行政法
行政書士の取消訴訟の訴訟要件|被告・出訴期間・審査請求前置【2026年度試験対応】
取消訴訟を提起する際の原告適格、被告適格、6か月・1年の出訴期間、管轄を整理します。国・公共団体に所属しない行政庁の例外や、審査請求をした場合の期間と前置の特則も解説します。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
取消訴訟では、取消しを求める法律上の利益、適切な被告、出訴期間、管轄などを確認します。被告は原則として処分庁等の所属する国・公共団体で、出訴期間は原則6か月・1年です。ただし国等に所属しない行政庁の被告適格や、正当な理由・審査請求による期間の例外があります。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-25
訴えを審理できる条件と、処分の違法を分ける
取消訴訟は、処分又は裁決の取消しを求める訴訟です。処分が違法かを判断してもらう前に、対象となる処分等があるか、原告に取消しを求める法律上の利益があるか、期間内に適切な相手を被告として提起したかなど、訴訟要件を確認します。
9条は、処分の効果が期間経過等でなくなった後でも、取消しにより回復すべき法律上の利益があれば原告適格を認めています。したがって「処分の期間が終わったから必ず訴えられない」とは限りません。本記事では2026年度試験の法令基準日2026年4月1日の規定に基づき、被告・期間・前置・管轄を中心に整理します。
被告は原則として国・公共団体、行政庁となる例外もある
処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合、11条1項により、その所属する国又は公共団体を被告とします。例えば市長の処分を争う場合は、通常、市が被告です。訴状に処分庁を書く必要があることと、処分庁そのものが被告になることは別です。
行政庁が国・公共団体に所属しない場合は、11条2項によりその行政庁を被告とします。さらに1項・2項で被告とすべき者がない場合には、同条3項により事務の帰属する国・公共団体が被告です。「被告は常に国又は公共団体」「行政庁が被告になることはない」という断定には注意します。
| 処分庁等の状態 | 被告とする者 |
|---|---|
| 国・公共団体に所属する | その国又は公共団体(1項) |
| 国・公共団体に所属しない | その行政庁(2項) |
| 1項・2項で被告となる者がない | 事務の帰属する国又は公共団体(3項) |
6か月・1年と審査請求後の特則を確認する

正当な理由・審査請求の特則あり。要件と例外は本文でも確認できます。
図を大きく見る14条1項は、処分又は裁決を知った日から6か月、2項は処分又は裁決の日から1年と定めます。どちらにも正当な理由による例外があり、原則として二つの期間を両方守る必要があります。知った日から6か月残っていても、処分の日から1年が先に経過する場合があります。
審査請求ができる場合、又は誤ってできると教示された場合に審査請求した者には、14条3項の特則が適用されます。その者については裁決を知った日から6か月・裁決の日から1年で、ここにも正当な理由による例外があります。例えばAとBが同じ処分を争えるとして、Aだけが審査請求したとき、Aの裁決を根拠にBの出訴期間まで当然に延びるわけではありません。
審査請求前置は例外で、さらに例外がある
8条1項の原則は、審査請求できる処分でも直ちに取消訴訟を起こせる自由選択です。法律に裁決を経てからでなければ出訴できないという定めがある場合に、審査請求前置となります。審査請求制度があるという事実だけで、前置が必要とはいえません。
前置が必要な場合でも、審査請求から3か月経過して裁決がないとき、著しい損害を避ける緊急の必要があるとき、その他裁決を経ないことに正当な理由があるときは、8条2項により裁決を待たず提起できます。「3か月」は出訴期間ではなく、前置の例外となる待機期間です。また2号の損害は「著しい損害」という文言で確認します。
管轄と令和2年度問18の確認点
12条は、被告の普通裁判籍の所在地や処分庁等の所在地の裁判所を基本に、不動産等の所在地、事案を処理した下級行政機関の所在地にも提起できる場合を定めます。国・独立行政法人等を被告とするときの特定管轄裁判所は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所です。高等裁判所そのものを指す名称ではありません。
令和2年度問18の公式正解は2で、審査請求をした者について裁決を基準に出訴期間を計算する特則が問われました。6か月という数字を、処分を知った日ではなく単に処分の日からと読ませる誤りや、取消訴訟の期間を他の抗告訴訟へそのまま当てはめる誤りにも注意して原本を確認します。
根拠:行政事件訴訟法3条・8条・9条・11条・12条・14条令和2年度行政書士試験・公式問題令和2年度行政書士試験・公式正解
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和2年度 問18
取消訴訟の出訴期間と、審査請求した者に裁決を基準とする特則が適用されることが問われた。
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 行政事件訴訟法3条・8条・9条・11条・12条・14条確認日:2026-09-25
