資格・キャリア2026年度試験対応
行政書士と英語|正式な英語表記と試験での扱い
「行政書士 英語」で調べる人の用件は、たいてい3つに分かれます。名刺や履歴書に書く英語の肩書きを知りたい、試験に英語が出るのかを確かめたい、英語ができると仕事で有利になるのかを知りたい。この3つは答えがまったく違います。肩書きは日本行政書士会連合会が公表している表記があり、試験に英語の科目はなく、実務で英語が効く場面は限られた分野に集中しています。
- 公開日
- 2026年8月22日
- 更新日
- 2026年8月22日
- 読了目安
- 約13分
- 情報確認日
- 2026年8月22日

先に結論
行政書士の公式な英語表記は Certified Administrative Procedures Legal Specialist です。日本行政書士会連合会が英語ページで使っています。行政書士試験に英語や外国語の科目はありません。出題は法令等46題と基礎知識14題で、基礎知識に含まれるのは一般知識、行政書士法等の関連諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解の4分野です。英語力が直接効くのは、在留資格や帰化、国際結婚・相続、外国企業の日本進出といった、依頼者本人が日本語を母語としない業務です。試験の合否には関係しません。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 公式表記は Certified Administrative Procedures Legal Specialist
- 試験に英語の科目はない。合否に英語力は関係しない
- 英語が効くのは在留資格・帰化・国際家族関係など、依頼者側の言語が日本語でない業務
- 書類そのものは日本語で作る。英語は依頼者とのやり取りで使う
01結論:3つの用件は答えが別々
「行政書士 英語」という言葉で調べる人の用件は、大きく3つに分かれます。名刺や履歴書に書く肩書きの英語表記、試験に英語が出るかどうか、そして英語ができると実務で有利になるのか。この3つはつながっているようで、答えの根拠がまったく違います。
肩書きは日本行政書士会連合会が英語ページで使っている表記があり、それに合わせれば済みます。試験については、行政書士試験研究センターが公表している試験科目を見れば、英語や外国語の科目がないことがすぐ分かります。実務は業務分野によって差が大きく、英語がまったく登場しない分野と、依頼者との会話がほぼ英語になる分野に分かれます。
以下、この3つを順に、公表資料だけで確認します。
02公式な英語表記は Certified Administrative Procedures Legal Specialist
日本行政書士会連合会は、英語で情報を提供するページで行政書士を Certified Administrative Procedures Legal Specialist と表記しています。直訳すれば「認定された行政手続の法務専門職」で、業務の中身をそのまま説明する形の表記です。
同じページでは、都道府県ごとの行政書士会を The Certified Administrative Procedures Legal Specialists Association in each prefecture と呼んでいます。個人を指すときは単数、会を指すときは複数形になります。
民間の辞書や翻訳サイトでは administrative scrivener、gyoseishoshi lawyer など複数の訳が見られます。どれを使ってはいけないという定めは確認できませんでしたが、公式ページと同じ表記を使えば、相手が調べたときに連合会のページへ行き着きます。相手が制度そのものを知らない場面ほど、この一致は効きます。
表記が長いのは、行政書士という職種が英語圏の資格と一対一で対応しないためです。lawyer と訳せば弁護士と誤解され、scrivener(書記・代書人)と訳せば書類を書き写す人という語感が残ります。Certified Administrative Procedures Legal Specialist は、認定された職であること、対象が行政手続であること、法務の専門職であることを分解して並べた形になっています。長さと引き換えに、誤解の余地を減らす選択です。
03名刺・履歴書・プロフィールへの書き方
肩書きとして使うなら、公式表記をそのまま置くのが最も誤解が少なくなります。長いので、日本語表記と併記して、英語側は説明として添える形にすると読みやすくなります。
履歴書や職務経歴書で英語表記が要るときも同じです。資格の欄に日本語の正式名称を書き、括弧で英語表記を添えます。取得年月の書き方や、合格と登録の区別については別記事で扱っています。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 場面 | 書き方の例 |
|---|---|
| 名刺(日英併記) | 行政書士 / Certified Administrative Procedures Legal Specialist |
| 事務所名の英語表記 | ◯◯ Certified Administrative Procedures Legal Specialist Office |
| 履歴書の資格欄 | 行政書士(Certified Administrative Procedures Legal Specialist) |
