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資格・キャリア2026年版

セルフ・キャリアドックとは|導入の流れ・面談・助成金を厚労省資料で整理【2026年版】

2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。

セルフ・キャリアドックは、厚生労働省が企業に導入を勧めている、従業員のキャリア形成を支える仕組みです。人間ドックのように、節目ごとに自分のキャリアを点検する機会を会社が用意します。この記事では、厚生労働省の「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」などの公表資料と職業能力開発促進法の条文で、仕組みの中身、導入の流れ、企業内キャリアコンサルタントの役割、公的な支援の今の扱いを確かめます。

公開日
2026年11月8日
更新日
2026年11月8日
読了目安
約15分
法令基準日
2026年4月1日
情報確認日
2026年11月8日
セルフ・キャリアドックとはの記事カバー

先に結論

セルフ・キャリアドックとは、企業が人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の主体的なキャリア形成を支援する総合的な取組みと、そのための企業内の仕組みです。導入は、人材育成ビジョン・方針の明確化、実施計画の策定、企業内インフラの整備、実施、フォローアップの5段階が標準です。導入の相談は無料の支援を受けられます。一方、2026年11月8日時点の人材開発支援助成金には、セルフ・キャリアドックの制度を導入したこと自体に払うコースは見当たりません。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 面談とキャリア研修を組み合わせ、節目ごとに定期的に行う「仕組み」
  • 標準的な流れは、方針の明確化→実施計画→企業内インフラ→実施→フォローアップの5段階
  • 面談は1回45〜60分程度。個別の内容は守秘で、会社へは全体の傾向と本人が同意した事項を伝える
  • 導入の相談は無料。人材開発支援助成金は、定期的なキャリアコンサルティングの定めを要件の1つにしている

01結論:面談と研修を組み合わせた、会社の「仕組み」

セルフ・キャリアドックは、1回の面談やイベントの名前ではありません。会社が人材育成の方針を決め、入社時や一定年齢などの節目ごとに、キャリア研修とキャリアコンサルティング面談を定期的に行い、その結果を組織の改善にも生かす一連の仕組みです。

従業員にとっては、自分のキャリアを考えて仕事への意欲を高める機会になり、会社にとっては、人材の定着や組織の活性化につなげる取組みになります。厚生労働省は、従業員にも企業にもメリットがある取組みとして紹介しています。

担い手の中心はキャリアコンサルタントです。社内の有資格者が担う場合と、社外のキャリアコンサルタントに頼む場合があり、どちらの場合も個別の面談内容の守秘と、会社への報告の線引きを先に決めておく必要があります。

02定義:厚生労働省の資料が示すセルフ・キャリアドック

厚生労働省の「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」は、セルフ・キャリアドックを、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組み、また、そのための企業内の仕組みとしています。

この冊子は、平成28・29年度の導入支援事業でのモデル企業の取組みを踏まえてまとめられたものです。厚生労働省の委託事業であるキャリア形成・リスキリング支援センターの案内では、年齢や昇進などのキャリアの節目に面談や研修を行い、リスキリングの支援を含めて主体的なキャリア形成を支える取組みと説明しています。

定義で押さえる語は、人材育成ビジョン・方針に基づくこと、面談と研修の組合せ、体系的・定期的、仕組み、の4つです。希望者に一度だけ面談をする取組みは、この定義のセルフ・キャリアドックではありません。

03法律との関係:義務化されているのか

職業能力開発促進法10条の3第1号は、事業主が必要に応じて講ずる措置として、職業能力の開発及び向上の促進に係る各段階において、並びに労働者の求めに応じてキャリアコンサルティングの機会を確保することその他の援助を挙げています。同条2項は、その際にキャリアコンサルタントを有効に活用するよう配慮するものとしています。

事業主の措置としてキャリアコンサルティングの機会の確保を定めたのは、平成28年4月1日に施行された改正法です。その後、条文の書き方は改められていますが、セルフ・キャリアドックはこの措置を具体的に実践する方策と位置づけられています。ただし、条文は「促進するものとする」という書き方で、セルフ・キャリアドックという名前の制度を導入することまで定めてはいません。罰則の規定もありません。

事業主には、職業能力開発の計画の作成(11条)と職業能力開発推進者の選任(12条)の努力義務もあります。「義務化はいつから」と聞かれたら、2026年11月8日時点の条文には、セルフ・キャリアドックの実施そのものを義務づける規定は無い、と答えるのが正確です。

04目的と期待される効果:4つの典型的な課題

導入の目的は会社ごとに違いますが、どの形でも共通する効果として、従業員のキャリア意識と仕事へのモチベーションの向上、会社にとっての人材の定着と組織の活性化が挙げられています。

