1
解説
正解は肢1です。賃貸住宅標準管理受託契約書では、鍵の管理(保管・設置、交換及びその費用負担)に関する事項は委託者である賃貸人が行うものとされており、賃貸住宅管理業者が行うとする肢1が最も不適切です。肢2の代理受領した敷金等を速やかに賃貸人へ引き渡すこと、肢3の住戸への立入りにあたりあらかじめ入居者に通知して承諾を得ること、肢4の契約を締結したときと終了したときに入居者へ通知することは、いずれも同契約書の定めどおりの記述です。
問4
賃貸住宅管理業法管理受託契約の締結時に交付する書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1管理受託契約を、契約の同一性を保ったまま契約期間のみ延長する内容で更新する場合には、更新時に管理受託契約の書面の交付は不要である。
- 2管理受託契約重要事項説明書と管理受託契約の締結時に交付する書面は、一体の書面とすることができる。
- 3管理受託契約は、標準管理受託契約書を用いて締結しなければならず、内容の加除や修正をしてはならない。
- 4管理受託契約締結時の交付書面は、電磁的方法により提供することはできない。
正解:1
解説
正解は肢1です。賃貸住宅管理業法14条1項は管理受託契約を締結したときに書面を交付すべきものとしていますが、契約の同一性を保ったまま契約期間のみを延長する更新は新たな契約の締結にあたらないため、書面の交付は不要とされています。肢2は重要事項説明書と締結時書面をそれぞれ別個の書面として交付する必要があり、肢3の標準管理受託契約書は参考として示された様式で内容の加除や修正ができ、肢4の締結時書面は同条2項が13条2項を準用しており電磁的方法で提供できるため、いずれも誤りです。
問5
借地借家法・民法賃貸住宅管理業者であるAが、賃貸人であるBとの管理受託契約に基づき、管理業務として建物の全体に及ぶ大規模な修繕をしたときに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1引き渡された建物が契約の内容に適合しないものであるとして、Aに対して報酬の減額を請求したBは、当該契約不適合に関してAに対し損害賠償を請求することができない。
- 2引き渡された建物が契約の内容に適合しないものである場合、Bがその不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しないと、Bは、その不適合を理由として、Aに対し担保責任を追及することができない。
- 3引き渡された建物が契約の内容に適合しないものである場合、Bは、Aに対し、目的物の修補を請求することができる。
- 4Aに対する修繕の報酬の支払とBに対する建物の引渡しとは、同時履行の関係にあるのが原則である。
正解:1
解説
正解は肢1です。請負にも準用される民法564条は、履行の追完請求や報酬の減額請求をしたことが415条による損害賠償請求を妨げないとしています。報酬の減額を請求したBも損害賠償を請求できるため、肢1が誤りです。肢2は637条1項が不適合を知った時から1年以内の通知を求めており、肢3は559条が準用する562条により修補という追完を請求でき、肢4は633条が報酬を仕事の目的物の引渡しと同時に支払うものとしているため、いずれも正しい記述です。
問6
賃貸住宅管理業法次の記述のうち、管理業法上、賃貸住宅管理業者が、委託者の承諾を得て行うことが可能な管理業務報告の方法として正しいものはいくつあるか。ア賃貸住宅管理業者から委託者に管理業務報告書をメールで送信する方法イ賃貸住宅管理業者から委託者へ管理業務報告書をCD-ROMに記録して郵送する方法ウ賃貸住宅管理業者が設置する委託者専用のインターネット上のページで、委託者が管理業務報告書を閲覧できるようにする方法エ賃貸住宅管理業者から委託者に管理業務報告書の内容を電話で伝える方法
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:3
解説
正解は肢3です。管理業務報告書は施行規則40条2項により、委託者の承諾を得たうえで電磁的方法により提供できます。認められるのはアのメールによる送信、イのCD-ROM等の電磁的記録媒体の交付、ウの委託者専用のページで閲覧させる方法で、いずれも同条3項1号のとおり委託者が出力して書面を作成できることが必要です。エの電話で内容を伝える方法は記録が残らず、書面を作成できないため認められません。したがって正しいものは三つです。
問7
管理実務賃貸住宅の管理に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア賃貸住宅が長期にわたり必要な機能と収益性を保持するためには、建物の劣化状況等の現状を知ることが必要であり、新築時とその後の維持管理の履歴情報の蓄積と利用は、必要なメンテナンスを無駄なく行うことにつながる。イ天井からの漏水が、建物の劣化に起因せず、上階入居者の使用方法に原因があると判明した場合、上階入居者が付保する賃貸住宅居住者総合保険と、建物所有者が付保する施設所有者賠償保険を適用できる。ウ貸室の引渡しにあたっては、鍵の引渡しの際に、管理業者と賃借人が立会い等により貸室の客観的な情報を残しておくことで、後日の修繕や原状回復に関するトラブルの防止にもつながる。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:3
解説
正解は肢3です。適切なものはアとウの二つです。アのとおり新築時からの維持管理の履歴情報を蓄積して利用すれば、劣化状況を踏まえて必要なメンテナンスを無駄なく行えます。ウのとおり鍵の引渡しの際に立会い等で室内の状態を記録しておくことは、後日の原状回復トラブルの防止につながります。イは、漏水の原因が上階入居者の使用方法にある場合に責任を負うのは当該入居者であり、建物の設置・保存の瑕疵を対象とする施設所有者賠償責任保険は適用できないため不適切です。
問8
賃貸住宅管理業法管理業法に規定する秘密を守る義務に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ア秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した後は賃貸住宅管理業を廃業するまで存続する。イ賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、アルバイトも含まれる。ウ賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、再委託を受けた者も含まれる。エ株式会社たる賃貸住宅管理業者の従業者が会社の命令により秘密を漏らしたときは、会社のみが30万円以下の罰金に処せられる。
- 1ア、イ
- 2イ、ウ
- 3ウ、エ
- 4ア、エ
正解:2
解説
正解は肢2です。イとウが正しい記述です。賃貸住宅管理業法21条2項は代理人、使用人その他の従業者に守秘義務を課しており、アルバイトも再委託を受けた者も含まれます。アは同条1項が賃貸住宅管理業を営まなくなった後も同様とすると定めており、廃業によって消滅するものではないため誤りです。エは秘密の漏示を定める44条7号が両罰規定である45条の対象から明文で除かれており、罰せられるのは行為者である従業者であって会社のみが罰せられるわけではないため誤りです。
問9
建物・設備賃貸住宅管理業者が管理する賃貸住宅が建築基準法第12条第1項による調査及び報告を義務付けられている場合に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア調査及び報告の対象は、建築物たる賃貸住宅の敷地、構造及び建築設備である。イ調査を行うことができる者は、一級建築士、二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者である。ウ報告が義務付けられている者は、原則として所有者であるが、所有者と管理者が異なる場合には管理者である。エ調査及び報告の周期は、特定行政庁が定めるところによる。
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:4
解説
正解は肢4です。ア〜エの四つすべてが正しい記述です。建築基準法12条1項は、特定建築物等の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては管理者)に対し、その建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者に調査をさせ、その結果を特定行政庁に報告することを義務づけています。調査及び報告の周期は国土交通省令の定める範囲内で特定行政庁が定めます。
問10
