2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

行政法

国家賠償法1条(公権力の行使に基づく賠償責任)

「公権力の行使」は権力的作用に限らず行政指導や公立学校の教育活動も含み、「職務を行うについて」は外形で判断します。公務員個人には請求できないこと、故意・重過失は求償の要件にすぎないことの取り違えが定番です。

要点 8件・基本問題 8読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

行政書士試験での出題

出題ランク B対応する一問一答 14

収録している過去問には、この論点に直接あたる問題はありません。 下の確認問題で押さえてください。

最重要ポイント

公務員個人の責任と求償権

判例は、国家賠償法1条は国又は公共団体が公務員に代位して責任を負う趣旨であるとして、加害公務員個人の被害者に対する直接の賠償責任を否定する(最判昭和30年4月19日)。公務員が個人として責任を問われるのは、賠償をした国又は公共団体からの求償の場面に限られ、その要件は故意又は重大な過失である(1条2項)。これに対し2条2項の求償には要件の限定がなく、他に損害の原因について責めに任ずべき者があるときに求償できる。

覚え方被害者は公務員個人に請求できない。故意・重過失は求償の要件

最重要・比較表

国家賠償法1条と2条の違い

最初に見るのは、損害の原因が人の行為か物の状態かです。公務員の行為なら1条で故意・過失が要件になり、営造物の欠陥なら2条で無過失責任になります。

責任の原因

1条(公務員の不法行為)
公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行うについて他人に損害を加えたこと
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
道路・河川その他の公の営造物の設置または管理に瑕疵があり、損害が生じたこと

判断ポイント

人の行為が原因か、物の状態が原因かで適用条文が分かれます。

故意・過失の要否

最重要
1条(公務員の不法行為)
故意または過失があることが要件になる(過失責任)
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
過失がなくても責任を免れない(無過失責任)

判断ポイント

設置管理者に過失がなければ2条の責任は生じないとする肢は誤りです。

要件の中身

1条(公務員の不法行為)
公権力の行使、公務員の行為、職務を行うについて、故意または過失、違法な損害の5つ
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
公の営造物に関するものであること、設置・管理の瑕疵に基づく損害が発生していることの2つ

判断ポイント

2条は要件が少ない代わりに、瑕疵の有無が争点になります。

誰が責任を負うか

1条(公務員の不法行為)
国または公共団体が責任を負い、加害公務員個人に直接損害賠償を請求することはできない。選任・監督者と費用負担者が異なるときは費用負担者も責任を負う(3条1項)
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
営造物を設置・管理する国または公共団体が責任を負う。設置・管理者と費用負担者が異なるときは費用負担者も責任を負う(3条1項)

判断ポイント

1条では公務員個人に請求できません。故意・重過失は求償の要件です(1条2項)。

対象になる具体例

1条(公務員の不法行為)
行政指導、公立学校での教師の教育活動、裁判官がした裁判、立法行為などが公権力の行使にあたる
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
物理的な欠陥だけでなく機能的瑕疵も含まれ、利用者以外の周辺住民への損害も対象になる

判断ポイント

1条の公権力の行使は非権力的作用まで含む広い意味で使われます。

判断の順序:原因は人の行為か物の状態か → 1条なら故意・過失を、2条なら通常の安全性を欠いていたかを見る

法令確認:国家賠償法1条・2条・3条(確認日 2026-08-05)

混同注意・比較表

国家賠償と損失補償の違い

最初に確かめるのは、その行政活動が違法か適法かです。違法なら国家賠償、適法な活動で財産権に特別の犠牲が生じたなら損失補償という順で切り分けます。

対象となる行政活動

最重要
国家賠償
違法な行政活動から生じた損害を賠償する制度である
損失補償
適法な行政活動によって生じた損失を填補する制度である

判断ポイント

違法か適法かが最初の分かれ道です。ここを外すと制度ごと間違えます。

対象となる権利・利益

国家賠償
財産権のほか、生命・身体への侵害も賠償の対象になる
損失補償
財産権に対して特別の犠牲を加えたことが補償の対象になる

判断ポイント

損失補償は財産権が対象で、生命・身体の被害は国家賠償の領域です。

一般法があるか

国家賠償
国家賠償法という一般法があり、1条2条に責任の要件が定められている
損失補償
一般法はなく、憲法29条3項と土地収用法などの個別の法律による

判断ポイント

損失補償に国家賠償法にあたる一般法はない、というのが定番の出題点です。

誰が支払うか

国家賠償
国または公共団体が賠償の責任を負い、加害公務員個人は責任を負わない
損失補償
土地の収用では、起業者が損失を補償しなければならない(土地収用法68条

判断ポイント

収用の補償は都道府県ではなく起業者が支払う点が狙われます。

請求するときの前提

国家賠償
処分の違法を理由に請求するのに、あらかじめ取消判決や無効確認の判決を得ておく必要はない
損失補償
個別法に補償規定がなくても、直接憲法29条3項を根拠に補償を請求する余地がある

