実務・開業2026年版
行政書士の内容証明|頼める範囲・費用・弁護士との違い・書き方【2026年版】
2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。
内容証明郵便は、いつ、どんな文書を、誰から誰に送ったかを日本郵便が証明する郵便です。行政書士はこの文書を代わりに作れますが、相手と争いになっていて交渉が避けられない案件は弁護士の領域になるので注意が必要です。日本郵便の規格と料金、日本行政書士会連合会の案内と報酬額統計、行政書士法・弁護士法の条文で、頼める範囲と費用を確かめます。
- 公開日
- 2026年11月6日
- 更新日
- 2026年11月6日
- 読了目安
- 約12分
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 情報確認日
- 2026年11月6日

先に結論
行政書士は、契約の解除やクーリング・オフ、支払いの催告などの通知を、内容証明郵便の文書として作れます。日行連の令和7年度報酬額統計では、内容証明郵便作成の報酬は平均26,960円、最頻値33,000円でした。これとは別に、郵便局の料金が謄本1枚で1,070円、配達証明を付けると1,420円かかります。ただし、交渉で解決しなければならない争いがほぼ避けられない案件は、弁護士法72条により弁護士に頼みます。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 行政書士は内容証明の文書を「権利義務に関する書類」として作れる
- 交渉が避けられない争いのある案件は弁護士の領域(弁護士法72条)
- 報酬は平均26,960円・最頻値33,000円(日行連 令和7年度統計)
- 窓口は謄本1枚520字まで・1,070円。e内容証明は1枚1,295円から
01結論:行政書士は通知の文書を作る。交渉が避けられない争いは弁護士
行政書士は、内容証明郵便で送る文書を、依頼者に代わって作れます。日本行政書士会連合会(日行連)は内容証明を「権利義務に関する書類」の一つに挙げ、依頼者の意思に基づいて、文書作成の代理人として内容証明郵便を作成すると案内しています。
ただし、日行連は同じ案内で、交渉において解決しなければならない法的紛議が生じることがほぼ不可避である案件に関わるものを除くとしています。相手が請求を争っていて、送ったあとに交渉が見込まれる案件は、弁護士法72条により弁護士の領域です。
費用は、日行連の令和7年度報酬額統計で、内容証明郵便作成の平均が26,960円、最頻値が33,000円でした。これとは別に、郵便局に払う料金が謄本1枚の文書で1,070円、配達証明を付けると1,420円かかります。
02内容証明郵便の仕組み:証明されるのは「何を送ったか」
内容証明は、一般書留の郵便物に付けるオプションです。日本郵便は、いつ、どんな内容の文書を、誰から誰あてに差し出したかを、差出人が作った謄本によって証明する制度だと説明しています。郵便法48条も、内容証明の取扱いでは会社が郵便物の文書の内容を証明すると定めています。
証明されるのは文書が存在したことで、書いてある内容が真実かどうかではありません。また、内容証明だけでは相手に届いたことまでは証明されません。届いた事実を残すには配達証明を付けます。配達証明は配達した事実を証明するもので、実際に受け取った人が誰かは証明しません。
郵便法44条3項により、内容証明と配達証明は書留とする郵便物にしか付けられません。日本郵便は、内容証明は一般書留とする必要があり、簡易書留にはできないとしています。はがきでは使えません。
03窓口で出すときの規格:謄本は1枚520字まで
郵便局の窓口には、受取人に送る内容文書1通、その謄本2通(差出人と郵便局が1通ずつ保管)、差出人と受取人の住所氏名を書いた封筒、料金を出します。用紙の大きさや筆記用具の決まりはなく、市販の内容証明用紙でなくても、コピーで作ってもかまいません。
字数と行数に制限があるのは謄本です。縦書きは1行20字以内・1枚26行以内です。横書きは、1行20字以内・1枚26行以内、1行13字以内・1枚40行以内、1行26字以内・1枚20行以内のどれかで作ります。内容文書そのものには字数の制限がありません。
差し出せるのは、集配郵便局と支社が指定した郵便局だけです。特定の曜日だけ扱う局もあるので、出す前に差出局に確かめます。日本郵便は、念のため差出人の印鑑を持っていくよう勧めています。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 書き方 | 1行の字数 | 1枚の行数 |