管理実務「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(国土交通省住宅局平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア借主の負担は、建物、設備等の経過年数を考慮して決定するものとし、経過年数による減価割合は、償却年数経過後の残存価値が10%となるようにして算定する。イ中古物件の賃貸借契約であって、入居直前に設備等の交換を行っていない場合、入居時点の設備等の価値は、貸主又は管理業者が決定する。ウ借主が通常の住まい方をしていても発生する損耗であっても、その後の借主の管理が悪く、損耗が拡大したと考えられるものは、借主が原状回復費用を全額負担する。エ経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能なものを借主が故意又は過失により破損した場合、借主は新品に交換する費用を負担する。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:1
解説
正解は肢1です。適切なものはありません。アは原状回復ガイドライン(再改訂版)が耐用年数経過時の残存価値を1円として借主負担を算定するとしており、10%ではないため誤りです。イの入居時点の設備等の価値は貸主や管理業者が一方的に決めるものではなく、契約当事者双方が確認して定めるべきものです。ウは損耗が拡大した部分について借主が負担するにとどまり全額ではありません。エも経過年数を超えた設備は工事費用の一部を負担するにとどまり、新品交換費用の全額ではありません。
問11
管理実務原状回復ガイドラインにおける借主の負担に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1補修工事が最低限可能な施工単位を基本とするが、いわゆる模様合わせや色合わせについては、借主の負担とする。
- 2タバコのヤニがクロスの一部に付着して変色した場合、当該居室全体のクリーニング又は張替費用を借主の負担とする。
- 3畳の補修は原則1枚単位とするが、毀損等が複数枚にわたる場合、当該居室全体の補修費用を借主の負担とする。
- 4鍵は、紛失した場合に限り、シリンダーの交換費用を借主の負担とする。
正解:4
解説
正解は肢4です。原状回復ガイドラインは、鍵について破損や紛失がなければ通常の使用による損耗として貸主負担とし、紛失した場合にはシリンダーの交換費用を借主負担とするものとしています。肢1の模様合わせや色合わせは借主に原状回復義務を超える負担を課すもので貸主負担です。肢2はヤニの付着が一部にとどまる場合に居室全体の費用を負担させることはできず、肢3の畳は原則1枚単位で毀損した枚数分にとどまり居室全体ではないため、いずれも不適切です。
問12
建物・設備建物の構造形式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1鉄筋コンクリート造は、建設工事現場でコンクリートを打ち込むので、乾燥収縮によるひび割れは発生しにくい。
- 2ラーメン構造は、各節点において部材が剛に接合されている骨組であり、鉄筋コンクリート造の建物に数多く用いられている。
- 3CLT工法は、木質系工法で、繊維方向が直交するように板を交互に張り合わせたパネルを用いて、床、壁、天井(屋根)を構成する工法である。
- 4壁式鉄筋コンクリート造は、ラーメン構造と異なり、柱が存在しない形式で耐力壁が水平力と鉛直荷重を支える構造であり、特に低層集合住宅で使われている。
正解:1
解説
正解は肢1です。鉄筋コンクリート造は建設工事現場でコンクリートを打ち込む湿式工法であり、硬化に伴う水分の逸散によって乾燥収縮ひび割れが生じやすい構造です。発生しにくいとする肢1が最も不適切です。肢2のラーメン構造が各節点を剛に接合した骨組であること、肢3のCLT工法が繊維方向を直交させて張り合わせたパネルで床・壁・天井を構成すること、肢4の壁式鉄筋コンクリート造が柱を設けず耐力壁で水平力と鉛直荷重を支えることは、いずれも適切です。
問13
建物・設備建築基準についての法令の避難規定に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア共同住宅では、居室の各部分から直通階段までの距離の制限がある。イ共同住宅の6階以上の階には、居室の床面積にかかわらず直通階段を2つ以上設置する必要がある。ウ建築物の各室から地上へ通じる避難通路となる廊下や階段(外気に開放された部分は除く。)には、非常用照明の設置義務が課されている。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:1
解説
正解は肢1です。誤っているものはありません。アは建築基準法施行令120条が居室の各部分から直通階段までの歩行距離を制限しています。イは令121条1項6号イが、6階以上の階でその階に居室を有するものについて原則として2以上の直通階段を求めており、床面積の合計で判断する同項5号や6号ロと異なる点で正しい記述です。ウは令126条の4が、居室から地上に通ずる廊下や階段(採光上有効に直接外気に開放されたものを除く)への非常用の照明装置の設置を義務づけています。
問14
建物・設備建築基準法に規定する内装・構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1建築基準法では、内装材料など、内装制限に関する規定があるが、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事は対象とならない。
- 2建築基準法のシックハウス対策の規定は、新築だけでなく、中古住宅においても増改築、大規模な修繕や模様替えを行う場合に適用となる。
- 3防火区画となる壁・床は、耐火構造としなければならず、区画を構成する部分に開口部を設ける場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければならない。
- 4共同住宅では、隣接する住戸から日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するため、小屋裏又は天井裏まで達する構造とした界壁を設けなければならない。
正解:1
解説
正解は肢1です。内装制限は建築物の用途や規模等に応じて内装材料を規制するもので、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事もその対象となります。対象とならないとする肢1が誤りです。肢2のシックハウス対策が増改築や大規模の修繕等にも適用されること、肢3の防火区画の開口部に防火設備を要すること、肢4の界壁を小屋裏又は天井裏に達する構造とすること(建築基準法30条1項)は、いずれも正しい記述です。なお肢4には同条2項に天井の遮音性能による例外があります。
問15
建物・設備シックハウスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1シックハウス症候群の原因は、建材や家具、日用品等から発散するホルムアルデヒドやVOC(揮発性の有機化合物)等と考えられている。
- 2ホルムアルデヒドは建材以外からも発散されるため、ごく一部の例外を除いて、居室を有する新築建物に24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられている。
- 3天井裏、床下、壁内、収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、建材による措置、気密層・通気止めによる措置、換気設備による措置のすべての措置が必要となる。
- 4内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材として、木質建材、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗装、仕上げ塗材などが規制対象となっている。
正解:3
解説
正解は肢3です。天井裏、床下、壁内、収納スペース等から居室へホルムアルデヒドが流入するのを防ぐ措置は、建材による措置、気密層又は通気止めによる措置、換気設備による措置のいずれかを講じれば足り、すべてを行う必要はありません。したがって肢3が誤りです。肢1の原因物質、肢2の建築基準法28条の2第3号及び施行令20条の8に基づく機械換気設備の設置義務、肢4の規制対象となる建材の例示は、いずれも正しい記述です。
問16
建物・設備屋上や外壁からの雨水の浸入に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1屋上や屋根からの雨水の浸入は、防水部材の劣化や破損によって生ずるものやコンクリート等の構造部材のクラックや破損によるものなどであるが、いずれの場合も部分補修で十分である。
- 2出窓からの雨水の浸入は、出窓の屋根と外壁との取り合い箇所やサッシ周りが主な原因となることが多い。
- 3外壁がタイル張りの場合は、タイルの剥がれやクラック、目地やコーキングの劣化に起因する漏水は発生しにくい。
- 4レンジフード、浴室、トイレの換気扇の排気口からの雨水の浸入による漏水は発生しにくい。
