第33回(2026年11月)試験対応2026年4月1日法令基準情報の正確さへの取り組み

相談実務・倫理

キャリアコンサルタントの守秘義務|例外・退職後・信用失墜行為との違い【2026年度試験対応】

守秘義務はいつまで続くのか、会社への報告や危険時の連携をどう考えるのか。職業能力開発促進法と倫理綱領を分け、具体例と比較表で解説します。

要点 8件・基本問題 8・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

法令基準日
2026-04-01
最終確認日
2026-08-09
確認
合トレ編集部・一次資料監査
キャリアコンサルタントの守秘義務|例外・退職後・信用失墜行為との違いのイメージ

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2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

キャリアコンサルタントは、業務で知った秘密を漏らしたり盗用したりしてはならず、資格を失った後もこの義務は続きます。信用失墜行為の禁止とは対象が異なり、情報共有には目的・相手・範囲を慎重に確認する必要があります。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-10

法律上の二つの義務を分けて覚える

職業能力開発促進法30条の27は、信用を傷つける行為の禁止と、業務上知り得た秘密の保護を定めています。守秘義務は秘密の漏えいだけでなく、秘密を自分の利益などに流用する盗用も対象です。

相談業務の契約が終わった場合と、法律上の義務が終わる場合を混同しないことが重要です。資格者でなくなった後も守秘義務は残ります。

法律上の二つの義務を分けて覚える
義務確認する対象学習上の注意
信用失墜行為の禁止資格者としての信用を傷つける行為秘密の漏えいだけに限定しない
守秘義務業務に関して知った秘密の漏えい・盗用資格を失った後も続く

根拠:職業能力開発促進法厚生労働省:職業能力開発促進法30条の27

費用を払う会社には何でも報告してよいか

守秘義務の四つの確認点です。退職後も義務は続き、共有は必要最小限にします。身体・生命の危険などの例外は本文で確認します。

守秘義務の四つの確認点です。退職後も義務は続き、共有は必要最小限にします。身体・生命の危険などの例外は本文で確認します。

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企業が面談費用を負担していても、相談内容を無条件にすべて渡してよいことにはなりません。開始前に、個人の相談記録と組織への報告をどう分けるか、何を誰に伝えるかを説明します。

編集部の設例として、上司から「転職を考えている社員の名前を教えて」と求められた場面を考えます。依頼元の要望だけを根拠に提供せず、相談時の合意、法令・倫理、共有の必要性と範囲を確認します。組織課題は個人を特定しない形で報告できるかも検討します。

根拠:キャリアコンサルタント倫理綱領(2024年1月1日改正)職業能力開発促進法

守秘義務の例外と、必要最小限の連携

倫理綱領5条は、相談者の身体・生命の危険が察知される場合や法律に定めがある場合などを、守秘義務の例外として示しています。また、9条は相談者への説明と同意、組織への報告範囲の合意を求めています。例外があることは、支援に役立ちそうなら自由に情報共有できるという意味ではありません。

危険が切迫する場面では、安全確保と適切な機関への連携を優先する必要があります。通常の支援では目的と共有内容を説明して理解を得ます。具体的な対応は危険の程度、法令、組織の手順を踏まえ、専門職と判断します。

根拠:キャリアコンサルタント倫理綱領(2024年1月1日改正)

事例検討・スーパービジョンでも秘密を守る

氏名だけを削除しても、勤務先・役職・地域・出来事の時期を組み合わせると本人が分かることがあります。誰にどの資料を見せるのかを明確にし、相談者の承諾と適切な匿名化を確認します。

専門職同士の学習の場も、守秘とプライバシー保護が不要になる場所ではありません。録音・オンライン面談・記録保管についても、利用目的、閲覧権限、保存方法を確認します。

根拠:キャリアコンサルタント倫理綱領(2024年1月1日改正)

正誤問題は「いつまで・何を・誰へ」で確認する

「退職したので守秘義務はない」「漏えいは禁じるが盗用は許される」「費用負担者には常に全件報告する」といった記述は、対象や条件を落としています。条文と倫理綱領を同じものと扱わず、それぞれの根拠を確かめます。

守秘の原則を押さえたうえで、具体的な危険や法令上の条件を検討します。「例外は絶対にない」とする極端な記述にも注意します。

根拠:職業能力開発促進法キャリアコンサルタント倫理綱領(2024年1月1日改正)

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 キャリアコンサルタントが業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務は、登録を失った後には適用されない。