判断ポイント

補償規定を欠く法令が直ちに違憲無効になるわけではない、という判例と対で覚えます。

01国家賠償法1条(公権力の行使に基づく賠償責任)の重要暗記項目

01
重要度 S / 収録過去問 5回

公務員個人の責任と求償権

判例は、国家賠償法1条は国又は公共団体が公務員に代位して責任を負う趣旨であるとして、加害公務員個人の被害者に対する直接の賠償責任を否定する(最判昭和30年4月19日)。公務員が個人として責任を問われるのは、賠償をした国又は公共団体からの求償の場面に限られ、その要件は故意又は重大な過失である(1条2項)。これに対し2条2項の求償には要件の限定がなく、他に損害の原因について責めに任ずべき者があるときに求償できる。

覚え方被害者は公務員個人に請求できない。故意・重過失は求償の要件

ひっかけ注意「故意又は重大な過失があるときは公務員個人にも請求できる」とする肢。故意・重過失は求償の要件であって被害者の請求権の要件ではない。1条2項と2条2項の求償要件を入れ替える肢も最頻出である。

02
重要度 A / 収録過去問 4回

国家賠償法1条の要件

1条1項の要件は①国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が②その職務を行うについて③故意又は過失によって④違法に⑤他人に損害を加えたことである。「公権力の行使」の意義について判例・通説は非権力的作用も含む広義説を採り、行政指導、公立学校の教育活動、警察官の職務行為が含まれる一方、私経済作用は民法715条、営造物の設置管理の瑕疵は2条の領域となる。国会議員の立法行為や裁判官の裁判にも1条の適用自体はある。

覚え方広義説。私経済作用だけが1条の外に出る

ひっかけ注意「公権力の行使とは権力的作用に限られる」という狭義説の内容を判例の立場として示す肢。行政指導も対象に含まれる。

03
重要度 A / 収録過去問 4回

国家賠償法上の違法

職務行為基準説は、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務に違反したかどうかを国家賠償法上の違法の基準とする考え方である。したがって処分が取消訴訟で取り消されたとしても、直ちに国家賠償法上違法となるわけではない。判例は課税処分(最判平成5年3月11日)のほか、検察官の公訴提起(最判昭和53年10月20日)、裁判官の裁判、警察官の職務行為についてもこの枠組みを用いており、取消訴訟における違法性と国家賠償法上の違法性は必ずしも一致しない。

覚え方取り消されても、通常尽くすべき注意を尽くしていれば違法ではない

ひっかけ注意「取消判決が確定した処分は国家賠償法上も当然に違法となる」とする肢。両者の違法概念は必ずしも一致しない。

04
重要度 A / 収録過去問 4回

立法不作為と国家賠償

最判昭和60年11月21日(在宅投票制度廃止事件)は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらずあえて立法するというような例外的な場合でない限り、国会議員の立法行為は国家賠償法1条1項の適用上違法とならないとした。最大判平成17年9月14日(在外邦人選挙権訴訟)はこの基準を改め、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するための立法措置をとることが必要不可欠でありそれが明白であるのに、正当な理由なく長期にわたって怠った場合には違法となるとした。

覚え方昭和60年は極めて厳格、平成17年で違法となる場面が具体化された

ひっかけ注意昭和60年判決の厳格な基準のみを現在の判例として示す肢。平成17年判決により違法となる場合が示され、実際に賠償が認容されている。

05
重要度 A / 収録過去問 3回

職務を行うについて

1条1項の「その職務を行うについて」は、被害者から見て客観的に職務執行の外形を備えているかどうかで判断される(外形標準説。最判昭和31年11月30日)。公務員の主観的な意図は問われず、非番の警察官が制服を着用して職務執行を装い強盗殺人をした事案でも、外形上職務行為に当たるとして国の責任が認められた。外形を信頼した被害者を保護する趣旨に基づく解釈である。

覚え方外から見て職務らしければ職務。中の動機は問わない

ひっかけ注意「公務員が自己の利益を図る目的で行った行為は職務行為に当たらない」とする肢。主観ではなく外形で判断する。

06
重要度 A / 収録過去問 3回

規制権限の不行使

判例は、規制権限の不行使が国家賠償法1条1項の適用上違法となるのは、権限を定めた法令の趣旨・目的や権限の性質等に照らし、具体的事情の下においてその不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときであるとする。筑豊じん肺訴訟(最判平成16年4月27日)は鉱山保安法上の省令改正権限の不行使を、関西水俣病訴訟(最判平成16年10月15日)は水質二法に基づく規制権限の不行使を違法として国の責任を認めた。

