賃貸住宅管理業法
業務管理者の要件と配置|宅建士との違い・兼務を解説【賃貸不動産経営管理士】【2026年度試験対応】
賃貸住宅管理業の業務管理者になる要件、営業所ごとの配置、宅建士との兼務を整理。賃貸不動産経営管理士の資格取得だけで要件を満たすのか、具体例で確認できます。
要点 3件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
- 法令基準日
- 2026-04-01
- 最終確認日
- 2026-08-15
- 確認
- chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
業務管理者は、賃貸住宅管理業者が営業所・事務所ごとに1人以上置く、管理業務の適正な実施を監督する人です。登録試験や宅建士の要件に加え、実務経験またはそれに代わる講習など、法令上の条件を満たす必要があります。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08
業務管理者は何を管理する人か
管理受託契約の重要事項説明、契約書面、財産の分別管理、帳簿などが適正に行われるよう管理・監督する役割です。名称に「管理」とありますが、建物の修理を自ら全部行う担当者という意味ではありません。
会社全体に1人ではなく、営業所・事務所ごとに1人以上が必要です。置くべき業務管理者がいない間は、その営業所等で新たな管理受託契約を締結できません。
資格と実務経験をセットで確認する

登録試験の経路:登録試験合格+2年以上の実務経験等:経験に代わる講習あり。宅建士の経路:宅建士+2年以上の実務経験等+指定講習:宅建試験の合格だけでは足りない。配置:営業所・事務所ごとに1人以上:欠けた間は新規の管理受託契約不可
図を大きく見る代表的な経路は、2年以上の管理実務経験等を有し、登録試験に合格する方法です。登録試験には賃貸不動産経営管理士試験が位置付けられています。実務経験については、それに代わる講習の制度があります。
宅地建物取引士を基礎とする経路では、2年以上の実務経験等に加え、指定講習を修了することが必要です。「宅建試験に合格しただけ」「管理士試験に合格しただけ」といった一条件で判断せず、登録・講習・経験の組合せを確認します。
| 項目 | 押さえる内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 登録試験の経路 | 登録試験合格+2年以上の実務経験等 | 経験に代わる講習あり |
| 宅建士の経路 | 宅建士+2年以上の実務経験等+指定講習 | 宅建試験の合格だけでは足りない |
| 配置 | 営業所・事務所ごとに1人以上 | 欠けた間は新規の管理受託契約不可 |
専任の宅建士との兼務は一律禁止ではない
宅建業の専任の宅地建物取引士と業務管理者を兼ねること自体が、すべて禁止されるわけではありません。それぞれの職務を適正に遂行できることが前提です。資格名が似ているから、制度上の役割まで同じになるわけではありません。
一つの営業所に業務管理者が2人いて1人が退職した場合、適格な1人が残っていれば、直ちに配置義務を満たさなくなるわけではありません。「誰かが辞めたか」ではなく、必要な人数と要件を満たす人が残るかで判断します。
重要事項説明を行う人と同じとは限らない
管理受託契約の重要事項説明について、法律が説明者を業務管理者だけに限定しているわけではありません。国土交通省は、業務管理者等の専門的知識・経験を持つ人による説明を推奨しています。義務と推奨を分けて読みます。
令和7年度問10では、業務管理者の人数、欠格事由、他の役割との兼務が問われています。試験では資格ルートだけでなく、実際に営業所に配置できる状態かまで確認してください。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和7年度 問10
業務管理者の配置人数と兼務・適格性を確認する
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- e-Gov:賃貸住宅管理業法12条確認日:2026-09-08
- e-Gov:同施行規則の業務管理者要件確認日:2026-09-08
- 国土交通省:業務管理者確認日:2026-09-08
- 国土交通省:賃貸住宅管理業法FAQ確認日:2026-09-08
- 試験実施団体:過去の試験問題確認日:2026-09-08

業務管理者は事務所ごとに1人以上必要です。実務経験または実務講習に加え、管理士資格などの所定要件を満たします。
業務管理者の選任と要件
業務管理者は営業所又は事務所ごとに1人以上選任し、他の営業所・事務所の業務管理者を兼ねることはできない。要件は、管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者、または国土交通大臣がこれと同等以上の能力を有すると認めた者(実務講習の修了者等)で、かつ①賃貸不動産経営管理士の登録証明を受けている者、②宅地建物取引士で国土交通大臣が指定する講習を修了した者、のいずれかに該当することである(施行規則14条)。
覚え方事務所ごとにひとり、実務二年か講習修了、そのうえで管理士か宅建士+指定講習
最重要・比較表
業務管理者になれる人・なれない人
最初に確認するのは、実務経験の枠と資格の枠を両方満たしているかです。どちらか一方だけでは足りず、実務経験は講習の修了で代えられる点もあわせて押さえます。
| 事由 | 業務管理者になれる | 業務管理者になれない | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 実務経験の枠 | 管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者、または国土交通大臣が同等以上の能力を有すると認めた講習の修了者 | 実務の経験が2年に満たず、同等以上の能力を認める講習も修了していない者 | 実務経験2年は絶対条件ではなく、講習の修了で代替できます。 |
