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宅建士の求人はどこにある?需要の構造と会社の見極め方【2026年版】
宅建士の求人は、景気の波はあっても途切れません。それは資格が人気だからではなく、法律が事務所ごとに一定数の宅建士を置くよう義務づけているからです。このページは、その需要がどういう構造で生まれているのかを公的な数字で確認し、そのうえで応募先の会社を自分で調べる手順までを整理したものです。求人サイトの表示だけでは分からない部分を、公開情報で確かめられるようにします。
- 公開日
- 2026年8月4日
- 更新日
- 2026年8月4日
- 読了目安
- 約16分
- 法令基準日
- 2026年4月1日

宅建士の求人が安定してあるのは、宅地建物取引業者が事務所ごとに業務従事者5人に1人以上の専任の宅地建物取引士を置く義務を負っているためです。国土交通省の調査によれば、令和6年度末の宅地建物取引業者数は132,291業者で11年連続の増加、宅建士の総登録者数は1,211,760人です。求人は売買仲介・賃貸仲介や管理・デベロッパーや金融機関・事業会社の管理部門の4つに分かれ、求められる役割が違います。応募先は、免許番号と国土交通省の宅地建物取引業者検索システムで事前に確認できます。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 設置義務が求人を生み出している仕組み
- 業者数と登録者数の推移から読む需給のバランス
- 求人がある4つの場所と、それぞれで求められる役割
- 免許番号と公的な検索システムで応募先を確認する手順
01結論:求人を支えているのは人気ではなく法律
宅建士の求人が絶えない理由は明快です。宅地建物取引業者は、事務所ごとに、業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置かなければならないと法律で決められています。この人数を満たせなければ、事務所として営業を続けられません。
つまり、会社にとって宅建士の採用は「いれば助かる」ではなく「いないと困る」に属します。この構造があるため、景気の影響を受けながらも求人そのものは残り続けます。
一方で、資格を持っているだけで待遇が保証されるわけではありません。宅建士の総登録者数は120万人を超えており、資格保有者が希少というわけではないからです。求人が多いことと、条件のよい求人に入れることは別の話です。
したがって、この記事では需要の構造を数字で確かめたうえで、応募先の会社をどう見極めるかに重点を置きます。求人サイトの求人票だけでは見えない部分を、国土交通省が公開している情報で確認できるようにします。
025人に1人という設置義務
宅地建物取引業法は、事務所その他の場所ごとに、一定数以上の専任の宅地建物取引士を置くことを義務づけています。事務所については、業務に従事する者5人に1人以上の割合と定められています。

この「5人に1人」は、事務所単位で判断します。会社全体で足りていても、ある支店で人数を満たしていなければ、その支店は要件を欠くことになります。支店を出すたびに宅建士が必要になるのは、このためです。
また、要件を欠いた場合は2週間以内に必要な措置を執らなければなりません。宅建士が退職して人数を割ると、会社は短い期間で補充する必要に迫られます。中途採用の求人が急に出るのは、この事情によることがあります。
厚生労働省の職業情報提供サイトも、住宅・不動産営業の説明のなかで「業務に従事する者5名に1名以上の割合で専任の宅地建物取引士を事務所に設置する必要がある」と記し、資格取得が仕事を進めるうえで有利だとしています。
03宅建業者数は11年連続で増えている
国土交通省の令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査によれば、令和6年度末(令和7年3月末)現在の宅地建物取引業者数は132,291業者です。内訳は国土交通大臣免許が3,158業者、都道府県知事免許が129,133業者でした。
前年度と比べると、大臣免許が111業者(3.6パーセント)、知事免許が1,597業者(1.3パーセント)増え、全体では1,708業者(1.3パーセント)の増加です。これで11年連続の増加となりました。
注目したいのは内訳の偏りです。全体の97.6パーセントが知事免許、つまり1つの都道府県内にのみ事務所を持つ事業者です。求人の多くは、全国的な知名度のある会社ではなく、地域に根ざした事業者から出ていることになります。
この数字は、求人を探す範囲の取り方に影響します。大手だけを見ていると、実際の求人の大半を見落とすことになります。
| 年度 | 大臣免許 | 知事免許 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 平成27年度 | 2,357 | 120,892 | 123,249 |
