科目別対策2026年度試験対応
キャリア理論の一覧と覚え方|理論家とキーワードを系統別に整理【2026年度試験対応】
2026年度試験対応の解説です。法令の適用時点と試験情報の確認日は、本文・出典の記載をご確認ください。
キャリアコンサルタントの学科試験では、理論家の名前と中心の概念を正しく組み合わせられるかが問われます。人名とカタカナの用語が多いので、一覧を上から順に覚えようとすると、似た語どうしが混ざります。この記事では、キャリアコンサルティング協議会が公表している出題範囲の系統に沿って理論を並べ、系統、理論家、キーワード、試験での問われ方の順に覚える方法を示します。
- 公開日
- 2026年11月8日
- 更新日
- 2026年11月8日
- 読了目安
- 約16分
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 情報確認日
- 2026年11月8日

先に結論
キャリア理論は、出題範囲が挙げる特性因子論、発達論・トランジション、社会的学習理論、意思決定論、精神分析的理論、動機づけ理論の6つに、近年の構成主義(サビカスなど)を加えた系統で整理すると覚えやすくなります。1つの理論は「系統→理論家→キーワード1〜2個→取り違えやすい相手」の4行で書き、似た理論は並べて違いを言えるようにします。範囲の「キャリアに関する理論」は、詳細な知識が求められる項目です。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 出題範囲は理論を6つの系統と「等」で示し、詳細な知識を求めている
- 覚える順は、系統→理論家→キーワード→試験での問われ方
- キャリア・アンカー(シャイン)とライフ・キャリア・レインボー(スーパー)など、似た語は並べて区別する
- 理論は相談者を決めつける道具ではなく、理解の仮説として使う
01結論:系統→理論家→キーワード→問われ方の順で覚える
キャリア理論は、理論家を五十音順や年代順に覚えるより、何を説明しようとした理論かという系統で束ねる方が混ざりにくくなります。出題範囲は、特性因子論、発達論・トランジション、社会的学習理論、意思決定論、精神分析的理論、動機づけ理論の6つを挙げています。
系統を決めたら、そこに理論家を置き、理論家ごとに中心のキーワードを1〜2個だけ結びます。最後に、試験でどの語と入れ替えられやすいかを書き添えます。キーワードを増やしすぎると、かえって組合せの問題で迷います。

理論の細部まで全部を覚える必要はありません。ただし、理論家と概念の組合せ、段階の数と順序、前期と後期で考え方が変わった理論の区別は、正確に覚える必要があります。
02出題範囲:「キャリアに関する理論」は詳細な知識の項目
キャリアコンサルティング協議会は、2020年度試験からの出題範囲を公表しています。学科試験の「キャリアコンサルティングを行うために必要な知識」の最初の項目が「キャリアに関する理論」で、キャリア発達理論、職業指導理論、職業選択理論等の代表的な理論の概要について、詳細な知識を有することとされています。
出題範囲は知識の程度を3つに分けています。詳細は確実に、かつ、深く知っていなければならない程度、一般的は知っていないと実務に支障が生じる程度、概略は浅く広く常識として知っておく程度です。理論は詳細の側にあるので、名前を聞いたことがあるだけでは足りず、概念の中身まで説明できる必要があります。
学科試験は四肢択一のマークシートで50問、試験時間は100分、100点満点(2点×50問)で70点以上が合格の基準です。理論の問題も1問2点で、ほかの分野と同じ重さです。
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| 範囲の項目 | 主な中身 | 求められる程度 |
|---|---|---|
| キャリアに関する理論 | キャリア発達理論・職業指導理論・職業選択理論等の代表的な理論の概要 | 詳細 |
| カウンセリングに関する理論 | 来談者中心アプローチ、精神分析的カウンセリング、論理療法、行動療法、交流分析など | 過程での役割は詳細、理論の概要は一般的 |
| 人生の転機の知識 | 初めての職業選択、転職・退職などの転機の受け止め方と対応 | 一般的 |
| 中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題 | 準備期・参入期・発展期・円熟期・引退期などの課題 | 一般的 |
