2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

分野別対策2026年度試験対応

マンション管理士の借地権|普通・定期の違いと期間を整理【2026年度試験対応】

2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。

「定期借地権だから公正証書が必要」「30年なら普通借地権」と一つの条件だけで決めると、借地権の問題を取り違えます。マンション管理士の学習では、建物の用途、期間、更新をなくす約束、契約の方式の順に確認しましょう。 2026年度試験対応として、法令は2026年4月1日の施行内容を基準にしています。

公開日
2026年9月11日
更新日
2026年9月11日
読了目安
9
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年9月11日
借地権の期間と契約方式の記事カバー

先に結論

普通借地権は当初30年以上で更新がある制度です。一般定期借地権は50年以上とし、更新等を排除する特約を書面等で定めます。事業用定期借地権等は専ら事業用の建物が対象で、居住用には使えず、公正証書が必要です。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 土地を借りる制度と建物を借りる制度を分ける
  • 一般定期は50年以上・書面等、事業用は10年以上50年未満・公正証書
  • 期間だけでなく用途と特約を確認する

01借地権は建物所有のために土地を使う権利

借地借家法の借地権は、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権です。マンションの土地が借地である場合も、専有部分の所有権と敷地を使う借地権は別に確認します。単なる駐車場用地の賃貸借に、建物所有目的の借地権の規定をそのまま当てはめることはできません

また、借地権の「定期」と、住戸を貸す定期建物賃貸借は別の制度です。設問で貸している対象が土地なのか住戸なのかを最初に押さえると、説明書面や契約期間のルールを混同しにくくなります。

普通借地権は当初30年以上、一般定期借地権は50年以上、事業用定期借地権等は10年以上50年未満で居住用不可。
図解普通借地権は当初30年以上、一般定期借地権は50年以上、事業用定期借地権等は10年以上50年未満で居住用不可。 条件と例外は本文で確認してください。拡大して見る ↗

02普通・一般定期・事業用を同じ軸で比べる

次の表は、現在の借地借家法を前提にした基本比較です居住用のマンションを所有する目的なら、事業用定期借地権等を選べない点が先に決まります。

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

借地権の期間・更新・方式
種類期間更新等方式・用途
普通借地権当初30年。これより長い合意は可能法定の更新制度がある定期借地権のような方式要件とは別
一般定期借地権50年以上更新・再築による延長・買取請求を排除する特約特約は書面等。居住用も可能
事業用定期借地権10年以上50年未満期間帯に応じて適用規定が異なる公正証書。専ら事業用で居住用は除外
建物譲渡特約付借地権設定後30年以上の日に建物譲渡建物譲渡で借地権を消滅させる特約相当の対価で土地所有者へ譲渡

この節・表の確認資料: 借地借家法2〜6・22〜24条、附則(確認日 2026年9月11日)

03普通借地権は30年・20年・10年を何の期間かまで覚える

普通借地権の当初の存続期間は30年で、40年など長い期間を定めた場合はその期間になります。最初の更新後は20年、その後の更新後は10年が基本で、更新時にこれより長い期間を合意した場合はその期間です。

期間満了時に建物がある場合の更新請求や、土地使用の継続に対する異議には法定の条件があります。地主が「満了したから」と述べるだけで常に明渡しが決まるわけではなく、更新拒絶では正当事由などを確認します。

04一般定期借地権の特約は公正証書に限られない

借地借家法22条では、50年以上の期間に加えて、契約の更新をしない、建物を築造しても期間を延長しない、建物買取請求をしないという特約を設けます。その特約は公正証書などの書面で定め、法律の定める電磁的記録による場合も書面とみなされます。

公正証書による等書面」という条文を、公正証書だけが許されると読まないことが大切です。一方、期間を50年にしただけで、必要な特約や方式を欠く契約が当然に一般定期借地権になるわけでもありません。

05事業用は30年を境に分けても、公正証書は共通

事業用定期借地権等は、専ら事業のための建物の所有を目的とし、居住用建物を除きます。10年以上30年未満では更新等に関する規定が法律により適用されず、30年以上50年未満では更新等を排除する特約を設ける仕組みです。どちらの期間帯も契約は公正証書によります。

例えば45年の店舗専用建物なら23条の条件を検討できますが、45年の居住用マンションを同じ制度で扱うことはできません。50年ちょうども23条の「50年未満」には入らず、一般定期借地権など別の制度の条件を確認します。

06建物譲渡特約と古い借地契約の注意点

建物譲渡特約付借地権は、設定後30年以上を経過した日に、相当の対価で建物を地主に譲渡して借地権を消滅させる約束です。「30年たつだけで建物が自動的に無償で地主のものになる」という説明ではありません。譲渡後も使用を続ける場合の建物賃貸借の扱いも別に定められています。

