賃貸経営
賃貸不動産の所得税
不動産所得の計算、必要経費、減価償却、青色申告を整理します。
要点 4件・確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
不動産所得の計算
不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得をいい、譲渡所得・事業所得に該当するものを除く。金額は総収入金額から必要経費を控除して求める。5棟10室基準を満たす事業的規模の貸付けであっても所得区分は不動産所得のままであり、事業的規模かどうかは青色申告特別控除額や資産損失の扱いなどに影響するにすぎない。
覚え方規模が大きくても区分は不動産所得のまま
最重要・比較表
譲渡所得・売却特例の併用
「短期・長期、3,000万、軽減、収用、低未利用、空き家」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分最重要 | 譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年超なら長期譲渡所得。 | 区分の基準『5年』と起算点『譲渡年1月1日時点』。取得日ではなく1/1で判定 | 覚え方:くり返す、五年(5年)が境、超えれば長期・以下短期、土地建物は分離で計算 |
| 低未利用土地等の長期譲渡所得100万円特別控除 | 都市計画区域内の低未利用土地等(市区町村長の確認あり)を譲渡した場合、最高100万円を控除できる。 | 低未利用土地は所有期間『5年超』・譲渡価額『500万円以下』。長期のみ利用可の点も | 覚え方:使ってない土地は百万(100万)控除、五年(5年)超・五百万(500万)以下、駐車場化はアウト |
| 譲渡所得の分類(短期・長期) | 土地・建物等の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下=短期譲渡所得、5年超=長期譲渡所得に分類。 | 短期・長期の境目『5年』と起算点『譲渡年1月1日時点』の所有期間。分離課税の点も | 覚え方:元日(1/1)に五年(5年)超えてれば長期、以下なら短期、他と分けて分離課税 |
| 空き家にかかる3,000万円特別控除の特例 | 相続開始直前に被相続人の居住用だった家屋で、その後空き家となったものを一定期間内に譲渡した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる。 | 空き家3,000万円控除。相続人3人以上は1人あたり2,000万円に減る点に注意 | 覚え方:亡き親の空き家売れば三千万(3000万)、相続人三人(3人)以上は一人二千万(2000万)ずつ |
| 収用等の5,000万円特別控除 | 収用等により土地・建物を譲渡した場合、譲渡所得から最高5,000万円を控除できる。 | 収用は『5,000万円』控除。3,000万円とのすり替えに注意。買取申出から6カ月の要件も | 覚え方:お上に取られりゃ五千万(5000万)控除、申出から六(6)カ月以内・最初の人が売れば |
| 譲渡所得にかかる税率 | 譲渡所得の税額=譲渡所得金額×税率。 | 税率の数字入替え。短期=所得税30%・住民税9%、長期=所得税15%・住民税5% | 覚え方:短期はサンマル(30%)+キュー(9%)、長期はイチゴ(15%)+ゴー(5%)、短いほど高い |
短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分
最重要- 基本
- 譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年超なら長期譲渡所得。
- 注意
- 区分の基準『5年』と起算点『譲渡年1月1日時点』。取得日ではなく1/1で判定
覚え方:くり返す、五年(5年)が境、超えれば長期・以下短期、土地建物は分離で計算
低未利用土地等の長期譲渡所得100万円特別控除
- 基本
- 都市計画区域内の低未利用土地等(市区町村長の確認あり)を譲渡した場合、最高100万円を控除できる。
- 注意
- 低未利用土地は所有期間『5年超』・譲渡価額『500万円以下』。長期のみ利用可の点も
覚え方:使ってない土地は百万(100万)控除、五年(5年)超・五百万(500万)以下、駐車場化はアウト
譲渡所得の分類(短期・長期)
- 基本
- 土地・建物等の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下=短期譲渡所得、5年超=長期譲渡所得に分類。
- 注意
- 短期・長期の境目『5年』と起算点『譲渡年1月1日時点』の所有期間。分離課税の点も
覚え方:元日(1/1)に五年(5年)超えてれば長期、以下なら短期、他と分けて分離課税
空き家にかかる3,000万円特別控除の特例
- 基本
