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実務・開業2026年版

宅建協会とは?全日・保証協会との違いと分担金の数字【2026年版】

2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。

「宅建協会」は、各都道府県の宅地建物取引業協会と、その全国組織の全宅連を指す呼び名です。不動産会社の業界団体にはもう一つ、全日本不動産協会(全日)があります。ただし、宅建試験で問われるのは業界団体そのものではなく、それぞれに付いている「保証協会」の制度です。この記事では、受験生が覚える数字と、開業するときの入会の話を分けて、法令と各団体の公式ページで確かめます。

公開日
2026年11月6日
更新日
2026年11月6日
読了目安
約11分
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年11月6日
宅建協会と保証協会の記事カバー

先に結論

宅建協会は、都道府県ごとの宅地建物取引業協会と全国組織の全宅連(ハトマーク)の通称です。全日本不動産協会(ウサギのマーク)は別の業界団体です。宅建業法上の保証協会は、宅建協会系の全国宅地建物取引業保証協会と、全日系の不動産保証協会の2つです。保証協会に入ると、営業保証金(主たる事務所1,000万円・その他の事務所500万円)の代わりに、弁済業務保証金分担金(主たる事務所60万円・その他の事務所30万円)を納めます。入会は任意で、営業保証金を供託して営業することもできます。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 宅建協会=都道府県の宅地建物取引業協会と全宅連。全日は別の団体
  • 保証協会は全宅保証と不動産保証協会の2つ。重ねて入れない
  • 分担金は60万円+30万円×その他の事務所。営業保証金は1,000万円+500万円
  • 入会は任意。苦情解決は会員業者との取引だけが対象

01結論:宅建協会は業界団体、保証協会は宅建業法上の制度

「宅建協会」と呼ばれているのは、各都道府県の宅地建物取引業協会と、それを会員とする全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)です。どちらも不動産会社が集まる業界団体で、宅建業法が設立を定めた組織ではありません。

一方、保証協会は宅建業法64条の2以下に定めがあり、国土交通大臣の指定を受けた一般社団法人です。宅建協会系には全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)が、全日本不動産協会系には不動産保証協会があります。

宅建試験で問われるのは、保証協会の業務と弁済業務保証金分担金の数字です。業界団体の名前やマークは試験には出ません。試験対策で覚える内容と、開業時に選ぶ入会先の話は、分けて読んでください。

02宅建協会の正体:都道府県の協会と全宅連

全宅連の公式ページによると、全宅連は昭和42年9月29日に設立され、平成24年4月1日に公益社団法人になりました。会員は全国47都道府県の宅建協会です。不動産会社は、都道府県の宅建協会を通じて全宅連のグループに加わります。

全宅連は、政策提言や調査、不動産取引の啓発、人材育成、会員への業務支援を事業に挙げています。全宅連と都道府県宅建協会の会員は、全宅保証の会員にもなっていると説明されています。

シンボルはハトマークです。全宅連はこのマークを、会員とユーザーの信頼の絆を表すシンボルとしています。2羽の鳩が信頼と繁栄を、赤は太陽、緑は大地、白は取引の公正を表します。

03全日本不動産協会(全日)とウサギのマーク

全日本不動産協会は、宅建協会とは別の公益社団法人です。協会のシンボルはうさぎで、公式ページは「情報を的確にキャッチする耳、未来を見る眼、躍進するジャンプ力ある足」を備えたうさぎと説明しています。

全日の保証協会が不動産保証協会です。不動産保証協会の公式ページによると、全日本不動産協会が母体となり、1973年9月27日に社団法人として設立され、同じ日に宅地建物取引業保証協会の指定を受けました。2011年12月1日に公益社団法人へ移りました。

宅建協会系は全宅連とハトマーク、保証協会は全宅保証。全日系は全日本不動産協会とうさぎのマーク、保証協会は不動産保証協会。分担金はどちらも60万円と30万円
図解業界団体は2系統あり、それぞれに保証協会が1つずつ付いています。分担金の額は政令で決まっているので、どちらに入っても同じです。拡大して見る ↗

全日の都道府県単位の組織は「地方本部」と呼ばれます。入会の申込み、入会費用の額、苦情の受付は地方本部ごとに行われます。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

宅建協会系と全日系の対応(各団体の公式ページで確認。2026年11月6日)
項目宅建協会系全日系
業界団体(全国)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)全日本不動産協会(全日)
都道府県の組織各都道府県の宅地建物取引業協会各地方本部
保証協会全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)不動産保証協会
シンボルハトマークうさぎのマーク

この節・表の確認資料: 全日本不動産協会「不動産保証協会について」(確認日 2026年11月6日)/全日本不動産協会「協会シンボルマークとラビーちゃんについて」(確認日 2026年11月6日)/全日本不動産協会「ご入会の流れ」(確認日 2026年11月6日)/不動産保証協会「弁済制度について」(確認日 2026年11月6日)

