分野別対策2026年度試験対応
宅建業法35条のマンション説明事項|管理規約・積立金・委託先を整理【2026年度試験対応】
2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。
マンション管理士の学習では「重要事項説明」という同じ名称が、住戸の売買と管理委託契約の両方で出てきます。まず誰が何の契約を結ぶ場面かを決めましょう。この記事は、宅建業法35条による住戸の取引時の説明事項を中心に整理します。 2026年度試験対応として、法令は2026年4月1日の施行内容を基準にしています。
- 公開日
- 2026年9月11日
- 更新日
- 2026年9月11日
- 読了目安
- 約10分
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 情報確認日
- 2026年9月11日

先に結論
マンションの取引では、宅建業法35条と施行規則16条の2に基づき、規約の内容、費用、管理委託先等を説明します。同条の区分所有建物固有の事項は、建物賃貸では用途等の制限と管理委託先が対象となり、売買等と同じ全項目ではありません。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 住戸の取引は宅建業法35条、管理委託は適正化法72条
- 売買等と建物賃貸で説明事項の範囲が違う
- 2026年4月版の施行規則16条の2は10号まで確認
0135条と72条は契約の対象で見分ける
宅建業法35条は、宅地建物取引業者が取引に関わる際の重要事項説明を定めます。説明を行う宅地建物取引士と、管理委託契約の説明を行う管理業務主任者は別の資格です。管理会社が資料を持っていることと、宅建業法上の説明を誰が行うかを分けます。
マンション管理適正化法72条は、マンション管理業者が管理受託契約を締結しようとするとき等の説明を扱います。同じ管理費や規約が話題に出ても、買主へ住戸の条件を説明する場面なのか、管理組合へ委託内容を説明する場面なのかが違います。

02売買等と建物賃貸の違いを先に押さえる
施行規則16条の2は、区分所有建物について説明する事項を定めています。建物貸借以外は同条の各号、建物貸借は3号と8号が対象です。これは同条固有の事項の比較であり、賃貸では他の条文による説明まで不要になるという意味ではありません。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 事項 | 建物貸借以外 | 建物貸借 |
|---|---|---|
| 敷地の権利・共用部分の規約 | 対象 | 同条の対象外 |
| 専有部分の用途等の制限(3号) | 対象 | 対象 |
| 専用使用・費用の特定者減免 | 対象 | 同条の対象外 |
| 修繕積立て・既積立額・通常管理費 | 対象 | 同条の対象外 |
| 管理委託先の氏名・名称、住所等(8号) | 対象 | 対象 |
| 管理者等が受託管理業者である旨(9号) | 対象 | 同条の対象外 |
| 記録された維持修繕の実施状況(10号) | 対象 | 同条の対象外 |
この節・表の確認資料: 宅建業法施行規則16条の2・2026年4月施行版(確認日 2026年9月11日)
03規約は専有部分の使い方と共用部分の権利に分ける
専有部分の用途その他の利用制限に関する規約があれば、その内容を確認します。住居専用、事務所利用、ペット等の制限は購入後・入居後の使い方に関わるため、権利を取得する人にとって意味のある条件です。建物賃貸でも3号が対象になる点と結び付けます。
売買等では、共用部分に関する規約や、特定の者だけに使用を許す規約等の内容も確認します。例えば専用使用できる部分があることと、その部分を所有することは別です。条文によって規約の案も含むかが定められているため、既存規約だけを見れば常に足りるとはしません。
04修繕積立金は額と規約の内容を区別して読む
6号は、計画的な維持修繕のための費用を積み立てる旨の規約がある場合、その内容と既に積み立てられている額を扱います。7号は通常の管理費用の額、5号は特定者だけの費用減免に関する規約等の内容です。「毎月いくらか」だけをまとめて一つ答えるのではなく、何を説明する項目かを分けます。
既積立額は、そのマンションの修繕計画が将来にわたり十分であることの保証ではありません。また、賃貸で6号が対象外だからといって、賃料等の取引条件の説明まで省けるわけでもありません。別の説明事項や契約条件と混ぜず、問われた条文の範囲を確認します。
05委託先と、管理者等が誰かを分けて確認する
8号は、管理が委託されている場合の委託先の氏名または名称、住所等です。会社名だけを知っていれば全ての管理体制が分かるわけではないため、9号の条件も別に読みます。
2026年4月施行版の9号は、管理者等が、管理組合から委託を受けて管理事務を行うマンション管理業者である場合に、その旨を説明する事項として定めています。維持修繕の実施状況の記録は10号です。旧版の号番号や項目数をそのまま覚えず、現在の条文で照合します。
06記録があることと、将来の工事予定を混ぜない
10号は、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときに、その内容を扱います。修繕の履歴と、これからの長期修繕計画は時点が違います。説明資料を読むときは、実施済みの記録なのか、今後の予定なのかを区別します。