冊子は、特に重要な課題の例として4つを示しています。新卒採用者の離職率が高い、育児・介護休業者の職場復帰率が低い、中堅社員のモチベーションが下がっている、シニア社員の長い生涯キャリアの設計が必要、の4つです。会社が抱える課題に合わせて対象と中身を決める、という順序が重要です。

  • 新卒採用者:キャリアプランづくりの支援で、定着と仕事への意欲を高める
  • 育児・介護休業者:不安を取り除き、職場復帰のプランをつくる
  • 中堅社員:多様な能力を棚卸しし、モチベーションを保つ
  • シニア社員:これまでのキャリアを棚卸しし、目標を設定し直す

05導入の流れ:標準的な5段階

冊子が示す標準的なプロセスは5段階です。人材育成ビジョン・方針の明確化、セルフ・キャリアドック実施計画の策定、企業内インフラの整備、セルフ・キャリアドックの実施、フォローアップの順で進みます。

このプロセスは標準的なモデルで、会社の事情に応じて一部を統合・簡略化したり、追加・細分化したりしても差し支えないとされています。ただし、どの形でも、実施の結果を振り返って次の計画に戻す点は共通です。キャリア形成・リスキリング支援センターの案内は、ビジョン・方針の明確化、実施計画策定・インフラの整備、事前準備、実施の4ステップで示し、実施の結果を振り返って最初に戻る循環として描いています。

セルフ・キャリアドックの標準的な5段階を左から右へ並べた図。経営者が育成方針を宣言する、対象者と時期を決める実施計画、責任者・規定・共有ルールを整える社内の整備、研修の後に45〜60分の面談を行う、報告と改善をくり返すフォローアップ
図解中心は研修と面談ですが、その前の方針・計画・社内の整備と、後のフォローアップまでが1つの仕組みです。拡大して見る ↗

表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。

セルフ・キャリアドックの標準的なプロセス
段階主な中身
1 人材育成ビジョン・方針の明確化経営者のコミットメント、ビジョン・方針の策定、社内への周知
2 実施計画の策定実施計画の策定、面談シートなどのツールの整備、進捗管理などプロセスの整備
3 企業内インフラの整備責任者の決定、社内規定の整備、キャリアコンサルタントの育成・確保、情報共有化のルール、社内の意識醸成
4 実施対象従業員向けの説明会、キャリア研修、キャリアコンサルティング面談、振り返り
5 フォローアップ結果の報告、個々の従業員へのフォローアップ、組織的な改善措置、継続的改善

この節・表の確認資料: 厚生労働省「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」(確認日 2026年11月8日)/キャリア形成・リスキリング支援センター(厚生労働省委託事業)「セルフ・キャリアドックとは」(確認日 2026年11月8日)

06①人材育成ビジョン・方針の明確化:経営者が宣言する

最初の段階では、経営者が、キャリアコンサルティングの機会の確保をセルフ・キャリアドックという仕組みで具体化することを、全従業員に向けて示します。冊子は、このコミットメントが組織全体で推進する前提になると同時に、法律が定める措置を果たすうえでも必要だとしています。

人材育成ビジョン・方針は、経営理念を実現するために従業員に期待する人材像と、そのための育成方針を明らかにするものです。業界の環境と自社の人材の実態を把握し、あるべき人材像とのずれから課題を決めます。方針は導入時に一度知らせれば足りるわけではありません。各段階で繰り返し浸透させることが望ましいとされています。

07②実施計画:対象者と時期を決める

実施計画では、キャリア研修とキャリアコンサルティング面談を、誰に、いつ、どの頻度で行うかを決めます。冊子は、キャリアの観点で同じ属性の対象者ごとに実施するのが有効だとしています。

対象の決め方には、一定の段階ごとに定期的に行う形と、特定の条件にある従業員を支援する形の2つがあります。面談の時期は、新入社員なら入社時研修に合わせて、中高年ならキャリア研修の直後に、といった組み方が例示されています。組織全体を対象にする全員面談では、十分な人数のキャリアコンサルタントを確保する必要があります。

計画と一緒に、面談の準備シート、会社への全体報告書の様式、実施後のアンケートを用意します。冊子の付録には、それぞれの一般的な例が載っています。

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対象者と時期の例(「導入の方針と展開」による)
実施の形対象者の例ねらい
一定の段階ごとに定期的に入社時、一定年数(5年、10年等)、一定年齢(35歳、45歳、55歳等)キャリアプランの策定・見直しを促す
特定の条件にある従業員に入社直後〜数年の若手定着の促進
特定の条件にある従業員に育児・介護休業からの復帰者復帰と定着
特定の条件にある従業員に期待や役割が変わる中堅社員キャリアの再構築と活性化
特定の条件にある従業員にシニア層職務・責任の変化や新しい環境への適応