    根拠:資料1資料2

  2. 2 相談者の身体・生命に具体的な危険が察知される場合でも、守秘義務を理由に、関係機関との連携を一切検討してはならない。

    根拠:資料1資料2

  3. 3 スーパービジョンで専門家だけに事例を提示する場合、相談者や関係者が特定される内容でも、相談者の承諾や匿名化への配慮は不要である。

    根拠:資料1資料2

この解説の一次資料

守秘と信用。信用を傷つける行為は禁止。秘密の漏えい・盗用は禁止。登録がなくなった後も守秘。生命・身体の危険などの例外は、必要最小限の情報で適切に対応。
図で覚える

生命・身体の危険などの例外は、必要最小限の情報で適切に対応。

最重要ポイント

信用失墜行為の禁止

キャリアコンサルタントは、その信用を傷つけ、又はキャリアコンサルタント全体の不名誉となる行為をしてはならない。違反時は登録取消し又は期間を定めた名称使用停止の対象になり得る。

覚え方自分の信用も、資格全体の名誉も守る

01信用失墜行為の禁止と守秘義務の重要暗記項目

01
重要度 S

信用失墜行為の禁止

キャリアコンサルタントは、その信用を傷つけ、又はキャリアコンサルタント全体の不名誉となる行為をしてはならない。違反時は登録取消し又は期間を定めた名称使用停止の対象になり得る。

覚え方自分の信用も、資格全体の名誉も守る

ひっかけ注意業務中の行為だけに限定されると安易に狭めない。条文は信用・全体の不名誉を基準にする。

02
重要度 S

守秘義務は登録終了後も続く

業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。この義務はキャリアコンサルタントでなくなった後も続く。秘密漏えいだけでなく盗用も明文で禁止される。

覚え方漏らさない・盗らない・辞めても続く

ひっかけ注意退会・更新切れ・廃業で守秘義務が終わるとする誤り。

03
重要度 S

守秘義務の範囲と例外

倫理綱領は、身体・生命の危険が察知される場合や法律に定めがある場合等を守秘義務の例外として示す。 例外だから無制限に共有してよいわけではない。危険の程度、法令、組織手順を確認し、必要最小限の情報を適切な相手へ共有する。緊急時は安全確保を優先する。

覚え方守秘が原則、生命・身体の危険は安全を検討

ひっかけ注意『例外は一切ない』も『支援に役立てば自由に共有できる』も極端で誤り。

04
重要度 S

自己の専門性を超える依頼

倫理綱領は、自己の専門性の範囲を自覚し、その範囲又は能力を超える業務を引き受けないよう求める。 相談者の利益のため、医療・法律・福祉等の専門支援が必要なら、説明と同意を得て適切な機関へつなぎ、必要に応じて連携する。抱え込むことは誠実さではない。

覚え方限界を知り、抱えず、適切につなぐ

ひっかけ注意リファーは見捨てる行為、資格者なら全領域に対応できる、とする誤り。

05
重要度 S

面談開始前の説明と同意

面談開始前に、支援の目的・範囲、守秘義務とその例外、記録・情報共有、費用など必要な事項を説明し、相談者の同意を得る。倫理綱領の説明責任を踏まえ、書面又は口頭で理解できるように伝える。同意は一度の署名だけで済ませず、条件が変われば説明し直す。

覚え方目的・範囲・守秘を説明して同意

ひっかけ注意専門家へ依頼した時点で包括的に同意したものとみなし、説明を省略する肢。

06
重要度 S

組織依頼時の報告範囲

業務目的、組織への報告範囲、相談内容の守秘義務の取扱い等を組織側と事前に合意し、相談者にも説明する必要がある。 依頼主と相談者が異なる三者関係では、誰に何を報告するかを曖昧にしない。個人を特定しない集計報告と個別内容の共有も区別する。

覚え方組織依頼は目的・報告範囲・守秘を先に合意

ひっかけ注意費用負担者には無条件で全情報を渡せる、という誤り。

07
重要度 A

スーパービジョンと事例公表

倫理綱領は、スーパービジョンや事例・研究の公表に際し、相談者の承諾を得て、秘密・個人情報・プライバシーを保護する適切な措置を求める。 氏名を消すだけでなく、勤務先、地域、時期、家族構成などの組合せから再特定されないか検討する。学習目的でも本人の不利益防止が優先される。