|---|---|---|
| 縦書き | 20字以内 | 26行以内 |
| 横書き(その1) | 20字以内 | 26行以内 |
| 横書き(その2) | 13字以内 | 40行以内 |
| 横書き(その3) | 26字以内 | 20行以内 |
この節・表の確認資料: 日本郵便「内容証明」(確認日 2026年11月6日)/日本郵便「内容証明 ご利用の条件等」(確認日 2026年11月6日)
04書き方の決まり:同封はできない・英字は固有名詞だけ
内容証明にできるのは文書1通だけです。図面や返信用封筒などを同封することはできず、為替証書や小切手などの有価証券も入れられません。契約書などの資料に触れるときは、文書の中で日付や名前で特定して書きます。
使える文字は、仮名、漢字、数字、括弧、句読点、一般に記号として使われるもの、英字です。英字は固有名詞に限られます。謄本の字数は記号も1個1字で数え、括弧は左右を合わせて1字です。m2やkgは2字と数えます。
謄本を直すときは、訂正・挿入・削除した字数と箇所を欄外か末尾の余白に書き、差出人の印を押します。消した字は読めるように残します。謄本が2枚以上になるときは、つづり目に契印をします。
謄本の末尾の余白には、差出人と受取人の住所氏名を書き添えます。内容文書に書いた住所氏名と同じなら、原則として省略できます。書き添えた文字は謄本の字数や枚数に数えません。
05郵便料金:謄本1枚なら1,070円、配達証明を付けると1,420円
窓口で出すときの料金は、郵便物の料金、一般書留の加算料金、内容証明の加算料金の合計です。日本郵便の例では、謄本1枚の内容証明を定形郵便物(50gまで)で出すと、480円+110円+480円で1,070円です。
内容証明の加算料金は謄本1枚が480円で、2枚目からは1枚ごとに290円増えます。配達証明は差し出すときに付ければ350円、差し出したあとに請求すると480円です。同じ文書を同時に2通以上出す同文内容証明は、2通目から内容証明の加算料金が半額になります。
ここに書いた額は2026年11月6日に日本郵便のページで確かめたものです。郵便料金は改定されることがあるので、出す前に最新の料金を確認してください。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 謄本の枚数 | 1枚 | 2枚 | 3枚 | 4枚 | 5枚 |
|---|---|---|---|---|---|
| 加算料金 | 480円 | 770円 | 1,060円 | 1,350円 | 1,640円 |
この節・表の確認資料: 日本郵便「内容証明」(確認日 2026年11月6日)/日本郵便「内容証明 ご利用の条件等」(確認日 2026年11月6日)/日本郵便「配達証明」(確認日 2026年11月6日)
06e内容証明:インターネットで24時間、Wordで作る
日本郵便のe内容証明(電子内容証明)は、Wordで作った文書をアップロードすると、日本郵便が印刷・照合・封入して内容証明郵便として送るサービスです。24時間受け付けており、利用には無料の利用登録が必要です。
文書は日本郵便が指定する雛形を使い、A4で最大5枚までです。1枚の字数は、Wordの標準設定で1,584字が目安とされています。図や表は使えません。日付は、差出ボタンを押した時点の日付が文書に印字されます。
料金は、文書1枚で謄本を通常送付する場合、郵便料金110円、電子郵便料金19円、内容証明料金382円、謄本送付料金304円、一般書留料金480円の合計1,295円です。配達証明は350円で付けられます。受取人には正本が、差出人には謄本が一般書留で届きます。
07行政書士が作れる範囲:権利義務・事実証明に関する書類
行政書士法1条の3第1項は、行政書士の業務を、官公署に提出する書類と、権利義務または事実証明に関する書類の作成としています。1条の4第1項3号は、契約その他に関する書類を代理人として作成することも業務に入れています。
日行連は「権利義務に関する書類」を、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類と説明し、その例に内容証明を挙げています。契約の解除やクーリング・オフの通知は、権利を消滅させる意思表示を書く文書です。
一方、1条の3第2項は、他の法律で業務が制限されている書類は行政書士も作れないとしています。内容証明でいえば、弁護士法72条が弁護士以外に禁じている法律事務にあたる場合です。
08弁護士の領域になる線:争い・交渉・代理