04保証協会は2つだけ。重ねて入ることはできない

国土交通省の制度資料では、保証協会として指定を受けた法人は、全国宅地建物取引業保証協会(昭和48年5月24日指定)と不動産保証協会(昭和48年9月27日指定)の2つです。

宅建業法64条の2は、指定の要件として、一般社団法人であることと、宅建業者だけを社員とすることを挙げています。保証協会の会員は、法律上「社員」と呼ばれます。会社の従業員という意味ではありません。

64条の4により、一つの保証協会の社員は、ほかの保証協会の社員になれません。宅建協会と全日の両方の保証協会に入って二重に保護を受ける、ということはできません。

05営業保証金と弁済業務保証金分担金の違い

宅建業者は、取引の相手が損をしたときの弁済に備えて、営業保証金を供託しなければなりません。施行令2条の4により、額は主たる事務所1,000万円、その他の事務所ごとに500万円です。供託先は主たる事務所の最寄りの供託所で、国債などの有価証券でも納められます。

保証協会の社員になると、営業保証金を供託しなくてよくなります(64条の13)。代わりに、施行令7条の弁済業務保証金分担金を保証協会に納めます。額は主たる事務所60万円、その他の事務所ごとに30万円です。

本店1か所と支店2か所の会社なら、営業保証金は2,000万円、分担金は120万円です。ただし、取引の相手が弁済を受けられる上限は、営業保証金を供託した場合と同じ額です(64条の8)。業者が預ける額は少なくても、相手方の保護は小さくなりません。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

営業保証金と弁済業務保証金分担金(宅建業法・同施行令で確認)
項目営業保証金弁済業務保証金分担金
主たる事務所1,000万円60万円
その他の事務所1か所ごと500万円30万円
納める先主たる事務所の最寄りの供託所加入する保証協会
本店+支店2か所の例2,000万円120万円
相手方が弁済を受けられる上限供託した営業保証金の額営業保証金の額に相当する額

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月6日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行令」(確認日 2026年11月6日)

06試験で覚える期限:1週間・2週間・1か月

保証協会の論点は、誰が・いつまでに・何をするかの組み合わせで出ます。分担金は、保証協会に加入しようとする日までに納めます。加入した後に事務所を増やしたときは、その日から2週間以内に追加の分担金を納め、納めないと社員の地位を失います(64条の9)。

保証協会は、分担金を受け取った日から1週間以内に、同じ額の弁済業務保証金を供託します(64条の7)。弁済が行われて保証金が減ったときは、協会は社員に還付充当金を求め、社員は通知を受けた日から2週間以内に納めます(64条の10)。

社員の地位を失った業者は、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません(64条の15)。営業保証金の不足額の供託は2週間以内(28条)なので、似た数字を取り違えないよう表で覚えます。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

保証協会まわりの期限(宅建業法で確認)
場面する人期限
加入するとき業者が分担金を納付加入しようとする日まで
事務所を増やしたとき社員が追加の分担金を納付設置の日から2週間以内
分担金を受け取ったとき保証協会が弁済業務保証金を供託納付の日から1週間以内
還付があったとき社員が還付充当金を納付通知を受けた日から2週間以内
特別弁済業務保証金分担金社員が納付通知を受けた日から1か月以内
社員の地位を失ったとき業者が営業保証金を供託失った日から1週間以内

この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月6日)

07試験で覚える仕組み:認証・取戻し・説明

相手方が弁済業務保証金から弁済を受けるには、先に保証協会の認証を受ける必要があります(64条の8第2項)。弁済の対象は宅建業に関する取引で生じた債権に限られ、宅建業者どうしの取引で生じた債権は対象ではありません。

営業保証金を取り戻すときは、原則として6か月以上の期間を定めた公告が必要です(30条2項)。一方、保証協会に加入して営業保証金が不要になった場合の取戻しには、この公告の規定が準用されていません(64条の14)。

宅建業者は、契約が成立するまでに、相手方に供託所などを説明します(35条の2)。保証協会の社員なら、社員であることと、協会の名称・住所・事務所の所在地、弁済業務保証金の供託所とその所在地を説明します。重要事項説明の35条とは別の条文です。

08入会は任意。営業保証金を供託して営業することもできる

宅建業の免許を受けた後、営業を始めるには、営業保証金を供託して免許権者に届け出るか、保証協会に加入するかのどちらかが必要です。宅建業法25条5項により、営業保証金の届出をする前は事業を始められません。

保証協会への加入も、宅建協会や全日への入会も、法律上の義務ではありません。営業保証金を供託すれば、どの団体にも入らずに営業できます。東京都の閲覧の手引きも、免許を受けた業者は営業開始までに営業保証金を供託するか、保証協会に入会して分担金を納めると説明しています。

全宅連の案内では、全宅保証と都道府県宅建協会には同時に加入し、手続全体で2か月以上かかるとしています。全日の案内では、申込みから営業開始まで約1〜2か月です。開業日から逆算して早めに申し込みます。

09入会費用は都道府県ごとに違う

分担金の額は政令で全国一律ですが、入会金や年会費は団体ごとに決まります。全宅連の案内は、費用はそれぞれの都道府県の協会によって違うとしています。全日も、入会費用は地方本部ごとに異なり、各地方本部のホームページで確かめるよう案内しています。