この節・表の確認資料: キャリアコンサルティング協議会「2020年度試験からの出題範囲」(試験科目及びその範囲並びにその細目)(確認日 2026年11月8日)/キャリアコンサルティング協議会「試験概要」(確認日 2026年11月8日)
03系統別のキャリア理論・理論家一覧
出題範囲の6系統に、近年重視される構成主義の系統を加えて一覧にしました。構成主義は範囲の「等」に含まれる位置づけですが、労働政策研究・研修機構(JILPT)の資料シリーズNo.165も、サヴィカスのキャリア構築理論や社会構成主義を章として取り上げています。
表の「覚えるキーワード」は、試験の選択肢に出やすい語を中心に絞っています。1つの系統に理論家が複数いる場合は、同じ系統の中で違いを言えることが重要です。
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| 系統 | 主な理論家 | 中心の考え方 | 覚えるキーワード |
|---|---|---|---|
| 特性因子論(パーソナリティ) | パーソンズ、ホランド | 個人の特性と職業が求める条件を合わせる | 自己理解・職業理解・合理的推論、RIASEC、六角形 |
| 発達論・トランジション | スーパー、ギンズバーグ、シャイン、シュロスバーグ、ブリッジズ | キャリアは生涯を通じて発達し、転機を通り抜ける | ライフ・キャリア・レインボー、キャリア・アンカー、4S、終わりから始まる |
| 社会的学習理論 | バンデューラ、クランボルツ、レントら | 学習経験と自己効力感が選択を形づくる | 4つの情報源、計画された偶発性、SCCT |
| 意思決定論 | ジェラット、ヒルトン、ティードマン | どのように決めるかの過程を説明する | 予測・価値・決定基準、積極的不確実性、認知的不協和 |
| 精神分析的理論 | ロー | 幼少期の親子関係や欲求が職業の向きに影響する | 人間志向・非人間志向 |
| 動機づけ(職務満足・職業適応) | マズロー、ハーズバーグ、ヴルーム、ダウィスとロフキスト | 働く意欲、満足、職場への適応の仕組み | 欲求階層、動機づけ要因と衛生要因、期待理論、満足と充足 |
| 構成主義・ナラティブ | サビカス、ピーヴィー | 本人の語りからキャリアの意味をつくる | キャリア構築理論、キャリア・アダプタビリティ、ライフテーマ |
この節・表の確認資料: キャリアコンサルティング協議会「2020年度試験からの出題範囲」(試験科目及びその範囲並びにその細目)(確認日 2026年11月8日)/労働政策研究・研修機構「資料シリーズNo.165 職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査」(確認日 2026年11月8日)/労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.165 目次(確認日 2026年11月8日)
04特性因子論:パーソンズとホランド
特性因子論は、人にはそれぞれ測定できる特性があり、職業にもそれぞれ求められる条件があるので、両者を合わせれば適した職業が選べる、という考え方です。パーソンズは、職業選択には自分を理解すること、職業を理解すること、両者の関係を合理的に推論することの3つが必要だとしました。
ホランドは、人のパーソナリティと働く環境を、現実的(R)、研究的(I)、芸術的(A)、社会的(S)、企業的(E)、慣習的(C)の6つの型で表し、六角形に並べました。隣り合う型ほど似ていて、向かい合う型ほど遠いという配置です。人と環境の型が合っている状態を一致性と呼びます。
型の数(6つ)と六角形の配置は正確に覚える必要があります。型を5つや8つと書いた肢、向かい合う型ほど似ていると逆にした肢は誤りです。パーソンズの3つの要素とホランドの6つの型は、どちらも数で問われやすい点です。
05発達論①:スーパーのライフ・スパン/ライフ・スペース
スーパーは、職業の選択を一度きりの出来事ではなく、生涯にわたる発達の過程とみました。中心にあるのは職業的自己概念で、人は職業を通じて自分はこういう人間だという像を実現していくと考えます。
時間の軸(ライフ・スパン)では、成長・探索・確立・維持・解放(衰退)の5つの段階を示しました。役割の軸(ライフ・スペース)では、子ども、学生、余暇人、市民、労働者、家庭人などの役割が人生の時期ごとに重なり合う様子を、虹の形のライフ・キャリア・レインボーで表しました。
