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行政法

国家賠償法2条の瑕疵|道路・河川と無過失責任を整理【行政書士】【2026年度試験対応】

国家賠償法2条の瑕疵と無過失責任を解説。道路の危険への対処時間、河川の改修段階と計画、供用に伴う周辺被害を図解と判例で整理します。2026年度行政書士試験対応。

要点 5件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

国家賠償法2条の瑕疵|道路・河川と無過失責任を整理の解説カバー

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。

まず押さえるポイント

国家賠償法2条の設置・管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠くことです。管理者の過失は要しませんが、事故があれば必ず賠償されるという意味ではありません。営造物の性質、利用状況、危険への対処可能性などから安全性を判断します。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-21

無過失責任でも瑕疵の判断は必要

道路、河川その他の公の営造物について、設置又は管理の瑕疵により他人に損害が生じたときは、国又は公共団体が賠償責任を負います。1条の公務員の故意・過失とは異なり、2条では通常有すべき安全性を欠いていたかが中心になります。

最高裁昭和45年8月20日の落石事故の判決は、通常有すべき安全性の欠如という基準を示し、道路の安全対策について予算措置が困難というだけで直ちに免責されるとはしませんでした。ただし、瑕疵や因果関係などの要件自体が不要になったわけではありません。

根拠:国家賠償法(2026年4月1日基準)最判昭和45年8月20日・落石最判昭和50年6月26日・標識倒壊最判昭和59年1月26日・大東水害最判平成2年12月13日・多摩川水害最大判昭和56年12月16日・大阪空港(供用関連瑕疵)

管理者が対処できたかを具体的に見る

視点と判断することを整理した図解

図は判断の要点です。適用条件・例外は本文と一次資料を確認してください。

図を大きく見る

最高裁昭和50年6月26日判決は、事故直前に先行車が標識等を倒し、安全な状態へ回復する時間的余裕がなかったという事情のもと、道路管理の瑕疵を否定しました。「無過失だから対処できたかは一切関係ない」という理解は適切ではありません。

設問で重要なのは、危険がいつ発生し、事故までにどれほどの時間があり、管理者がどのように対応できたかです。落石の危険が継続していた事例と、直前の他車の行為で生じた危険とを、同じ「道路事故」という分類だけで処理しないようにします。

判断条件の比較
視点判断すること
2条の瑕疵通常有すべき安全性の欠如
道路の危険発生時点・対処時間等の具体的事情
河川改修段階・計画・予測可能性・諸制約

根拠:国家賠償法(2026年4月1日基準)最判昭和45年8月20日・落石最判昭和50年6月26日・標識倒壊最判昭和59年1月26日・大東水害最判平成2年12月13日・多摩川水害最大判昭和56年12月16日・大阪空港(供用関連瑕疵)

河川は改修段階と計画・予測可能性を分ける

未改修・改修不十分な河川では、財政的・技術的・社会的制約のもとで、改修段階に対応する安全性が問題になります。最高裁昭和59年1月26日の大東水害判決は、同種・同規模の河川の管理の一般的水準や社会通念、改修の必要性・緊急性などを総合して判断します。道路についての予算の説明をそのまま当てはめるべきではありません。

改修済み等の河川を扱った最高裁平成2年12月13日の多摩川水害判決では、計画所定規模の洪水の通常の作用による災害を防止する安全性が問題となります。その後予測可能になった危険についても、諸制約や対策に必要な期間を考慮します。「計画時点の水準なら永久に十分」と覚えないことが大切です。

根拠:国家賠償法(2026年4月1日基準)最判昭和45年8月20日・落石最判昭和50年6月26日・標識倒壊最判昭和59年1月26日・大東水害最判平成2年12月13日・多摩川水害最大判昭和56年12月16日・大阪空港(供用関連瑕疵)

過去問で確認するポイント

令和4年度問21では、営造物の利用に伴う周辺への被害など、供用関連瑕疵を含む国家賠償の問題。

出題当時の法令と現在の法令は区別して確認してください。下の独自確認問題では、この解説で整理した条件を一つずつ判断し、誤った文はどの語句を直せば正しくなるかまで考えましょう。

根拠:行政書士試験研究センター・令和4年度公表問題 問21国家賠償法(2026年4月1日基準)

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 問1 国家賠償法2条の責任には、管理担当者の過失の立証が必ず必要である。