- 令和2年度行政書士試験・公式問題確認日:2026-09-25
- 令和2年度行政書士試験・公式正解確認日:2026-09-25
- 令和8年度行政書士試験案内(法令基準日)確認日:2026-09-25
取消訴訟の出訴期間
取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは提起できず(14条1項)、処分又は裁決の日から1年を経過したときも提起できない(同2項)。いずれもただし書で正当な理由があるときの例外が認められる。両者は併存し、どちらか早い方の経過で出訴できなくなる。平成16年改正前は主観的期間が3か月であった。行政不服審査法の審査請求期間(3か月・1年)との違いに注意する。
覚え方訴訟は知って6か月、審査請求は知って3か月。客観はどちらも1年
最重要・比較表
審査請求と取消訴訟の違い
最初に見るのは、判断するのが行政庁か裁判所かです。ここが決まると、不当まで争えるか、いつまでに申し立てるか、結論が裁決か判決かがすべて決まります。
| 事由 | 審査請求(行政不服審査法) | 取消訴訟(行政事件訴訟法) | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 判断する者 | 審査庁が審査し、裁決を出す。原則は処分庁等の最上級行政庁で、上級行政庁がないとき等は処分庁等自身が審査庁になる(4条) | 裁判所が審理し、判決を出す。第一審は地方裁判所が管轄する | 行政の中の見直しか、司法の判断かという違いがすべての出発点です。 |
| 審査の対象 | 違法な処分だけでなく、不当な処分も審査の対象にできる | 裁判所による審査なので、争えるのは処分が違法かどうかに限られる | 不当まで見られるのは行政庁が審査するからだ、と理由で覚えます。 |
| いつまでにするか最重要 | 処分を知った日の翌日から3か月、処分の日の翌日から1年(18条) | 処分を知った日から6か月、処分の日から1年(14条) | 3か月と6か月の入れ替えが最頻出です。どちらも正当な理由があれば例外があります。 |
| 審理中の執行停止 | 処分庁または上級行政庁である審査庁なら、申立てがなくても職権で執行停止できる | 申立てが必要で、裁判所が職権で執行停止をすることはできない | 審査庁は職権でできるから裁判所もできる、と誤らせる肢が典型です。 |
| 取り消すと公益に著しい障害が出るとき | 45条3項の損害・賠償・防止等も考慮し、取消し等が公共の福祉に適合しないと認めるときは、主文で違法又は不当を宣言して棄却できる | 31条1項の原告の損害・賠償・防止等も考慮し、取消しが公共の福祉に適合しないと認めるときは、主文で違法を宣言して棄却できる | どちらも結論は棄却です。宣言の対象に不当が入るのは事情裁決だけです。 |
| 国民の主張が通ったときにできること | 審査庁が上級行政庁なら、処分を取り消したうえで処分庁に許可処分をすべき旨を命じられる | 判決は処分を取り消すだけで、やり直しは拘束力により処分庁が改めて行う(33条2項) | 裁判所は処分をやり直させる命令まではせず、拘束力で行政庁に義務づけます。 |
判断する者
- 審査請求(行政不服審査法)
- 審査庁が審査し、裁決を出す。原則は処分庁等の最上級行政庁で、上級行政庁がないとき等は処分庁等自身が審査庁になる(4条)
- 取消訴訟(行政事件訴訟法)
- 裁判所が審理し、判決を出す。第一審は地方裁判所が管轄する
判断ポイント
行政の中の見直しか、司法の判断かという違いがすべての出発点です。
審査の対象
- 審査請求(行政不服審査法)
- 違法な処分だけでなく、不当な処分も審査の対象にできる
- 取消訴訟(行政事件訴訟法)
- 裁判所による審査なので、争えるのは処分が違法かどうかに限られる
判断ポイント
不当まで見られるのは行政庁が審査するからだ、と理由で覚えます。
いつまでにするか
最重要- 審査請求(行政不服審査法)
- 処分を知った日の翌日から3か月、処分の日の翌日から1年(18条)
- 取消訴訟(行政事件訴訟法)
- 処分を知った日から6か月、処分の日から1年(14条)
判断ポイント
3か月と6か月の入れ替えが最頻出です。どちらも正当な理由があれば例外があります。
審理中の執行停止
- 審査請求(行政不服審査法)
- 処分庁または上級行政庁である審査庁なら、申立てがなくても職権で執行停止できる
- 取消訴訟(行政事件訴訟法)
- 申立てが必要で、裁判所が職権で執行停止をすることはできない
判断ポイント
審査庁は職権でできるから裁判所もできる、と誤らせる肢が典型です。
取り消すと公益に著しい障害が出るとき
- 審査請求(行政不服審査法)
- 45条3項の損害・賠償・防止等も考慮し、取消し等が公共の福祉に適合しないと認めるときは、主文で違法又は不当を宣言して棄却できる
- 取消訴訟(行政事件訴訟法)
- 31条1項の原告の損害・賠償・防止等も考慮し、取消しが公共の福祉に適合しないと認めるときは、主文で違法を宣言して棄却できる
判断ポイント
どちらも結論は棄却です。宣言の対象に不当が入るのは事情裁決だけです。
国民の主張が通ったときにできること
- 審査請求(行政不服審査法)
- 審査庁が上級行政庁なら、処分を取り消したうえで処分庁に許可処分をすべき旨を命じられる
- 取消訴訟(行政事件訴訟法)