段階は年齢の目安と一緒に覚えます。ただし、転職や病気などで探索や確立をやり直すことがあり、スーパーはこれを段階の中の小さな循環(ミニ・サイクル)として説明しました。年齢で区切れるわけではありません。
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| 段階 | おおよその年齢 | 主な課題 |
|---|---|---|
| 成長 | 0〜14歳 | 自己概念の形成、仕事への関心の芽生え |
| 探索 | 15〜24歳 | 試行を通じた職業の絞り込みと選択 |
| 確立 | 25〜44歳 | 職業への定着と地位の確立 |
| 維持 | 45〜64歳 | 得た地位の維持と新しい課題への対応 |
| 解放(衰退) | 65歳〜 | 職業からの引退と新しい役割への移行 |
この節・表の確認資料: 労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.165 目次(確認日 2026年11月8日)
06発達論②:ギンズバーグ・エリクソン・レビンソン
ギンズバーグは、職業選択を空想期(11歳頃まで)、試行期(11〜17歳頃)、現実期(17歳頃から成人初期)の3つの時期で説明しました。当初は選択が後戻りしにくいものと考えましたが、のちに職業選択は生涯続く過程だと見直しています。
エリクソンは、人生を8つの段階に分け、段階ごとに心理社会的な危機があるとしました。青年期の課題は同一性(アイデンティティ)の確立で、成人期は世代性と停滞の対立です。レビンソンは、成人の生活は安定期と過渡期を交互にくり返すとし、40〜45歳頃の人生半ばの過渡期を重視しました。
3人とも段階を示しますが、ギンズバーグは職業選択、エリクソンは生涯の心理社会的発達、レビンソンは成人期の生活構造が対象です。何の段階かを区別します。
07組織と人生のキャリア:シャイン・ホール・ハンセン
シャインは、組織の中でのキャリアを研究しました。キャリア・アンカーは、本人がどうしても譲れない能力・動機・価値観の自己像で、専門・職能別能力、経営管理能力、自律・独立、保障・安定、起業家的創造性、奉仕・社会貢献、純粋な挑戦、生活様式の8つがあります。組織内の動きは、階層、職能、組織の中心への近さの3つの方向で表すキャリア・コーンで説明しました。
シャインは、職歴や地位のような外から見えるキャリアを外的キャリア、本人がその仕事に見いだす意味を内的キャリアと区別しました。一方、ホールは、組織に任せず本人が変化に合わせて形を変えていくプロティアン・キャリアを唱え、評価の基準を昇進ではなく本人の心理的成功に置きました。
ハンセンは、統合的人生設計(ILP)で、仕事(Labor)、学習(Learning)、余暇(Leisure)、愛(Love)の4つのLを人生の中で組み合わせる見方を示しました。シュロスバーグの4Sと字面が似ているので注意します。
08トランジション:シュロスバーグ・ブリッジズ・ニコルソン
トランジション(転機)の理論は、転職、異動、失業、退職などの節目をどう乗り越えるかを説明します。出題範囲でも「人生の転機の知識」が独立した項目になっています。
シュロスバーグは、転機を、予測していた転機、予測していなかった転機、期待していたことが起こらなかった転機の3種類に分けました。転機への対処に使える資源は、状況(Situation)、自己(Self)、支援(Support)、戦略(Strategies)の4つのSで点検します。
ブリッジズは、転機は何かが終わるところから始まるとし、終わり、ニュートラル・ゾーン、新しい始まりの3段階を示しました。ニコルソンは、新しい環境に移る過程を準備、遭遇、順応、安定化の4段階のサイクルで表しました。段階の数と最初の段階を区別します。
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| 理論家 | 転機のとらえ方 | 段階・枠組み |
|---|---|---|
| シュロスバーグ | 予測していた・予測していなかった・起こらなかった、の3種類 | 対処の資源を4S(状況・自己・支援・戦略)で点検 |
| ブリッジズ | 転機は何かが終わるところから始まる | 終わり→ニュートラル・ゾーン→新しい始まりの3段階 |
| ニコルソン | 新しい役割や環境に移る過程はくり返す | 準備→遭遇→順応→安定化の4段階のサイクル |
この節・表の確認資料: キャリアコンサルティング協議会「2020年度試験からの出題範囲」(試験科目及びその範囲並びにその細目)(確認日 2026年11月8日)/労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.165 目次(確認日 2026年11月8日)
