借地借家法・民法
法定更新とは?通知期間・正当事由・更新後の期間【賃貸管理士】【2026年度試験対応】
普通借家の法定更新を、満了1年前〜6か月前の通知、貸主の正当事由、更新後の期間に分けて解説。合意更新・定期借家との違いも比較します。
要点 5件・基本問題 7問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
- 法令基準日
- 2026-04-01
- 最終確認日
- 2026-08-15
- 確認
- chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
普通建物賃貸借では、期間満了前の所定の通知がない場合などに、従前と同じ条件で更新したものとみなされます。ただし法定更新後の期間は定めのないものとなり、必ず元の2年間が繰り返されるわけではありません。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08
合意更新・法定更新・定期借家の再契約を比較

合意更新:当事者の合意で条件を定める:新しい期間の合意も可能。法定更新:原則、従前と同一条件:期間は定めなしになる。定期借家の再契約:新たな契約を締結する:法定更新とは異なる
図を大きく見る当事者が話し合い、新たな期間や条件を定めて続けるのが合意更新です。法定更新は、借地借家法26条の要件によって更新したものとみなされる仕組みで、更新書面に署名したかだけで決まるものではありません。
適法な定期建物賃貸借は更新がない契約です。期間満了後に改めて契約することと、普通借家が法定更新されることを同じ仕組みとして覚えないようにします。
| 項目 | 基本ルール | 注意点 |
|---|---|---|
| 合意更新 | 当事者の合意で条件を定める | 新しい期間の合意も可能 |
| 法定更新 | 原則、従前と同一条件 | 期間は定めなしになる |
| 定期借家の再契約 | 新たな契約を締結する | 法定更新とは異なる |
満了1年前から6か月前までの通知を確認
期間の定めがある普通借家では、当事者が満了の1年前から6か月前までに更新しない旨などを通知しないと、原則として法定更新されます。何か月前でも自由に終了通知できる、という仕組みではありません。
貸主側の更新拒絶には通知だけでなく正当事由が必要です。通知を出したことだけで退去義務が確定したと考えず、使用の必要性や従前の経過なども検討します。
通知後に使用を続けた場合も別に確認する
更新拒絶等の通知があっても、期間満了後に借主が使用を継続し、貸主が遅滞なく異議を述べなかった場合は、法定更新の規定が及びます。通知の有無を確認しただけで判断を終えないことが大切です。
法定更新後は期間の定めのない契約になります。貸主からの解約申入れについては6か月の期間と正当事由を検討します。期間の定めがないことを、即時に退去させられることと混同しないでください。
立退料は正当事由を補う事情
正当事由は、貸主・借主の建物使用の必要性をはじめ、契約の経過、利用状況や現況などを総合して判断します。立退料の申出は考慮されますが、お金を提示すれば常に更新拒絶が認められるということではありません。
令和6年度問21では、更新拒絶後の使用継続や立退料が扱われました。通知時期、満了後の行動、正当事由、更新後の期間の四つを順に追うと、条件の読み落としを防げます。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和6年度 問21
使用継続・異議と正当事由を分けて確認する
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- e-Gov:借地借家法26〜28条・38条確認日:2026-09-08
- 試験実施団体:過去の試験問題確認日:2026-09-08

更新拒絶は期間満了の1年前から6か月前までに通知し、貸主側には正当事由も必要です。通知がなければ期間の定めなく法定更新されます。
建物賃貸借の法定更新
期間の定めがある建物賃貸借で、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶又は条件変更の通知をしないと、従前と同一の条件で更新したものとみなされる。ただし期間だけは「定めがないもの」となる。賃貸人からの通知には正当事由が必要である。通知をしていても、期間満了後に賃借人が使用を継続し賃貸人が遅滞なく異議を述べなければやはり更新とみなされる。転借人の使用継続は賃借人の使用継続とみなされる。
覚え方更新拒絶は一年前から六か月前の窓、通知なければ条件そのまま・期間だけ消える
01更新と法定更新の重要暗記項目
建物賃貸借の法定更新
期間の定めがある建物賃貸借で、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶又は条件変更の通知をしないと、従前と同一の条件で更新したものとみなされる。ただし期間だけは「定めがないもの」となる。賃貸人からの通知には正当事由が必要である。通知をしていても、期間満了後に賃借人が使用を継続し賃貸人が遅滞なく異議を述べなければやはり更新とみなされる。転借人の使用継続は賃借人の使用継続とみなされる。
覚え方更新拒絶は一年前から六か月前の窓、通知なければ条件そのまま・期間だけ消える
ひっかけ注意「6か月前から3か月前まで」「同一の期間で更新」とする誤りが定番。使用継続と異議の論点も併せて問われる。
法定更新と期間の定め
建物賃貸借では、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶の通知をしないと、従前と同一の条件で更新したものとみなされるが、期間については「定めがないもの」となる(借地借家法26条1項)。合意更新であれば新たな期間を定められる点が異なる。更新拒絶や解約申入れには正当事由が必要で、立退料の提供は正当事由を補完する要素として考慮される。期間の定めのない賃貸借を貸主から解約するには6か月前の申入れが必要となる。
覚え方法定更新は条件そのまま・期間だけ消える