- 判決は処分を取り消すだけで、やり直しは拘束力により処分庁が改めて行う(33条2項)
判断ポイント
裁判所は処分をやり直させる命令まではせず、拘束力で行政庁に義務づけます。
01取消訴訟の訴訟要件(被告適格・出訴期間・管轄)の重要暗記項目
取消訴訟の出訴期間
取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは提起できず(14条1項)、処分又は裁決の日から1年を経過したときも提起できない(同2項)。いずれもただし書で正当な理由があるときの例外が認められる。両者は併存し、どちらか早い方の経過で出訴できなくなる。平成16年改正前は主観的期間が3か月であった。行政不服審査法の審査請求期間(3か月・1年)との違いに注意する。
覚え方訴訟は知って6か月、審査請求は知って3か月。客観はどちらも1年
ひっかけ注意改正前の3か月や行政不服審査法の審査請求期間3か月と混同させる肢。「正当な理由」を「やむを得ない理由」と書き換える改変も狙われる。
自由選択主義
8条1項本文は、処分の取消しの訴えは当該処分につき審査請求ができる場合においても直ちに提起することを妨げないと定め、自由選択主義を原則とする。例外は、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起できない旨の定めがある場合(審査請求前置)に限られる(同項ただし書)。平成26年の行政不服審査法改正に伴う整備法により、多くの前置規定が廃止・縮減された。
覚え方原則は自由選択。前置は法律に定めがあるときの例外
ひっかけ注意「不服申立ては訴訟の前置手続である」という旧来のイメージに引きずらせる肢。原則と例外が逆になっている。
抗告訴訟の法定類型
3条1項は抗告訴訟を「行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟」と包括的に定義し、2項以下で処分の取消しの訴え、裁決の取消しの訴え、無効等確認の訴え、不作為の違法確認の訴え、義務付けの訴え、差止めの訴えの6類型を定める。平成16年改正で義務付け訴訟・差止訴訟が法定されたが、法定類型に当たらない無名抗告訴訟(法定外抗告訴訟)の提起が一律に封じられたわけではない。
覚え方取消(処分・裁決)・無効等確認・不作為の違法確認・義務付け・差止めの6つ
ひっかけ注意「抗告訴訟は6類型に限定される」と言い切る肢。逆に「義務付け訴訟は判例上認められているだけで法定されていない」とする肢も誤りで、37条の2・37条の3に明文がある。
取消訴訟の被告適格
平成16年改正で行政庁主義から行政主体主義へ変わり、処分の取消訴訟は当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体を、裁決の取消訴訟は当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体を被告とする(11条1項)。処分をした行政庁が国・公共団体に所属しない指定法人等の場合は当該行政庁が被告となり(同2項)、被告とすべき国等がないときは当該事務の帰属する国又は公共団体が被告となる(同3項)。訴状には処分庁を記載する(同4項)。
覚え方被告は行政主体、訴状に書くのは処分庁
ひっかけ注意訴状に処分庁を記載する義務があることから、処分庁自体が被告だと誤らせる肢。記載事項と被告適格は別の話である。
審査請求をした場合の出訴期間
処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合、又は行政庁が誤って審査請求をすることができる旨を教示した場合において審査請求があったときは、その審査請求をした者については、取消訴訟の出訴期間は14条1項2項にかかわらず、当該審査請求に対する裁決があったことを知った日から6か月、当該裁決の日から1年となる(14条3項)。起算点が裁決に移るため、審査請求をした者が期間の点で不利益を受けることはない。
覚え方審査請求をすれば、時計は裁決からスタートし直す
ひっかけ注意審査請求中に処分時からの6か月が満了すると出訴できなくなる、と思わせる肢。14条3項により起算点が裁決に切り替わる。
審査請求前置の例外
8条2項は、審査請求前置が定められている場合でも、①審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないとき②処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき③その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるときは、裁決を経ないで処分の取消しの訴えを提起できると定める。②の文言は執行停止の「重大な損害」ではなく「著しい損害」である点に注意する。
覚え方3か月放置・著しい損害・正当な理由。この三つで前置を飛ばせる
ひっかけ注意②の要件を執行停止の「重大な損害」や旧法の「回復の困難な損害」に差し替える肢。条文は「著しい損害」である。3か月を6か月とする改変も出る。
当事者訴訟の意義
当事者訴訟には、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分・裁決に関する訴訟で法令の規定により法律関係の一方当事者を被告とするもの(形式的当事者訴訟。土地収用の損失補償額をめぐる訴訟が典型)と、公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟(実質的当事者訴訟)がある(4条)。平成16年改正で後段に「確認の訴え」が例示として明記され、在外国民の選挙権確認訴訟などがこれに当たる。