弁護士法72条は、弁護士でない者が、報酬を得る目的で、訴訟事件、非訟事件その他一般の法律事件に関して、鑑定、代理、仲裁、和解などの法律事務を扱うことを業とすることを禁じています。
日行連の案内が除いているのは、交渉で解決しなければならない法的な争いが生じることがほぼ避けられない案件です。相手がすでに請求を争っている、送ったあとに金額や条件の交渉が見込まれる、相手との窓口を引き受けてほしい、という依頼は弁護士に相談します。

書類の名前が内容証明であることだけで判断が決まるわけではありません。どこからが非弁行為になるかの考え方は「行政書士の非弁行為」で、業務範囲全体の比較は「行政書士と弁護士の違い」で扱っています。
09行政書士に頼む費用:平均26,960円、最頻値33,000円
日行連は、行政書士法10条の2第2項に基づき、5年に1度、全国的な報酬額統計調査をしています。最新の令和7年度調査(令和8年1月実施)には、内容証明郵便作成と電子内容証明作成の項目があります。金額は消費税を含み、立替金は含みません。
内容証明郵便作成は回答者179人で、平均26,960円、最小値1,500円、最大値200,000円、最頻値33,000円でした。金額帯では1万円台が29.1%、3万円台が27.4%、2万円台が20.7%で、5万円以上も12.8%ありました。電子内容証明作成は回答者50人で、平均31,306円、最頻値33,000円です。
統計の金額には立替金が入っていないので、郵便料金は報酬とは別にかかると考えて見積りを読みます。見積りでは、郵便料金と配達証明の料金が含まれているか、文書の枚数や通数が増えたときに報酬が変わるかを確かめます。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 項目 | 回答者 | 平均 | 最頻値 | 最小値〜最大値 |
|---|---|---|---|---|
| 内容証明郵便作成 | 179人 | 26,960円 | 33,000円 | 1,500円〜200,000円 |
| 電子内容証明作成 | 50人 | 31,306円 | 33,000円 | 5,000円〜150,000円 |
この節・表の確認資料: 日本行政書士会連合会「報酬額の統計」(確認日 2026年11月6日)/日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」(確認日 2026年11月6日)
10頼む前に用意するもの
相手の正確な住所と氏名を用意します。相手が会社なら、会社名と代表者名、本店の所在地です。住所が違えば郵便は届かず、送った目的を果たせません。
何があったかを日付順に並べたメモと、契約書、申込書、領収書、やり取りのメールなど、事実を裏づける資料の写しを持っていきます。行政書士は作れる書類について相談に応じられますが(行政書士法1条の4第1項4号)、事実を決めるのは依頼者です。
相手に何を求めるか(契約の解除か、支払いか、物の返還か)、いつまでに求めるか、差出人を誰の名前にするかを決めておきます。行政書士を代理人として文書に名前を出すかどうかも、依頼のときに相談します。
相手がすでに支払いを拒んでいる、相手の弁護士から連絡が来ているなど、争いが始まっている事情があれば必ず最初に伝えます。その場合は、前の節の線引きにより弁護士の領域になることがあります。
11送ったあとの流れ:配達・不在・受取拒絶
相手が不在で配達できなかった郵便物は郵便局で保管されます。日本郵便のFAQでは、保管期間は配達の翌日から7日間で、その間に受け取られなければ「保管期間経過のため返還」として差出人に戻ります。
受取人は、郵便物にメモや付せんで受取拒絶を書き、印を押すか署名して配達担当者や窓口に渡せば、差出人に返還させることができます。開封した後は拒絶できません。

戻ってきた場合について、民法97条2項は、相手が正当な理由なく意思表示の通知が届くのを妨げたときは、通常届くはずだった時に届いたものとみなすと定めています。どう扱われるかは事情によるので、戻った封筒は開けずに保管し、争いになりそうなら弁護士に相談します。
差出人は、差し出した日から5年以内なら、差出局に保存された謄本の閲覧を請求でき、手元の謄本を出して再度証明を受けることもできます。差出局での謄本の保存期間は5年間です。手元の謄本は、配達証明のはがきと一緒に保管します。
12内容証明でできること・できないこと
内容証明は、催告や意思表示をしたことの証拠を残す手段です。民法150条1項により、催告があると、その時から6か月を経過するまで時効は完成しません。ただし、その間に催告を繰り返しても、完成猶予の効力は重ねて生じません(同条2項)。
