管理実務
賃貸の入居審査で何を確認する?収入・本人確認・個人情報【賃貸管理士】【2026年度試験対応】
入居審査は、収入だけで合否を決めるものではありません。支払能力、使用目的、本人確認、病歴などの個人情報、審査後の書類管理を、賃貸不動産経営管理士の2026年度試験向けに解説します。
要点 4件・基本問題 4問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
- 法令基準日
- 2026-04-01
- 最終確認日
- 2026-08-15
- 確認
- chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15

生成画像(イメージ)
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
入居審査では、家賃を継続して支払えるか、契約どおりに使えるか、本人や契約当事者を確認できるかを、必要な情報で判断します。全国一律の審査基準や合格を保証する年収額はありません。情報の利用目的を明確にし、年齢や国籍などの属性だけで機械的に判断せず、取得・保管・返却の扱いまで確認します。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09
入居審査は契約を継続できるかの確認
入居審査は、募集条件と入居希望者の状況が合うかを確かめる手続です。賃料の支払い、使用目的、入居人数、連絡体制などを確認します。年収の数字が高いことだけで、すべての契約条件を満たすとはいえません。
審査主体や管理会社の権限は契約関係によって異なります。貸主から代理権等を与えられた管理会社と、自ら転貸人になるサブリース業者を混同しないようにします。「管理会社は常に決定権を持つ」「必ず元の所有者しか決められない」という断定はいずれも避けます。
本人確認・収入・使用目的を整理

確認項目の例です。全国一律の審査基準ではなく、個人情報は必要な範囲で取り扱います。
図を大きく見る例えば、募集賃料が月8万円であるときには、収入の継続性、他の支出、保証の方法なども判断材料になります。家賃は年収の何分の一まで、という目安を法律上の合格基準と覚えないことが重要です。
同居人の情報を扱う場合も、確認の必要性と利用目的を説明します。申込者本人が同意していれば、同居人のどの情報でも自由に収集・共有できるということではありません。
| 確認項目 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 本人・契約当事者 | 申込者や契約者の確認 | 必要な範囲の資料を使う |
| 支払能力 | 賃料を継続して支払えるか | 年収だけで一律に判断しない |
| 使用目的・人数 | 募集条件との整合 | 実際の入居予定を確認 |
| 連絡・保証 | 連絡体制等の確認 | 緊急連絡先と保証人は別 |
病歴などの要配慮個人情報は慎重に扱う
病歴は、個人情報保護法上の要配慮個人情報に当たります。取得には原則として本人の同意が必要であり、そもそも何の目的で必要なのかを検討します。高齢者だからという理由で病歴の提出が常に必要になるわけではありません。
審査書類へ直接情報を記入してもらう場合は、原則として利用目的をあらかじめ明示します。また、保証会社への提供などは、第三者提供に関する同意や委託の扱いを確認します。便利だからといって関係のない取引先へ資料を回すことはできません。
審査後も書類を放置しない
原本を預かった場合の返却方法、複写した情報の保存期間、不要となった資料の処分方法を決めます。不採用になった人の本人確認書類を、利用する必要がないのに漫然と残す運用は避けます。個人データを利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努めることが求められます。
入居を受け入れるための工夫も審査と併せて考えます。国土交通省は、外国人の入居に際しての多言語資料や対応の手引きを提供しています。意思疎通や生活ルールの説明を整えることと、属性を理由に一律に排除することは別です。
試験では「必要な確認」と「過剰な収集」を分ける
令和4年度問47では、入居者募集の場面で収入や病歴、身元確認書類をどう扱うかが問われました。収集してよい情報を無制限に増やすのではなく、審査の目的と本人への説明、書類の返却をセットで復習します。
2026年度試験対応として、民間の審査上の目安と、個人情報の取扱いに関する法的な義務を区別してください。「この年収なら必ず通る」といった断定は、本記事の対象とする試験知識ではありません。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和4年度 問47
収入の確認、病歴の扱い、入居者を決める立場、審査書類の返却が問われた。
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 国土交通省:賃貸住宅標準管理受託契約書確認日:2026-09-09
- 賃貸住宅管理業法確認日:2026-09-09
- 個人情報保護委員会:通則編ガイドライン確認日:2026-09-09
- 国土交通省:外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居確認日:2026-09-09
- 試験実施機関:令和4年度の公式問題確認日:2026-09-09
- 試験実施機関:2026年度試験の適用法令基準確認日:2026-09-09
入居審査の実務
入居審査では、申込者の職業・年収・勤務先・家族構成、連帯保証人や家賃債務保証会社の利用状況等を確認し、賃料支払能力と共同生活への適合性を判断する。賃貸借契約の当事者は貸主であるから、入居可否の最終決定権は貸主にあり、管理業者が単独で決定することはできない。管理業者は入居申込書・本人確認書類・収入資料を整理して貸主に報告し承諾を得る。断る場合も丁寧に対応し、経緯を記録する。
