2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

分野別対策2026年度試験対応

マンションのアスベスト事前調査|調査義務と報告基準の違い【2026年度試験対応】

2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。

「100万円未満の工事だから石綿調査は不要」という読み方は、調査と報告を混同していますマンション管理士の修繕・設備の学習では、まず解体・改修前の調査、その次に結果を行政へ報告する条件を確認しましょう。 2026年度試験対応として、法令は2026年4月1日の施行内容を基準にしています。

公開日
2026年9月11日
更新日
2026年9月11日
読了目安
10
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年9月11日
石綿の事前調査と報告の記事カバー

先に結論

建築物の解体・改修では、工事の規模にかかわらず原則として石綿の事前調査が必要です。結果の報告には別の規模基準があり、建築物では解体部分80㎡以上や改修工事の請負代金100万円以上などが対象です。報告対象外でも調査不要とは限りません。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 事前調査と結果報告の対象条件を分ける
  • 石綿なしという調査結果でも報告基準に達すれば報告
  • 調査方法の特例と、調査そのものの省略を混同しない

01工事規模より先に、解体・改修の作業かを確認する

石綿障害予防規則3条では、建築物等の解体または改修の作業を行うとき、対象部分について石綿等の使用の有無をあらかじめ調査することを求めています。封じ込めや囲い込みも含まれます。調査は対象となる作業の範囲と材料を確認するために行います。

ただし、材料に手を加えない作業など、そもそも対象となる解体等の作業に当たらない扱いがあるため、「何をする工事か」も必要です。工事名がリフォームというだけで決めず、対象部材と施工内容を調べます。以下は建築物の解体・改修を中心にした整理です。

石綿の事前調査は規模を問わず原則必要。結果の報告は一定規模以上の工事が対象で、両者の条件は異なる。
図解石綿の事前調査は規模を問わず原則必要。結果の報告は一定規模以上の工事が対象で、両者の条件は異なる。 条件と例外は本文で確認してください。拡大して見る ↗

0280㎡・100万円は結果報告の基準

石綿障害予防規則4条の2では、一定の工事について事前調査結果等の報告を求めます。建築物の解体は対象部分の床面積合計80㎡以上、改修は請負代金100万円以上という基準です。100万円は厚生労働省の案内に従い消費税を含む額で確認します。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

建築物の事前調査と結果報告
確認すること主な条件注意点
事前調査解体・改修の対象作業なら規模を問わず原則必要報告基準未満でも調査を検討
解体工事の結果報告対象部分の床面積合計80㎡以上石綿の有無だけで報告要否を決めない
改修工事の結果報告請負代金100万円以上(税込)同一事業者による分割契約の扱いも確認
調査後に必要な措置含有状況・工法等に応じる報告して終わりではない

この節・表の確認資料: 石綿障害予防規則3・4条の2(確認日 2026年9月11日)厚生労働省・石綿総合情報ポータルの手続案内(確認日 2026年9月11日)

03書面と目視を基本に、調査方法の特例を確認する

事前調査は、原則として設計図書等の文書と目視によって対象部分の全ての材料を確認します。図書がない場合や構造上目視が困難な場合には、それぞれ規則の扱いがあります。外から見える一部の材料だけで、工事範囲全体を石綿なしと決めることはできません

建築物の新築工事の着工日が2006年9月1日以降であることを設計図書等で確認する場合など、規則3条3項には方法の特例があります。これは「新しそうな外観なら確認しない」という意味ではありません。着工日の根拠を確認する行為も、事前調査の方法として位置付けられています。

04不明な材料は分析、または含有とみなして必要な措置

事前調査をしても使用の有無が明らかにならない場合は、原則として分析調査を行いますただし石綿等が使用されているものとみなして、法令上必要な措置を講ずる場合の例外があります。「分析しなかったから石綿なし」とすることはできません。

みなしは安全措置を省くための選択ではありません。含有するものとして必要な措置を講ずることが条件です。調査で分からない箇所をどう扱ったか、記録と工事計画の内容が一致しているかを確認します。

05調査者の資格と発注者の準備を分ける

建築物の事前調査には、規則の例外に当たる場合を除き、必要な知識を有する者として定められた者に実施させる義務があります。一般・特定建築物石綿含有建材調査者など、資格の種類と調査できる範囲を確認します。一戸建て等の調査資格を、全てのマンション共用部分で使えると決め付けません。

管理組合側の準備としては、施工者に図面・改修履歴等を提供し、見積りで調査の範囲や費用、日程を確認する方法が考えられます。資格を持つ調査者への依頼と、管理組合による工事発注の手続を分けると、誰が何を確認するかを整理できます。

06調査結果の報告・記録・掲示は別々に確認する

規則3条には、調査結果の記録作成・保存や作業場での掲示などの規定があります。結果報告が規模基準未満で不要な場合でも、記録等の扱いまで当然に不要になるわけではありません。事前調査の結果は次の改修の資料にもなるため、管理側でも保管する資料を確認します。