実際の借地権付きマンションでは、契約の開始時期も確認します。借地借家法施行前から続く借地には経過措置があるため、この記事の当初30年という整理だけで古い契約の期間や更新を断定しないでください。試験でも旧法の前提が指定されていないかを読みます。

07設例:住宅用の土地を40年借りる場合

居住用マンションを所有するため、土地を40年間借りる設例を考えます。この期間は一般定期借地権の50年以上という条件を満たしません。また、住宅用なので事業用定期借地権等の対象にもなりません。40年という数字だけを見て、事業用の30年以上50年未満に当てはめないことが判断の分かれ目です。

普通借地権では当初30年より長い40年の合意が可能です。ただし、40年という期間を定めることと、法定の更新制度を排除することは別です。「契約書に40年とあるから更新できない」という結論には進めず、契約の種類と特約を読み直します。

08設例:60年の契約でも、期間だけでは定期にならない

次に、住宅用で60年と定めた契約を考えます。期間の条件は22条に合いますが、更新しないこと、再築による期間延長をしないこと、建物買取請求をしないことについて必要な特約があるかを確認します。契約の見出しに「定期」と書いてある事実だけで、条文の要件を満たすとは判断しません。

そのうえで特約の方式を確認します。公正証書であることは確認方法の一つですが、22条は公正証書だけに限定していません。試験では「公正証書でなければ必ず無効」とする肢と、「口頭の約束だけで足りる」とする肢の両方を、条文の書面等の要件と照合できます。

09更新後の残り期間を、当初期間と取り違えない

普通借地権の契約が更新されたという設例では、まず何回目の更新かを拾います。当初期間、最初の更新後、それ以降の更新後はそれぞれ別の場面です。更新後の期間について長い合意があるかも確認し、問題文に25年とあれば、基本の20年より長い合意を認める規定に戻ります。

土地の契約が残り15年のマンションを購入するという説明があっても、購入者に当然新たな30年が与えられるという意味ではありません。建物の取得と土地契約の始期を区別して資料を読みます。権利承継や譲渡の個別要件は別の確認事項であり、残存期間だけから承継の可否まで決めないようにします。

10借地権付きマンションの資料は二つの権利に分ける

学習用に資料を整理するなら、住戸については誰が専有部分を所有するか、土地については所有権か地上権か賃借権かを別の欄に書きます。その次に土地契約の設定日、期間、更新の扱い、特約、契約方式を並べると、「マンションを買う」という表現の中に複数の権利があることを確認できます。

この整理は契約書の様式を決める法律上の義務ではなく、条件を読み落とさないための方法です。土地を借りる制度の学習ができたら、住戸の売買時に敷地に関する権利をどう説明するかもつなげて読むと、借地借家法と取引時の説明事項を区別しながら復習できます。

11独自確認問題で判断する

合トレ作成の独自問題3問です。判断を分ける条件を説明してください。

11.1確認問題1

問題:居住用マンションの所有を目的とする土地の契約を、期間20年の事業用定期借地権等として締結できる

答え:誤り。借地借家法23条は居住用建物を除きます。期間が10年以上50年未満でも、用途の条件を満たしていません。

11.2確認問題2

問題:一般定期借地権の必要な特約は、公正証書以外の書面で定めることもできる

答え:正しい。22条は公正証書に限定していません。期間50年以上と特約の内容・方式を合わせて確認します。

11.3確認問題3

問題:普通借地権の最初の更新について、25年という期間を合意することはできない

答え:誤り。最初の更新後は20年が基本ですが、それより長い期間を合意したときは合意した期間になります。

12関連する論点で理解を確かめる

敷地利用権との関係を確認したら、土地を借りる場面と住戸を借りる場面を入れ替えて判断してみましょう

よくある質問

普通借地権は必ず30年で終了しますか?

当初期間は30年が基本ですが、長い合意は可能で、更新制度もあります。満了だけを理由に常に明渡しが確定するわけではありません

定期借地権には公正証書が必要ですか?

事業用定期借地権等は必要です一般定期借地権の特約は公正証書以外の書面等でも定められ、両者を区別します。

一般定期借地権で住宅を建てられますか?

借地借家法22条には事業用定期借地権等のような居住用の除外はありません。土地利用に関する他の法令や契約条件は別に確認します。

50年の店舗用借地は事業用定期借地権等ですか?

23条の対象は50年未満なので該当しません。22条の一般定期借地権など、別の制度の要件を確認します。

敷地利用権と借地権は同じ意味ですか?

敷地利用権は区分所有者が建物の敷地について持つ権利で、所有権の場合も借地権の場合もあります。土地を所有しているとは限りません。

40年の住宅用借地なら定期借地権ですか?

期間だけでは決まりません。一般定期借地権の50年以上を満たさず、事業用は居住用を除きます。普通借地権では40年の合意が可能ですが、更新の扱いは別に確認します。

確認した公的情報

この記事の参照元

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