行政法
審理員による審理手続と行政不服審査会
平成26年改正の目玉である審理員と第三者機関の役割分担が軸です。審理員が審査庁の職員から指名される点、口頭意見陳述は申立てがあれば必ず認められる点、諮問が不要になる8つの場合の押さえ方で差が付きます。
要点 8件・確認問題 8問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
聴聞の主宰
聴聞は行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する(19条1項)。主宰者となることができないのは①当該聴聞の当事者又は参加人②その配偶者、四親等内の親族又は同居の親族③当事者等の代理人又は補佐人④①から③までであった者⑤当事者等の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人⑥参加人以外の関係人、の6類型である(同2項)。行政不服審査法の審理員と異なり、当該処分に関与した者であることは除斥事由とされていない。
覚え方主宰者は身内関係だけ除斥。処分に関与した者は外れない
01審理員による審理手続と行政不服審査会の重要暗記項目
聴聞の主宰
聴聞は行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する(19条1項)。主宰者となることができないのは①当該聴聞の当事者又は参加人②その配偶者、四親等内の親族又は同居の親族③当事者等の代理人又は補佐人④①から③までであった者⑤当事者等の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人⑥参加人以外の関係人、の6類型である(同2項)。行政不服審査法の審理員と異なり、当該処分に関与した者であることは除斥事由とされていない。
覚え方主宰者は身内関係だけ除斥。処分に関与した者は外れない
ひっかけ注意行政不服審査法9条2項の審理員(処分に関与した者を除斥)と混同させる肢。行政手続法の聴聞主宰者には同様の制限がない。
審理手続の承継
15条1項は、審査請求人が死亡したときは相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者が審査請求人の地位を承継すると定めるが、承継されるのは相続の対象となる権利に限られる。最大判昭和42年5月24日(朝日訴訟)は、生活保護の保護受給権は要保護者本人の最低限度の生活を維持するために与えられた一身専属の権利であり相続の対象とならないとして、相続人による承継を否定した。
覚え方一身専属の権利は相続されず、地位の承継も生じない
ひっかけ注意15条1項だけを見て「相続人は常に審査請求人の地位を承継する」とする肢。承継の可否は対象となる権利の性質によって決まる。
審査請求書の提出
審査請求は審査請求書を提出してするのが原則で、口頭ですることができるのは他の法律又は条例に口頭でできる旨の定めがある場合に限られる(19条1項)。口頭でする場合、陳述を受けた行政庁は19条2項から5項までの事項を録取し、これを陳述人に読み聞かせて誤りのないことを確認したうえで記名押印させなければならない(20条)。審査請求書が19条の規定に違反するときは、審査庁は相当の期間を定めて補正を命じなければならない(23条)。
覚え方原則は書面。口頭でできるのは法律か条例に定めがあるときだけ
ひっかけ注意「簡易迅速な手続だから口頭でもできる」とする肢。行政手続法の聴聞・弁明の方式と混同しやすい。
審理員の除斥事由
審理員は審査庁に所属する職員のうちから審査庁が指名するが(9条1項)、①審査請求に係る処分もしくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者又は関与することとなる者②審査請求人③審査請求人の配偶者・四親等内の親族・同居の親族④審査請求人の代理人⑤③④であった者⑥審査請求人の後見人等⑦利害関係人は指名できない(同2項)。処分に関与した者を審理から排除する点が審理員制度の中核である。
覚え方処分に関与した者は審理員になれない。ここが聴聞主宰者との違い
ひっかけ注意「審理員は外部の第三者から選ばれる」とする肢。審理員はあくまで審査庁に所属する職員であり、処分に関与した者などが除外されるにとどまる。
審理員の指名
審査庁は、審査庁に所属する職員(審理員となるべき者の名簿を作成した場合はその名簿に記載されている者)のうちから審理員を指名し、その旨を審査請求人および処分庁等に通知しなければならない(9条1項)。ただし①行政委員会や行政審判機関など9条1項各号に掲げる機関が審査庁である場合②条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合③24条により審理手続を経ないで却下する場合には、審理員の指名を要しない。
覚え方名簿があれば名簿から。委員会が審査庁のときと即時却下では指名不要
ひっかけ注意審理員を裁判官のような中立の第三者と考え、選任方法まで当事者主導と誤らせる肢。指名するのは審査庁である。
口頭意見陳述
審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は当該申立人に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない(31条1項本文)。申立てがあれば必ず認められる点が特徴である。審理員が期日と場所を指定し、すべての審理関係人を招集して行う(同2項)。申立人は審理員の許可を得て補佐人とともに出頭でき(同3項)、さらに審理員の許可を得て処分庁等に質問を発することができる(同5項)。
覚え方申立てがあれば必ず開く。処分庁への質問権まである
ひっかけ注意「必要があると認めるとき」という裁量の文言を紛れ込ませる肢が典型。行政不服審査会での意見陳述(75条)は必要がないと認める場合に拒めるため、混同させてくる。
提出書類等の閲覧
審査請求人および参加人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対し提出書類等の閲覧又は写しの交付を求めることができる(38条1項)。旧法では閲覧のみが認められ写しの交付は認められていなかった。審理員は第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときでなければ拒めず、提出人の意見を聴いたうえで(同2項)閲覧の日時および場所を指定できる(同3項)。写しの交付には実費の範囲内で手数料を要する(同4項)。
覚え方現行法は写しの交付までできる。期限は審理手続の終結まで
ひっかけ注意「閲覧はできるが写しの交付は認められない」とする旧法の内容を答えさせる肢。閲覧できる期間の終期も落としやすい。
審理手続の終結
審理員は必要な審理を終えたと認めるときに審理手続を終結する(41条1項)。申立人が正当な理由なく口頭意見陳述に出頭しないときや、定められた期間内に弁明書・反論書等が提出されないときも終結できる(同2項)。終結したときは、その旨と審理員意見書および事件記録を審査庁に提出する予定時期を審理関係人に通知する(同3項)。終結後は38条1項の閲覧・写しの交付を求められなくなるため、審理中に資料を確認しておく必要がある。
覚え方終結すると閲覧の窓口が閉じる。取下げの「裁決があるまで」とは別物
ひっかけ注意閲覧の終期を「裁決があるまで」と書き換えて後ろにずらす肢。審査請求の取下げが裁決があるまでできる点(27条)と混同しやすい。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1審理員の指名が要るかを見る。行政委員会等が審査庁の場合や、24条により審理手続を経ないで却下する場合は指名を要しない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2審理手続の流れを追う。弁明書の提出要求→反論書・意見書→口頭意見陳述(申立てがあれば必ず実施)→提出書類等の閲覧→審理手続の終結
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3審理員意見書の提出後、43条1項の8つの除外事由に当たらなければ行政不服審査会等へ諮問する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 行政不服審査法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
審理員による審理手続と行政不服審査会の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
行政法重要度 S頻出度 21/24(編集部の目安)
第三者機関型の審査庁と執行停止
処分庁の上級行政庁でも処分庁でもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てがなくても職権で執行停止をすることができる。
全784問から、分野・重要度で解く
行政法240問、民法180問、憲法60問、商法・会社法40問、基礎法学20問、基礎知識80問を収録。