| 資格の枠 | 登録証明事業による証明を受けている者、または宅地建物取引士で国土交通大臣が指定する管理業務に関する実務についての講習を修了した者 | 宅地建物取引士であっても、国土交通大臣が指定する講習を修了していない者 | 宅建士は資格だけでは足りず、指定講習の修了までがセットです。 |
| 二つの枠の関係最重要 | 実務経験の枠と資格の枠を、それぞれ満たしている者 | 登録証明は受けているが実務経験も講習修了もない者、実務経験2年はあるが資格の枠を満たさない者 | 資格さえあればよい、も、実務経験さえあればよい、もどちらも誤りです。 |
| 登録拒否事由との関係 | 賃貸住宅管理業者の登録拒否事由の1号から7号までのいずれにも該当しない者 | 登録拒否事由の1号から7号までのいずれかに該当する者 | 業務管理者にも、業者と同じ欠格の物差しがかかります。 |
| 兼務と兼任 | 同じ営業所で宅地建物取引士など他の業務を兼務すること自体は、法違反にならない | 他の営業所または事務所の業務管理者を兼ねること | 兼務(他の職務)と兼任(他の営業所の業務管理者)を区別します。 |
実務経験の枠
- 業務管理者になれる
- 管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者、または国土交通大臣が同等以上の能力を有すると認めた講習の修了者
- 業務管理者になれない
- 実務の経験が2年に満たず、同等以上の能力を認める講習も修了していない者
判断ポイント
実務経験2年は絶対条件ではなく、講習の修了で代替できます。
資格の枠
- 業務管理者になれる
- 登録証明事業による証明を受けている者、または宅地建物取引士で国土交通大臣が指定する管理業務に関する実務についての講習を修了した者
- 業務管理者になれない
- 宅地建物取引士であっても、国土交通大臣が指定する講習を修了していない者
判断ポイント
宅建士は資格だけでは足りず、指定講習の修了までがセットです。
二つの枠の関係
最重要- 業務管理者になれる
- 実務経験の枠と資格の枠を、それぞれ満たしている者
- 業務管理者になれない
- 登録証明は受けているが実務経験も講習修了もない者、実務経験2年はあるが資格の枠を満たさない者
判断ポイント
資格さえあればよい、も、実務経験さえあればよい、もどちらも誤りです。
登録拒否事由との関係
- 業務管理者になれる
- 賃貸住宅管理業者の登録拒否事由の1号から7号までのいずれにも該当しない者
- 業務管理者になれない
- 登録拒否事由の1号から7号までのいずれかに該当する者
判断ポイント
業務管理者にも、業者と同じ欠格の物差しがかかります。
兼務と兼任
- 業務管理者になれる
- 同じ営業所で宅地建物取引士など他の業務を兼務すること自体は、法違反にならない
- 業務管理者になれない
- 他の営業所または事務所の業務管理者を兼ねること
判断ポイント
兼務(他の職務)と兼任(他の営業所の業務管理者)を区別します。
01業務管理者の選任|試験の判断カードの重要暗記項目
業務管理者の選任と要件
業務管理者は営業所又は事務所ごとに1人以上選任し、他の営業所・事務所の業務管理者を兼ねることはできない。要件は、管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者、または国土交通大臣がこれと同等以上の能力を有すると認めた者(実務講習の修了者等)で、かつ①賃貸不動産経営管理士の登録証明を受けている者、②宅地建物取引士で国土交通大臣が指定する講習を修了した者、のいずれかに該当することである(施行規則14条)。
覚え方事務所ごとにひとり、実務二年か講習修了、そのうえで管理士か宅建士+指定講習
ひっかけ注意「資格さえあれば実務経験は不要」も「実務経験2年が絶対に必要」も誤り。実務経験は講習修了で代替できる。
業務管理者の管理・監督事務
業務管理者が管理・監督する事務は、①管理受託契約の重要事項説明及び書面の交付、②締結時書面の交付、③維持保全の実施と家賃等の金銭の管理、④帳簿の備付け等、⑤定期報告、⑥秘密の保持、⑦入居者からの苦情の処理、⑧その他国土交通大臣が定める事項の8つ。業務管理者はこれらを管理・監督する立場であり、自ら重要事項説明を行う義務はない。ただし説明は業務管理者の管理・監督の下で行う必要がある。
覚え方業務管理者は監督役、説明の実演者ではない
ひっかけ注意「業務管理者が説明しなければならない」とする誤りが定番。逆に監督すら不要とするのも誤りである。
賃貸不動産経営管理士と登録証明事業
賃貸不動産経営管理士は、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会が国土交通大臣の登録を受けて実施する登録証明事業により証明される資格である。証明を受けるには、管理業務に関し2年以上の実務の経験を有すること、またはこれと同等以上の能力を有することの確認が必要で(施行規則19条6号)、後者は実務経験に代わる実務講習の修了により満たせる。
覚え方実務二年、または実務講習の修了で同等以上
ひっかけ注意「証明を受けても実務2年がなければ業務管理者になれない」とする誤り。実務講習を修了すれば実務経験がなくても要件を満たす。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1管理業務を行う営業所・事務所ごとに、要件を満たす業務管理者を1名以上選任する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2実務経験2年以上は所定の実務講習修了で代替でき、資格・指定講習等の組合せも確認する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3必要な業務管理者を欠く営業所・事務所では、管理受託契約を締結できない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