覚え方権限を使わないことが「著しく合理性を欠く」なら違法

ひっかけ注意「規制権限の行使は行政庁の裁量に委ねられているから不行使が違法となることはない」とする肢。裁量の消極的濫用として違法となり得る。

07
重要度 A / 収録過去問 3回

国地方係争処理委員会

国地方係争処理委員会は総務省に置かれ、委員5人で組織される。審査の対象は国の関与のうち是正の要求、許可の拒否その他の処分その他公権力の行使に当たるもの等である(250条の13)。審査および勧告は審査の申出があった日から90日以内に行う(250条の14第5項)。委員会の審査結果や勧告に不服があるとき等は、通知があった日から30日以内に高等裁判所に対し国の関与の取消し又は不作為の違法確認を求める訴えを提起できる(251条の5)。

覚え方90日で審査、30日で出訴、出訴先は高裁

ひっかけ注意審査期間を6か月や1年とする肢、出訴先を地方裁判所とする肢。国の関与に関する訴えは高等裁判所の専属管轄である。

08
重要度 B / 収録過去問 3回

裁判官の職務行為

最判昭和57年3月12日は、裁判官がした争訟の裁判に国家賠償法1条1項の違法があるというためには、当該裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情が必要であるとした。裁判の独立と上訴・再審という是正制度の存在を根拠とする極めて限定的な基準であり、上級審で取り消されたというだけでは違法とならない。

覚え方裁判官の裁判は「権限の趣旨に明らかに背く特別の事情」が必要

ひっかけ注意「再審により判決が取り消されれば当然に国家賠償請求が認められる」とする肢。裁判の取消しと国家賠償法上の違法は別問題である。

行政法の暗記表をすべて見る →

覚える数字と、狙われる引っかけ

  • 1条2項の求償 故意または重大な過失
  • 2条2項の求償 要件の限定なし
  • ひっかけ故意または重大な過失があれば公務員個人にも請求できるとする肢。故意・重過失は求償の要件で、被害者の請求権の要件ではない
  • ひっかけ取消判決が確定した処分は国賠法上も当然に違法とする肢。両者の違法は必ずしも一致しない
  • ひっかけ立法行為や裁判官の裁判には国賠法の適用がないとする肢。適用はあるが、違法となる場面が極めて限定される

押さえる判例

在宅投票制度廃止事件最判昭和60年11月21日

立法行為が国賠法上違法となるのは、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているのにあえて立法するような例外的場合に限られるとした

在外日本人選挙権訴訟最大判平成17年9月14日

権利行使の機会を確保するための立法措置が必要不可欠であることが明白なのに長期にわたり怠った場合には、国賠法上違法となるとして賠償を認容した

筑豊じん肺訴訟最判平成16年4月27日

規制権限の不行使は、具体的事情の下で許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるとき国賠法上違法となる

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    加害行為が公権力の行使に当たるかを見る。私経済作用なら民法715条、営造物の瑕疵なら2条の問題になる

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    外形標準説で「職務を行うについて」を判定する。公務員の主観的意図は問わない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    違法性は職務行為基準説で判定する。取消訴訟で取り消されたことが直ちに国賠法上の違法を意味するわけではない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
国家賠償法
情報確認日
2026年4月1日施行法令基準
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

国家賠償法1条(公権力の行使に基づく賠償責任)の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

行政法重要度 S頻出度 14/24(編集部の目安)

公務員個人の責任と求償権

国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づいて損害を賠償した場合において、当該公務員に軽過失があったにとどまるときであっても、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を行使することができる。

国家賠償法1条(公権力の行使に基づく賠償責任)○×一問一答14問|問題と解説

この論点で収録している14問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    公務員個人の責任と求償権重要度S

    国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づいて損害を賠償した場合において、当該公務員に軽過失があったにとどまるときであっても、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を行使することができる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。1条2項は、求償権の行使を当該公務員に故意又は重大な過失があった場合に限っている。

  2. 2

    公務員個人の責任と求償権重要度S

    公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うについて故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、被害者は、国又は公共団体に対してだけでなく、当該公務員個人に対しても直接に損害賠償を請求することができる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和30年4月19日は、公務員個人は被害者に対して直接には賠償責任を負わないとしている。