ひっかけ注意「同じ期間で自動更新される」は誤り。合意更新との違いが狙われる。
更新料特約の有効性
最高裁平成23年7月15日判決は、賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項について、更新料の額が賃料の額・賃貸借が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう消費者の利益を一方的に害するものには当たらないと判断した。更新料は賃料の補充・前払い、更新拒絶権放棄の対価等の複合的な性質を持つとされる。
覚え方更新料は契約書に明記して高額すぎなければ有効
ひっかけ注意「更新料条項は消費者契約法により一律無効」は誤り。契約書への明記と額の相当性が分岐点である。
賃貸住宅標準契約書
賃貸住宅標準契約書は、契約をめぐる紛争の防止の観点から国土交通省が作成・公表する契約書のひな形であり、使用は任意で法律上の義務ではない。原状回復の負担区分を別表で明示し、連帯保証人の極度額の記載欄、修繕の分担、反社会的勢力の排除条項などを備える。定期建物賃貸借用、終身建物賃貸借用、特定賃貸借標準契約書(サブリース)など複数の類型が公表されている。
覚え方標準契約書は使ってもよいひな形、義務ではない
ひっかけ注意「標準契約書の使用は法律上の義務」は誤り。ただし内容は実務の指針となる。
更新事務の実務
合意更新は当事者の合意で期間・賃料等を定めるもので、通常は期間満了の3か月から6か月前に貸主・借主双方の意向を確認する。条件を変更するなら期間満了前に協議して合意し、更新契約書又は覚書を取り交わす。手続を怠って期間が満了すると法定更新となり、期間の定めのない賃貸借に移行するうえ、更新料の請求や条件変更も困難になる。連帯保証人の意思確認や火災保険の更新手続も併せて行う。
覚え方更新事務は半年前に動く、遅れれば法定更新
ひっかけ注意手続の遅れが法定更新を招き、更新料の取得や条件変更ができなくなる点が狙われる。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶等の通知がなければ法定更新となる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2通知があっても賃借人が使用を続け、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ更新される
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3法定更新後は期間の定めがない建物賃貸借となり、他の契約条件は原則として同一となる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 借地借家法
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
更新と法定更新の○×一問一答
1/7問解答 0・正解 0
管理実務重要度 S
法定更新と期間の定め
期間の定めのある建物賃貸借が法定更新された場合、更新後の契約は従前と同一の期間の定めのある賃貸借となる。
更新と法定更新の○×一問一答7問|問題と解説
この論点で収録している7問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
法定更新と期間の定め重要度S期間の定めのある建物賃貸借が法定更新された場合、更新後の契約は従前と同一の期間の定めのある賃貸借となる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。法定更新された場合、更新後の契約は期間の定めのない賃貸借となる。
問2
建物賃貸借の法定更新重要度S期間の定めがある建物賃貸借において、賃貸人が期間満了の1年前から6か月前までの間に更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。借地借家法26条1項の法定更新である。ただし更新後の期間は定めがないものとなる。
問3
更新料特約の有効性重要度A賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額や更新期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法により無効とはならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最高裁は、特段の事情がない限り更新料条項は消費者契約法10条に反しないとした。
問4
賃貸住宅標準契約書重要度A国土交通省が公表する賃貸住宅標準契約書は、賃貸借契約の当事者に使用が義務づけられている。
答え:×(誤り)
解説
誤り。標準契約書はひな形として示されたもので、使用は任意である。
問5
建物賃貸借の法定更新重要度A建物賃貸借が法定更新された場合、更新後の契約は従前の契約と同一の期間で更新されたものとみなされる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。条件は従前と同一だが、期間だけは定めがないものとなる(借地借家法26条1項ただし書)。
問6
建物賃貸借の法定更新重要度A賃貸人が期間満了の1年前から6か月前までの間に更新をしない旨の通知をしていれば、期間満了後に賃借人が建物の使用を継続しても、賃貸人は異議を述べる必要はない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。遅滞なく異議を述べなければ、契約を更新したものとみなされる(借地借家法26条2項)。
問7
更新事務の実務重要度B合意更新の手続は期間満了の直前に意向を確認すれば足り、賃料等の条件変更の申入れは更新後に行っても差し支えない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。更新事務は数か月前から着手し、条件変更は期間満了前に協議して合意しておく必要がある。
更新と法定更新の問題を続けて解く
この論点に対応する7問を絞り込んで出題します。