| 令和元年度 | 2,603 | 123,035 | 125,638 |
| 令和3年度 | 2,776 | 125,821 | 128,597 |
| 令和4年度 | 2,922 | 126,682 | 129,604 |
| 令和5年度 | 3,047 | 127,536 | 130,583 |
| 令和6年度 | 3,158 | 129,133 | 132,291 |
04宅建士の登録者数も増え続けている
同じ調査によれば、令和6年度に新たに30,336人が都道府県知事へ宅地建物取引士の登録をしており、総登録者数は1,211,760人となっています。
推移を見ると、平成27年度末の982,411人から令和6年度末の1,211,760人まで、10年で約23万人増えました。新規登録者数も年間24,000人台から30,000人台へと増加傾向にあります。
この数字を業者数と並べると、業者1社あたりの登録者数はおよそ9人という計算になります。ただし、登録している人が全員その業界で働いているわけではないため、この比率をそのまま需給と読むことはできません。
むしろ重要なのは、登録者が増え続けているという事実そのものです。資格を持つ人が希少だった時代の感覚で待遇を期待すると、実態とずれます。
| 年度 | 新規登録者数 | 総登録者数(年度末) |
|---|---|---|
| 平成27年度 | 24,485人 | 982,411人 |
| 令和元年度 | 27,580人 | 1,074,015人 |
| 令和3年度 | 28,638人 | 1,126,261人 |
| 令和4年度 | 29,491人 | 1,154,432人 |
| 令和5年度 | 29,734人 | 1,182,150人 |
| 令和6年度 | 30,336人 | 1,211,760人 |
05登録者121万人をどう読むか
総登録者数が120万人を超えていると聞くと、資格が飽和しているように思えるかもしれません。ただ、この数字はそのまま「宅建士として働いている人の数」ではありません。
登録者には、就職や転職のために取得して現在は別の業界にいる人、資格は維持しているが実務からは離れている人が含まれます。宅地建物取引士証の交付を受けていなければ、宅建士としての業務は行えません。
したがって、実際に事務所で専任の宅建士として機能できる人の数は、登録者数よりかなり少なくなります。会社が中途採用を出す背景には、この「登録者は多いが、すぐ専任として置ける人は限られる」という事情があります。
逆に言えば、資格を取ったうえで実務経験を積み、専任として登録できる状態にある人は、登録者121万人のなかでは相対的に少ない層に入ります。求人に対する自分の位置を考えるときは、この区別が効いてきます。
06求人がある4つの場所
宅建士の資格が求められる場面は、大きく4つに分かれます。同じ「宅建士の求人」でも、求められる役割と評価のされ方が違うため、応募前に区別しておくと選びやすくなります。
1つ目は売買仲介です。重要事項説明や契約書面の記名など、宅建士でなければできない業務が日常的に発生します。資格が最も直接的に効く場所で、成果が報酬に反映されやすい反面、変動も大きくなります。
2つ目は賃貸仲介と賃貸管理です。ここでも重要事項説明は必要で、宅建士は欠かせません。売買ほど1件の単価は大きくありませんが、件数と管理戸数で積み上がるため、収入は読みやすくなります。
3つ目はデベロッパーや金融機関です。宅建士は業務を進めるための必要資格の1つという位置づけになり、採用の可否は資格以外の要素で決まることが多くなります。
4つ目は事業会社の管理部門です。自社で不動産を保有・取引する会社では、総務や資産管理の担当者に資格が求められることがあります。募集数は多くありませんが、営業以外の働き方を探す場合の選択肢になります。
| 場所 | 資格の使われ方 | 求人で見るべき点 |
|---|---|---|
| 売買仲介 | 重要事項説明・記名を日常的に行う | 歩合の条件と固定部分 |
| 賃貸仲介・管理 | 重要事項説明と管理業務 | 担当件数と繁忙期の体制 |
| デベロッパー・金融機関 | 業務に必要な資格の1つ | 資格以外に求められる経験 |
| 事業会社の管理部門 | 自社取引の担当 | 募集の背景と配属先 |
07専任の宅建士として採用される場合
求人のなかには、専任の宅地建物取引士としての就任を前提とするものがあります。この場合、単に資格を持っているだけでなく、その事務所に常勤して専ら宅建業に従事することが求められます。
専任として登録されると、会社はその人を法定の人数に算入します。つまり、その人が抜けると事務所が要件を欠く可能性が出てきます。責任の重さが変わるため、待遇の交渉材料になり得ます。