訪問販売のクーリング・オフは、特定商取引法9条により書面または電磁的記録で行い、通知を発した時に効力が生じます。日行連は、内容証明は後々のトラブル防止や契約後のクーリング・オフ等に有効な手段だと案内しています。
一方、内容証明そのものには、相手に支払いを強制する力はありません。相手が応じなければ、裁判所の手続に進むことになります。訴訟の代理は弁護士の職務で、簡易裁判所の一定の事件は、法務大臣の認定を受けた司法書士も代理できます(司法書士法3条1項6号・2項)。
13誰に頼むか:自分・行政書士・弁護士
内容証明は、規格に合わせて謄本を作れば本人が自分で出せます。e内容証明なら、雛形に沿ってWordで作り、インターネットで差し出せます。
事実と要求をもれなく、誤解のない文章で書きたいときは行政書士に頼みます。相手がすでに争っている、交渉や相手との連絡を任せたい、裁判になる見込みがあるときは、弁護士に頼みます。
契約を結ぶ段階で書面を整えておけば、あとで内容証明を出す場面も減らせます。契約書づくりの範囲は「行政書士の契約書作成」で扱っています。
よくある質問
行政書士に内容証明を頼むといくらかかりますか?
日行連の令和7年度報酬額統計では、内容証明郵便作成の報酬は平均26,960円、最頻値33,000円でした。このほかに郵便局の料金がかかり、謄本1枚・定形郵便物なら1,070円、配達証明を付けると1,420円です。
内容証明は行政書士と弁護士のどちらに頼めばいいですか?
本人が決めた解除・催告・クーリング・オフなどの通知を文書にするなら行政書士に頼めます。相手が争っていて交渉や代理が必要な案件は、弁護士法72条により弁護士に頼みます。
内容証明は自分で書けますか?
書けます。窓口で出すなら内容文書1通と謄本2通を作ります。謄本は縦書きなら1行20字以内・1枚26行以内などの制限があります。e内容証明なら日本郵便の雛形を使ってWordで作ります。
内容証明の字数制限はどうなっていますか?
制限があるのは窓口で出すときの謄本で、縦書きは1行20字以内・1枚26行以内、横書きはこれに加えて1行13字・40行、1行26字・20行も選べます。e内容証明は字数を定めておらず、Wordの標準設定で1枚1,584字が目安です。
相手が内容証明を受け取らなかったらどうなりますか?
不在なら配達の翌日から7日間郵便局で保管され、受け取られなければ差出人に返還されます。受取拒絶された場合も返還されます。民法97条2項は、正当な理由なく到達を妨げたときは通常届くはずだった時に届いたとみなすと定めています。
e内容証明の料金はいくらですか?
文書1枚で謄本を通常送付する場合、郵便料金・電子郵便料金・内容証明料金・謄本送付料金・一般書留料金の合計1,295円です。配達証明を付けると350円が加わります。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。
- 日本郵便「内容証明」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本郵便「内容証明 ご利用の条件等」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本郵便「e内容証明(電子内容証明)」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本郵便「配達証明」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本郵便 よくあるご質問「送った郵便物が自分のところへ戻ってきてしまいました」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本郵便 よくあるご質問「迷惑な郵便物を届けてほしくないのですが」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本郵便 よくあるご質問「差出郵便局において保存する謄本の保存期間」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本行政書士会連合会「契約書等をつくりたい・内容証明郵便を出したい」確認日 2026年11月6日別画面で開く
- 日本行政書士会連合会「行政書士の業務」確認日 2026年11月6日別画面で開く
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