区分所有法・再生
所在等不明区分所有者の除外|原則・例外と判断の手順【2026年度試験対応】
連絡が取れないことだけで議決権を削除せず、裁判所の手続により決議の母数を確定させます。所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 5問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
連絡が取れないことだけで議決権を削除せず、裁判所の手続により決議の母数を確定させます。所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09
設例を解く判断手順
条件をこの順に確認してから、各記述の正誤を判断します。
- 連絡不能の事実と裁判の有無を確認する
- 除外の対象となる決議を確認する
- 所有権や債務まで消えたと扱わない
除外の主体
所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。
確認例:郵便が戻ってきた所有者を、理事長の判断だけで当然に決議の母数から除外できる。
誤り。38条の2による裁判が必要である。連絡不能という事情だけで自動的に議決権を消す仕組みではない。
申立人
一般区分所有者又は管理者が除外の裁判を請求できる。
確認例:管理者だけでなく、所在等不明者以外の区分所有者も除外の裁判を請求できる。
正しい。38条の2第1項は双方を申立主体とする。理事長にのみ請求権があるわけではない。
裁判の効果
裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。
確認例:除外の裁判後も、その者の議決権を通常どおり決議の母数に加えなければならない。
誤り。38条の2第2項が議決権を有しないと定める。実体上の所有権が消滅するという効果ではない。
所有権との違い
除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。
確認例:所在等不明者を決議から除外する裁判が出ても、その住戸の所有権が当然に管理組合へ移るわけではない。
正しい。38条の2の効果は議決権に関するもの。売却や専有部分の管理には別の権限・手続が必要である。
裁判後の通知
区分所有者の請求で裁判があったときは、管理者へ遅滞なく通知し、管理者がなければ見やすい場所に掲示する。
確認例:一般区分所有者が除外の裁判を得た場合、管理者があってもその旨を伝える必要はない。
誤り。38条の2第3項に通知・掲示の規定がある。母数の変更を決議運営に反映させるための手続である。
滞納と除外
管理費を滞納しているという事実だけでは、所在等不明者除外制度の要件を満たさない。
確認例:住所が判明し連絡も取れる滞納者を、滞納だけを理由に38条の2で除外できる。
誤り。同条は区分所有者又は所在を知ることができない場合の制度である。滞納への制裁として使わない。
理事会だけの除外
所在等不明者の決議からの除外は裁判所の裁判による。
確認例:Aへ督促が届かないため理事会が所在不明と認定した。裁判を経ずAを38条の2に基づいて決議の母数から除外できる。
誤り。同条の制度には裁判所の裁判が必要である。郵便の不達や理事会の判断だけでは代替できない。
除外後の所有権
決議の母数からの除外と専有部分の所有権の喪失は別である。
確認例:38条の2の裁判を得たことだけで、対象住戸の所有権が管理組合へ移転するわけではない。
正しい。条文が定める効果は集会決議に関する除外である。管理命令や売却の制度へ読み替えない。
設例の結論と判断を分けた条件
同じ論点でも、判断に使う条件を取り違えると結論が変わります。問題の数字や前提はこの教材の独自設例です。
| 設例 | 記述の判定 | 判断を決めた条件 |
|---|---|---|
| 理事会だけの除外 | 誤り | 同条の制度には裁判所の裁判が必要である。郵便の不達や理事会の判断だけでは代替できない。 |
| 除外後の所有権 | 正しい | 条文が定める効果は集会決議に関する除外である。管理命令や売却の制度へ読み替えない。 |
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 建物の区分所有等に関する法律確認日:2026-09-09
所在等不明区分所有者の除外|除外の主体
所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。 確認例:郵便が戻ってきた所有者を、理事長の判断だけで当然に決議の母数から除外できる。 誤り。38条の2による裁判が必要である。連絡不能という事情だけで自動的に議決権を消す仕組みではない。
覚え方除外の主体:所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。
比較して覚える
国内管理人と裁判所の管理制度
選ぶ人と権限が異なる制度を区別します。
| 事由 | 主体・対象 | 権限や効果 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 国内管理人 | 国外の区分所有者が選任 | 通知受領・議決権行使等 | 国内に住所等を有しない又は有しなくなる区分所有者は、国内に住所等を有する管理人を選任できる。 国内管理人の法定権限には招集通知の受領と集会の議決権行使が含まれる。 |
| 所有者不明専有部分管理 | 所有者又は所在不明の専有部分につき裁判所が関与 | 権限外の処分には裁判所の許可 | 所有者又は所在を知ることができない専有部分については、裁判所による管理命令の制度がある。 所有者不明専有部分管理人が保存等の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可が必要になる。 |
| 管理不全専有部分管理 | 不適当な管理で他人の権利等を侵害する場合 | 所有者が判明していても対象になり得る | 不適当な管理により他人の権利等が侵害される場合には、管理不全専有部分の管理命令が問題となる。 |
| 所在等不明者の除外 | 裁判所による決議からの除外 | 議決権の制度。所有権は自動移転しない | 所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。 裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。 除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。 |
国内管理人
- 主体・対象
- 国外の区分所有者が選任
- 権限や効果
- 通知受領・議決権行使等
判断ポイント
国内に住所等を有しない又は有しなくなる区分所有者は、国内に住所等を有する管理人を選任できる。 国内管理人の法定権限には招集通知の受領と集会の議決権行使が含まれる。