一方で、専任は他の会社との兼業や、実態を伴わない登録が認められません。副業として登録だけを引き受けるような話には応じないでください。名義を貸す行為は法律上の問題になります。
求人票に「専任」と書かれている場合は、常勤の勤務条件、就任の時期、宅地建物取引士証の交付を受けているかどうかの確認が必要です。合格しただけでは専任にはなれません。
08求人の多さを数字で見る
厚生労働省の職業情報提供サイトは、住宅・不動産営業について、令和6年度の有効求人倍率を3倍と表示しています。求人賃金は月額29.5万円です。
ただし、これは宅建士の求人倍率ではなく、住宅・不動産営業という職業についての数値です。宅建士だけを対象にした求人倍率の公的統計はありません。
それでも、この職業の求人が求職者を上回っていることは読み取れます。設置義務による需要と、営業職の入れ替わりの多さが重なっていると考えられます。
求人倍率が高いということは、選べる立場にあるということでもあります。最初に見つけた求人に飛びつく必要はなく、条件を比較する余地があります。
09資格なしでも応募できる求人との違い
不動産業界の求人には、「宅建資格不問」「入社後の取得支援あり」と書かれたものが多くあります。これらと有資格者向けの求人では、入社後の位置づけが変わります。
資格不問の求人は、営業としての適性を重視した採用です。入社後に資格を取ることを期待されますが、取得の時期や支援の範囲は会社によって違います。受験費用は出るが登録費用は自己負担、という形も珍しくありません。
有資格者向けの求人は、入社直後から重要事項説明などの業務を担うことを想定しています。その分だけ即戦力としての期待が高く、条件も交渉しやすくなります。
資格を取ってから応募するか、入社してから取るかは、生活の状況によります。ただ、資格を持ってから応募するほうが、求人の選択肢は確実に広がります。
10免許番号から会社の経過年数を読む
求人票や会社のホームページには、「東京都知事(3)第◯◯◯◯◯号」のような免許番号が記載されています。この括弧内の数字は、免許を受けた回数を示します。
宅地建物取引業の免許には有効期間があり、期間ごとに更新します。したがって括弧内の数字が大きいほど、その会社が長く営業を続けてきたことになります。(1)であれば、免許を受けてからまだ最初の期間内ということです。
ただし、この数字だけで会社の良し悪しは判断できません。知事免許から大臣免許へ、あるいはその逆へ免許替えをすると数字が振り出しに戻るため、(1)でも実際には長く営業している会社があります。
それでも、括弧内の数字は最初の手がかりになります。求人票に免許番号が記載されていない場合は、会社のホームページで確認してください。宅地建物取引業者は、事務所ごとに標識を掲げる義務も負っています。
11国土交通省の検索システムで確認する
応募先が正規の宅地建物取引業者かどうかは、国土交通省が公開している宅地建物取引業者検索システムで確認できます。商号や免許番号から検索すると、免許の有効期間や事務所の所在地を確かめられます。
この確認は数分で済みます。求人サイトに掲載されているというだけでは、免許の状態までは分かりません。応募前に一度検索しておくと、基本的な事実は押さえられます。
確認したいのは、免許が現に有効かどうか、記載されている所在地が求人票と一致しているか、免許の種別が知事免許か大臣免許かの3点です。求人票と食い違いがあれば、面接で確認する材料になります。
宅建の学習で免許制度を学んでいれば、この確認作業はそのまま試験範囲の復習にもなります。制度を知っている人だけが使える確認方法です。
12業界の監督処分の状況も公開されている
同じ国土交通省の調査には、監督処分と行政指導の件数も掲載されています。令和6年度は、免許取消99件、業務停止16件、指示32件の合計147件で、前年度から20件(12.0パーセント)減りました。行政指導は592件で、61件(11.5パーセント)増えています。
業者数132,291に対して監督処分147件ですから、比率としては小さい数字です。ただし、処分に至らない行政指導が592件あることも合わせて見ておく必要があります。
この数字は、応募先を選ぶときに業界全体をどう捉えるかの参考になります。極端に不安がる必要はありませんが、免許の状態を確認する習慣を持つ理由にはなります。
処分を受けた業者の情報は、免許を出した行政庁が公表しています。気になる場合は、都道府県の宅地建物取引業担当課の公表情報も確認できます。
13応募前に確認する項目
求人票を見比べるときは、確認する順番を決めておくと判断が早くなります。給与の額面から入ると、条件の違いが見えにくくなります。
最初に見るのは、専任の宅建士としての就任を前提とするかどうかです。ここが決まると、求められる責任と勤務形態が決まります。