正解:2
解説
正解は肢2です。出窓は屋根と外壁との取合い箇所やサッシ周りのシーリングが切れやすく、雨水浸入の原因となることが多い部位です。肢1は防水層の劣化が広範囲に及ぶ場合や構造部材のクラックが原因の場合、部分補修では止水できず全面的な改修が必要になることがあるため誤りです。肢3のタイル張り外壁はタイルの剥がれやクラック、目地やコーキングの劣化から漏水が生じやすく、肢4の換気扇の排気口も外壁の開口部であって漏水経路になるため、いずれも誤りです。
問17
建物・設備外壁の劣化に伴って現れる現象に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。アタイル外壁やモルタル外壁等に多く発生する現象は、外壁を直接目視することによって確認するほか、外壁周辺におけるタイルなどの落下物の有無によって確認できることがある。イ外壁面の塗膜及びシーリング材の劣化により表面が粉末状になる現象は、手で外壁などの塗装表面を擦ると白く粉が付着することによって確認できる。ウモルタルやコンクリート中に含まれる石灰分が水に溶けて外壁表面に流れ出し、白く結晶化する現象は、内部に雨水等が浸入することにより発生し、目視によって確認することができる。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:4
解説
正解は肢4です。ア〜ウの三つすべてが正しい記述です。アのタイルやモルタルの剥落は、外壁の直接目視のほか、建物周辺に落下したタイル片等の有無からも把握できます。イは塗膜やシーリング材の劣化により表面が粉状になるチョーキング(白亜化)で、手で塗装表面を擦ると白い粉が付着することで確認できます。ウはコンクリート中の石灰分が浸入した水に溶けて外壁表面に流れ出し白く結晶化するエフロレッセンス(白華現象)で、目視により確認できます。
問18
建物・設備排水・通気設備等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア公共下水道は、建物外部の下水道管の設置方法により、汚水、雑排水と雨水を同じ下水道管に合流して排水する合流式と、雨水用の下水道管を別に設けて排水する分流式がある。イ1系統の排水管に対し、2つ以上の排水トラップを直列に設置することは、排水の流れを良くする効果がある。ウ排水管内の圧力変動によって、トラップの封水が流出したり、長期間排水がされず、トラップの封水が蒸発してしまうことをトラップの破封という。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:2
解説
正解は肢2です。誤っているものは一つ、イです。1系統の排水管に2つ以上の排水トラップを直列に設けること(二重トラップ)は、トラップとトラップの間の空気が密閉されて排水の流れを妨げるため、禁止されています。アの下水道管を汚水・雑排水と雨水で共用する合流式と、雨水用の管を別に設ける分流式という区別は正しく、ウの圧力変動による封水の流出や長期間の不使用による蒸発で封水が失われる現象を破封ということも正しい記述です。
問19
建物・設備電気・ガス設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1高圧受電は、高圧受変電室を設置して、標準電圧6,000ボルトで受電し、大規模な建物などの照明コンセントや給排水ポンプ、空調機器などの動力設備で使用する電気を供給する方式である。
- 2単相2線式は、電圧線と中性線の2本の線を利用する方式であり、200ボルトの電力が必要となる家電製品等を使用することができる。
- 3プロパンガスのガス警報器は、床面の上方30cm以内の壁などに設置して、ガス漏れを検知して確実に鳴動する必要がある。
- 4近年、ガス設備の配管材料として、屋外埋設管にポリエチレン管やポリエチレン被覆鋼管、屋内配管に塩化ビニル被覆鋼管が多く使われている。
正解:2
解説
正解は肢2です。単相2線式は電圧線と中性線の2本の線で供給する方式であり、取り出せる電圧は100ボルトのみです。200ボルトを必要とする家電製品を使うには単相3線式が必要ですから、肢2が最も不適切です。肢1の高圧受電が標準電圧6,000ボルトで受電して受変電設備で降圧する方式であること、肢3のプロパンガスが空気より重いため警報器を床面の上方30センチメートル以内に設置すること、肢4の配管材料に関する記述は、いずれも適切です。
問20
借地借家法・民法賃料に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1貸主が支払期限を知っている通常の場合、賃料債権は、5年の消滅時効に服する。
- 2建物賃貸借契約における賃料は、建物使用の対価であるので、貸主は、借主が使用する敷地の対価を当然に別途請求することができる。
- 3貸主が死亡し、その共同相続人が賃貸住宅を相続した場合、遺産分割までの賃料債権は、金銭債権として、相続財産となる。
- 4借主が滞納賃料の一部を支払う場合であって、弁済充当の合意がないときは、支払時に貸主が指定した債務に充当され、借主はこれに従わなければならない。
正解:1
解説
正解は肢1です。賃料債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは時効によって消滅します(民法166条1項1号)。支払期限が定められた賃料は貸主がその時期を知っているため、5年の消滅時効に服します。肢2は建物賃料に敷地の使用対価も含まれるため別途請求はできず、肢3は遺産分割までの賃料債権が各共同相続人に相続分に応じて分割帰属し遺産とは別個の財産となり、肢4は充当の指定権が第一次的に弁済者にあるため(488条1項)、いずれも不適切です。
問21
賃貸住宅管理業法管理業法における管理受託契約に基づく管理業務で受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭(以下、本問において「家賃等」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 1家賃等を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座の分別については、少なくとも、家賃等を管理する口座を同一口座として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座と分別すれば足りる。
- 2家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を同一帳簿として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿と分別すれば足りる。
- 3家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替えることは差し支えない。
- 4賃貸住宅管理業者の固有財産を管理するための口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から家賃等を管理する口座に管理報酬分を控除した金額を移し替えることは差し支えない。
正解:2
解説
正解は肢2です。施行規則36条は、家賃等を管理する口座を自己の固有財産を管理する口座と明確に区分したうえで、当該金銭がいずれの管理受託契約に係るものかを自己の帳簿により直ちに判別できる状態で管理することを求めています。口座は複数の委託者分を同一としても差し支えありませんが、帳簿は契約ごとに判別できる必要があり、固有財産と分ければ足りるとする肢2が不適切です。肢1の口座の分別、肢3と肢4の一時的な預入れと移替えは、いずれも適切です。
問22
賃貸経営企業会計原則及び会計処理の基礎に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 1企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。
- 2企業会計原則は、一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則の3つの原則により構成されている。
- 3明瞭性の原則とは、企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、明瞭かつ正確な会計帳簿を作成しなければならないことをいう。
- 4収益又は費用をどの時点で認識するかについて、発生主義と現金主義の2つの考え方があり、取引を適正に会計処理するためには、発生主義が好ましいとされている。
正解:3
解説
正解は肢3です。肢3が述べているのは、すべての取引につき正規の簿記の原則に従って正確な会計帳簿を作成しなければならないとする正規の簿記の原則の内容です。明瞭性の原則は、財務諸表によって利害関係者に必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにすることをいうため、肢3が不適切です。肢1の企業会計原則の成り立ち、肢2の一般原則・損益計算書原則・貸借対照表原則という構成、肢4の発生主義が好ましいとされる点は、いずれも適切です。