石綿障害予防規則による報告先は所轄労働基準監督署長です。大気汚染防止法側の手続もあり、電子システムでまとめて報告できる仕組みが案内されています。工事で必要となる届出等は結果報告だけとは限らないので、使用材料と作業内容に応じた手続を別に確認します。

07設例:改修費が80万円でも、調査不要とは限らない

建築物の改修工事で、報告基準の計算に使う請負代金が80万円と確定している設例を考えます100万円以上という結果報告の基準は満たしませんが、それだけで事前調査が不要になるわけではありません。最初に対象となる解体・改修の作業かを確認し、その後で結果報告の規模基準を確認する順序が必要です。

逆に、100万円以上という条件を満たす場合でも、石綿が実際に含まれていると金額から推測することはできません。金額は報告要否の判断材料、含有の有無は調査結果の内容です。独自設例で二つを入れ替えてみると、「報告が必要だから石綿あり」「報告不要だから石綿なし」という誤りに気付きやすくなります。

082006年9月1日以降かは、外観ではなく着工資料で確認

建物が新しく見えるという情報と、新築工事の着工日を設計図書等で確認できることは別です。規則の方法特例を検討する場合は、どの日付を、どの資料から確認したのかを明確にします。完成日、改修日、購入日など別の日付を、そのまま新築工事の着工日として使わないことが読み取りのポイントです。

例えば最近室内を改装したマンションでも、その事実だけで元の建物や対象部材が新しいとは限りません。図面や過去の調査記録を施工者へ伝え、今回の工事部分との対応を確認します。方法の特例があることを、建物の年代について何も確認せず全ての調査を省く根拠にしないようにしましょう。

09設例:図面で分からない材料を「なし」と記録しない

設計図書に対象材料の情報がない場合、図面で石綿の記載を見つけられないことと、石綿が使用されていないことは同じではありません。規則の方法に沿って対象を調査し、使用の有無が明らかでない場合の分析等を検討します。資料不足を、そのまま非含有という結論に置き換えないことが重要です。

含有とみなして必要な措置を講ずる方法を選ぶ場合も、何を含有扱いにしたかと工事の措置が一致している必要があります。分析を行わないという行為だけを切り取り、自由に調査を省略できるという説明にはできません。学習では「不明」の次に分析か、みなしと必要な措置かという分岐を書き出して確認します。

10管理組合の発注準備と、施工者側の義務を分ける

工事を発注する管理組合が確認する事項として、対象部材、過去の図面・改修履歴、事前調査の範囲、調査者、工事開始までの日程などが考えられます。ただし、管理組合が資料を渡したことで、施工者側の法令上必要な調査や措置が完了するわけではありません。誰が行う作業なのかを契約と手続の両面から整理します。

調査結果についても、規模基準による報告、記録の保存、作業場での掲示を一つの提出作業としてまとめないようにします。記録が後日の修繕で役立つことと、今回の工事で求められる手続を済ませることは別の確認です。見積りの項目名だけで判断せず、調査結果と工事の範囲を対応させて説明を受けます。

11独自確認問題で判断する

合トレ作成の独自問題3問です。判断を分ける条件を説明してください。

11.1確認問題1

問題:解体等の対象作業に当たる建築物改修でも、請負代金が税込90万円なら事前調査は一律不要である

答え:誤り。100万円は結果報告の規模基準です。調査は対象となる解体・改修の作業について原則必要であり、両者を分けます。

11.2確認問題2

問題:建築物の対象解体部分が100㎡で調査により石綿なしと判明した場合、石綿なしという理由だけで結果報告を省ける。

答え:誤り。80㎡以上という報告基準に当たる設例です。報告の要否は石綿があると判明した場合だけに限定されません。

11.3確認問題3

問題:調査しても石綿等の使用が不明なとき、含有とみなして法令上必要な措置を講ずるなら分析調査の例外がある

答え:正しい。規則3条5項ただし書の扱いです。含有なしと扱う例外ではなく、含有するものとして措置を講ずることが条件です。

12関連する論点で理解を確かめる

外壁や防水の改修方法、専有部分の工事手続を復習し、工事の承認と石綿の調査・報告を別々の条件として整理しましょう。

よくある質問

小規模リフォームなら調査不要ですか?

規模だけでは決まりません。対象となる解体・改修の作業なら原則として事前調査が必要です。作業内容による対象外の扱いは別に確認します。

100万円は税抜きですか?

厚生労働省の案内では消費税を含む請負代金で確認します。対象工事の額や分割契約等の扱いも確認してください

2006年9月以降の建物も調べますか?

一定の建築物では着工日を設計図書等で確認する方法によることができます。何も確認しなくてよいという意味ではありません

石綿がなければ報告は不要ですか?

結果報告の規模基準に達する場合は、石綿なしという結果も報告の対象です。調査結果と報告要否を分けます。

管理組合の役員が見れば調査完了ですか?

規則が求める調査方法と、調査者の知識・資格等の条件を確認する必要があります。目視だけで全材料の調査を済ませた扱いにはできません。

図面に石綿の記載がなければ、使われていないと判断できますか?

記載がないことだけでは判断できません。規則に従って調査し、不明な場合は分析、又は含有とみなして必要な措置を講ずる扱いなどを確認します。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。