10偶然を生かす理論:計画された偶発性とキャリア・カオス理論
クランボルツらは1999年に、計画された偶発性(プランド・ハップンスタンス)理論を示しました。キャリアの多くは予想外の出来事で形づくられるので、偶然を避けるより、偶然を起こし、生かす行動を身につける方がよいという考え方です。
偶然を生かすスキルとして、好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心の5つが挙げられます。試験では、5つのうち1つを別の語(たとえば「計画性」)に替えた肢が考えられるので、5つをそろえて覚える必要があります。
ブライトとプライアのキャリア・カオス理論も、キャリアを複雑で予測しきれないものととらえます。どちらも偶然を扱いますが、計画された偶発性は社会的学習の流れにあり、クランボルツの名前と結びつけて区別します。
11意思決定論:ジェラット・ヒルトン・ティードマン
意思決定論は、何を選ぶかより、どのように決めるかを説明する系統です。ジェラットは1962年に、情報を集めて結果を予測し、その望ましさを評価し、基準に照らして決める連続的な意思決定のモデルを示しました。予測・価値・決定基準の3つの段階で整理されます。
ジェラットは1989年に、変化が激しく先が読めない時代には合理的な手順だけでは足りないとして、積極的不確実性(ポジティブ・アンサートゥンティ)を唱えました。不確実さを受け入れ、合理的な判断と直観の両方を使う考え方です。同じ人の前期と後期で考え方が変わる点が重要です。

ヒルトンは、本人が持っている前提と入ってくる情報のずれ(認知的不協和)が許せる範囲に収まると決定に至る、と説明しました。ティードマンとオハラは、決定の過程を予期の段階(探索・結晶化・選択・明確化)と実行・適応の段階(導入・変革・統合)に分けました。
12精神分析的理論と動機づけ理論
精神分析的理論の代表はローです。ローは、幼少期の親の養育態度が子どもの欲求の向きを形づくり、人とかかわる職業(人間志向)か、物や考えを扱う職業(非人間志向)かに影響すると考え、職業を8つの群に分類しました。
動機づけの系統では、マズローの欲求階層(生理的・安全・所属と愛・承認・自己実現)、ハーズバーグの動機づけ・衛生理論、ヴルームの期待理論がよく並べられます。ハーズバーグは、達成や承認、仕事そのものなどを動機づけ要因、会社の方針、給与、対人関係、作業条件などを衛生要因とし、衛生要因を整えても不満が減るだけで満足は高まらないとしました。
職業適応の理論では、ダウィスとロフキストが、個人が職場に満足しているか(満足)と、職場が個人の働きに満足しているか(充足)の両面から適応をとらえました。一方、デシとライアンの自己決定理論は、自律性・有能感・関係性の3つの欲求が満たされると内発的な動機づけが高まると説明します。
13構成主義:サビカスのキャリア構築理論
サビカスは、スーパーの発達論を受け継ぎつつ、キャリアは本人が自分の経験に意味を与えることでつくられるという、キャリア構築理論を示しました。何が向いているか(職業パーソナリティ)、どう適応するか(キャリア・アダプタビリティ)、なぜそれを選ぶのか(ライフテーマ)の3つの見方で相談者を理解します。
キャリア・アダプタビリティは、関心(concern)、統制(control)、好奇心(curiosity)、自信(confidence)の4つの次元で表されます。スーパーのキャリア成熟の考え方を、変化への適応力として発展させたものです。面接の技法として、ロールモデルや好きな言葉、幼い頃の記憶などをたずねるキャリア構築インタビューもあります。
ピーヴィーのソシオ・ダイナミック・カウンセリングも、相談者の語りや生活空間の地図づくりを通じて意味を探る方法で、同じ構成主義の流れにあります。構成主義の理論は、ホランドの型のように人を分類するものではありません。
14取り違えやすい組合せと見分け方
組合せの問題で多い誤りは、似た形の語を別の理論家に付けることです。下の表は、混ざりやすい語を並べ、正しい組合せと見分ける手がかりをまとめたものです。
表の右の列は、語の意味から理論家を思い出すための手がかりです。字面で覚えた語は入れ替えに弱いので、何を説明する語かを一言で言えるようにする必要があります。
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| 混ざりやすい語 | 正しい組合せ | 見分ける手がかり |