    根拠:資料1資料2資料3資料4資料5資料6

  2. 問2 事故直前に第三者が作り出した危険について、管理者に対応する時間がなかった事情は瑕疵判断に関係する。

    根拠:資料1資料2資料3資料4資料5資料6

  3. 問3 未改修河川と改修済み河川は、改修状況を一切考慮せず同じ安全性で判断する。

    根拠:資料1資料2資料3資料4資料5資料6

この解説の一次資料

最重要ポイント

国家賠償法2条の要件

2条1項の営造物責任は、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったことにより損害が生じたことを要件とし、設置管理者の故意・過失を要しない無過失責任である(最判昭和45年8月20日、高知落石事件)。瑕疵とは営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、客観的に判断される。公の営造物には道路・河川などの不動産のほか、公用車、拳銃、テニス審判台といった動産も含まれる。免責が認められるのは不可抗力や回避可能性がない場合に限られる。

覚え方2条は無過失責任。通常有すべき安全性の欠如で足りる

最重要・比較表

国家賠償法1条と2条の違い

最初に見るのは、損害の原因が人の行為か物の状態かです。公務員の行為なら1条で故意・過失が要件になり、営造物の欠陥なら2条で無過失責任になります。

責任の原因

1条(公務員の不法行為)
公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行うについて他人に損害を加えたこと
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
道路・河川その他の公の営造物の設置または管理に瑕疵があり、損害が生じたこと

判断ポイント

人の行為が原因か、物の状態が原因かで適用条文が分かれます。

故意・過失の要否

最重要
1条(公務員の不法行為)
故意または過失があることが要件になる(過失責任)
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
過失がなくても責任を免れない(無過失責任)

判断ポイント

設置管理者に過失がなければ2条の責任は生じないとする肢は誤りです。

要件の中身

1条(公務員の不法行為)
公権力の行使、公務員の行為、職務を行うについて、故意または過失、違法な損害の5つ
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
公の営造物に関するものであること、設置・管理の瑕疵に基づく損害が発生していることの2つ

判断ポイント

2条は要件が少ない代わりに、瑕疵の有無が争点になります。

誰が責任を負うか

1条(公務員の不法行為)
国または公共団体が責任を負い、加害公務員個人に直接損害賠償を請求することはできない。選任・監督者と費用負担者が異なるときは費用負担者も責任を負う(3条1項)
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
営造物を設置・管理する国または公共団体が責任を負う。設置・管理者と費用負担者が異なるときは費用負担者も責任を負う(3条1項)

判断ポイント

1条では公務員個人に請求できません。故意・重過失は求償の要件です(1条2項)。

対象になる具体例

1条(公務員の不法行為)
行政指導、公立学校での教師の教育活動、裁判官がした裁判、立法行為などが公権力の行使にあたる
2条(営造物の設置・管理の瑕疵)
物理的な欠陥だけでなく機能的瑕疵も含まれ、利用者以外の周辺住民への損害も対象になる

判断ポイント

1条の公権力の行使は非権力的作用まで含む広い意味で使われます。

判断の順序:原因は人の行為か物の状態か → 1条なら故意・過失を、2条なら通常の安全性を欠いていたかを見る

法令確認:国家賠償法1条・2条・3条(確認日 2026-08-05)

混同注意・比較表

国家賠償と損失補償の違い

最初に確かめるのは、その行政活動が違法か適法かです。違法なら国家賠償、適法な活動で財産権に特別の犠牲が生じたなら損失補償という順で切り分けます。

対象となる行政活動

最重要
国家賠償
違法な行政活動から生じた損害を賠償する制度である
損失補償
適法な行政活動によって生じた損失を填補する制度である

判断ポイント

違法か適法かが最初の分かれ道です。ここを外すと制度ごと間違えます。

対象となる権利・利益

国家賠償
財産権のほか、生命・身体への侵害も賠償の対象になる
損失補償
財産権に対して特別の犠牲を加えたことが補償の対象になる

判断ポイント

損失補償は財産権が対象で、生命・身体の被害は国家賠償の領域です。

一般法があるか

国家賠償
国家賠償法という一般法があり、1条と2条に責任の要件が定められている
損失補償
一般法はなく、憲法29条3項と土地収用法などの個別の法律による

判断ポイント

損失補償に国家賠償法にあたる一般法はない、というのが定番の出題点です。

誰が支払うか

国家賠償
国または公共団体が賠償の責任を負い、加害公務員個人は責任を負わない
損失補償
土地の収用では、起業者が損失を補償しなければならない(土地収用法68条)

判断ポイント

収用の補償は都道府県ではなく起業者が支払う点が狙われます。

請求するときの前提

国家賠償
処分の違法を理由に請求するのに、あらかじめ取消判決や無効確認の判決を得ておく必要はない
損失補償
個別法に補償規定がなくても、直接憲法29条3項を根拠に補償を請求する余地がある