問23
借地借家法・民法令和3年10月1日に締結された、賃貸住宅を目的とする賃貸借契約の借主の義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1大地震により賃貸住宅の一部が倒壊し、契約の目的を達することができなくなった場合、賃貸借契約は終了し、借主の賃料支払義務は消滅する。
- 2大地震により賃貸住宅の一部が滅失した場合(ただし、契約の目的を達することは未だできるものとする。)、借主が賃料の減額請求をすることで賃料は減額される。
- 3賃料債権が差し押さえられた場合、借主は賃料を貸主に支払ったとしてもそのことを差押債権者に通知すれば、差押債権者から取立てを受けず、以後賃料の支払を免れることができる。
- 4賃料債権は、時効期間が経過しても消滅時効を援用する旨の意思表示がなければ消滅しない。
正解:4
解説
正解は肢4です。時効は当事者が援用しなければ裁判所がこれによって裁判をすることができず(民法145条)、時効期間の経過だけで債権が当然に消滅するわけではありません。肢1は一部が倒壊して目的を達することができない場合、借主は解除できますが(611条2項)当然に終了するわけではなく、終了するのは全部が滅失した場合です(616条の2)。肢2は一部滅失による賃料の減額が請求を要せず当然に生じ、肢3は差押えを受けた債権を貸主に弁済しても差押債権者に対抗できません(481条1項)。
問24
借地借家法・民法定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア貸主が死亡したときに賃貸借契約が終了する旨の特約は、有効である。イ期間50年を超える定期建物賃貸借契約は、有効である。ウ定期建物賃貸借契約に特約を設けることで、借主の賃料減額請求権を排除することが可能である。エ契約期間の定めを契約書に明記すれば、更新がなく期間満了により当該建物の賃貸借が終了する旨(更新否定条項)を明記したと認められる。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:3
解説
正解は肢3です。誤っているものはアとエの二つです。アは定期建物賃貸借に確定的な期間の定めが必要であり、貸主の死亡という不確定な事由により終了する特約は認められません。エは期間の定めを明記することとは別に、更新がなく期間の満了により終了する旨を契約書に明記しなければならず、期間を書けば足りるものではありません。イは民法604条が適用されないため(借地借家法29条2項)期間50年超も有効、ウは借賃改定特約があれば32条が適用されないため(38条9項)減額請求権の排除も可能です。
問25
借地借家法・民法Aは賃貸住宅(以下、「甲住宅」という。)を所有し、各部屋を賃貸に供しているところ、令和2年、X銀行から融資を受けてこの建物を全面的にリフォームした。甲住宅には融資の担保のためX銀行の抵当権が設定された。Bは抵当権の設定登記前から甲住宅の一室を賃借して居住しており、CとDは抵当権の設定登記後に賃借して居住している。この事案に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。なお、各記述は独立しており、相互に関係しないものとする。ア賃借権の対抗要件は、賃借権の登記のみである。イBが死亡し相続が開始した場合、相続の開始が抵当権の設定登記より後であるときは、相続人はX銀行の同意を得なければ、賃借権を同銀行に対抗することができない。ウAがX銀行に弁済することができず、同銀行が甲住宅の競売を申し立てた場合、Cの賃借権は差押えに優先するため、賃借権をX銀行に対抗することができる。エAがX銀行に弁済することができず、同銀行が甲住宅の競売を申し立てEがこれを買い受けた場合、Eは、競売開始決定前に甲住宅の部屋を賃借し使用収益を開始したDに対し敷金返還義務を負わない。
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:3
解説
正解は肢3です。誤っているものはア・イ・ウの三つです。アは建物賃借権が引渡しによっても対抗力を備えるため(借地借家法31条)誤りです。イは相続が賃借人の地位の包括承継にすぎず、抵当権者の同意は不要であるため誤りです。ウのCは抵当権の設定登記後に賃借した者であり、差押えに優先せずX銀行に対抗できないため誤りです。エは抵当権設定登記後に賃借したDが買受人Eに賃借権を対抗できず、EはDに対し敷金返還義務を負わないため、正しい記述です。
問26
借地借家法・民法高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下、本問において「高齢者住まい法」という。)に基づく建物賃貸借契約(以下、本問において「終身建物賃貸借契約」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了するが、これは特約により排除することも可能である。
- 2終身建物賃貸借契約を締結する場合、公正証書によるなど書面によって行わなければならない。
- 3終身建物賃貸借契約の対象となる賃貸住宅は、高齢者住まい法が定めるバリアフリー化の基準を満たす必要がある。
- 4終身建物賃貸借契約では、賃料増額請求権及び賃料減額請求権のいずれも排除することができる。
正解:1
解説
正解は肢1です。終身建物賃貸借は、賃借人の死亡に至るまで存続し、かつ賃借人が死亡した時に終了する建物賃貸借であり(高齢者の居住の安定確保に関する法律54条1号)、これは認可の基準そのものですから特約により排除することはできません。肢2は52条1項が公正証書による等書面によることを求め、肢3は57条1項2号が加齢対応構造等の基準への適合を求め、肢4は64条が借賃の改定に係る特約がある場合に借地借家法32条を適用しないとしているため、いずれも正しい記述です。
問27
借地借家法・民法Aを貸主、Bを借主として令和4年5月1日に締結された期間1年の建物賃貸借契約において、CはBから委託を受けてAと連帯保証契約を同日締結した。この事案に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。アAB間の建物賃貸借契約が法定更新されると、AC間の保証契約も法定更新される。イAは極度額の記載のない連帯保証契約書を持参してCと面会し、口頭で極度額について合意した上、Cの署名押印を得た。この場合も連帯保証契約は効力を生じる。ウCが、Aに対して、Bの賃料その他の債務について、不履行の有無、利息、違約金、損害賠償などの額について情報提供を求めた場合、Aは個人情報保護を理由に情報提供を拒むことはできない。エBが死亡すると、連帯保証契約の元本は確定する。
- 1ア、イ
- 2イ、ウ
- 3ウ、エ
- 4ア、エ
正解:3
解説
正解は肢3です。ウとエが正しい記述です。ウは委託を受けた保証人から請求があったときは、債権者は主たる債務の不履行の有無や利息・違約金・損害賠償の額等の情報を提供しなければなりません(民法458条の2)。エは主たる債務者の死亡により個人根保証契約の元本が確定します(465条の4第1項3号)。アは建物賃貸借が法定更新されても保証契約が法定更新されるわけではなく、イは個人根保証契約が極度額を書面で定めなければ効力を生じないため(465条の2第2項・3項)、いずれも誤りです。
問28
借地借家法・民法令和4年5月1日に締結された建物賃貸借契約と建物使用貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア建物賃貸借契約の期間が満了した場合、同契約が法定更新されることはあるが、建物使用貸借契約の期間が満了しても、同契約が法定更新されることはない。イ建物賃貸借では建物の引渡しが契約の成立要件となるが、建物使用貸借は合意のみで契約が成立する。ウ期間10年の建物賃貸借契約は有効だが、期間10年の建物使用貸借契約は無効である。エ契約に特段の定めがない場合、建物賃貸借契約における必要費は貸主が負担し、建物使用貸借契約における必要費は借主が負担する。
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:2
解説
正解は肢2です。正しいものはアとエの二つです。アは建物賃貸借に借地借家法26条の法定更新があるのに対し、建物使用貸借には法定更新の制度がありません。エは賃貸借の必要費が貸主の負担であるのに対し(民法608条1項)、使用貸借の通常の必要費は借主の負担です(595条1項)。イは使用貸借も賃貸借も合意のみで成立する諾成契約であり(593条・601条)引渡しは成立要件ではなく、ウは期間10年の建物使用貸借も有効ですから、いずれも誤りです。
問29