覚え方審査は業者が調べ、決めるのは貸主
01入居審査の重要暗記項目
入居審査の実務
入居審査では、申込者の職業・年収・勤務先・家族構成、連帯保証人や家賃債務保証会社の利用状況等を確認し、賃料支払能力と共同生活への適合性を判断する。賃貸借契約の当事者は貸主であるから、入居可否の最終決定権は貸主にあり、管理業者が単独で決定することはできない。管理業者は入居申込書・本人確認書類・収入資料を整理して貸主に報告し承諾を得る。断る場合も丁寧に対応し、経緯を記録する。
覚え方審査は業者が調べ、決めるのは貸主
ひっかけ注意管理業者が単独で決定できるかのような記述が誤り。受託した権限の範囲を超える判断はできない。
入居審査における差別的取扱いの禁止
国籍・人種・障害・高齢・ひとり親であることなどの属性のみを理由に一律に入居を拒むことは不当な差別に当たる。可否の判断は賃料支払能力や共同生活上の適合性という客観的事由に基づいて行う。障害者差別解消法は令和6年4月1日から民間事業者にも合理的配慮の提供を義務づけており、住宅セーフティネット法も要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度を設けている。貸主が属性を理由に拒む場合の説得も管理業者の役割である。
覚え方断る理由は属性ではなく支払能力と共同生活への適合
ひっかけ注意「貸主の意向であれば国籍を理由に断ってよい」は誤り。貸主への説明・説得も管理業者の役割である。
本人確認と外国人の入居対応
入居申込書の記載内容は、運転免許証・在留カード等の公的書類の提示を受けて照合する。外国人については在留カード又は特別永住者証明書で氏名・国籍・在留資格・在留期間を確認するが、在留期間が契約期間より短いことのみを理由に拒むのは適切でなく、更新の見込みや支払能力を含めて判断する。母国語の契約書ひな形やごみ出し等の生活ルールの説明資料を用意すると入居後のトラブルを防ぎやすい。
覚え方本人確認は書面と原本を突き合わせ、在留期間の短さだけで断らない
ひっかけ注意確認することと拒否することは別問題。「在留期間が短ければ必ず断る」は誤りである。
反社会的勢力の排除条項
標準契約書は、賃貸人・賃借人の双方に、自らおよび役員等が暴力団員等の反社会的勢力でないこと、反社会的勢力に賃借物を使用させないこと、暴力的な要求行為や偽計・威力を用いた業務妨害を行わないことを確約させる。確約に反する事実が判明したときは、相手方は催告を要せずに契約を解除できる。賃料不払による解除が催告と信頼関係破壊の判断を要するのとは仕組みが異なる。
覚え方反社は確約違反そのものが解除事由、催告は要らない
ひっかけ注意反社条項違反にも催告が必要と考えるのが罠。ここは無催告解除として設計されている点が賃料不払との決定的な違いである。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1収入・保証・利用人数等の審査基準を契約履行との関係で説明できるようにする
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2個人情報の利用目的を示し、審査に必要な範囲を超えて取得・利用しない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3国籍等の属性だけで不合理に拒まず、保証や居住支援制度の利用可能性を検討する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
入居審査の○×一問一答
1/4問解答 0・正解 0
管理実務重要度 A
入居審査における差別的取扱いの禁止
入居審査において、国籍や高齢であることのみを理由として一律に入居を断ることは、不当な差別的取扱いであり許されない。
入居審査の○×一問一答4問|問題と解説
この論点で収録している4問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
入居審査における差別的取扱いの禁止重要度A入居審査において、国籍や高齢であることのみを理由として一律に入居を断ることは、不当な差別的取扱いであり許されない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。属性のみを理由とする一律の拒否は不当な差別に当たり許されない。
問2
入居審査の実務重要度A入居審査における最終的な入居の可否は、管理業者が独自の基準で判断し、貸主には事後に報告すれば足りる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。入居者を決定する権限は貸主にあり、管理業者は資料を整えて貸主の判断を仰ぐ。
問3
反社会的勢力の排除条項重要度B賃貸住宅標準契約書では、賃貸人または賃借人の一方が反社会的勢力でない旨の確約に反する事実が判明した場合、その相手方は催告を要せずに契約を解除することができるものとされている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。反社条項違反は無催告解除事由とされ、信頼関係の破壊を個別に立証する必要がない。
問4
本人確認と外国人の入居対応重要度B入居申込者が外国人の場合、在留カードで確認した在留期間が契約期間より短いときは、そのことのみを理由として入居を拒否するのが適切である。
答え:×(誤り)
解説
誤り。在留期間の長短のみを理由とする拒否は適切でなく、更新の見込み等を含めて判断する。
入居審査の問題を続けて解く
この論点に対応する4問を絞り込んで出題します。