東京都宅建協会の開業案内では、会費などは入会月によって変わるとしています。入会金の一部を分割で払う制度も案内されています。額は改定されることがあるので、必ず入会予定の協会や地方本部の最新の案内で確認してください。

比べるときは、分担金・入会金・年会費を合わせた初年度の総額と、2年目以降の会費を分けて見ます。団体が会員向けに用意する研修や契約書式、物件情報のシステムも、団体ごとに違います。

10取引先がどの協会の会員かを確かめる

店の入口のハトマークやうさぎのマークは目印になりますが、それだけで決めつけないほうが確実です。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で業者を開くと、詳細画面に「加入している宅地建物取引業保証協会」と「所属団体」の欄があります。

保証協会の欄が空なら、その業者は営業保証金を供託している可能性があります。その場合の弁済は、主たる事務所の最寄りの供託所に供託された営業保証金から受けます。

契約前の35条の2の説明でも、保証協会の社員かどうかを聞けます。検索システムの使い方は、宅建業者の検索の記事で詳しく説明しています。

11消費者の相談窓口:一般相談と苦情解決は別

都道府県の宅建協会は、不動産の無料相談所を設けています。全宅連の案内では、一般相談と苦情相談を受け付け、問合せはお近くの都道府県宅建協会へとしています。東京都宅建協会の不動産相談所は、平日の10時〜12時と13時〜15時に電話で受け付け、電話は1回15分以内、来所は予約制で30分以内です。

一般相談は助言が目的で、相手の業者との仲裁やあっせんはしません。裁判中・調停中の内容や、弁護士に依頼済みの内容も受け付けていません。

これとは別に、保証協会には宅建業法64条の5に基づく苦情解決の業務があります。保証協会は申出人の相談に応じて助言し、事情を調べ、会員業者に苦情の内容を伝えて早く処理するよう求めます。東京都宅建協会の案内では、苦情解決の申出は来所が必要で、事前に保証協会東京本部へ連絡し、関係書類の原本を持参します。

12苦情解決・弁済の対象にならないもの

保証協会の苦情解決と弁済は、その保証協会の会員業者との取引が対象です。不動産保証協会の案内は、会員でない事業者とのトラブル、行政処分を求める申出、工事請負や賃貸管理など宅建業に当たらない取引は対象外としています。

不動産保証協会は、苦情や相談の窓口を、業者の主たる事務所(本店)を管轄する地方本部に限っています。支店のある県の地方本部では受け付けていない点に注意してください。

会員でない業者とのトラブルや、法令違反の疑いを知らせたいときは、免許を出した行政庁に相談します。知事免許なら都道府県の宅建業の担当課、大臣免許なら本店を管轄する地方整備局等です。国土交通省は都道府県の担当課の一覧を公開しています。

13宅建試験の協力機関も多くは宅建協会

宅建試験は、不動産適正取引推進機構が国土交通大臣から指定試験機関の指定を受け、各都道府県知事の委任のもとに実施しています。機構は、試験地(都道府県)での事務は協力機関が行うとしています。

機構の協力機関一覧を見ると、47都道府県のうち42で、その県の宅地建物取引業協会が協力機関です。残る5つは、岩手県建築住宅センター、東京都防災・建築まちづくりセンター、大阪府宅地建物取引士センター、岡山県不動産サポートセンター、福岡県建築住宅センターです。

受験申込みや試験会場の問合せ先が地元の宅建協会になっているのはこのためです。会員でなくても、受験者として問い合わせることができます。

よくある質問

宅建協会とは何ですか?

各都道府県の宅地建物取引業協会と、その全国組織の全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の通称です。シンボルはハトマークです。

宅建協会と全日の違いは何ですか?

どちらも不動産会社の業界団体ですが、別の組織です。宅建協会系の保証協会は全国宅地建物取引業保証協会、全日系は不動産保証協会です。分担金の額は同じです。

弁済業務保証金分担金はいくらですか?

宅建業法施行令7条により、主たる事務所60万円、その他の事務所1か所ごとに30万円です。営業保証金は主たる事務所1,000万円、その他の事務所ごとに500万円です。

宅建協会に入らないと開業できませんか?

入会は義務ではありません。営業保証金を供託して免許権者に届け出れば、どの団体にも入らずに営業できます。

両方の保証協会に入れますか?

入れません。宅建業法64条の4により、一つの保証協会の社員はほかの保証協会の社員になれません。

会員でない不動産会社とのトラブルは宅建協会に相談できますか?

保証協会の苦情解決と弁済は会員業者との取引が対象です。会員でない業者とのトラブルは、その業者の免許行政庁(都道府県の担当課や地方整備局等)に相談します。

保証協会から弁済を受けられる上限はいくらですか?

その業者が保証協会の社員でなければ供託すべきだった営業保証金の額に相当する額の範囲内です。本店だけの業者なら1,000万円です。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。