賃貸住宅管理業法
サブリース規制とは?広告・勧誘・重要事項説明を整理【賃貸管理士】【2026年度試験対応】
サブリースの特定転貸事業者にかかる規制を、広告、勧誘、契約前後の書面、閲覧に分けて解説。200戸未満や未登録なら対象外という誤解も確認します。
要点 3件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
- 法令基準日
- 2026-04-01
- 最終確認日
- 2026-08-15
- 確認
- chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
特定転貸事業者には、誇大広告や不当な勧誘の禁止、契約前の書面交付・説明、契約後の書面交付などの規制があります。管理業の登録制度と別の規律なので、管理戸数が少ないことや未登録であることだけでは対象外になりません。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08
管理業者の登録とサブリース規制を分ける

広告・勧誘:特定転貸事業者と勧誘者を規制:事実と異なる家賃保証の訴求に注意。契約前:原則、書面交付と説明:一定の専門家等の例外を区別。契約後:遅滞なく書面を交付:前の説明書面と混同しない。書類閲覧:相手方・相手方となろうとする者が対象:未登録を理由に免れない
図を大きく見る特定転貸事業者は、特定賃貸借契約に基づいて住宅を借り、第三者へ転貸する事業を営む者です。オーナーとの原契約と、入居者との転貸借契約を区別すると、誰に何を説明する場面かが明確になります。
管理業の登録が必要かという問題と、オーナー保護のためのサブリース規制が及ぶかという問題は別です。「200戸未満だから、家賃保証の広告は規制されない」と判断しないでください。
| 項目 | 基本ルール | 注意点 |
|---|---|---|
| 広告・勧誘 | 特定転貸事業者と勧誘者を規制 | 事実と異なる家賃保証の訴求に注意 |
| 契約前 | 原則、書面交付と説明 | 一定の専門家等の例外を区別 |
| 契約後 | 遅滞なく書面を交付 | 前の説明書面と混同しない |
| 書類閲覧 | 相手方・相手方となろうとする者が対象 | 未登録を理由に免れない |
「家賃保証」の強調だけで判断させない
法28条は、実際より著しく有利・優良と誤認させる広告などを禁止します。家賃額だけでなく、維持保全、契約解除など、契約の選択に影響する条件を確認します。禁止対象が三つの事項だけに限定されるわけではありません。
例えば大きく「長期家賃保証」と書き、見直しや免責期間など重要な条件を読みにくい位置へ隠せば、広告全体の表示が問題になります。小さな注意書きを付けたかだけでなく、相手方が実際に理解できる表示かを考えます。
勧誘者にも禁止規定が及ぶ
契約締結の判断に影響する重要事項を故意に伝えなかったり、事実と異なる説明をしたりする勧誘は許されません。特定転貸事業者本人だけでなく、その依頼を受けて勧誘する者にも規制が及びます。
オーナーが契約を選ぶ前に、家賃の改定、維持保全費用、解除条件などを説明します。契約前の説明義務と契約後の書面交付義務を一回の手続にまとめて覚えないようにしましょう。
違反時の指示・業務停止も確認する
国土交通大臣は、法定の違反について指示や、一定の場合に1年以内の業務停止等を命じることができます。登録取消しだけを考えるのではなく、サブリース固有の処分の対象と内容を読みます。
令和7年度問20では広告の表示方法が問われました。「家賃保証」という一語で有利さを判断させるのではなく、オーナーの負担や解約・減額に関する条件まで届く説明になっているかを確認します。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和7年度 問20
家賃保証広告と必要な条件表示を確認する
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- e-Gov:賃貸住宅管理業法28〜34条確認日:2026-09-08
- 国土交通省:サブリースの適正化のための措置確認日:2026-09-08
- 試験実施団体:過去の試験問題確認日:2026-09-08

サブリース規制は特定転貸事業者と勧誘者に適用されます。登録の要否とは別に、広告・勧誘などの実態で判断します。
特定賃貸借契約と特定転貸事業者
特定賃貸借契約とは、賃借人が賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結される賃貸借契約(マスターリース契約)をいう。賃借人が人的関係・資本関係等で賃貸人と密接な関係を有する者である場合は除かれ、賃貸人が個人のときはその親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)等が該当する。特定転貸事業者であること自体に登録制度はないが、賃貸人に代わって維持保全を行えば賃貸住宅管理業に当たり、管理戸数200戸以上なら登録が必要になる。
覚え方サブリースでも維持保全をやれば管理業者、二百戸で登録
最重要・比較表
管理受託方式とサブリース方式の違い
最初に確認するのは、入居者から見た貸主が誰かです。ここが決まると、契約の当事者も、空室が出たときに損をする人も、かかる規制も変わります。
