2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

行政法

裁決の種類・効力と教示

事情裁決は棄却なのに主文で違法・不当を宣言するという、結論と形式のねじれを覚えているかが要点です。教示では、書面主義が及ぶのは処分の相手方への教示だけで、利害関係人の求めに応じる教示は口頭でもよい点が狙われます。

要点 8件・確認問題 8読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

最重要ポイント

再審査請求の相手方

再審査請求ができるのは法律に定めがある場合に限られ、その相手方も当該法律が指定する行政庁である(6条1項2項)。審査請求の相手方を上級行政庁の有無という審級に従って画一的に定める4条とは仕組みが異なる。再審査庁は、原裁決をした行政庁に対し原裁決に係る裁決書の送付を求めるものとされている(63条)。労働保険関係など、二段階の不服申立てを設ける個別法に例がある。

覚え方審査請求は4条の審級ルール、再審査請求は個別法の指定

01裁決の種類・効力と教示の重要暗記項目

01
重要度 A / 過去6年 3

再審査請求の相手方

再審査請求ができるのは法律に定めがある場合に限られ、その相手方も当該法律が指定する行政庁である(6条1項2項)。審査請求の相手方を上級行政庁の有無という審級に従って画一的に定める4条とは仕組みが異なる。再審査庁は、原裁決をした行政庁に対し原裁決に係る裁決書の送付を求めるものとされている(63条)。労働保険関係など、二段階の不服申立てを設ける個別法に例がある。

覚え方審査請求は4条の審級ルール、再審査請求は個別法の指定

ひっかけ注意審査請求における4条(最上級行政庁)の発想を再審査請求にも及ぼす肢が狙われる。再審査庁は個別法が指定する。

02
重要度 A / 過去6年 4

客観的審査請求期間

客観的期間の起算点は「処分があった日の翌日」であり、処分を知っているかどうかを問わない(18条2項)。主観的期間の3か月と客観的期間の1年は併存し、いずれか一方でも経過すれば審査請求はできなくなる。いずれもただし書で正当な理由があるときの例外が認められ、天災による遅れや、誤った教示に従ったために生じた遅れなどが考慮される。

覚え方知らなくても1年で締切。どちらか一方が切れたら終わり

ひっかけ注意主観的期間と客観的期間のどちらか一方さえ満たせばよいと誤らせる肢。いずれかが経過すれば不適法となる。

03
重要度 A / 過去6年 4

執行停止の措置の範囲

処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、申立てによるほか職権でも、処分の効力の停止、処分の執行の停止、手続の続行の停止「その他の措置」をとることができる(25条2項)。「その他の措置」とは、たとえば営業停止処分を営業時間の短縮に変更するなど処分の内容に積極的に踏み込む措置をいい、処分庁への監督権を有することが根拠である。これに対し25条3項の審査庁は停止に限定される。

覚え方監督権があるから積極的な措置までとれる

ひっかけ注意執行停止の内容の違いを見落とし、どの審査庁も同じ措置をとれるとする肢。積極的措置がとれるのは2項の審査庁だけである。

04
重要度 B / 過去6年 3

効力停止の補充性

執行停止には処分の効力の停止、処分の執行の停止、手続の続行の停止の三種類があるが、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができるときはすることができない(25条6項)。たとえば代執行の手続が進行している場合は手続の続行の停止で足りるため、効力の停止はできない。行政事件訴訟法25条2項ただし書も同じ補充性を定めており、効力の停止だけが補充的な位置づけである。

覚え方効力の停止は最終手段。他で足りるなら使えない

ひっかけ注意三種類の措置に優劣がないとする肢。効力の停止だけが補充的であるという序列を押さえる。

05
重要度 S / 過去6年 5

事情裁決

事情裁決の要件は①審査請求に係る処分が違法又は不当であること②当該処分を取り消し又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合であること③審査請求人の受ける損害の程度、その賠償又は防止の程度および方法その他一切の事情を考慮したうえ、当該処分を取り消し又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認められることである(45条3項)。この場合、審査庁は裁決の主文で当該処分が違法又は不当であることを宣言したうえで審査請求を棄却する。

覚え方結論は棄却。ただし主文で違法・不当を宣言する

ひっかけ注意「認容」と「棄却」の取り違えが定番。違法の宣言を理由中の判断にとどめるとする肢も誤りで、主文に記載しなければならない。

06
重要度 A / 過去6年 4

事情裁決における違法の宣言

事情裁決は棄却裁決の一種であるが、主文に違法・不当の宣言が置かれるため、後の国家賠償請求等で違法性の判断が援用されやすい。行政事件訴訟法31条1項の事情判決も判決主文で違法を宣言する点は同じだが、行政事件訴訟法では「不当」は宣言の対象とならない。行政不服審査法では審査庁が不当まで審査できるため、不当の宣言も可能である。事情裁決の仕組みは再審査請求にも置かれている(64条4項)。

覚え方行審法の事情裁決は「違法又は不当」、行訴法の事情判決は「違法」だけ

ひっかけ注意宣言を「理由中で示せば足りる」とする肢。また事情裁決を認容裁決の一種と位置づける肢も誤りである。

07
重要度 S / 過去6年 5

不利益変更の禁止

審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じもしくはこれを変更することはできない(48条)。再調査の請求についても同じ趣旨の規定がある(59条3項)。この原則があるため、審査請求人は不服申立てをすることで元の処分より重い処分を受ける危険を負わずに済む。取消しの方向であれば当然に可能であり、禁止されるのは不利益方向への変更である。

覚え方申し立てたせいで悪くなることはない

ひっかけ注意「審査庁は原処分に拘束されず適正な処分に是正できる」という一般論から不利益変更を認めさせる肢が狙われる。

08
重要度 A / 過去6年 3

裁決の効力発生

裁決は審査請求人(処分の相手方以外の者がした審査請求について処分を取り消し又は変更する裁決にあっては、審査請求人および処分の相手方)に送達された時に、その効力を生ずる(51条1項)。送達は裁決書の謄本を送付してするが、送付を受けるべき者の所在が知れない場合等には公示の方法によることができ、掲示を始めた日の翌日から起算して2週間を経過した時に送付があったものとみなされる(同3項4項)。

覚え方作成でも発送でもなく、送達された時に効力発生

ひっかけ注意作成時・発送時・到達時の取り違えが狙われる。公示送達によるみなし到達が「翌日から起算して2週間」である点も落としやすい。

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02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    認容か棄却かを決める。取消しは全審査庁ができるが、変更は上級行政庁でも処分庁でもない審査庁にはできない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    公の利益に著しい障害を生じるなら事情裁決を検討する。結論は棄却だが、主文で違法・不当を宣言する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    教示は、処分の相手方への書面教示(82条1項)と利害関係人の求めによる教示(同2項、方式自由)を分けて当てはめる

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026年4月1日
復習方法
要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

裁決の種類・効力と教示の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

行政法重要度 S頻出度 19/24(編集部の目安)

不利益変更の禁止

審査庁は、処分についての審査請求に理由があると認める場合には、審査請求人の不利益に当該処分を変更することもできる。

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