| 都道府県会に触れるとき | The Certified Administrative Procedures Legal Specialists Association |
この節・表の確認資料: 日本行政書士会連合会「English」(確認日 2026年8月22日)/行政書士試験研究センター「試験の概要」(確認日 2026年8月22日)/行政書士試験研究センター(確認日 2026年8月22日)
04試験に英語の科目はない
行政書士試験研究センターが公表している試験科目に、英語や外国語は含まれていません。出題は2つの科目群に分かれます。
「行政書士の業務に関し必要な法令等」が46題で、憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法)、民法、商法、基礎法学が含まれます。出題形式は択一式と記述式です。
「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」が14題で、一般知識、行政書士法等行政書士業務と関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解の4分野です。こちらは択一式のみです。試験時間は午後1時から午後4時までの3時間です。
つまり、英語が得意でも試験が有利になることはなく、英語が苦手でも不利になることはありません。学習計画に英語を入れる必要はありません。
科目群の名称に「一般知識」が入っているため、英語のような教養科目が含まれると考える人がいます。しかし公表されている内訳は、一般知識、行政書士法等行政書士業務と関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解の4分野です。ここに語学は入っていません。試験時間3時間の使い方を考えるうえでも、英語に割く時間は最初から想定しなくて構いません。
05「文章理解」は英語ではない
基礎知識に含まれる「文章理解」を、英語の長文読解と取り違えている人がいます。これは日本語の文章を読んで、並べ替えや空欄補充、要旨の把握を行う出題で、英語とは関係ありません。
科目名だけを見て英語の準備を始めてしまうと、時間を無駄にします。基礎知識は14題しかなく、そのうち文章理解が占める割合も限られます。何にどれだけ時間を使うかは、配点から逆算して決めてください。
06英語の学習と試験の学習は分けて考える
将来、在留資格や国際業務を扱うつもりで、英語も勉強したいという人はいます。それ自体は合理的ですが、試験の学習期間中に並行させる理由はありません。試験は法令等46題・基礎知識14題の300点満点で、法令等122点・基礎知識24点・総得点180点の3つを同時に満たす必要があります。英語はこのどれにも寄与しません。
英語が必要になるのは登録して業務を始めてからです。合格するまでは試験科目に集中し、開業準備の段階で改めて考えるのが、時間の使い方として無理がありません。
順番を逆にすると損をします。英語を先に伸ばしても、登録しなければ業務として受任できず、力を使う場面が来ません。一方で法令の学習は、合格後にそのまま実務の土台になります。同じ時間を使うなら、先に効くのは法令のほうです。
07英語が効く業務は、依頼者側の言語で決まる
日本行政書士会連合会は、英語ページで行政書士が支援できる事柄を列挙しています。在留資格・ビザの取得、在留期間の更新、在留資格の変更、家族や知人の来日、日本での永住、帰化と日本国籍の取得、国際結婚・離婚・養子縁組・相続、日本への留学、日本での就労、日本での起業、外国企業が日本へ投資する際の手続き。
並べてみると共通点が見えます。どれも、依頼者本人またはその家族が日本語を母語としない可能性が高い業務です。英語が効くのは書類の言語ではなく、依頼者との意思疎通の場面である、ということです。
逆に、建設業許可、自動車の登録、相続(当事者が全員日本在住)、補助金の申請といった業務では、英語が登場する場面はほとんどありません。同じ行政書士でも、扱う分野によって英語の必要度はまったく違います。
連合会が英語ページを設けていること自体が、この偏りを示しています。日本語で情報を探せない人が最初に行き着く先として英語ページがあり、そこに並んでいるのが在留資格・帰化・国際家族関係・外国企業の投資手続きです。英語が要る業務と、外国籍の依頼者が多い業務は、ほぼ重なります。
08提出する書類そのものは日本語で作る
誤解されやすいのは、英語ができれば英語で申請書を作れる、という点です。行政庁へ提出する書類は日本語で作成します。外国語の証明書を添える場合も、訳文を付けるのが通例です。
つまり英語力が使われるのは、依頼者から事情を聞き取る、必要な資料を説明して集めてもらう、審査の見通しや追加提出の依頼を伝える、という前後の工程です。書類作成そのものは、日本語と法令の知識で行います。
この切り分けを理解しておかないと、「英語ができるから入管業務ができる」という誤った見立てになります。逆も同じで、英語ができなくても、通訳を介したり翻訳を用意したりして業務を進めている行政書士はいます。
09英語ができると何が変わるか
実務上の差は、受任の入口と、進行中のやり取りの速さに出ます。依頼者が英語しか使えない場合、初回の相談で事情を正確に聞き取れるかどうかが、そのまま受任できるかどうかになります。通訳を挟めば費用と時間がかかり、細かなニュアンスは落ちます。