所有者不明専有部分管理
- 主体・対象
- 所有者又は所在不明の専有部分につき裁判所が関与
- 権限や効果
- 権限外の処分には裁判所の許可
判断ポイント
所有者又は所在を知ることができない専有部分については、裁判所による管理命令の制度がある。 所有者不明専有部分管理人が保存等の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可が必要になる。
管理不全専有部分管理
- 主体・対象
- 不適当な管理で他人の権利等を侵害する場合
- 権限や効果
- 所有者が判明していても対象になり得る
判断ポイント
不適当な管理により他人の権利等が侵害される場合には、管理不全専有部分の管理命令が問題となる。
所在等不明者の除外
- 主体・対象
- 裁判所による決議からの除外
- 権限や効果
- 議決権の制度。所有権は自動移転しない
判断ポイント
所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。 裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。 除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。
01所在等不明区分所有者の除外の重要暗記項目
所在等不明区分所有者の除外|除外の主体
所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。 確認例:郵便が戻ってきた所有者を、理事長の判断だけで当然に決議の母数から除外できる。 誤り。38条の2による裁判が必要である。連絡不能という事情だけで自動的に議決権を消す仕組みではない。
覚え方除外の主体:所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。
ひっかけ注意38条の2による裁判が必要である。連絡不能という事情だけで自動的に議決権を消す仕組みではない。
所在等不明区分所有者の除外|申立人
一般区分所有者又は管理者が除外の裁判を請求できる。 確認例:管理者だけでなく、所在等不明者以外の区分所有者も除外の裁判を請求できる。 正しい。38条の2第1項は双方を申立主体とする。理事長にのみ請求権があるわけではない。
覚え方申立人:一般区分所有者又は管理者が除外の裁判を請求できる。
ひっかけ注意38条の2第1項は双方を申立主体とする。理事長にのみ請求権があるわけではない。
所在等不明区分所有者の除外|裁判の効果
裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。 確認例:除外の裁判後も、その者の議決権を通常どおり決議の母数に加えなければならない。 誤り。38条の2第2項が議決権を有しないと定める。実体上の所有権が消滅するという効果ではない。
覚え方裁判の効果:裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。
ひっかけ注意38条の2第2項が議決権を有しないと定める。実体上の所有権が消滅するという効果ではない。
所在等不明区分所有者の除外|所有権との違い
除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。 確認例:所在等不明者を決議から除外する裁判が出ても、その住戸の所有権が当然に管理組合へ移るわけではない。 正しい。38条の2の効果は議決権に関するもの。売却や専有部分の管理には別の権限・手続が必要である。
覚え方所有権との違い:除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。
ひっかけ注意38条の2の効果は議決権に関するもの。売却や専有部分の管理には別の権限・手続が必要である。
所在等不明区分所有者の除外|裁判後の通知
区分所有者の請求で裁判があったときは、管理者へ遅滞なく通知し、管理者がなければ見やすい場所に掲示する。 確認例:一般区分所有者が除外の裁判を得た場合、管理者があってもその旨を伝える必要はない。 誤り。38条の2第3項に通知・掲示の規定がある。母数の変更を決議運営に反映させるための手続である。
覚え方裁判後の通知:区分所有者の請求で裁判があったときは、管理者へ遅滞なく通知し、管理者がなければ見やすい場所に掲示する。
ひっかけ注意38条の2第3項に通知・掲示の規定がある。母数の変更を決議運営に反映させるための手続である。
所在等不明区分所有者の除外|滞納と除外
管理費を滞納しているという事実だけでは、所在等不明者除外制度の要件を満たさない。 確認例:住所が判明し連絡も取れる滞納者を、滞納だけを理由に38条の2で除外できる。 誤り。同条は区分所有者又は所在を知ることができない場合の制度である。滞納への制裁として使わない。
覚え方滞納と除外:管理費を滞納しているという事実だけでは、所在等不明者除外制度の要件を満たさない。
ひっかけ注意同条は区分所有者又は所在を知ることができない場合の制度である。滞納への制裁として使わない。
所在等不明区分所有者の除外|理事会だけの除外
所在等不明者の決議からの除外は裁判所の裁判による。 確認例:Aへ督促が届かないため理事会が所在不明と認定した。裁判を経ずAを38条の2に基づいて決議の母数から除外できる。 誤り。同条の制度には裁判所の裁判が必要である。郵便の不達や理事会の判断だけでは代替できない。
覚え方理事会だけの除外:所在等不明者の決議からの除外は裁判所の裁判による。
ひっかけ注意同条の制度には裁判所の裁判が必要である。郵便の不達や理事会の判断だけでは代替できない。
所在等不明区分所有者の除外|除外後の所有権
決議の母数からの除外と専有部分の所有権の喪失は別である。 確認例:38条の2の裁判を得たことだけで、対象住戸の所有権が管理組合へ移転するわけではない。 正しい。条文が定める効果は集会決議に関する除外である。管理命令や売却の制度へ読み替えない。
覚え方除外後の所有権:決議の母数からの除外と専有部分の所有権の喪失は別である。
ひっかけ注意条文が定める効果は集会決議に関する除外である。管理命令や売却の制度へ読み替えない。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- ひっかけ38条の2による裁判が必要である。連絡不能という事情だけで自動的に議決権を消す仕組みではない。
- ひっかけ38条の2第2項が議決権を有しないと定める。実体上の所有権が消滅するという効果ではない。
- ひっかけ38条の2第3項に通知・掲示の規定がある。母数の変更を決議運営に反映させるための手続である。
- ひっかけ同条は区分所有者又は所在を知ることができない場合の制度である。滞納への制裁として使わない。
