2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

分野別対策2026年度試験対応

マンション管理士の建ぺい率・容積率|計算と共用廊下の不算入【2026年度試験対応】

2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。

式は覚えたのに、共用廊下や道路幅員が出てくると計算が止まる。そんなときは「面積を出す」「算入する範囲を決める」「上限と比べる」の順に分けます。建築基準全体の概要から進んで、ここではマンションの面積計算を具体的に扱います。 2026年度試験対応として、法令は2026年4月1日の施行内容を基準にしています。

公開日
2026年9月11日
更新日
2026年9月11日
読了目安
9
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年9月11日
建ぺい率・容積率の計算の記事カバー

先に結論

建ぺい率は建築面積÷敷地面積、容積率は延べ面積÷敷地面積で求めます。容積率では前面道路による上限と指定容積率の比較、不算入となる面積の確認が必要です。共同住宅の共用廊下・階段は容積率算定の延べ面積に算入しない規定があります。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積が分子
  • 指定容積率だけで許容される延べ面積を決めない
  • 共用部分というだけで全てが不算入になるわけではない

01二つの割合は分子で見分ける

建ぺい率は建築面積の敷地面積に対する割合、容積率は延べ面積の敷地面積に対する割合です。どちらも分母は敷地面積ですが、建物が敷地を覆う広さを見るのか、各階の面積の合計を見るのかが違います。同一敷地内に複数の建物がある場合の合計も確認します。

例えば、算定上の敷地面積600㎡、建築面積300㎡、容積率算定に用いる延べ面積1,200㎡なら、建ぺい率は50%、容積率は200%です。1,200÷600=2という結果を2%としないよう、割合と百分率の表示を分けてください。

建ぺい率は建築面積を敷地面積で割り、容積率は延べ面積を敷地面積で割る。百分率ではそれぞれ100を掛ける。
図解建ぺい率は建築面積を敷地面積で割り、容積率は延べ面積を敷地面積で割る。百分率ではそれぞれ100を掛ける。 条件と例外は本文で確認してください。拡大して見る ↗

02使う面積と法令上の上限を分ける

計算問題で面積を求めた後は、その建物に適用される限度に収まるかを別に判断します。以下の例は、指定値や道路幅員が設問で確定している前提であり、実際の敷地の建築可能規模を保証するものではありません

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

面積計算で確認する項目
項目計算・確認落とし穴
建ぺい率建築面積÷敷地面積×100延べ面積を使わない
容積率容積率算定に用いる延べ面積÷敷地面積×100不算入部分を確認
指定容積率用途地域等に応じた都市計画の指定道路幅員等による制限を見落とさない
前面道路による容積率法定条件に応じた幅員×係数係数は地域等により異なる

この節・表の確認資料: 建築基準法52・53条、接道等(確認日 2026年9月11日)

03前面道路が12m未満のときは道路側の限度も計算

建築基準法52条2項では、前面道路の幅員が12m未満の場合、道路幅員に所定の係数を掛けた数値による制限があります。係数は用途地域等で異なり、特定行政庁の指定や別の特例もあるため、「どこでも0.4」と固定しません。ここでは住居系で係数0.4を使うことが設問上確定した例を扱います。

前面道路6m、係数0.4、指定容積率300%で、他の特例がない場合、道路側は6×0.4=2.4、すなわち240%です。300%と240%の厳しい方である240%が限度になります。敷地500㎡なら、容積率に算入する延べ面積の上限は500×2.4=1,200㎡です。

04共用廊下・階段の不算入は容積率のための扱い

52条6項は、共同住宅の共用の廊下・階段などの床面積を、容積率算定の延べ面積に算入しないと定めています。エレベーターの昇降路にも、対象となるものについて不算入の規定があります。これは「その空間が存在しない」「どの法律でも床面積に入れない」という意味ではありません

管理室、集会室、共用倉庫などを、共用部分であるという理由だけで一律に除くことはできません。共用部分という区分所有法上の分類と、容積率算定上の対象は別です。条文にある対象と、その部分の実際の用途・形状を対応させて確認します。

05不算入の面積を引いてから割合を求める

設例として敷地800㎡、各階の床面積の合計2,000㎡を考えます。このうち共同住宅の共用廊下・階段200㎡、対象となる昇降路40㎡が52条6項により不算入で、それ以外の算定除外はないとします。容積率算定の延べ面積は2,000−200−40=1,760㎡です。

したがって容積率は1,760÷800×100=220%になります。元の2,000㎡で求めた250%をそのまま答えると、不算入を反映できていません。反対に、資料の1,760㎡が既に不算入後の数値なら、さらに240㎡を引く二重控除にも注意します

06緩和や敷地条件が示されたら、基本計算に戻して確認する

建ぺい率には防火地域等の条件や角地などに関する緩和があり、容積率にも複数の特例があります。問題に「指定された角地」「耐火建築物」などの条件がある場合、数値だけを見て10%や20%を足さず、該当する法定要件を先に確認します。