業務管理者の選任|試験の判断カードの○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
賃貸住宅管理業法重要度 S
業務管理者の選任と要件
賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、1人以上の業務管理者を選任して、管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
業務管理者の選任|試験の判断カードの○×一問一答12問|問題と解説
この論点で収録している12問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
業務管理者の選任と要件重要度S賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、1人以上の業務管理者を選任して、管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。営業所又は事務所ごとに1人以上の業務管理者の選任が義務付けられている(法12条1項)。
問2
業務管理者の選任と要件重要度S賃貸不動産経営管理士試験に合格し登録証明事業による証明を受けた者は、管理業務に関する実務の経験がなくても業務管理者になることができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。登録証明を受けるには実務経験2年またはこれと同等以上の能力の確認が必要で、後者は実務講習の修了で満たせる。
問3
業務管理者の管理・監督事務重要度S業務管理者が管理及び監督に関する事務を行うべき事項には、賃貸住宅の入居者からの苦情の処理に関する事項が含まれる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。入居者からの苦情の処理に関する事項は業務管理者の管理・監督事務として明記されている(規則13条7号)。
問4
業務管理者の選任と要件重要度S業務管理者は、その者が管理及び監督に関する事務を適切に行える限り、他の営業所又は事務所の業務管理者を兼ねることができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。業務管理者は他の営業所又は事務所の業務管理者となることができない(法12条3項)。
問5
業務管理者の管理・監督事務重要度S管理受託契約の締結前に行う重要事項の説明は、必ずその営業所の業務管理者自身が行わなければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。業務管理者が行う必要は必ずしもなく、業務管理者の管理及び監督の下で行われればよい。
問6
業務管理者の選任と要件重要度S営業所の業務管理者として選任した者の全てが欠けた場合、新たに業務管理者を選任するまでの間は、その営業所において既に締結している管理受託契約に基づく管理業務を行うこともできない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。禁止されるのは新たな管理受託契約の締結であり、既存契約に基づく管理業務の実施までは禁止されない(法12条2項)。
問7
業務管理者の管理・監督事務重要度S業務管理者が管理及び監督に関する事務を行うべき事項には、賃貸住宅の入居者の募集及び賃貸借契約の締結に関する事項が含まれる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。入居者の募集や賃貸借契約の締結は規則13条が列挙する管理・監督事務に含まれない。
問8
業務管理者の選任と要件重要度A宅地建物取引士が業務管理者となるには、宅地建物取引士であることに加えて、国土交通大臣が指定する管理業務に関する実務についての講習を修了する必要がある。
答え:○(正しい)
解説
正しい。宅建士ルートでは、宅建士であることに加えて大臣指定の講習の修了が必要である(規則14条2号)。
問9
業務管理者の選任と要件重要度A業務管理者として選任した者の全てが欠けるに至った営業所においては、新たに業務管理者を選任するまでの間、管理受託契約を締結してはならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。新たな業務管理者を選任するまで、その営業所での管理受託契約の締結が禁止される。
問10
業務管理者の選任と要件重要度A営業所又は事務所ごとに業務管理者を選任しなかった賃貸住宅管理業者は、30万円以下の罰金に処せられる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。業務管理者の不選任は30万円以下の罰金の対象である(法44条2号)。業務管理者が欠けた状態で管理受託契約を締結した場合も同様である。
問11
業務管理者の選任と要件重要度A賃貸住宅管理業者の営業所に選任された業務管理者が、その営業所において宅地建物取引士を兼務することは、賃貸住宅管理業法に違反するものではない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。業務管理者が宅地建物取引士など他の業務を兼務すること自体は法違反ではない(解釈・運用の考え方 法12条関係)。
問12
賃貸不動産経営管理士と登録証明事業重要度B国又は地方公共団体において管理業務に従事した期間が通算して2年以上である者は、業務管理者の要件のうち実務の経験を有する者と同等以上の能力を有すると国土交通大臣が認めた者に当たる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人で管理業務に通算2年以上従事した者が該当する(解釈・運用の考え方 法12条関係)。
業務管理者の選任|試験の判断カードの問題を続けて解く
この論点に対応する12問を絞り込んで出題します。