進行中も同じです。入管からの追加資料の求めに対して、何を、なぜ、いつまでに用意する必要があるのかを本人へ直接説明できると、対応が早くなります。ここは英語力が費用対効果として最も分かりやすく効く場面です。
ただし、英語圏以外の依頼者も多い分野です。英語だけで全部が回るわけではないことも、あわせて見ておいてください。実務では、依頼者が英語を第二言語として使っている場面も珍しくありません。相手の英語が母語でないことを前提に、専門用語を避けて短く言い換えられるかどうかが、語学試験の点数より効きます。
費用の面でも差が出ます。通訳を手配すれば、初回相談の1時間ぶんだけでも実費が乗り、日程調整の分だけ着手も遅れます。自分で対応できれば、その費用と時間がそのまま浮きます。報酬額をどう決めるかは別記事で扱っています。
10翻訳業務そのものは行政書士の独占業務ではない
英語が絡む仕事として翻訳を思い浮かべる人がいますが、翻訳は行政書士の資格がなくてもできる業務です。行政書士の独占業務は、官公署へ提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成であり、翻訳それ自体ではありません。
実務では、申請に添える資料の訳文を用意することはあります。しかしそれは書類作成に付随する作業で、翻訳を単独のサービスとして売ることと、行政書士の業務範囲は別の話です。独占業務の範囲については別記事で扱っています。
11英語を強みにするかどうかの判断
英語を自分の強みとして打ち出すかどうかは、扱う分野を決めてからで間に合います。判断の材料は、依頼者が日本語を使えるか、事務所の所在地に外国籍の住民や外国企業が多いか、通訳や翻訳を外注したときに採算が合うか、の3点です。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 業務分野 | 英語が要る場面 | 必要度 |
|---|---|---|
| 在留資格・ビザ、永住、帰化 | 初回相談から追加提出の説明まで一貫して | 高い |
| 国際結婚・離婚・養子縁組・相続 | 当事者の一方が日本語を使えない場合 | 高い |
| 外国企業の日本進出、外国人の起業 | 本国側の担当者とのやり取り | 中程度 |
| 建設業許可、自動車登録、補助金 | ほとんど登場しない | 低い |
この節・表の確認資料: 日本行政書士会連合会「English」(確認日 2026年8月22日)/行政書士試験研究センター「試験の概要」(確認日 2026年8月22日)/行政書士試験研究センター(確認日 2026年8月22日)
12最新の公式情報で確認する方法
英語表記は日本行政書士会連合会の英語ページ、試験科目は行政書士試験研究センターの試験の概要が一次情報です。制度や表記が変わる可能性があるため、名刺を作るときや学習計画を立てるときは、この記事の日付だけを頼らず公式ページを見てください。
この記事の内容は2026年8月22日に、両方の公式ページで確認しています。
13次の行動
受験を控えているなら、英語のことはいったん忘れて構いません。試験科目に含まれないので、学習計画に入れる理由がありません。配点から逆算した学習順序は別記事にあります。
すでに合格していて、国際業務を扱うか迷っているなら、まず業務の中身を見てください。在留資格の申請がどういう仕事なのかが分かると、英語がどの工程で必要になるかも具体的になります。
よくある質問
行政書士の英語表記は何ですか?
Certified Administrative Procedures Legal Specialist です。日本行政書士会連合会が英語で情報を提供するページで使っている表記で、都道府県会は The Certified Administrative Procedures Legal Specialists Association in each prefecture と表記されています。
行政書士試験に英語は出ますか?
出ません。試験科目は「行政書士の業務に関し必要な法令等」46題(憲法・行政法・民法・商法・基礎法学)と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」14題(一般知識・関連諸法令・情報通信・個人情報保護・文章理解)で、英語や外国語の科目は含まれていません。
「文章理解」は英語の読解ですか?
いいえ。日本語の文章を読んで並べ替えや空欄補充、要旨の把握を行う出題です。科目名から英語の準備を始める必要はありません。
行政書士に英語力は必要ですか?
扱う分野によります。在留資格・帰化・国際結婚などは依頼者が日本語を母語としないことが多く、英語が効きます。一方で建設業許可や自動車登録では英語が登場する場面はほとんどありません。試験の合否には関係しません。
英語ができれば申請書を英語で作れますか?
作れません。行政庁へ提出する書類は日本語で作成します。英語が使われるのは、依頼者から事情を聞き取る、必要な資料を説明する、審査の見通しを伝えるといった前後の工程です。
翻訳は行政書士の独占業務ですか?
違います。翻訳は資格がなくてもできる業務です。行政書士の独占業務は官公署へ提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成であり、翻訳それ自体ではありません。
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