賃貸住宅管理業法管理業法の制定背景や概要に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 1民間主体が保有する賃貸住宅のストック数は近年、減少傾向にある。
- 2近年では、建物所有者自ら賃貸住宅管理業務のすべてを実施する者が増加し、賃貸住宅管理業者に業務を委託する所有者が減少している。
- 3管理業法は、賃貸住宅管理業を営む者についての登録制度を設け、また、サブリース事業を規制する法律であり、特定転貸事業者には賃貸住宅管理業の登録を受ける義務が課せられることはない。
- 4管理業法において、サブリース事業に対しては、行政による指示、業務停止等の監督処分がされ、また、罰則が科されることによって、事業の適正化の実効性が確保されるものとされているが、サブリース事業の適正化を図るための規定の適用対象は特定転貸事業者に限定されない。
正解:4
解説
正解は肢4です。賃貸住宅管理業法28条の誇大広告等の禁止と29条の不当な勧誘等の禁止は、特定転貸事業者だけでなく勧誘者にも適用され、勧誘者は33条2項・34条2項による指示や勧誘の停止命令の対象にもなります。適用対象は特定転貸事業者に限定されません。肢1の民間賃貸住宅のストック数は増加傾向にあり、肢2は自主管理が減って管理業者に委託する所有者が増えており、肢3の特定転貸事業者も200戸以上の維持保全を受託すれば登録義務を負うため、いずれも不適切です。
問30
賃貸住宅管理業法管理業法における業務管理者に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。ア禁錮以上の刑に処せられ、又は管理業法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者は、業務管理者になることができない。イ賃貸住宅管理業者は、従業者証明書の携帯に関し、業務管理者に管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。ウ賃貸住宅管理業者は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密の保持に関し、業務管理者に管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。エ賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所の業務管理者として選任した者のすべてが欠けるに至ったときは、新たに業務管理者を選任するまでの間は、その営業所又は事務所において賃貸住宅管理業を行ってはならない。
- 11つ
- 22つ
- 33つ
- 44つ
正解:2
解説
正解は肢2です。正しいものはアとウの二つです。業務管理者は法6条1項1号から7号までのいずれにも該当しない者でなければならず(12条4項)、同項4号の刑罰による欠格が及ぶためアは正しく、ウの秘密の保持は施行規則13条6号に掲げる事務です。イの従業者証明書の携帯は同条の列挙にありません。エは12条2項が禁じるのが新たな管理受託契約の締結であり、業務全般の停止ではありません。なお同法6条1項4号は2025年6月1日以降「拘禁刑以上の刑」に改められています。
問31
賃貸住宅管理業法令和3年6月15日時点で既に賃貸住宅管理業を営み、管理戸数が200戸以上である管理業者Aに対する管理業法の規制に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。アAは、賃貸住宅管理業登録をしなくとも、令和4年6月15日以降、それ以前に締結した管理受託契約の履行に必要な限度で、賃貸住宅の維持保全を内容とする管理業務を行うことができる。イAは、賃貸住宅管理業登録をしなければ、令和4年6月15日以降、賃貸人との間で新たに賃貸住宅の維持保全を内容とする管理受託契約を締結し、管理業務を行うことができない。ウAは、賃貸住宅管理業登録をしなければ、令和4年6月15日以降、建物所有者との間で特定賃貸借契約を締結することはできない。エAは、賃貸住宅管理業登録をしなくとも、令和4年6月15日以降、それ以前に締結した特定賃貸借契約に基づき、入居者との間で新たに転貸借契約を締結することができる。
- 1ア、イ
- 2ア、ウ
- 3イ、エ
- 4ウ、エ
正解:3
解説
正解は肢3です。イとエが正しい記述です。賃貸住宅管理業法附則2条1項により、施行日である令和3年6月15日に現に賃貸住宅管理業を営んでいた者は、施行日から1年間は登録を受けずに営業できましたが、令和4年6月15日以降は登録がなければ管理業を営めません。したがってアは既存契約の履行に必要な限度であっても登録が必要で誤りです。ウは特定賃貸借契約の締結それ自体に管理業の登録は不要であり誤りです。エの転貸借契約の締結は管理業務にあたらず、登録なしに行えます。
問32
賃貸住宅管理業法勧誘者であるA法人(代表者B)は特定転貸事業者であるC法人から委託を受けて特定賃貸借契約の勧誘を行っている。勧誘者であるA法人の従業員Dが、自己の判断により、特定賃貸借契約の相手方となろうとする者に対し、故意に不実のことを告げるという管理業法第29条第1号に違反する行為を行った場合の罰則(6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこれらの併科)の適用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。アA法人が罰金に処せられることはない。イ代表者Bが懲役又は罰金に処せられることはない。ウC法人が罰金に処せられることはない。エ従業員Dが懲役又は罰金に処せられることはない。
- 1ア、イ
- 2ア、ウ
- 3イ、エ
- 4ウ、エ
この問題は全肢が正解として扱われました
実施機関の訂正:「正しいものの組合せ」を選ぶ問題で「イとウ」の組合せが正解であったにもかかわらず、選択肢に「イとウ」の組合せがなかったため、試験実施機関は全ての解答を正解として取り扱っています。
解説
本問は正解となる選択肢がなく、実施機関は受験者全員を正解として取り扱いました。管理業法42条2号は29条1号違反の行為者を処罰し、45条の両罰規定により行為者が属する法人にも罰金刑が科されます。従業員DはA法人の業務に関して違反したのですから、A法人も罰金に処せられ得(アは誤り)、行為者であるDも処罰されます(エは誤り)。他方、違反行為をしていない代表者Bは処罰されず(イは正しい)、DはC法人の従業者ではないためC法人も罰せられません(ウは正しい)。正しいのはイとウですが、その組合せが選択肢にありません。なお42条の法定刑は現在「6月以下の拘禁刑」です。
問33
賃貸住宅管理業法管理業法第2条第2項の「賃貸住宅管理業」に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア賃貸人から委託を受けて、入居者からの苦情対応のみを行う業務については、賃貸住宅の維持及び修繕(維持・修繕業者への発注を含む。)を行わない場合であっても、「賃貸住宅管理業」に該当する。イ賃貸人から委託を受けて、金銭の管理のみを行う業務については、賃貸住宅の維持及び修繕(維持・修繕業者への発注を含む。)を行わない場合には、「賃貸住宅管理業」には該当しない。ウ賃貸人から委託を受けて、分譲マンションの一室のみの維持保全を行う業務については、共用部分の管理が別のマンション管理業者によって行われている場合には、「賃貸住宅管理業」には該当しない。エ賃貸人から委託を受けて、マンスリーマンションの維持保全を行う業務については、利用者の滞在時間が長期に及び、生活の本拠として使用される場合には、「賃貸住宅管理業」に該当する。
- 1ア、イ
- 2ア、ウ
- 3イ、エ
- 4ウ、エ
正解:2
解説
正解は肢2です。誤っているものはアとウの組合せです。管理業法2条2項は、賃貸住宅の維持保全を行う業務と、これと併せて行う家賃等の金銭の管理を行う業務を管理業務としています。アの苦情対応のみで維持及び修繕を行わないものは維持保全にあたらず、賃貸住宅管理業に該当しないため誤りです。ウの分譲マンションの一室のみの維持保全も、共用部分の管理を別のマンション管理業者が行っていても賃貸住宅管理業に該当します。イとエはいずれも正しい記述です。
問34
賃貸住宅管理業法賃貸住宅管理業の登録に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア現に賃貸住宅管理業を営んでいなくても登録を行うことはできるが、登録を受けてから1年以内に業務を開始しないときは、登録の取消しの対象となる。イ賃貸住宅管理業者が法人の場合、登録は法人単位でなされ、支社・支店ごとに登録を受けることはできない。ウ負債の合計額が資産の合計額を超えている場合には、直前2年の各事業年度において当期純利益が生じている場合であっても、「財産的基礎を有しない者」として登録は拒否される。エ賃貸住宅管理業者である法人は、役員に変更があったときは、その日から3か月以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
