管理実務
賃貸管理のクレーム対応|騒音・漏水の初動と記録・報告の基本【2026年度試験対応】
賃貸管理の苦情対応を、受付・事実確認・対応・報告の順で整理します。騒音と漏水の具体例、無断の約束を避ける理由、オーナーへの定期報告まで、賃貸不動産経営管理士の2026年度試験向けに解説します。
要点 3件・基本問題 3問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
- 法令基準日
- 2026-04-01
- 最終確認日
- 2026-08-15
- 確認
- chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15

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2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
賃貸管理のクレーム対応では、まず緊急性を確認し、申告内容と確認できた事実を分けて記録します。その上で管理受託契約の範囲と対応権限を確かめ、関係者への連絡、対応結果の記録、オーナーへの報告まで行います。入居者からの苦情の発生・対応状況は、法令に基づく定期報告の対象です。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09
最初に確認するのは緊急性と困っている内容
電話を受けたら、申告者、物件・部屋、発生日時、場所、現在の状況、求めている対応、折り返し先を確認します。これは一律の法定書式ではなく、管理業務を適切に行い、後から対応を説明できるようにするための実務上の整理です。
漏水や設備の異常では、被害が広がっているか、人の安全に関わるかを先に確かめます。通常の確認・修繕と、緊急時の措置を区別し、管理受託契約に定めた連絡先や判断権限に従います。現場を見ていない段階で原因や賠償責任を断定しません。
受付から完了までの流れを表で整理

受付から記録・報告までの実務上の流れです。緊急性や管理受託契約の権限に応じて対応します。
図を大きく見る苦情を聞いて終わりにせず、次に何を確認し、誰がいつ連絡するかを決めます。担当者が交代しても事情が伝わる記録があれば、同じ説明を入居者に繰り返してもらう負担も減ります。
対応を急ぐ場合でも、貸主の承諾が必要な費用や権限まで管理会社だけで決められるとは限りません。報酬減額、家賃免除、損害賠償などの約束は、受付担当者がその場で確定する内容と分けて管理します。
| 段階 | 行うこと | 残す情報 |
|---|---|---|
| 受付 | 緊急性と申告内容を確認 | 日時、連絡先、申告者の説明 |
| 調査 | 現場・関係者・契約を確認 | 客観的な状況、未確認事項 |
| 対応 | 権限に応じた措置・連絡 | 担当者、内容、費用、期限 |
| 完了・報告 | 結果を確認し共有 | 結果、未解決点、再発時の連絡先 |
騒音の相談では申告と原因を分ける
「上の部屋が夜中にうるさい」という相談でも、音源がその部屋とは限りません。時間帯、継続時間、音の種類、聞こえる場所を具体的に聞き、管理会社が確認した事実と申告者の推測を分けて記録します。
いきなり特定の入居者を加害者と決めつけたり、相談者の氏名を必要なく伝えたりしないことが大切です。契約上の使用ルールの周知や状況確認を進め、当事者の要求が対立する場合には担当者だけで解決できる範囲を見極めます。個人情報は利用目的と必要な範囲に沿って取り扱います。
漏水では応急対応と費用負担の確定を分ける
漏水の初動では、被害拡大を抑えるための現場確認や専門業者への連絡が必要になることがあります。緊急時の権限やオーナーへの連絡方法を、普段から管理受託契約で確認しておきます。
例えば、天井から水が落ちていることは確認できても、上階の使い方、共用配管、専有部分の設備のどこに原因があるかは未確定です。写真、作業記録、調査結果を残してから修繕費等の負担を検討します。保険への連絡をしただけで、保険金の支払いが確定するわけでもありません。
苦情対応は定期報告に含める
管理業務として受けた苦情の発生・対応状況は、オーナーへの定期報告の対象です。「入居者との間で解決したので報告には一切記載しない」という処理をしないよう、受付記録と報告を結び付けます。定期報告を待てない重要な事態は、契約に沿って速やかに連絡します。
令和7年度問25では、苦情への対応状況が定期報告の対象になるかが問われました。2026年度試験対応の復習では、「受付」「緊急措置」「権限」「報告」のどの段階を問う選択肢かを読み分けてください。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和7年度 問25
入居者からの苦情への対応状況が、委託者への定期報告に含まれるかが問われた。
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 国土交通省:賃貸住宅標準管理受託契約書確認日:2026-09-09
- 国土交通省:管理業者の業務確認日:2026-09-09
- 個人情報保護委員会:通則編ガイドライン確認日:2026-09-09