判断ポイント

補償規定を欠く法令が直ちに違憲無効になるわけではない、という判例と対で覚えます。

01国家賠償法2条(営造物の設置管理の瑕疵)と損失補償の重要暗記項目

01
重要度 S / 収録過去問 5回

国家賠償法2条の要件

2条1項の営造物責任は、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったことにより損害が生じたことを要件とし、設置管理者の故意・過失を要しない無過失責任である(最判昭和45年8月20日、高知落石事件)。瑕疵とは営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、客観的に判断される。公の営造物には道路・河川などの不動産のほか、公用車、拳銃、テニス審判台といった動産も含まれる。免責が認められるのは不可抗力や回避可能性がない場合に限られる。

覚え方2条は無過失責任。通常有すべき安全性の欠如で足りる

ひっかけ注意「設置管理者に過失がなければ2条の責任は生じない」とする肢。1条と異なり故意・過失は要件ではない。

02
重要度 A / 収録過去問 4回

道路の管理の瑕疵

最判昭和50年7月25日は、故障した大型貨物自動車が87時間にわたって道路上に放置されていた事案について、道路の安全性が著しく欠如した状態が長時間継続していたのであるから、道路管理者は安全良好な状態に保つために必要とされる措置を全く講じていなかったといわざるを得ないとして管理の瑕疵を認めた。管理者が放置の事実を知らなかったことは免責の理由とならず、長時間の放置により認識可能性が肯定される。

覚え方87時間の放置は瑕疵あり。知らなかったでは済まされない

ひっかけ注意「管理者が障害物の存在を知らなかったのであれば瑕疵はない」とする肢。長時間の放置では認識可能性が肯定される。

03
重要度 A / 収録過去問 4回

河川の管理の瑕疵

道路が本来的に安全であるべき人工公物であるのに対し、河川は当初から洪水等の危険を内包する自然公物であり、改修には財政的・技術的・社会的制約が伴う。最判昭和59年1月26日(大東水害訴訟)は、未改修河川については同種同規模の河川の管理の一般的水準および社会通念に照らして是認し得る安全性をもって足りるとした(過渡的安全性)。最判平成2年12月13日(多摩川水害訴訟)は改修済み河川について、計画策定時の一般水準を基準としつつ、事情変動で計画が不合理となったのに改修を怠れば瑕疵を認めるとした。

覚え方未改修は大東、改修済みは多摩川。河川には過渡的安全性の基準

ひっかけ注意道路と同じ「通常有すべき安全性」の基準をそのまま河川に当てはめる肢。また大東水害訴訟の基準がすべての河川に妥当するとする肢も誤りである。

04
重要度 A / 収録過去問 3回

損失補償との違い

損失補償は適法な公権力の行使により加えられた特別の犠牲に対する調整であり、違法行為を要件とする国家賠償とは制度趣旨を異にする。最大判昭和43年11月27日(河川附近地制限令事件)は、補償規定を欠く法令であっても直接憲法29条3項に基づいて補償を請求する余地があるから、その規定が直ちに違憲無効となるものではないとした。財産権に内在する社会的制約にとどまる場合には補償を要しない(最大判昭和38年6月26日、奈良県ため池条例事件)。

覚え方違法なら国家賠償、適法な特別の犠牲なら損失補償

ひっかけ注意「補償規定を欠く法令は当然に違憲無効となる」とする肢。判例は憲法29条3項による直接請求の余地を理由に合憲としている。

05
重要度 B / 収録過去問 3回

供用関連瑕疵

供用関連瑕疵(機能的瑕疵)とは、営造物自体には物的な欠陥がないものの、その利用のされ方によって周辺住民等に受忍限度を超える被害を及ぼす場合をいう。最大判昭和56年12月16日(大阪空港訴訟)は、空港の供用に伴う騒音・排気ガス等の被害について国の2条責任を認め、営造物の瑕疵は利用者に対する関係だけでなく第三者に対する関係でも問題になるとした。ただし将来の給付を求める部分の訴えは不適法とされた。

覚え方物は壊れていなくても、使い方で周りが害されれば瑕疵

ひっかけ注意「瑕疵は営造物自体の物的欠陥に限られる」とする肢。利用者以外の第三者に及ぶ危害も瑕疵に含まれる。

行政法の暗記表をすべて見る →

覚える数字と、狙われる引っかけ

  • 87時間の放置 瑕疵を肯定
  • 事故直前に先行車が生じさせた障害 瑕疵を否定
  • ひっかけ設置管理者に過失がなければ2条の責任は生じないとする肢。1条と異なり無過失責任である
  • ひっかけ赤色灯標柱事件と87時間放置事件の結論を入れ替える肢。放置時間の長短で回避可能性の判断が分かれる
  • ひっかけ補償規定を欠く法令は当然に違憲無効とする肢。憲法29条3項を直接の根拠として補償を請求する余地がある