  3. 3

    立法不作為と国家賠償重要度A

    最高裁判所は、在外国民の投票を制限していた公職選挙法の規定について、国会が正当な理由なく長期にわたって是正のための立法措置を怠っていたときは、国家賠償法1条1項の適用上、当該立法不作為は違法の評価を受けるとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最大判平成17年9月14日は、在外国民の選挙権行使の機会を奪う立法不作為について国家賠償責任を認めた。

  4. 4

    国家賠償法1条の要件重要度A

    国家賠償法1条1項にいう公権力の行使には、権力的な作用のほか、行政指導や公立学校における教育活動のような非権力的な作用も含まれるが、私経済作用及び公の営造物の設置管理作用は含まれない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。判例・通説は広義説を採り、純然たる私経済作用と2条の対象となる営造物の管理作用のみを除外する。

  5. 5

    国家賠償法上の違法重要度A

    最高裁判所は、税務署長のした所得税の更正処分が取消訴訟において取り消された場合であっても、税務署長が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をしたと認め得る事情がない限り、国家賠償法1条1項にいう違法があったとの評価を受けないとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判平成5年3月11日は、取消訴訟における違法と国家賠償法上の違法とを区別する職務行為基準説を採用した。

  6. 6

    職務を行うについて重要度A

    最高裁判所は、非番の警察官が制服を着用し職務執行を装って通行人から金品を奪い殺害した事案について、客観的に職務執行の外形を備える行為であれば、国又は公共団体は国家賠償法1条1項による賠償責任を負うとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判昭和31年11月30日は、公務員が自己の利をはかる意図であっても外形上職務行為と見られる行為には同条が適用されるとした。

  7. 7

    規制権限の不行使重要度A

    最高裁判所は、じん肺の被害について、通商産業大臣が省令改正等の規制権限を適時に行使しなかったことは、その趣旨・目的に照らし許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くものであり、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判平成16年4月27日は、規制権限の不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くときは違法になるとした。

  8. 8

    国家賠償法1条の要件重要度B

    国家賠償法1条1項にいう公権力の行使に当たる公務員には、行政権を行使する公務員及びその補助者のみが含まれ、立法作用を担う国会議員や司法作用を担う裁判官は、たとえその職務行為によって損害が生じたとしてもこれに含まれない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。国会議員の立法行為も裁判官の裁判も公権力の行使に含まれ、判例はいずれも国家賠償の対象となり得るとする。

  9. 9

    国地方係争処理委員会重要度A

    普通地方公共団体の長は、その担任する事務に関する国の関与に不服があるときは国地方係争処理委員会に対して審査の申出をすることができ、この申出は、当該国の関与があった日から6か月以内にしなければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。国の関与に関する審査の申出は、当該国の関与があった日から30日以内にしなければならない(250条の13第4項)。

  10. 10

    費用負担者の責任重要度B

    国家賠償法3条1項にいう公の営造物の設置費用の負担者には、法律上その費用を負担する義務を負う者のみが当たり、補助金を交付することによって事実上その費用の相当部分を負担しているにすぎない者は含まれない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和50年11月28日は、設置費用の2分の1近くを補助金として負担する国も3条1項の費用負担者に当たるとした。

  11. 11

    相互保証主義重要度B

    国家賠償法は被害者が外国人である場合には適用されないから、日本に在留する外国人が公務員の違法な公権力の行使によって損害を受けたときは、民法の不法行為の規定によって賠償を求めるほかない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。6条は、外国人が被害者である場合には相互の保証があるときに限りこの法律を適用すると定めている。

  12. 12

    裁判官の職務行為重要度B

    最高裁判所は、裁判官がした争訟の裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵が存在するときは、そのことだけで国家賠償法1条1項にいう違法があったものとして国が賠償責任を負うとしている。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和57年3月12日は、裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなどの特別の事情を要するとした。

  13. 13

    行政計画重要度C

    最高裁判所は、地方公共団体が特定の者に対し積極的な勧告をして施策に適合する活動に入らせた後にその施策を変更した場合において、その者が相当の損害を被るのに代償的措置を講じないときは、当該地方公共団体は不法行為責任を免れないとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判昭和56年1月27日は、施策変更自体は自由としつつ、信頼を裏切る態様によっては損害賠償責任を認めた。

  14. 14

    民法の適用重要度C

    国家賠償法4条により国又は公共団体の損害賠償の責任については民法の規定によることとされているが、失火の責任に関する法律は民法の特別法であって同条にいう民法には含まれないから、消防職員の失火については重大な過失がなくとも国家賠償責任が生じる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和53年7月17日は、失火責任法も4条にいう民法に含まれ、公務員の失火には重大な過失を要するとした。

次の学習

国家賠償法1条(公権力の行使に基づく賠償責任)の問題を続けて解く

この論点に対応する14問を絞り込んで出題します。

○×一問一答