- 1ア、イ
- 2ア、ウ
- 3イ、エ
- 4ウ、エ
正解:4
解説
正解は肢4です。誤っているものはウとエの組合せです。ウの財産的基礎について施行規則10条は財産及び損益の状況が良好であることと定めており、負債の合計額が資産の合計額を超えていても、直前2年の各事業年度において当期純利益が生じている場合等は登録を拒否されません。エは法7条1項が役員の変更等の届出期限を変更があった日から30日以内としており、3か月以内ではありません。アは23条2項の登録取消事由、イは登録が法人単位でされることを述べたもので、いずれも正しい記述です。
問35
賃貸住宅管理業法特定賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1特定転貸事業者と、再転貸を行うことを目的とする転借人との間で締結された転貸借契約は、特定賃貸借契約に該当する。
- 2借主が、1年間の海外留学期間中、第三者に転貸することを可能とする条件でされた貸主と借主との間の賃貸借契約は、特定賃貸借契約に該当する。
- 3借主が第三者に転貸する目的で賃貸借契約をする場合、転借人から受領する賃料と賃主に支払う賃料が同額であるときは、特定賃貸借契約に該当しない。
- 4社宅として使用する目的で賃貸住宅を借り上げた会社が、その従業員との間で転貸借契約を締結し、転貸料を徴収して従業員を入居させる場合は、転貸料の多寡を問わず、貸主と当該会社との間の賃貸借契約は特定賃貸借契約に該当する。
正解:1
解説
正解は肢1です。特定賃貸借契約は、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結される賃貸借契約をいいます(管理業法2条4項)。特定転貸事業者と再転貸を目的とする転借人との間の転貸借契約も、この定義に当てはまり特定賃貸借契約に該当します。肢2の留学期間中の一時的な転貸は事業とはいえず、肢3は受け取る賃料と支払う賃料が同額でも該当し、肢4の社宅は従業員への転貸が事業性を欠く場合があり多寡を問わず該当するとはいえないため、いずれも誤りです。
問36
賃貸住宅管理業法管理業法の定める誇大広告等の禁止に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1広告の記載と事実との相違が大きくなくても、その相違を知っていれば通常その特定賃貸借契約に誘引されないと判断される程度であれば、虚偽広告に該当する。
- 2一定期間一定の額の家賃を支払うことを約束する趣旨で広告に「家賃保証」と表示する場合には、その文言に隣接する箇所に借地借家法第32条の規定により家賃が減額されることがあることを表示しなければ、誇大広告に該当する。
- 3広告に「〇年間借上げ保証」と表示する場合には、その期間中であっても特定転貸事業者から解約をする可能性があることを表示しなければ、誇大広告に該当する。
- 4良好な経営実績が確保されたとの体験談を用いる広告については、「個人の感想です。経営実績を保証するものではありません。」といった打消し表示を明瞭に記載すれば、誇大広告に該当しない。
正解:4
解説
正解は肢4です。良好な経営実績が確保されたとの体験談を用いる広告は、実際にはそのような実績を期待できない場合であっても契約に誘引するおそれが大きく、打消し表示を明瞭に記載したからといって誇大広告等に該当しないとはいえません。したがって肢4が誤りです。肢1の虚偽広告の判断基準、肢2の家賃保証と借地借家法32条による減額の隣接表示、肢3の借上げ期間中の解約の可能性の表示は、いずれも施行規則42条(当時は43条)と国土交通省の解釈・運用の考え方に沿う正しい記述です。
問37
賃貸住宅管理業法管理業法上の業務状況調書や貸借対照表、損益計算書又はこれらに代わる書面(以下、本問において「業務状況調書等」と総称する。)の閲覧に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1特定賃貸借契約の勧誘者は、業務状況調書等の書類を作成・保存し、その勧誘によって特定賃貸借契約を結んだ賃貸人からの求めがあれば、これらを閲覧させなければならない。
- 2特定転貸事業者が、業務状況調書等を電磁的方法による記録で保存する場合には、電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示される状態に置かなければならない。
- 3特定転貸事業者は、業務状況調書等の書類を、事業年度ごとに、その事業年度経過後3か月以内に作成し、主たる事務所にまとめて備え置かなければならない。
- 4特定転貸事業者は、特定賃貸借契約の相手方及び入居者(転借人)からの求めがあれば、営業所又は事務所の営業時間中、業務状況調書等の書類を閲覧させなければならない。
正解:2
解説
正解は肢2です。施行規則48条2項(当時は49条2項)は、業務状況調書等を電磁的記録で保存する場合に、電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示される状態に置くことを求めています。肢1の書類の備置き・閲覧義務は法32条が特定転貸事業者に課すもので勧誘者は対象外です。肢3は同規則48条3項が事業年度経過後3か月以内に作成し営業所又は事務所ごとに備え置くとしており、主たる事務所への集約は誤りです。肢4の閲覧を求められる者に入居者は含まれません。
問38
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対して交付しなければならない書面(以下、本問において「特定賃貸借契約締結時書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1特定賃貸借契約書をもって特定賃貸借契約締結時書面とすることはできるが、特定賃貸借契約書と、特定転貸事業者が賃貸住宅の維持保全について賃貸人から受託する管理受託契約書を兼ねることはできない。
- 2特定賃貸借契約締結時書面は、特定賃貸借契約を締結したときに遅滞なく交付しなければならない。
- 3特定賃貸借契約締結時書面は、相手方と契約を締結したときのみならず、相手方との契約を更新したときにも、その都度作成しなければならない。
- 4特定賃貸借契約締結時書面を電磁的方法で提供する場合、相手方がこれを確実に受け取ることができるよう、用いる方法について相手方の書面による承諾が必要である。
正解:2
解説
正解は肢2です。管理業法31条1項は、特定賃貸借契約を締結したときは相手方に対し、遅滞なく所定の事項を記載した書面を交付しなければならないと定めています。肢1は特定賃貸借契約書をもって締結時書面とすることも、維持保全に関する管理受託契約書と兼ねることも可能であるため誤りです。肢3は契約内容に変更のない更新であれば書面の交付は不要であり、肢4は同条2項が準用する30条2項により承諾の方法は書面に限られず電磁的方法でも足りるため、いずれも誤りです。
問39
賃貸住宅管理業法特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う相手方への説明(以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1特定賃貸借契約重要事項説明は3年以上の実務経験を有する者によって行わなければならないが、これを満たす従業員がいない場合には、このような実務経験を有する第三者に委託して行わせることができる。
- 2特定賃貸借契約重要事項説明から特定賃貸借契約の締結までに、1週間以上の期間をおかなければならない。
- 3特定賃貸借契約の相手方が賃貸住宅管理業者である場合、特定賃貸借契約重要事項説明は省略してもよい。
- 4特定賃貸借契約期間中に、特定賃貸借契約重要事項説明を行うべき事項に変更があった場合は、契約更新時にその旨の説明を行わなければならない。
正解:3
解説
正解は肢3です。管理業法30条1項は説明の相手方から専門的知識及び経験を有すると認められる者を除いており、施行規則44条2号は賃貸住宅管理業者をこれに掲げています。相手方が賃貸住宅管理業者であれば特定賃貸借契約重要事項説明は不要です。肢1は説明者に実務経験の要件はなく、肢2は1週間程度の期間をおくことが望ましいとされるにとどまり法定の期間ではなく、肢4は説明事項に変更が生じた場合には変更箇所について改めて書面を交付して説明する必要があるため、いずれも誤りです。
問40
賃貸住宅管理業法特定賃貸借契約重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明すればよく、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要はない。
- 2特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明すればよく、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要はない。