- 賃貸住宅管理業法確認日:2026-09-09
- 試験実施機関:令和7年度の公式問題確認日:2026-09-09
- 試験実施機関:2026年度試験の適用法令基準確認日:2026-09-09
クレーム・苦情対応の基本
苦情対応では、発生日時・頻度・音の種類・継続時間など具体的な事実を聴き取って記録し、当事者双方や周辺住戸への確認を行う。原因が特定できない段階で特定の入居者を名指しして注意すると、名誉毀損や信頼関係の悪化を招く。初期対応は全戸への掲示や書面配布など匿名性に配慮した方法から始め、改善しない場合に個別の注意、契約上の措置へと段階的に進める。経過は必ず貸主へ報告する。
覚え方苦情は聴く・記録する・確かめる、名指しは最後
01苦情・クレーム対応の重要暗記項目
クレーム・苦情対応の基本
苦情対応では、発生日時・頻度・音の種類・継続時間など具体的な事実を聴き取って記録し、当事者双方や周辺住戸への確認を行う。原因が特定できない段階で特定の入居者を名指しして注意すると、名誉毀損や信頼関係の悪化を招く。初期対応は全戸への掲示や書面配布など匿名性に配慮した方法から始め、改善しない場合に個別の注意、契約上の措置へと段階的に進める。経過は必ず貸主へ報告する。
覚え方苦情は聴く・記録する・確かめる、名指しは最後
ひっかけ注意事実確認前に加害者と決めつけて注意するのは不適切。放置して貸主に報告しないのも責任問題となる。
ペットに関するクレーム対応
用法遵守義務違反があっても、解除が認められるには賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊されたと評価できることが必要とされる。ペット飼育禁止違反も、飼育の態様、周囲への迷惑の程度、是正の求めに応じたかどうか等を考慮して判断される。実務ではまず書面で飼育中止を求め、応じない場合に改めて催告のうえ解除を検討する。無断飼育による汚損や臭気は賃借人の原状回復負担となる。
覚え方特約違反でも、信頼関係が壊れてはじめて解除できる
ひっかけ注意「禁止特約違反イコール無催告解除」は誤り。逆に「解除は一切できない」も誤りである。
騒音クレームと入居者情報の取扱い
入居者間のトラブルで、当事者の氏名・部屋番号・家族構成を相手方に伝えることは個人データの第三者提供にあたり、原則として本人の同意が必要となる。管理業者は双方から個別に事情を聴取し、当事者を特定できない形での掲示や文書配布によって注意喚起を行い、必要に応じて個別に是正を求める。当事者同士を直接対面させると紛争が激化しやすく、間に立って調整するのが実務の基本である。
覚え方苦情対応でも名前は出さない、間に立って個別に伝える
ひっかけ注意「解決のためなら相手を教えてよい」は誤り。個人情報保護と紛争激化の防止の両面から避けるべき対応である。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1人命、火災、漏水等の緊急性を判定し、必要な初動を優先する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2受付内容、現況確認で得た事実、連絡先、対応履歴を時系列で記録する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3所有者への報告と、管理受託契約上の修繕・調整権限の範囲を確認する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
苦情・クレーム対応の○×一問一答
1/3問解答 0・正解 0
管理実務重要度 A
クレーム・苦情対応の基本
入居者から騒音の苦情を受けた場合は、まず苦情の内容と発生状況を具体的に聴き取って記録し、事実関係を確認したうえで対応方針を決める。
苦情・クレーム対応の○×一問一答3問|問題と解説
この論点で収録している3問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
クレーム・苦情対応の基本重要度A入居者から騒音の苦情を受けた場合は、まず苦情の内容と発生状況を具体的に聴き取って記録し、事実関係を確認したうえで対応方針を決める。
答え:○(正しい)
解説
正しい。事実確認と記録を先行させ、そのうえで対応方針を決めるのが基本である。
問2
ペットに関するクレーム対応重要度Aペット飼育禁止の特約に違反して入居者が犬を飼育していることが判明した場合、賃貸人は催告することなく直ちに契約を解除することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。解除には信頼関係の破壊が必要であり、通常はまず是正を求める催告を行う。
問3
騒音クレームと入居者情報の取扱い重要度B騒音の苦情を申し出た入居者に対しては、迅速な解決を図るため、管理業者は騒音の発生元と考えられる入居者の氏名と部屋番号を本人の同意なく伝えてよい。
答え:×(誤り)
解説
誤り。入居者の氏名や部屋番号は個人情報であり、本人の同意なく他の入居者に伝えることはできない。
苦情・クレーム対応の問題を続けて解く
この論点に対応する3問を絞り込んで出題します。