この節・表の確認資料: 厚生労働省「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」(確認日 2026年11月8日)

08③企業内インフラ:責任者・社内規定・情報共有のルール

インフラの整備では、まず推進の責任者を決めます。責任者はキャリアコンサルタントを統括する立場で、人材育成について社内に影響力を持つことが重要なので、人事部門に限らず幅広い役職から選ぶことも考えるよう勧められています。

次に、セルフ・キャリアドックを社内の制度として就業規則や社内通達で定め、従業員に示します。従業員が少なく直接伝えられる会社では、規定の形式にこだわらない方法も考えられるとされています。冊子の付録には就業規則の制定例があります。

面談で得た情報を人事部門や産業医などとどう共有するかのルールも、この段階で決める必要があります。現場の管理職に目的を理解してもらうことも重要で、冊子は「転職・離職を促してしまうのではないか」といった管理職の疑問に答えを用意しておくよう求めています。

09④実施:キャリア研修とキャリアコンサルティング面談

実施の段階では、対象者への説明会のあと、キャリア研修とキャリアコンサルティング面談を行います。研修は集合形式で多くの従業員に効率よく考える機会を提供し、面談は一対一で個々の課題を整理します。

冊子は、1回の面談の時間を概ね45〜60分程度としています。それより長いと、面談の効果が下がるうえ、所属部署の業務にも影響が出るおそれがあるためです。場所は、音が漏れない社内の会議室などを用意する必要があります。

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キャリア研修とキャリアコンサルティング面談の違い
項目キャリア研修キャリアコンサルティング面談
形式集合形式。グループワークを交えると効果的従業員とキャリアコンサルタントの一対一
主な中身経験と能力の棚卸し、キャリア目標・アクションプランの作成大切にしていること、求められる役割の確認、キャリアビジョンと行動プランの策定
時間の目安会社の計画による1回45〜60分程度
順序面談に先立って行う研修で見えた課題を踏まえて行う

この節・表の確認資料: 厚生労働省「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「セルフ・キャリアドックで会社を元気にしましょう!」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省 リーフレット「セルフ・キャリアドックとは」(確認日 2026年11月8日)

10人事評価の面談との違い

冊子は、上司などが人事評価・考課を目的に行う定期面談や業績評価面談と区別するため、あえて「キャリアコンサルティング面談」という言葉を使っています。キャリアコンサルティング面談は、キャリア理論などの専門的な知見に基づき、従業員の心理的な自己洞察を促して、キャリア形成についての認識を深めるための面談です。

時間の都合で人事考課の面談に合わせて行う場合や、上司が行う場合でも、日常の仕事の課題の把握やフィードバックとは違うものとして、キャリア形成の観点とねらいを本人に明確に伝える必要があります。評価の基準で話を進める面談をセルフ・キャリアドックの面談と呼ぶことはできません。

キャリアコンサルティング面談と人事評価の面談を並べた比較図。キャリアコンサルティング面談はキャリア形成が目的で、キャリアコンサルタント等が担い、キャリア理論等を拠り所に自己洞察を促す。人事評価の面談は人事評価・考課が目的で、上司などが担い、評価の基準を拠り所に仕事の課題を把握する
図解同じ「面談」でも、目的と拠り所が違います。人事評価の場で行うときも、キャリア形成のねらいを本人に伝えます。拡大して見る ↗

11守秘と報告:個別の内容は会社へ伝えない

キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法30条の27第2項により、業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならず、キャリアコンサルタントでなくなった後も同じです。冊子も、個別の面談内容は守秘義務の対象になるとしています。

一方で、面談で分かった組織全体の課題の傾向や、本人の同意に基づいて会社へ伝えるべき事項は、原則として報告の対象になります。そのため、報告書を作ることについては面談の前に同意を得て、面談の後に具体的な報告内容について同意を得ます。同意は書面で取ることが勧められています。

例外もあります。生命や安全にかかわる内容は、緊急の場合は本人の同意を前提にせず会社に伝えます。法令違反やハラスメントのように会社が組織として対応すべき内容は、原則として本人の同意を得たうえで伝えます。