- 3特定賃貸借契約が終了した場合に賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設ける場合は、その旨に加えて、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければならない。
- 4特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借とする場合は、その旨に加えて、契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない。
正解:3
解説
正解は肢3です。施行規則45条13号(当時は46条13号)は、特定賃貸借契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項を説明事項とし、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当の事由なく入居者の契約更新を拒めないことも併せて説明します。肢1は家賃改定日を定めても借地借家法32条による減額請求は排除できずその旨の説明が必要であり、肢2は更新拒絶に正当事由を要する旨の説明も必要です。肢4は説明すべきなのが減額請求ができる旨であるため誤りです。
問41
賃貸住宅管理業法特定賃貸借標準契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23日更新)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、特約はないものとする。
- 1特定賃貸借標準契約書では、貸主は、借主が家賃支払義務を3か月分以上怠っている場合であっても、相当の期間を定めて当該義務の履行を催告することなく契約を解除することはできないとされている。
- 2特定賃貸借標準契約書は、賃貸住宅において借主が住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業(いわゆる民泊)を目的として転貸することは認めないことが前提とされているため、民泊を認める場合は、特約事項欄に記載する必要がある。
- 3特定賃貸借標準契約書によれば、借主は、賃貸住宅の適切な維持保全を行うために必要な事項については、書面により貸主に情報の提供を求めなければならない。
- 4特定賃貸借標準契約書によれば、特定賃貸借契約が終了した場合において借主が転借人から敷金の交付を受けているときは、これを転借人との間で精算し、転借人から貸主に敷金を交付させなければならない。
正解:1
解説
正解は肢1です。特定賃貸借標準契約書は、借主が家賃支払義務を3か月分以上怠るなどの義務違反があった場合でも、貸主が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときに解除できるものとしています。肢2の住宅宿泊事業の可否は頭書に記載する転貸の条件であって特約事項欄ではありません。肢3は維持保全に必要な情報を提供する義務を負うのが貸主であり、肢4は契約終了時に転借人から預かった敷金を含む転貸人の地位が貸主に承継されるため、いずれも誤りです。
問42
管理実務個人情報の保護に関する法律(以下、本問において「個人情報保護法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ア個人情報取扱事業者が個人情報を取得する場合は、利用目的をできる限り特定して通知又は公表する必要があるが、要配慮個人情報でない限り、本人の同意を得る必要はない。イ個人情報取扱事業者が、個人データを漏えいした場合、不正アクセスによる場合であっても、本人の数が1,000人を超える漏えいでない限り、個人情報保護委員会に報告する義務はない。ウ個人情報取扱事業者が委託先に個人データを提供することは、それが利用目的の達成に必要な範囲内であっても、個人データの第三者提供に該当するため、本人の同意を得る必要がある。エ取り扱う個人情報の数が5,000人分以下である事業者であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している者には、個人情報保護法による規制が適用される。
- 1ア、ウ
- 2ア、エ
- 3イ、ウ
- 4イ、エ
正解:3
解説
正解は肢3です。誤っているものはイとウの組合せです。イは、不正アクセス等の不正の目的による行為によって個人データの漏えい等が生じた場合、対象となる本人の数にかかわらず個人情報保護委員会への報告義務が生じます(個人情報保護法26条1項)。ウは、利用目的の達成に必要な範囲内で委託先に個人データを提供する場合、委託先は第三者に当たらず本人の同意は不要です(同法27条5項1号)。アの利用目的の通知・公表、エの取扱件数による適用除外がないことは、いずれも正しい記述です。
問43
管理実務賃貸取引の対象となる物件において人が死亡した場合の宅地建物取引業者の義務に関する次の記述のうち、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国土交通省不動産・建設経済局令和3年10月公表)に照らして適切なものの組合せはどれか。ア取引の対象となる不動産における事案の有無に関し、宅地建物取引業者は、原則として、貸主・管理業者以外に自ら周辺住民に聞き込みを行ったり、インターネットサイトを調査するなどの自発的な調査を行ったりする義務がある。イ入居者が入浴中に溺死したときは、宅地建物取引業者は、次の賃貸借取引の際、原則として、借主に告知する必要がある。ウ入居者が死亡した場合、宅地建物取引業者は、死亡時から3年を経過している場合であっても、借主から事案の有無について問われたときは、調査を通じて判明した点を告知する必要がある。エ宅地建物取引業者が人の死について告知する際は、事案の発生時期、場所、死因及び特殊清掃等が行われた場合にはその旨を告げるものとし、具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はない。
- 1ア、イ
- 2ア、エ
- 3イ、ウ
- 4ウ、エ
正解:4
解説
正解は肢4です。ウとエが適切な記述です。人の死の告知に関するガイドラインは、賃貸借について概ね3年が経過した後は原則として告知を要しないとしつつ、借主から問われた場合には調査を通じて判明した点を告げるべきものとしています。また告知すべき内容は事案の発生時期、場所、死因及び特殊清掃等が行われた旨に限られ、具体的な態様や発見状況までは要しません。アは自発的な調査義務までは負わず、イの入浴中の溺死など日常生活の中での不慮の死は原則として告知不要のため、いずれも不適切です。
問44
賃貸経営賃貸住宅管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について~計画修繕を含む投資判断の重要性~」(国土交通省平成31年3月公表)では、高経年建物の大幅な増加や居住者側のニーズの多様化を背景に、空室率の上昇や家賃水準の引下げのおそれがあることから、賃貸住宅の貸主が中長期的な視点のもとで計画修繕するなどの投資判断を行うことの重要性が述べられている。
- 2地価の二極化が進む中で不動産市場が活力を失い、借り手市場となって空室対策に苦しむエリアにおいて、入居率を維持し賃貸収入を確保するためには、借主の入替えに伴う新規入居者からの一時金収入と賃料引上げに期待する考え方を強化することが大切になっている。
- 3既存の賃貸住宅経営の観点から優良な借主に長く契約を継続してもらうニーズが大きくなり、借主の立場を重視した管理のあり方が要請されているが、借主は借地借家法で保護されていることから、借主を消費者と位置付けて消費者保護の観点から賃貸借関係を捉える必要はない。
- 4「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」(国土交通省平成31年4月24日公表)は、不動産流通業の役割として、資産価値の維持・向上を通じたストック型社会の実現、コミュニティ形成、高齢者見守りなど付加価値サービスの提供やエリアマネジメント推進を指摘した。
正解:1
解説
正解は肢1です。国土交通省の「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について」は、高経年建物の大幅な増加と居住者ニーズの多様化を背景に、空室率の上昇や家賃水準の引下げのおそれがあるとして、貸主が中長期的な視点のもとで計画修繕を含む投資判断を行うことの重要性を述べています。肢2は借り手市場で一時金収入や賃料引上げに期待する発想が適切でなく、肢3は借主を消費者と位置づける視点が必要であり、肢4は不動産管理業の役割として指摘された内容です。
問45