|---|---|---|
| キャリア・アンカー/ライフ・キャリア・レインボー | アンカーはシャイン、レインボーはスーパー | 譲れない自己像か、役割の重なりか |
| 計画された偶発性/積極的不確実性 | 偶発性はクランボルツら、積極的不確実性はジェラット | 偶然を生かす行動か、決め方の姿勢か |
| 4S/4L | 4Sはシュロスバーグ、4Lはハンセン | Sは転機への対処の資源、Lは人生の要素 |
| 自己効力感/職業的自己概念 | 自己効力感はバンデューラ、自己概念はスーパー | できる見込みか、自分はこういう人だという像か |
| 3段階の転機/4段階の転機 | 3段階はブリッジズ、4段階はニコルソン | 終わりから始まるのがブリッジズ |
| 動機づけ要因/衛生要因 | どちらもハーズバーグ | 給与や作業条件は衛生要因 |
この節・表の確認資料: キャリアコンサルティング協議会「2020年度試験からの出題範囲」(試験科目及びその範囲並びにその細目)(確認日 2026年11月8日)/キャリアコンサルティング協議会「試験概要」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」(平成30年3月26日)(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し概要」(確認日 2026年11月8日)/労働政策研究・研修機構「資料シリーズNo.165 職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査」(確認日 2026年11月8日)/労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.165 目次(確認日 2026年11月8日)
15覚え方の手順:1つの理論を4行で書く
覚えるときは、1つの理論をノートやカードに4行で書きます。1行目に系統、2行目に理論家、3行目にキーワードを1〜2個、4行目に取り違えやすい相手を書きます。4行目があることで、似た理論と比べて覚える形になります。
語呂合わせは思い出す入口としては使えます。ただし、語呂だけで覚えると、選択肢で概念の中身を少し変えられたときに判断できません。段階の数、要素の数、前期と後期の違いは、語呂とは別に言葉で説明できるようにしておく必要があります。
復習では、理論家の名前を隠してキーワードから人名を答える、逆に人名からキーワードを答える、の両方向で確かめます。片方向だけの練習では、組合せの問題の半分にしか対応できません。
- 1行目:系統(例:発達論・トランジション)
- 2行目:理論家(例:シュロスバーグ)
- 3行目:キーワード(例:4S、3種類の転機)
- 4行目:取り違えやすい相手(例:ハンセンの4L)
16試験での問われ方:組合せ・数と順序・決めつけ
理論の問題は四肢択一で、ある理論の説明として適切なもの、または不適切なものを選ぶ形が中心です。誤りの肢は、理論家と概念の組合せを入れ替える、段階や要素の数と順序を変える、前期と後期の考え方を混ぜる、のいずれかで作られることが多くなります。
もう1つの型は、理論を相談者に当てはめて決めつける肢です。たとえば「ホランドの型が分かれば適職は1つに決まる」「スーパーの段階に年齢が合わない人は発達が遅れている」といった書き方は、理論の使い方として不適切です。理論は相談者を理解するための仮説で、本人の語りと状況に合わせて複数の見方を使います。
解くときは、肢の主語(理論家)と中心の語の組合せをまず確かめ、次に数と順序、最後に「必ず」「すべて」のような断定の強さに注意します。公式の過去問は実施団体のサイトで公開されている回があるので、組合せの問題を集めて誤りの型を分類すると効果的です。
17理論を支援へつなぐ:論述・面接でも使う
厚生労働省の「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」(平成30年3月26日公表)は、相談者や相談場面の多様化、企業でのキャリア支援、生涯にわたる学び直しへの対応を、キャリアコンサルタントの能力として拡充するよう求めました。理論の知識も、相談の場面で使える形で身につけることが前提です。
論述や面接では、理論の名前を述べることより、相談者の状況を理論で見立て、次の関わりを考えることが求められます。たとえば転職で迷う相談者なら、シュロスバーグの4Sで本人が使える支援や戦略を確かめる、といった使い方です。ただし、1つの理論に当てはめて結論を急ぐことは避けます。