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面談で得た情報の扱い
情報伝える先条件
個別の面談内容伝えない(守秘)職業能力開発促進法30条の27第2項
個別報告書キャリアコンサルタントの間の共有・スーパービジョン面談の前と後に本人の同意
全体報告書人事部門個人が特定されないよう配慮し、全体の傾向と組織の課題、解決策の提案を書く
生命・安全にかかわる内容会社緊急の場合は本人の同意を前提にしない
法令違反・ハラスメント会社原則として本人の同意を得て伝える

この節・表の確認資料: 厚生労働省「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」(確認日 2026年11月8日)/e-Gov法令検索「職業能力開発促進法」(確認日 2026年11月8日)

12⑤フォローアップ:結果を組織の改善につなげる

フォローアップでは、キャリアコンサルタントが全体報告書で、対象者全体のキャリア意識の傾向、組織の課題、その解決策の提案を報告します。会社は、組織として対応すべき課題には経営者などのリーダーシップで措置を講じ、本人が同意した範囲で伝えられた個別の課題には、上司などから支援します。

精神保健上の問題が認められた場合は、社内の担当者や産業医、産業保健総合支援センターなどの外部の専門機関への紹介を考えます。仕組みそのものも、対象者や上司へのアンケートなどで変化を定期的に確かめ、進め方を見直す必要があります。

13企業内キャリアコンサルタントの役割と社外の活用

担い手は、資格を持つ従業員である社内キャリアコンサルタントと、社外キャリアコンサルタントの2種類です。どちらも、国家資格のキャリアコンサルタントか、キャリアコンサルティング技能検定(1級・2級)のいずれかを持つことが原則として必須の要件とされています。

社内に有資格者がいない場合は、人事部門での勤務経験が長く、相談経験が豊富で信頼の厚い人が、事前の研修などを受けて役割を果たすことは可能です。ただし、その人にも資格の取得を目指して学ぶことが法律の趣旨として求められています。社外のキャリアコンサルタントに頼む場合は、経営の目的や人材育成のビジョン、現状の課題を事前に十分に共有し、定期的に打合せをする必要があります。

企業内キャリアコンサルタントの仕事は、研修と面談だけではありません。全体報告書をまとめ、人事部門と協力して組織への働きかけにつなげること、スーパービジョンや事例研究で面談の質を上げることも役割に含まれます。

14公的な支援:無料の導入支援と人材開発支援助成金

導入を考える会社は、厚生労働省の委託事業であるキャリア形成・リスキリング支援センターの支援を無料で受けられます。導入から導入後までの相談支援と、対象者向けのガイダンスセミナーと面談を行う試行的な導入支援があります。令和8年10月改訂の「人材開発支援策」のご案内も、この相談支援を紹介しています。

助成金は、名前と中身を分けて確かめる必要があります。平成29年度の「人材開発支援助成金 制度導入活用マニュアル」では、セルフ・キャリアドック制度の導入が助成の対象でした。しかし、令和8年8月3日版の人材開発支援助成金の案内に並ぶ6つのコースには、セルフ・キャリアドックの制度を導入したこと自体に払うコースはありません。

今の人材開発支援助成金では、人材育成支援コースの人材育成訓練などで、定期的なキャリアコンサルティングの機会の確保を労働協約・就業規則・事業内職業能力開発計画のいずれかに定めることが要件の1つです。セルフ・キャリアドックの規定を整えることは、この要件を満たす準備にもなります。申請の前に、最新の要領と管轄の労働局で条件を確認してください。

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セルフ・キャリアドックにかかわる公的な支援(2026年11月8日確認)
支援中身条件・注意
キャリア形成・リスキリング支援センター導入から導入後までの相談支援、試行的な導入支援(ガイダンスセミナーと面談)企業・団体向けで無料
人材開発支援助成金(人材育成支援コースなど)訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部を助成定期的なキャリアコンサルティングの機会の確保を、対象時期を明記して定める(例:入社から3年ごと)。費用は事業主が全額負担。実施者はキャリアコンサルタントに限らない
訓練に位置付けたキャリアコンサルティングの費用職業訓練実施計画にあらかじめ位置付け、キャリアコンサルタントが行ったもの実訓練時間に算入し、1時間あたり3万円を上限に経費の助成対象(人材育成支援コースの要領)
セルフ・キャリアドック制度の導入への助成平成29年度のマニュアルでは助成の対象令和8年8月3日版の6つのコースには見当たらない

この節・表の確認資料: キャリア形成・リスキリング支援センター(厚生労働省委託事業)「セルフ・キャリアドックとは」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「人材開発支援策」のご案内(令和8年10月改訂)(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」(令和8年8月3日)(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「人材開発支援助成金 支給要領(人材育成支援コース)」(R8.8.3)(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「人材開発支援助成金 制度導入活用マニュアル」(平成29年度)(確認日 2026年11月8日)