覚え方補償額は形式的、地位の確認は実質的
ひっかけ注意在外国民の選挙権確認訴訟のような公法上の地位の確認を民事訴訟だと誤らせる肢。処分を介さない公法上の法律関係の争いは当事者訴訟である。
被告を誤った訴えの救済
原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は原告の申立てにより決定をもって被告の変更を許すことができる(15条1項)。この決定があったときは、出訴期間の遵守については新たな被告に対する訴えが最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなされ(同3項)、従前の被告に対しては訴えの取下げがあったものとみなされる(同4項)。変更を許す決定に不服申立てはできず、申立てを却下する決定には即時抗告ができる。
覚え方重過失がなければ救済。ただし職権ではなく原告の申立てが必要
ひっかけ注意「裁判所が職権で被告を変更できる」とする肢。原告の申立てが必要である。重大な過失がある場合には救済されない点も狙われる。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- 出訴期間 知った日から6か月・処分の日から1年
- 前置の例外 審査請求から3か月経過
- 被告の変更 出訴期間は当初の訴え提起時を基準とする
- ひっかけ被告を常に処分庁とする肢、逆に行政庁が被告になる例外はないとする肢。11条1項の国・公共団体を原則とし、同条2項・3項の例外も確認する
- ひっかけ審査請求前置が原則であるかのような肢。8条1項本文の原則は自由選択主義である
- ひっかけ特定管轄裁判所を「高等裁判所」と縮める肢。原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高裁の所在地を管轄する地方裁判所である
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1行政庁が国・公共団体に所属すればその国等、所属しなければその行政庁を被告とする(11条1項・2項)。国等を被告とする場合の訴状への行政庁の記載と、被告適格は区別する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2原則は処分・裁決を知った日から6か月、処分・裁決の日から1年。14条3項所定の審査請求をした者は裁決が基準になる。いずれも正当な理由による例外がある
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3前置の要否を確認する。原則は自由選択で、前置の定めがあっても3か月経過・緊急の必要・正当な理由があれば裁決を経ずに出訴できる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 行政事件訴訟法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
取消訴訟の訴訟要件(被告適格・出訴期間・管轄)の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
行政法重要度 S頻出度 24/24(編集部の目安)
取消訴訟の出訴期間
取消訴訟は、処分または裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは提起することができないが、正当な理由があるときはこの限りでない。
取消訴訟の訴訟要件(被告適格・出訴期間・管轄)の○×一問一答15問|問題と解説
この論点で収録している15問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
取消訴訟の出訴期間重要度S取消訴訟は、処分または裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは提起することができないが、正当な理由があるときはこの限りでない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。14条1項本文が主観的出訴期間を6か月と定め、ただし書が正当な理由による例外を認めている。
問2
取消訴訟の出訴期間重要度S取消訴訟は、処分または裁決の日から6か月を経過したときは提起することができず、この期間については正当な理由による例外が認められていない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。客観的出訴期間は処分の日から1年であり(14条2項本文)、正当な理由があるときの例外もある(同項ただし書)。
問3
取消訴訟の出訴期間重要度S処分の取消訴訟は、正当な理由があるときを除き、処分があったことを知った日から3か月を経過したときは、提起することができない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。取消訴訟の出訴期間は知った日から6か月である(行訴法14条1項)。3か月は審査請求期間の数字である。