また、接道のための後退部分などがあると、計算に用いる敷地面積をそのまま登記面積とできない場合があります。本記事の計算例は敷地面積が確定済みという前提です。実際の増築や用途変更の検討では、接道・用途・高さ・防火など、割合以外の制限も合わせて調べます。

07設例:片方の割合を満たしても、もう片方は別判定

敷地面積500㎡、建築面積300㎡容積率算定に使う延べ面積1,000㎡という独自設例では、建ぺい率は60%、容積率は200%です。適用される上限がそれぞれ50%と200%で、緩和等はないという前提なら、容積率は上限内でも建ぺい率は超えています。二つの割合は片方を満たせば他方も満たす関係ではありません

試験で複数の面積が並ぶときは、計算に先立ち建築面積と延べ面積へ印を付けます。各階を足した数値を建ぺい率の分子に入れるなどの入替えを防げます。なお、この二つを満たしただけで建築計画全体が適法になるわけではなく、他の建築制限の検討とは分けて考えます。

08割合から許容面積へ戻すときは、百分率を直す

前面道路の制限等を確認した後の容積率の限度が240%、算定上の敷地面積が500㎡と確定した設例では、容積率算定に使う延べ面積の限度は500×2.4=1,200㎡です。240%を240のまま掛けたり、2.4を2.4%と読んだりすると桁が変わるため、百分率から割合への変換を途中式に残します。

この1,200㎡は、容積率に算入する面積の限度として求めた数字です。共用廊下等の不算入がある建物について、図面上の床面積の総計が必ず1,200㎡以下でなければならないという結論にはなりません。設問が算入前の延べ面積と算入後の面積のどちらを聞いているかを、最後に確認します。

09共用廊下を二度引かないための読み方

問題文が「延べ面積2,000㎡、このうち共用廊下200㎡」と与えている場合と、「共用廊下を除いた容積率算定用の延べ面積1,800㎡」と与えている場合では、計算の出発点が違います。後者の1,800㎡からさらに200㎡を引くと、同じ面積を二度除いてしまいます。どの面積が既に計算へ織り込まれているかを確認しましょう。

不算入を適用する場合も、名称が共用部分だからというだけで全てを引かないことが必要です。共用廊下・階段等の条文上の対象と、管理規約上の共用部分の範囲は同じ切り口ではありません。建築法令での面積算定と、区分所有関係で誰が管理するかの判断を切り分けて復習できます。

10係数を入れ替える設例で、暗記の範囲を確かめる

前面道路6m、指定容積率300%は同じでも、問題文で適用係数が0.6と指定され、他の特例がないとします。道路側は6×0.6=3.6、すなわち360%なので、比較では指定の300%の方が厳しくなります。先ほどの係数0.4の設例と結論が変わる理由は、道路の幅ではなく適用係数が違うためです。

この数字は係数を選ぶ仕組みの説明用であり、特定の住所に0.6が適用されると示すものではありません。実際の係数は用途地域や指定等を確認します。試験でも係数が与えられているか、法令上の前提から判断させる問題かを読み分け、記憶した一つの数値をどの敷地にも使わないようにします。

11独自確認問題で判断する

合トレ作成の独自問題3問です。判断を分ける条件を説明してください。

11.1確認問題1

問題:算定上の敷地面積600㎡、建築面積300㎡容積率算定の延べ面積1,200㎡なら、建ぺい率は200%である。

答え:誤り。建ぺい率は300÷600×100=50%です。200%は容積率の計算結果です。

11.2確認問題2

問題:前面道路6m、係数0.4、指定容積率300%で他の特例がない場合、道路幅員による240%が上限になる。

答え:正しい。6×0.4×100=240%で、指定300%より厳しい限度です。係数等の条件が与えられた設例です。

11.3確認問題3

問題:マンションの共用部分なら、管理室も共用倉庫も共用廊下と同じ理由で一律に容積率へ算入しない

答え:誤り。52条6項の対象を確認します。共用部分であることだけを根拠として、全てを不算入にはできません

12関連する論点で理解を確かめる

面積の計算ができたら、接道や用途地域の条件と、専有・共用の境界の考え方へ戻って整理しましょう

よくある質問

建ぺい率と建蔽率は違いますか?

この文脈では同じ割合を表す表記です。建築面積を敷地面積で割る点を、容積率と区別して覚えます。

共用廊下は延べ面積に入らないのですか?

共同住宅の共用廊下・階段には容積率算定で不算入とする規定があります。あらゆる用途の床面積計算から除かれるという意味ではありません

容積率の道路係数は必ず0.4ですか?

地域や指定等によって異なります。前面道路幅員とともに、問題で指定された係数や特例の有無を確認してください

指定容積率まで必ず建てられますか?

前面道路による限度や他の法的制限も確認が必要です。指定容積率の数字だけで建築可能な規模を確定できません。

不算入はいつ計算しますか?

容積率算定に用いる延べ面積を確定するときです。与えられた面積が既に不算入後かを確認し、二重に引かないようにします。

不算入後の延べ面積から、共用廊下をもう一度引きますか?

既に不算入を反映した面積なら二重に引きません。問題文の面積が算入前か、容積率算定用の算入後かを確認します。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。