独自の読み方として、資料ごとに「規約上の権利・制限」「所有者の負担」「管理を担う者」「実施済みの記録」の印を付けると、条文の項目に戻しやすくなります。重要事項説明書の形式を暗記するより、取引する人が何を引き継ぐのかを理解するための整理です。
07設例:賃貸の借主へ、規約上の用途制限を説明する
区分所有住戸を借りる人へ、規約にある専有部分の利用制限を説明する設例では、施行規則16条の2の3号が関係します。売買ではないから同条の説明事項が全てなくなると考えるのは誤りです。建物貸借では3号と8号という対象を確認し、問題文の情報がどの号に当たるかを対応付けます。
一方、同条の6号に当たる修繕積立金の既積立額を、売買等と同じ根拠で建物貸借にも必ず説明すると広げることはできません。ここでの区別は16条の2の範囲です。賃料やその他の契約条件等について別途必要な説明までなくなるという意味ではないため、条文の範囲を限定して答えましょう。
08費用資料は、積立金・通常管理費・減免の根拠を分ける
マンションの費用資料には、管理費の月額、修繕のために積み立てる規約、既に積み立てた額、特定の者の費用減免など、性質の違う情報が並びます。買主が費用を負担するという点は共通でも、施行規則16条の2ではそれぞれ該当する項目を分けて確認する必要があります。月額の合計だけを答えて終わらないようにします。
例えば既積立額が示されていても、その数字から各住戸の今後の負担が必ず増えないと推論することはできません。法定の説明事項を把握することと、将来の修繕計画や資金の十分性を検討することは別です。現在の規約、現在までの積立、今後の予定の三つを区別すると、資料の時点も読み取りやすくなります。
09同じ会社が出ても、委託先と管理者の情報は別項目
管理事務の委託先として会社名が記載されている場合は、8号の確認対象を読みます。さらに2026年4月施行版の9号は、管理者等が管理組合から委託を受けて管理事務を行うマンション管理業者である場合に、その旨を説明する項目です。会社の名称を一度伝えたから、役割についての情報まで全て説明したとはいえません。
この区別では、管理会社という通称から管理者等への該当性を自動的に判断しないことが大切です。問題文に示された役割と委託関係を読み、現行の9号の条件を照合します。また、古い教材の9号を維持修繕記録として覚えている場合は、2026年版では記録が10号であることも合わせて読み直します。
10設例の契約を入れ替えて、宅建士と管理業務主任者を見分ける
一つ目の場面を、住戸を買う人に取引条件を説明する場面とします。二つ目を、管理組合が管理受託契約を締結しようとするときの説明の場面とします。どちらにも管理費や規約が登場しますが、説明対象の契約が違うので、宅建業法35条とマンション管理適正化法72条のどちらかを先に特定できます。
前者の法定説明では宅地建物取引士、後者では管理業務主任者の役割を確認します。資格名を暗記するだけでなく、誰が、誰に、どの契約について説明しているかを一文にすると取り違えを減らせます。管理会社が資料を提供することと、取引での法定説明を担うことが同じではない点も、この二場面で確認できます。
11独自確認問題で判断する
合トレ作成の独自問題3問です。判断を分ける条件を説明してください。
11.1確認問題1
問題:建物賃貸の取引でも、施行規則16条の2の全10号が、売買と同じ範囲で説明対象となる。
答え:誤り。同条は建物貸借について3号と8号を対象としています。他の条文による説明事項まで不要という意味ではありません。
11.2確認問題2
問題:区分所有建物の専有部分の用途その他の利用制限に関する規約があるとき、その内容は建物賃貸でも16条の2の対象となる。
答え:正しい。3号は建物貸借にも適用されます。住戸の使い方に関わる制限を確認します。
11.3確認問題3
問題:管理受託契約の重要事項説明を学んでいれば、宅建業法35条と適正化法72条の担当資格を区別する必要はない。
答え:誤り。取引の説明は宅地建物取引士、管理委託の説明は管理業務主任者という別の制度です。契約の対象と根拠法を先に確認します。
12関連する論点で理解を確かめる
管理委託契約の説明と費用負担の論点へ戻り、誰が誰に何の契約条件を説明しているかを言葉にして確認しましょう。
よくある質問
管理会社が重要事項説明をするのですか?
宅建業法35条の取引時の説明は宅地建物取引士が行います。管理会社から情報を得ることと、法定の説明主体・資格は分けて考えます。
賃貸でも修繕積立金の既積立額は説明対象ですか?
施行規則16条の2の6号は建物貸借の対象には含まれません。ただし他の説明義務や契約上必要な情報まで不要という意味ではありません。
規約はまだ案でも確認しますか?
条文ごとに案を含む旨が定められています。全て一律ではないため、16条の2の対象項目と文言を確認します。
既積立額が多ければ修繕費は十分ですか?
既積立額だけでは将来の必要額を確定できません。条文上の説明事項と、修繕計画の妥当性の検討を区別します。
2026年版では何を読み直しますか?
管理者等が受託管理業者である場合を扱う9号を含め、施行規則16条の2の現行10号までを確認します。維持修繕記録は10号です。
修繕の実施記録と長期修繕計画は同じ説明資料ですか?
実施済みの記録と将来の計画は時点が違います。2026年版の16条の2の10号は、維持修繕の実施状況が記録されている場合の内容を扱います。
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