押さえる判例

高知落石事件最判昭和45年8月20日

営造物が通常有すべき安全性を欠いていれば足り、設置管理者の故意・過失を要しない無過失責任であるとした

大東水害訴訟最判昭和59年1月26日

未改修河川については、同種同規模の河川の管理の一般的水準に照らして是認し得る安全性をもって足りるとした

河川附近地制限令事件最大判昭和43年11月27日

補償規定を欠く法令でも憲法29条3項を直接の根拠として補償を請求する余地があるから、直ちに違憲無効とはならない

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    公の営造物の設置または管理に瑕疵があるかを、通常有すべき安全性を基準に客観的に判断する。故意・過失は要らない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    危険の発生時点と対処時間等から瑕疵の有無を判断する。落石事故の道路判例では予算困難だけで直ちに免責されないとされた

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    未改修・改修不十分の河川は改修段階と諸制約を考慮する。改修済み等では計画規模の洪水を防ぐ安全性と、その後予測可能となった危険への対応を検討する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
国家賠償法
情報確認日
2026年4月1日施行法令基準
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

国家賠償法2条(営造物の設置管理の瑕疵)と損失補償の○×一問一答

1/8問解答 0・正解 0

行政法重要度 S頻出度 14/24(編集部の目安)

国家賠償法2条の要件

最高裁判所は、国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、その責任の成立には設置管理者の過失の存在を必要としないとしている。

国家賠償法2条(営造物の設置管理の瑕疵)と損失補償の○×一問一答8問|問題と解説

この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 問1

    国家賠償法2条の要件重要度S

    最高裁判所は、国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、その責任の成立には設置管理者の過失の存在を必要としないとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判昭和45年8月20日(高知落石事件)は、2条の責任を無過失責任と解する立場を明らかにした。

  2. 問2

    河川の管理の瑕疵重要度A

    最高裁判所は、未改修又は改修が不十分な河川の管理についての瑕疵の有無は、諸制約の下での同種同規模の河川の管理の一般的水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を備えているかどうかによって判断すべきであるとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。大東水害判決は、未改修又は改修不十分の河川について諸制約や改修段階を踏まえた安全性を判断した。

  3. 問3

    道路の管理の瑕疵重要度A

    最高裁判所は、国道の中央線付近に故障した大型貨物自動車が87時間にわたって放置されていたにもかかわらず道路管理者がこれを知らず何らの措置も講じなかった事案について、道路の管理に瑕疵があったとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判昭和50年7月25日は、著しい安全性の欠如が長時間継続していた以上、管理に瑕疵があったとした。

  4. 問4

    国家賠償法2条の要件重要度A

    国家賠償法2条1項に基づく責任について、道路管理者は、落石防止のための防護柵を設置するには多額の費用を要し予算措置に困却するという事情を主張立証したときは、道路の管理の瑕疵によって生じた損害の賠償責任を免れることができる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和45年8月20日は、予算措置に困却するという事情によって賠償責任を免れることはできないとした。

  5. 問5

    道路の管理の瑕疵重要度A

    最高裁判所は、工事標識板及び赤色灯標柱が先行する他の車両によって倒され、その直後に事故が発生した事案について、道路上に障害物が存在した以上、時間的に原状回復が不可能であったとしても道路の管理に瑕疵があるとしている。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和50年6月26日は、事故直前に生じた状態で時間的に原状回復が不可能であったとして瑕疵を否定した。

  6. 問6

    損失補償との違い重要度A

    最高裁判所は、財産権を制限する法令に損失補償に関する定めがない場合であっても、その制限によって特別の犠牲を被った者は、憲法29条3項を直接の根拠として補償を請求する余地があるとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最大判昭和43年11月27日は、補償規定を欠くことから直ちに違憲無効となるものではないとして直接請求の可能性を認めた。

  7. 問7

    供用関連瑕疵重要度B

    最高裁判所は、国家賠償法2条1項の営造物の設置又は管理の瑕疵には、営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において利用者以外の第三者に危害を生じさせる危険性がある場合も含まれるとしている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最大判昭和56年12月16日(大阪空港訴訟)は、航空機騒音による周辺住民の被害について供用関連瑕疵を認めた。

  8. 問8

    河川の管理の瑕疵重要度C

    最高裁判所は、既に改修計画に基づく改修が完了した河川についても、未改修河川と同様に、同種同規模の河川の管理の一般的水準に照らして是認し得る過渡的な安全性を備えていれば管理に瑕疵はないとしている。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。改修済み等の河川は、計画所定規模の洪水の通常の作用による災害を防止する安全性を基準とし、その後予測可能となった危険については諸制約と対策に必要な期間も考慮する(最判平成2年12月13日)。

次の学習

国家賠償法2条(営造物の設置管理の瑕疵)と損失補償の問題を続けて解く

この論点に対応する8問を絞り込んで出題します。

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