問4
自由選択主義重要度S審査請求をすることができる処分については、法律に審査請求前置の定めがない場合であっても、審査請求に対する裁決を経ることが取消訴訟の訴訟要件とされている。
答え:×(誤り)
解説
誤り。行訴法8条1項本文は自由選択主義を採り、審査請求ができる場合でも直ちに取消訴訟を提起することを妨げないとする。
問5
抗告訴訟の法定類型重要度S行政事件訴訟法3条が定める抗告訴訟は、処分の取消しの訴え・裁決の取消しの訴え・無効等確認の訴え・不作為の違法確認の訴え・義務付けの訴え・差止めの訴えの6類型に限られ、これ以外の無名抗告訴訟は認められない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。3条の列挙は例示的なもので、法定外の抗告訴訟(無名抗告訴訟)を提起する余地は否定されていない。
問6
取消訴訟の被告適格重要度S処分をした行政庁が国または公共団体に所属する場合、処分の取消しの訴えは、当該行政庁を被告として提起しなければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。11条1項1号により、被告となるのは当該行政庁が所属する国または公共団体である。
問7
審査請求をした場合の出訴期間重要度A処分について審査請求をした者が当該処分の取消訴訟を提起する場合であっても、出訴期間は、処分があったことを知った日から6か月または処分の日から1年を基準として計算される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。行政事件訴訟法14条3項により、審査請求をした者については裁決があったことを知った日および裁決の日が起算点となる。
問8
審査請求と取消訴訟の関係重要度A処分の取消しの訴えは、当該処分につき審査請求をすることができる場合には、審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。8条1項本文は自由選択主義を採り、審査請求ができる場合でも直ちに出訴できる。
問9
審査請求前置の例外重要度A審査請求前置が定められている処分であっても、審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときは、裁決を経ないで取消訴訟を提起することができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。行訴法8条2項1号の例外である。ほかに著しい損害を避けるため緊急の必要があるときや、正当な理由があるときも同様である。
問10
当事者訴訟の意義重要度A公法上の法律関係に関する確認の訴えは、行政庁の処分を争うものではないから、行政事件訴訟法上は当事者訴訟ではなく民事訴訟として扱われる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。公法上の法律関係に関する確認の訴えは、4条後段の実質的当事者訴訟に当たる。
問11
被告を誤った訴えの救済重要度A原告が故意または重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は原告の申立てにより、決定をもって被告を変更することを許すことができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。15条1項が定める被告変更の制度であり、軽過失にとどまる場合に救済される。
問12
取消訴訟の管轄重要度A国を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所にも提起することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。12条4項の特定管轄裁判所は、原告の普通裁判籍所在地を管轄する高裁の所在地を管轄する地方裁判所である。
問13
職権証拠調べ重要度B裁判所は、必要があると認めるときは職権で証拠調べをすることができるが、その証拠調べの結果については当事者の意見を聴くことを要する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。行政事件訴訟法24条が職権証拠調べを認めつつ、結果についての当事者の意見聴取を義務づけている。
問14
請求の追加的併合重要度B第三者は、取消訴訟が高等裁判所に係属している場合であっても、相手方の同意を得ることなく、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。18条後段が16条2項を準用しており、高裁に係属している場合は被告の同意が必要となる。
問15
行政庁の訴訟参加重要度B裁判所が処分または裁決をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させるには、当事者または当該行政庁の申立てがあることを要し、職権でこれを参加させることはできない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。行政事件訴訟法23条1項は当事者もしくは当該行政庁の申立てのほか、職権による参加決定も認めている。
取消訴訟の訴訟要件(被告適格・出訴期間・管轄)の問題を続けて解く
この論点に対応する15問を絞り込んで出題します。