学科の対策としては、系統ごとの一覧を作ったうえで、一問一答で組合せを確かめ、間違えた語を4行のカードに戻す流れをくり返します。
よくある質問
キャリアコンサルタント試験で覚えるべき理論家は何人くらいですか。
人数の決まりはありません。出題範囲は理論を、特性因子論、発達論・トランジション、社会的学習理論、意思決定論、精神分析的理論、動機づけ理論の6つの系統と「等」で示しています。系統ごとに代表的な理論家を2〜5人置き、キーワードと組で覚えるのが現実的です。
理論家はどう覚えるのが効率的ですか。
人名から覚えず、系統→理論家→キーワード1〜2個→取り違えやすい相手の4行で書きます。復習では、人名からキーワード、キーワードから人名の両方向で答えられるか確かめます。
キャリア・アンカーとライフ・キャリア・レインボーの違いは何ですか。
キャリア・アンカーはシャインの概念で、本人が譲れない能力・動機・価値観の自己像を8つに分けたものです。ライフ・キャリア・レインボーはスーパーの図で、子どもや労働者、家庭人などの役割が人生の時期ごとに重なる様子を表します。
計画された偶発性理論とは何ですか。
クランボルツらが1999年に示した理論で、キャリアは予想外の出来事に大きく影響されるので、偶然を生かす行動を身につけるべきだとします。そのためのスキルは、好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心の5つです。
社会認知的キャリア理論(SCCT)の提唱者は誰ですか。
レント、ブラウン、ハケットです。自己効力感、結果期待、個人的な目標の3つを中心に、興味・選択・遂行のつながりを説明します。自己効力感の概念はバンデューラに由来しますが、SCCTの提唱者はバンデューラではありません。
理論を相談者に当てはめてもよいですか。
理論は相談者を理解するための仮説として使います。型や段階に当てはめて結論を決めつけることは不適切で、試験でもその書き方の肢は誤りになります。本人の語りと状況に合わせて、複数の理論の見方を使い分けます。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。
- キャリアコンサルティング協議会「2020年度試験からの出題範囲」(試験科目及びその範囲並びにその細目)確認日 2026年11月8日別画面で開く
- キャリアコンサルティング協議会「試験概要」確認日 2026年11月8日別画面で開く
- 厚生労働省「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」(平成30年3月26日)確認日 2026年11月8日別画面で開く
- 厚生労働省「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し概要」確認日 2026年11月8日別画面で開く
- 労働政策研究・研修機構「資料シリーズNo.165 職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査」確認日 2026年11月8日別画面で開く
- 労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.165 目次確認日 2026年11月8日別画面で開く
09社会的学習理論:バンデューラ・クランボルツ・SCCT
バンデューラは、人は自分で経験するだけでなく、他人の行動を見て学ぶ(モデリング)と考えました。ある行動をうまくやれるという見込みを自己効力感と呼び、その源を遂行行動の達成、代理的経験、言語的説得、情動的喚起の4つとしました。
クランボルツは、この考えをキャリアの意思決定に当てはめ、選択に影響する要因として、遺伝的な特性や特別な能力、環境的な状況や出来事、学習経験、課題へのアプローチのスキルの4つを挙げました。
レント、ブラウン、ハケットの社会認知的キャリア理論(SCCT)は、自己効力感、結果期待、個人的な目標の3つを中心に、興味がどう育ち、選択や遂行にどうつながるかを説明します。自己効力感という語はバンデューラから来ていますが、SCCTの提唱者はバンデューラではありません。
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この節・表の確認資料: 労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.165 目次(確認日 2026年11月8日)