| 事由 | 管理受託方式 | サブリース方式 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 管理会社と貸主の関係最重要 | 貸主との間で管理受託契約を結び、管理会社は委託を受けて管理業務を行う | 貸主との間で原賃貸借契約(マスターリース)を結び、管理会社自らが借主になる | 管理会社が委託を受ける側か、借りる側かで、以降の結論がすべて変わります。 |
| 入居者から見た貸主 | 貸主(オーナー)。入居者はオーナーと直接、賃貸借契約を結ぶ | 管理会社。管理会社が転貸人となり、入居者(転借人)と転貸借契約を結ぶ | 誰が転貸人になるかで、入居者からのクレームの受け皿も変わります。 |
| 空室が増えたときの影響 | 空き室率の上昇に伴う賃料収入の減少を、オーナーが直接受ける | 空き室率上昇の影響はサブリース会社が受け、オーナーの賃料収入は安定する | 収入が安定する代わりに、リース料は一般の賃料より低くなるのが通常です。 |
| オーナー側のデメリット | 管理費の滞納等のリスクをオーナーが負い、空室による減収も直接かぶる | 契約関係が複雑になり、礼金や更新料がサブリース会社の収入になる場合がある | サブリースは安全に見えて、賃料の減額を請求されるリスクが残ります。 |
| 賃貸住宅管理業の登録 | 管理戸数が200戸以上なら国土交通大臣の登録が必要。200戸未満は任意で登録できる | 貸主に代わって維持保全を行うため、事業規模が200戸未満である場合を除き登録が必要 | サブリース業者だから登録不要、という覚え方は誤りです。 |
管理会社と貸主の関係
最重要- 管理受託方式
- 貸主との間で管理受託契約を結び、管理会社は委託を受けて管理業務を行う
- サブリース方式
- 貸主との間で原賃貸借契約(マスターリース)を結び、管理会社自らが借主になる
判断ポイント
管理会社が委託を受ける側か、借りる側かで、以降の結論がすべて変わります。
入居者から見た貸主
- 管理受託方式
- 貸主(オーナー)。入居者はオーナーと直接、賃貸借契約を結ぶ
- サブリース方式
- 管理会社。管理会社が転貸人となり、入居者(転借人)と転貸借契約を結ぶ
判断ポイント
誰が転貸人になるかで、入居者からのクレームの受け皿も変わります。
空室が増えたときの影響
- 管理受託方式
- 空き室率の上昇に伴う賃料収入の減少を、オーナーが直接受ける
- サブリース方式
- 空き室率上昇の影響はサブリース会社が受け、オーナーの賃料収入は安定する
判断ポイント
収入が安定する代わりに、リース料は一般の賃料より低くなるのが通常です。
オーナー側のデメリット
- 管理受託方式
- 管理費の滞納等のリスクをオーナーが負い、空室による減収も直接かぶる
- サブリース方式
- 契約関係が複雑になり、礼金や更新料がサブリース会社の収入になる場合がある
判断ポイント
サブリースは安全に見えて、賃料の減額を請求されるリスクが残ります。
賃貸住宅管理業の登録
- 管理受託方式
- 管理戸数が200戸以上なら国土交通大臣の登録が必要。200戸未満は任意で登録できる
- サブリース方式
- 貸主に代わって維持保全を行うため、事業規模が200戸未満である場合を除き登録が必要
判断ポイント
サブリース業者だから登録不要、という覚え方は誤りです。
01特定転貸事業者への規制の重要暗記項目
特定賃貸借契約と特定転貸事業者
特定賃貸借契約とは、賃借人が賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結される賃貸借契約(マスターリース契約)をいう。賃借人が人的関係・資本関係等で賃貸人と密接な関係を有する者である場合は除かれ、賃貸人が個人のときはその親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)等が該当する。特定転貸事業者であること自体に登録制度はないが、賃貸人に代わって維持保全を行えば賃貸住宅管理業に当たり、管理戸数200戸以上なら登録が必要になる。
覚え方サブリースでも維持保全をやれば管理業者、二百戸で登録
ひっかけ注意「サブリース業者は登録不要」という半分だけ正しい知識が狙われる。親族の範囲を配偶者や直系血族に限定する誤りも定番。
勧誘者の範囲
勧誘者とは、特定転貸事業者と特定の関係性を有し、その特定賃貸借契約の締結に向けた勧誘を行う者をいう。明示的な委託契約がなくても、勧誘を行うよう依頼され又は任されていれば該当し、依頼の形式も資本関係も問わない。建設業者、不動産業者、金融機関などが該当しうる。勧誘者が勧誘行為を再委託した第三者も勧誘者となる。勧誘者に及ぶ規制は誇大広告等の禁止と不当な勧誘等の禁止の2つだけである。
覚え方勧誘者は契約書の有無で決まらない、実態で決まる
ひっかけ注意「委託契約がなければ勧誘者ではない」とする誤りが最頻出。勧誘者に書面交付義務まで課す誤りも狙われる。
サブリース方式と賃料減額請求
マスターリース契約も建物の賃貸借であるから借地借家法が適用され、賃料が不相当となったときはサブリース業者からオーナーに対して賃料減額請求ができる。判例は、賃料自動増額特約や賃料保証特約があっても借地借家法32条1項の適用は排除されないとした(最判平15.10.21)。賃貸住宅管理業法も、家賃減額の可能性を特定賃貸借契約の重要事項説明で説明すべき事項としている。