次に、報酬の構成を見ます。固定部分と歩合の比率、歩合の支給条件を確認し、歩合がなかった場合の年収を計算します。この金額が、その求人の実質的な下限です。
そのうえで、免許番号と検索システムで会社の基本情報を確かめます。ここまでを済ませてから、勤務地や休日などの条件を比較します。
| 確認項目 | 確認先 | 分かること |
|---|---|---|
| 専任就任の有無 | 求人票・面接 | 求められる責任と勤務形態 |
| 固定と歩合の比率 | 求人票・就業規則 | 不調な年の年収 |
| 資格手当 | 求人票・面接 | 資格が待遇に反映されるか |
| 免許番号の括弧内 | 求人票・会社サイト | 免許を受けた回数 |
| 免許の有効性 | 国土交通省の検索システム | 現に有効な業者か |
14資格を取ってから働けるまでの順番
合格しても、その日から宅建士として業務ができるわけではありません。資格登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けて初めて、重要事項説明などの業務を担えます。
資格登録には原則として2年以上の実務経験が必要です。実務経験がない場合は、登録実務講習を修了することで要件を満たせます。未経験から就職する場合は、この講習を受けるか、入社後に実務経験を積むかの選択になります。
求人に応募する時点で宅建士証まで取得している必要があるかは、求人によって違います。専任としての就任を前提とする求人では、交付済みであることが条件になることがあります。
したがって、就職や転職の時期が決まっている場合は、合格発表からの手続に必要な期間を逆算しておく必要があります。令和8年度であれば、合格発表は11月25日です。
15今日できること
求人を探す前に、行きたい地域の宅地建物取引業者を検索システムで眺めてみてください。知事免許の事業者が地域にどれだけあるかが分かり、求人サイトに出ていない会社の存在にも気づけます。
すでに応募先の候補があるなら、免許番号を確認して括弧内の数字を見ることから始められます。数分で終わる作業ですが、求人票だけを見ている人はやっていません。
学習中であれば、免許制度と設置義務は試験でも頻出の範囲です。求人を見る目を作る作業が、そのまま宅建業法の得点につながります。この2つは切り離す必要がありません。
よくある質問
宅建士の求人はなぜ多いのですか。
宅地建物取引業者が、事務所ごとに業務従事者5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置く義務を負っているためです。人数を満たせなければ営業を続けられず、要件を欠いた場合は2週間以内に必要な措置を執る必要があります。会社にとって採用が必須になるこの構造が、景気にかかわらず求人を生み続けています。
登録者が121万人もいるのに就職できますか。
総登録者数1,211,760人には、資格を取得したものの別の業界で働いている人や、実務から離れている人が多く含まれます。宅地建物取引士証の交付を受けていなければ宅建士としての業務は行えません。実際に専任として配置できる人は登録者数よりかなり少ないため、資格に加えて実務経験がある人の需要は続いています。
応募先が正規の不動産会社かどうか確認できますか。
国土交通省が公開している宅地建物取引業者検索システムで、商号や免許番号から検索できます。免許が現に有効か、記載されている所在地が求人票と一致するか、免許の種別が知事免許か大臣免許かを確認できます。数分で済む作業なので、応募前に一度確かめておくことをおすすめします。
免許番号の括弧内の数字は何を意味しますか。
免許を受けた回数です。宅地建物取引業の免許には有効期間があり、期間ごとに更新するため、数字が大きいほど長く営業していることになります。ただし知事免許と大臣免許の間で免許替えをすると数字が振り出しに戻るため、(1)でも実際には長く営業している会社があります。目安の1つとして使ってください。
資格を取ってから応募したほうがよいですか。
求人の選択肢は確実に広がります。資格不問の求人は営業としての適性を重視した採用で、入社後に取得を求められます。有資格者向けの求人は入社直後から重要事項説明などを担う前提のため、条件も交渉しやすくなります。ただし専任としての就任を前提とする求人では、宅地建物取引士証の交付済みが条件になることがあります。
宅建業界の求人倍率はどのくらいですか。
宅建士だけを対象にした求人倍率の公的統計はありません。近いものとして、厚生労働省の職業情報提供サイトが住宅・不動産営業について令和6年度の有効求人倍率を3倍、求人賃金を月額29.5万円と表示しています。求人が求職者を上回っている状況は読み取れますが、宅建士に限定した数値ではない点に注意してください。
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