15試験での問われ方:受験生が押さえる点

キャリアコンサルタント試験の出題範囲(2020年度試験から)は、「企業におけるキャリア形成支援の知識」で、セルフ・キャリアドックをはじめとした企業内のキャリア形成にかかわる支援制度と、人事部門などとの協業や組織内の報告の必要性について、一般的な知識を求めています。

背景には、厚生労働省が平成30年3月に公表した能力要件の見直しがあります。見直しでは、セルフ・キャリアドックなど企業でのキャリア支援の知識・技能を拡充し、養成講習の時間数を140時間から150時間程度(うち演習は60時間から70時間程度)に増やす方針が示されました。

試験では、定義の一部を変えた肢が出ると考えて準備します。誤りの典型と正しい理解を表にしました。とくに、人事評価面談との区別と、守秘と報告の線引きは必ず押さえます。

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誤りの言い方と正しい理解
誤りの言い方正しい理解
希望者に一度だけ面談をすればセルフ・キャリアドックになる人材育成ビジョン・方針に基づき、体系的・定期的に行う仕組み
人事評価面談と同じ制度である人事評価・考課を目的とする面談とは区別する
面談の内容はすべて人事部門に報告する個別の内容は守秘。全体の傾向と本人が同意した事項を報告する
面談だけ行えば足りるキャリア研修などと組み合わせ、フォローアップまで含む
担い手は資格の有無を問わない国家資格か技能検定(1級・2級)の保有が原則として必須

この節・表の確認資料: 厚生労働省「『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」(確認日 2026年11月8日)/キャリアコンサルティング協議会「2020年度試験からの出題範囲」(確認日 2026年11月8日)/厚生労働省「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し概要」(確認日 2026年11月8日)

16これからすること:人事担当と受験生それぞれ

人事担当の人は、まず自社の課題を1つに絞り、その対象者に向けた研修と面談の小さな試行から始めると進めやすくなります。試行の前に、責任者、守秘と報告のルール、本人の同意の取り方を決めておく必要があります。相談はキャリア形成・リスキリング支援センターに無料でできます。

受験生は、定義の4つの語、5段階のプロセス、面談の45〜60分、守秘と報告の線引き、人事評価面談との違いを、自分の言葉で説明できるようにします。ジョブ・カードを使う面談とのつながりも合わせて確かめておくと、制度の問題に強くなります。毎日の演習で、制度の問題を少しずつ解いておきます。

よくある質問

セルフ・キャリアドックとは簡単に言うと何ですか。

会社が人材育成の方針に基づき、入社時や一定年齢などの節目ごとに、キャリア研修とキャリアコンサルティング面談を定期的に行って、従業員の主体的なキャリア形成を支える仕組みです。人間ドックのように、キャリアを定期的に点検する機会を会社が用意します。

セルフ・キャリアドックは義務化されていますか。

2026年11月8日時点の職業能力開発促進法に、セルフ・キャリアドックの実施そのものを義務づける規定はありません。10条の3は、事業主が必要に応じて講ずる措置としてキャリアコンサルティングの機会の確保などを定めていて、セルフ・キャリアドックはこれを具体化する方策と位置づけられています。

セルフ・キャリアドックは廃止されたのですか。

取組み自体は廃止されていません。厚生労働省の委託事業が導入支援を続けていて、令和8年10月改訂の「人材開発支援策」のご案内でも紹介されています。かつて助成の対象だったセルフ・キャリアドック制度の導入への助成は、令和8年8月3日版の人材開発支援助成金のコースには見当たりません。

セルフ・キャリアドックに使える助成金はありますか。

制度の導入そのものに払う助成コースは、今の人材開発支援助成金の案内には見当たりません。人材育成支援コースなどでは、定期的なキャリアコンサルティングの機会の確保を就業規則などに定めることが要件の1つで、訓練に位置付けたキャリアコンサルティングの費用は1時間あたり3万円を上限に助成対象になります。最新の要領で確認してください。

面談は1回どれくらいの時間ですか。

厚生労働省の「導入の方針と展開」は、概ね45〜60分程度としています。それより長いと面談の効果が下がり、所属部署の業務にも影響が出るおそれがあるとしています。

面談の内容は会社に伝わりますか。

個別の面談内容は守秘義務の対象で、原則として会社には伝えません。会社へは、個人が特定されないようにした全体の傾向や組織の課題と、本人が同意した事項を報告します。生命や安全にかかわる緊急の場合は、本人の同意を前提にせず伝えることがあります。

確認した公的情報

この記事の参照元

法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。