- ひっかけ同条の制度には裁判所の裁判が必要である。郵便の不達や理事会の判断だけでは代替できない。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2一般区分所有者又は管理者が除外の裁判を請求できる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 4除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 5区分所有者の請求で裁判があったときは、管理者へ遅滞なく通知し、管理者がなければ見やすい場所に掲示する。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 6管理費を滞納しているという事実だけでは、所在等不明者除外制度の要件を満たさない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 7所在等不明者の決議からの除外は裁判所の裁判による。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 8決議の母数からの除外と専有部分の所有権の喪失は別である。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 建物の区分所有等に関する法律
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
所在等不明区分所有者の除外の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
区分所有法・再生重要度 B
所在等不明区分所有者の除外|除外の主体
郵便が戻ってきた所有者を、理事長の判断だけで当然に決議の母数から除外できる。
所在等不明区分所有者の除外の○×一問一答8問|問題と解説
この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
所在等不明区分所有者の除外|除外の主体重要度B郵便が戻ってきた所有者を、理事長の判断だけで当然に決議の母数から除外できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。38条の2による裁判が必要である。連絡不能という事情だけで自動的に議決権を消す仕組みではない。 要点:所在等不明区分所有者を除いて決議できる旨の裁判は、裁判所が行う。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問2
所在等不明区分所有者の除外|申立人重要度B管理者だけでなく、所在等不明者以外の区分所有者も除外の裁判を請求できる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。38条の2第1項は双方を申立主体とする。理事長にのみ請求権があるわけではない。 要点:一般区分所有者又は管理者が除外の裁判を請求できる。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問3
所在等不明区分所有者の除外|裁判の効果重要度B除外の裁判後も、その者の議決権を通常どおり決議の母数に加えなければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。38条の2第2項が議決権を有しないと定める。実体上の所有権が消滅するという効果ではない。 要点:裁判で所在等不明とされた者は集会における議決権を有しない。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問4
所在等不明区分所有者の除外|所有権との違い重要度B所在等不明者を決議から除外する裁判が出ても、その住戸の所有権が当然に管理組合へ移るわけではない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。38条の2の効果は議決権に関するもの。売却や専有部分の管理には別の権限・手続が必要である。 要点:除外の裁判は、所在等不明者の住戸を管理組合の所有にする制度ではない。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問5
所在等不明区分所有者の除外|裁判後の通知重要度B一般区分所有者が除外の裁判を得た場合、管理者があってもその旨を伝える必要はない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。38条の2第3項に通知・掲示の規定がある。母数の変更を決議運営に反映させるための手続である。 要点:区分所有者の請求で裁判があったときは、管理者へ遅滞なく通知し、管理者がなければ見やすい場所に掲示する。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問6
所在等不明区分所有者の除外|滞納と除外重要度B住所が判明し連絡も取れる滞納者を、滞納だけを理由に38条の2で除外できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。同条は区分所有者又は所在を知ることができない場合の制度である。滞納への制裁として使わない。 要点:管理費を滞納しているという事実だけでは、所在等不明者除外制度の要件を満たさない。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問7
所在等不明区分所有者の除外|理事会だけの除外重要度BAへ督促が届かないため理事会が所在不明と認定した。裁判を経ずAを38条の2に基づいて決議の母数から除外できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。同条の制度には裁判所の裁判が必要である。郵便の不達や理事会の判断だけでは代替できない。 要点:所在等不明者の決議からの除外は裁判所の裁判による。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
問8
所在等不明区分所有者の除外|除外後の所有権重要度B38条の2の裁判を得たことだけで、対象住戸の所有権が管理組合へ移転するわけではない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。条文が定める効果は集会決議に関する除外である。管理命令や売却の制度へ読み替えない。 要点:決議の母数からの除外と専有部分の所有権の喪失は別である。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第38条の2。
収録している全問から、分野・重要度で解く
区分所有法・再生158問、民法・登記88問、規約・管理実務80問、建物・設備118問、管理適正化法58問を収録。