- 相続開始直前に被相続人の居住用だった家屋で、その後空き家となったものを一定期間内に譲渡した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる。
- 注意
- 空き家3,000万円控除。相続人3人以上は1人あたり2,000万円に減る点に注意
覚え方:亡き親の空き家売れば三千万(3000万)、相続人三人(3人)以上は一人二千万(2000万)ずつ
収用等の5,000万円特別控除
- 基本
- 収用等により土地・建物を譲渡した場合、譲渡所得から最高5,000万円を控除できる。
- 注意
- 収用は『5,000万円』控除。3,000万円とのすり替えに注意。買取申出から6カ月の要件も
覚え方:お上に取られりゃ五千万(5000万)控除、申出から六(6)カ月以内・最初の人が売れば
譲渡所得にかかる税率
- 基本
- 譲渡所得の税額=譲渡所得金額×税率。
- 注意
- 税率の数字入替え。短期=所得税30%・住民税9%、長期=所得税15%・住民税5%
覚え方:短期はサンマル(30%)+キュー(9%)、長期はイチゴ(15%)+ゴー(5%)、短いほど高い
01賃貸不動産の所得税の重要暗記項目
不動産所得の計算
不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得をいい、譲渡所得・事業所得に該当するものを除く。金額は総収入金額から必要経費を控除して求める。5棟10室基準を満たす事業的規模の貸付けであっても所得区分は不動産所得のままであり、事業的規模かどうかは青色申告特別控除額や資産損失の扱いなどに影響するにすぎない。
覚え方規模が大きくても区分は不動産所得のまま
ひっかけ注意「事業的規模になると事業所得になる」は誤り。事業的規模は所得区分ではなく計算上の取扱いに影響する。
不動産所得の必要経費
必要経費となるのは、総収入金額に対応する売上原価と、その年に生じた販売費・一般管理費その他業務上の費用である。賃貸経営では固定資産税・都市計画税、不動産取得税、印紙税、事業税、損害保険料、修繕費、管理委託料、仲介手数料、広告宣伝費、減価償却費、借入金の利子などが該当する。損害保険料を数年分一括で支払った場合は、その年に対応する部分だけが必要経費となる。
覚え方税・保険・修繕・管理・減価償却は経費に入る
ひっかけ注意長期分の保険料を支払った年に全額を経費算入する誤りが狙われる。期間対応分だけが必要経費である。
不動産所得の損益通算
損益通算ができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4つの所得に生じた損失である。給与所得者が賃貸経営で赤字を出した場合、その損失を給与所得と通算して所得税の還付を受けられる。ただし土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分など、政策的に通算が制限される部分がある点に注意する。
覚え方不・事・山・譲の四つが損益通算できる
ひっかけ注意「不動産所得の損失は他の所得と一切通算できない」は誤り。制限があるのは土地取得の負債利子部分である。
不動産取得税と登録免許税
不動産取得税は不動産の取得に対し都道府県が課す税で、標準税率は4%(住宅及び土地は特例により3%)である。一定の要件を満たす新築住宅では課税標準から1戸あたり1,200万円が控除され、宅地の課税標準は2分の1とされる。相続による取得には課されないが、贈与や交換による取得には課される。登録免許税は登記に対して課される国税で、所有権保存登記・移転登記や抵当権設定登記の際に必要となる。
覚え方相続では不動産取得税はかからない、登記には登録免許税
ひっかけ注意相続による取得にも不動産取得税が課されるとする誤りが狙われる。贈与による取得には課される。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1誰に・何に適用されるか
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2原則と例外を分ける条件
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3期限・手続・効果の組み合わせ
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 国税庁
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
賃貸不動産の所得税の○×一問一答
1/3問解答 0・正解 0
賃貸経営重要度 S頻出度 19/24(編集部の目安)
不動産所得の必要経費
賃貸不動産に係る固定資産税・都市計画税、損害保険料、修繕費、管理委託料および建物の減価償却費は、いずれも不動産所得の必要経費に算入することができる。
全784問から、分野・重要度で解く
賃貸住宅管理業法120問、借地借家法・民法60問、管理実務89問、建物・設備90問、賃貸経営60問を収録。