賃貸経営賃貸不動産経営管理士に期待される役割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1賃貸不動産の経営管理の専門家として、重要な政策課題や新しい賃貸住宅の活用のあり方につき、所属する管理業者に助言をして制度設計を進め、実際の業務の管理監督や実施を担うなど、当該課題の解決等に向けて積極的に関与する。
- 2「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」を踏まえ、住宅扶助費の代理納付制度や残置物の取扱いに係る契約上の取扱いなどを貸主に対して説明して理解を求め、住宅確保要配慮者が安心して暮らせる賃貸住宅の提供に役割を果たす。
- 3空き家所有者に対する有効活用の助言、賃貸借に係る情報やノウハウの提供、入居者の募集、賃貸管理の引受けなどの助言を通じ、空き家所有者が安心して賃貸不動産経営に参画できる環境を整備し、空き家問題の解決に役割を果たす。
- 4所属する管理業者が「残置物の処理等に関するモデル契約条項」(法務省・国土交通省令和3年6月公表)に基づく解除事務受任者・残置物事務受任者である場合において、賃貸借契約中に借主が死亡した際の契約関係の処理につき、借主の相続人の意向による影響を排除する立場で関与する。
正解:4
解説
正解は肢4です。残置物の処理等に関するモデル契約条項は、単身高齢者等の死亡後の残置物の処理を円滑に進めるための仕組みであり、解除事務受任者・残置物事務受任者は相続人の利益にも配慮して事務を処理すべき立場にあります。相続人の意向による影響を排除する立場で関与するとする肢4が最も不適切です。肢1の重要な政策課題への積極的な関与、肢2の住宅確保要配慮者への対応、肢3の空き家所有者への助言は、いずれも期待される役割として適切です。
問46
賃貸経営登録講習修了者は免除賃貸不動産経営管理士に求められるコンプライアンスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1日頃から人権問題に関心を持ち、人権意識を醸成して自らの専門性を発揮するとともに、貸主に対しては差別が許されないことを十分に理解してもらい、自社の他の従業員に対して積極的に指導を行うなどして、賃貸住宅管理業界全体の社会的役割の実現と人権意識の向上に努めるべきである。
- 2賃貸不動産経営管理士は、関係する法令やルールを遵守することはもとより、賃貸住宅管理業に対する社会的信用を傷つけるような行為や社会通念上好ましくない行為をしてはならないが、情報化社会の進展を背景として、自らの能力や知識を超える業務を引き受けることも認められる。
- 3管理業者が、貸主からの委託を受けて行う管理業務は法律的には代理業務にあたることから、管理業者はもとより賃貸不動産経営管理士も当事者間で利益が相反するおそれに留意する必要がある。
- 4所属する管理業者から、賃貸不動産経営管理士としてのコンプライアンスに基づけば選択するべきではない管理業務の手法を要請された場合、その非を正確な法令知識等に基づいて指摘するなど、高度の倫理観に基づき業務を行うべきである。
正解:2
解説
正解は肢2です。賃貸不動産経営管理士は専門家として、自らの能力や知識を超える業務を引き受けてはならず、これも認められるとする肢2が最も不適切です。肢1の人権意識の醸成と業界全体への働きかけ、肢3の貸主から委託を受けて行う管理業務が法律的には代理業務にあたることに伴う利益相反への留意、肢4の所属する管理業者から選択すべきでない手法を要請された場合に正確な法令知識に基づいて是正を促すべきことは、いずれも求められるコンプライアンスとして適切です。
問47
管理実務登録講習修了者は免除賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1入居希望者が独身の後期高齢者である場合、健康状態の確認のため、病歴を申告する書類の提出を求める必要がある。
- 2入居希望者の年収と募集賃料とのバランスがとれていないと判断される場合であっても、契約者ではない同居人の年収の申告を求めるべきではない。
- 3サブリース方式では、特定転貸事業者は借受希望者との交渉を任されている立場に過ぎず、最終的に入居者を決定する立場にはない。
- 4入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、入居を断る場合には、本人に返却する必要がある。
正解:4
解説
正解は肢4です。入居審査のために借受希望者から提出された身元確認書類は個人情報であり、入居を断る場合には本人に返却するか、責任をもって廃棄する必要があります。肢1は高齢であることを理由に病歴の申告書類の提出を求めることが差別的な取扱いにあたるおそれがあり、肢2は収入面の懸念があるときに同居人の年収の申告を求めること自体は許され、肢3のサブリース方式では特定転貸事業者が賃貸人として入居者を決定する立場にあるため、いずれも不適切です。
問48
賃貸経営登録講習修了者は免除保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1賃貸不動産経営には様々なリスクが存在するが、保険に加入することでそのリスクを一定程度軽減・分散することができる。
- 2建物の火災保険の保険金額が3,000万円の場合、地震保険金額の限度額は3,000万円×50%=1,500万円であるが、火災保険の保険金額が1億1,000万円の場合の地震保険の限度額は1億1,000万円×50%=5,500万円とはならず、5,000万円になる。
- 3近隣からの類焼による被害を受けても、失火者に重大な過失がある場合を除き、失火者には損害賠償責任を問えないため、類焼被害に対しては被害者自らが火災保険に加入して備えておく必要がある。
- 4保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものでなければならず、例えば木造建物であれば構造上の危険度は同じであるため、保険料率は全国一律で定められている。
正解:4
解説
正解は肢4です。保険料率は保険会社が引き受けるリスクの度合いに応じて定められ、同じ木造建物であっても所在地ごとの災害リスクの違いにより料率が異なるため、全国一律とする肢4が最も不適切です。肢1の保険加入によるリスクの軽減・分散、肢2の地震保険金額が火災保険金額の30%から50%の範囲内かつ建物5,000万円を限度とすること、肢3の失火の責任に関する法律により重大な過失がなければ失火者に賠償責任を問えないことは、いずれも適切です。
問49
賃貸経営登録講習修了者は免除不動産の税金に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。ア賃貸住宅と自宅とを併用する不動産を売却する場合、譲渡所得について事業用の特例と居住用の特例を組合せて採用することはできない。イ遊休土地にアパート等の居住用の家屋を建築した場合、その完成が令和4年1月15日であったときは、建物に関する令和4年の固定資産税は課税されない。ウ不動産の貸付が事業的規模であること、正規の簿記の原則により取引を記帳していること、及び電子申告要件等一定の要件を満たす場合には、青色申告による控除額は65万円である。
- 1なし
- 21つ
- 32つ
- 43つ
正解:3
解説
正解は肢3です。適切なものはイとウの二つです。イは固定資産税の賦課期日が1月1日であり、令和4年1月15日に完成した家屋は同日時点で存在しないため、その建物に令和4年度の固定資産税は課税されません。ウは事業的規模の貸付け、正規の簿記の原則による記帳、電子帳簿保存又は電子申告という要件を満たせば青色申告特別控除額は65万円です。アは賃貸部分と居住部分を区分してそれぞれ事業用と居住用の特例を適用できる場合があり、組合せを一律に否定する記述は適切ではありません。
問50
賃貸経営登録講習修了者は免除プロパティマネジメント業務とアセットマネジメント業務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1プロパティマネージャーは、自らの業務に合理性があることについて、説明責任を負担しており、説明責任を果たすための客観的な根拠を準備しておかなければならない。
- 2可能な限り既存の借主が退出しないように引き留め、維持しておくことは、アセットマネージャーの責務となる。
- 3不動産投資について、資金運用の計画、決定・実施、実施の管理を行うのがプロパティマネジメントである。
- 4アセットマネージャーは、プロパティマネージャーの指示のもとに、アセットマネジメント業務を担当する。
正解:1
解説
正解は肢1です。プロパティマネージャーは投資家等から委託を受けて不動産の管理・運営を担う立場にあり、自らの業務に合理性があることについて説明責任を負うため、その根拠となる客観的な資料を準備しておく必要があります。肢2の既存の借主を引き留めて維持するテナントリテンションはプロパティマネジメントの業務であり、肢3の資金運用の計画・決定・実施の管理はアセットマネジメントの内容です。肢4はアセットマネージャーが上位に立ちプロパティマネージャーに指示する関係にあるため、いずれも不適切です。