覚え方保証特約があっても、減額請求は封じられない
ひっかけ注意「賃料保証だから将来も減額されない」という説明は誤りであり、勧誘時にこれを断定すると法令違反となりうる。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1特定賃貸借契約を業として締結して転貸する特定転貸事業者が規制の中心となる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2誇大広告・不当勧誘・契約締結前の重要事項説明は、管理業の登録有無とは別に適用を判定する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3特定転貸事業者から委託を受けて勧誘する者には、勧誘者として禁止行為が及ぶ
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
特定転貸事業者への規制の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
賃貸住宅管理業法重要度 S
特定賃貸借契約と特定転貸事業者
賃貸人が個人である場合において、その賃貸人の親族を賃借人とする賃貸住宅の賃貸借契約は、賃借人が転貸する事業を営むことを目的とするものであっても特定賃貸借契約に該当しない。
特定転貸事業者への規制の○×一問一答8問|問題と解説
この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
特定賃貸借契約と特定転貸事業者重要度S賃貸人が個人である場合において、その賃貸人の親族を賃借人とする賃貸住宅の賃貸借契約は、賃借人が転貸する事業を営むことを目的とするものであっても特定賃貸借契約に該当しない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。賃貸人と密接な関係を有する者が賃借人である場合は特定賃貸借契約から除かれる。
問2
勧誘者の範囲重要度S勧誘者とは、特定転貸事業者から明示的に勧誘を委託された者に限られ、明示的な委託を受けずに勧誘を依頼されているにすぎない者は勧誘者に当たらない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。明示的に委託されていなくても、勧誘を依頼され又は任されている者は勧誘者に当たる。依頼の形式は問わない。
問3
特定賃貸借契約と特定転貸事業者重要度S特定転貸事業者が特定賃貸借契約に基づき賃貸人に代わって賃貸住宅の維持保全を行っている場合、その事業の規模が200戸未満であるときを除き、賃貸住宅管理業の登録を受けなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。維持保全を行う特定転貸事業者は賃貸住宅管理業を営んでいると解され、登録が必要となる。
問4
勧誘者の範囲重要度S勧誘者は、特定賃貸借契約の締結の勧誘を行うにあたり、相手方となろうとする者に対して特定賃貸借契約の重要事項説明を行わなければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。特定賃貸借契約の重要事項説明の義務を負うのは特定転貸事業者であり、勧誘者にはこの義務は課されていない。
問5
勧誘者の範囲重要度S特定転貸事業者から明示的な委託を受けておらず、特定賃貸借契約の内容や条件等に触れることなく当該事業者を紹介したにすぎない者も、勧誘者に当たる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。契約の内容や条件等に触れずに単に事業者を紹介する行為は「勧誘」に含まれず、その者は勧誘者に当たらない。
問6
サブリース方式と賃料減額請求重要度Sサブリース方式のマスターリース契約に一定期間賃料を減額しない旨の特約がある場合、サブリース業者はオーナーに対して借地借家法32条に基づく賃料減額請求をすることができない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。判例は、賃料保証特約があっても借地借家法32条1項の適用は排除されないとしている。
問7
特定賃貸借契約と特定転貸事業者重要度A個人が賃借した賃貸住宅について、転勤などの事情により一時的に第三者に転貸する場合も、特定賃貸借契約に該当する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。「事業を営む」とは営利の意思をもって反復継続的に転貸することをいい、一時的な転貸は該当しない。
問8
勧誘者の範囲重要度A勧誘者が特定賃貸借契約の勧誘行為を第三者に再委託した場合、その第三者も勧誘者に該当する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。勧誘者が勧誘行為を第三者に再委託した場合、その第三者も勧誘者に該当し、同じ規制の適用を受ける。
特定転貸事業者への規制の問題を続けて解く
この論点に対応する8問を絞り込んで出題します。