覚え方事例は承諾+再特定防止

ひっかけ注意専門職同士の閉じた場なら無断共有してよい、とする誤り。

08
重要度 A

アセスメントの適正利用

倫理綱領は、訓練を受けた範囲内でアセスメントの各手法を実施するよう求める。 実施条件、標準化、適用対象、限界を理解し、結果を断定せず対話の材料にする。必要な訓練がない場合は、習得するか適切な専門家へつなぐ。

覚え方検査は訓練範囲内、結果は対話の材料

ひっかけ注意購入できることと専門的に実施できることを同一視する肢。

相談実務・倫理の暗記表をすべて見る →

覚える数字と、狙われる引っかけ

  • ひっかけ守秘義務は登録の有効期間中だけとする
  • ひっかけ秘密の漏えいだけが禁止され、盗用は禁止されないとする

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    秘密を漏らすことと盗用することの双方が禁止されること

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    守秘義務は登録終了後も続くこと

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    義務違反に対する取消し・名称使用停止

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026-04-01
復習方法
要点を確認した後、オリジナル○×問題で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

信用失墜行為の禁止と守秘義務の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

相談実務・倫理重要度 S

守秘義務は登録終了後も続く

キャリアコンサルタントが業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務は、登録を失った後には適用されない。

信用失墜行為の禁止と守秘義務オリジナル○×問題9問|問題と解説

この論点で収録している9問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    守秘義務は登録終了後も続く重要度S

    キャリアコンサルタントが業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務は、登録を失った後には適用されない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。職業能力開発促進法30条の27第2項は、キャリアコンサルタントでなくなった後も同様に守秘義務を負うと定める。

  2. 2

    守秘義務の範囲と例外重要度S

    相談者の身体・生命に具体的な危険が察知される場合でも、守秘義務を理由に、関係機関との連携を一切検討してはならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。倫理綱領は、身体・生命の危険が察知される場合や法律に定めがある場合等を守秘義務の例外として示す。

  3. 3

    自己の専門性を超える依頼重要度S

    相談者との信頼関係を維持するためには、キャリアコンサルタントは自己の専門性や能力を超える依頼であっても単独で引き受け続けるべきである。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。倫理綱領は、自己の専門性の範囲を自覚し、その範囲又は能力を超える業務を引き受けないよう求める。

  4. 4

    面談開始前の説明と同意重要度S

    キャリアコンサルティングでは、目的・支援範囲・守秘義務とその範囲などを相談者へ説明し、同意を得た上で職責を果たす。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。倫理綱領の説明責任に関する規定であり、書面又は口頭で必要事項を分かるように伝える。

  5. 5

    組織依頼時の報告範囲重要度S

    組織から依頼を受けて面談する場合、組織が費用を負担している以上、個別の相談内容は事前説明なしに全て組織へ報告してよい。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。業務目的、組織への報告範囲、相談内容の守秘義務の取扱い等を組織側と事前に合意し、相談者にも説明する必要がある。

  6. 6

    スーパービジョンと事例公表重要度A

    スーパービジョンで専門家だけに事例を提示する場合、相談者や関係者が特定される内容でも、相談者の承諾や匿名化への配慮は不要である。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。倫理綱領は、スーパービジョンや事例・研究の公表に際し、相談者の承諾を得て、秘密・個人情報・プライバシーを保護する適切な措置を求める。

  7. 7

    アセスメントの適正利用重要度A

    市販されているアセスメント手法であれば、訓練を受けたことがないキャリアコンサルタントでも、相談者の利益のため自由に実施・解釈できる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。倫理綱領は、訓練を受けた範囲内でアセスメントの各手法を実施するよう求める。

  8. 8

    多重関係への配慮重要度A

    社内キャリアコンサルタントが相談者の直属上司でもある場合、自身の立場を説明せずに面談しても、善意であれば相談者の利益は自動的に守られる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。倫理綱領は多重関係を避けるよう努め、組織内支援では相談者と組織に自身の立場を明確にし、相談者の利益を守る最大限の努力を求める。

  9. 9

    環境問題・利益相反への対応重要度A

    組織との契約下で、相談者個人への支援だけでは解決できない環境問題を発見した場合、相談者の了解を得た上で、組織への報告・指摘・改善提案等の調整に努める。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。倫理綱領は、環境上の問題や相談者と組織の利益相反を発見した場合の調整を定めている。

次の学習

信用失墜行為の禁止と守秘義務の問題を続けて解く

この論点に対応する9問を絞り込んで出題します。

オリジナル○×問題