借地借家法・民法
借家の正当事由とは?更新拒絶・立退料・6か月を整理【賃貸管理士】【2026年度試験対応】
普通借家の更新拒絶や解約申入れに必要な正当事由を解説。貸主と借主の使用の必要性、立退料、1年前〜6か月前の通知、定期借家との違いを、賃貸不動産経営管理士の2026年度試験向けに整理します。
要点 2件・基本問題 3問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
- 法令基準日
- 2026-04-01
- 最終確認日
- 2026-08-15
- 確認
- chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15

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2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
普通借家で貸主が更新を拒絶したり解約を申し入れたりするには、通知の期間だけでなく正当事由が必要です。双方の建物を使う必要性、これまでの経過、利用状況・現況、立退料等の申出を総合的に判断します。立退料を出すだけで必ず退去させられる制度ではありません。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09
正当事由が問題になる場面
借地借家法28条は、建物の貸主による更新拒絶や解約申入れについて、借主の居住・営業の安定を考慮した条件を定めています。期間満了日が来たという事実だけで、普通借家の貸主が自由に明渡しを求められるわけではありません。
ここで扱うのは貸主側からの更新拒絶・解約申入れです。賃料不払いなどを理由とする債務不履行解除、有効に成立した定期借家の期間満了、双方が合意して契約を終える場合とは、確認する条件が異なります。
正当事由は双方の事情を総合して判断

普通借家の正当事由を判断する材料です。通知期間の要件も別に確認します。
図を大きく見る第一に見るのは、貸主と借主がそれぞれ建物を使う必要性です。借主側については転借人の事情も含めて考慮します。その上で、従来の契約関係、実際の利用状況、建物の状態などを検討します。
貸主に「自分で使いたい」という希望があるだけで結論を出さず、その必要性と借主側の事情を比較します。立退料の申出も判断要素の一つですが、金額だけを示して必ず正当事由が成立するとすることはできません。
| 判断要素 | 確認する内容 |
|---|---|
| 使用の必要性 | 貸主・借主の双方がなぜ建物を必要とするか |
| 従前の経過 | 賃貸借のこれまでの経緯 |
| 利用状況・現況 | 実際の使い方、建物の状態 |
| 財産上の給付 | 明渡しの条件等としての立退料などの申出 |
根拠:借地借家法
更新拒絶の通知と解約申入れの期間
期間の定めのある普通借家では、満了の1年前から6か月前までの間の更新拒絶通知が問題になります。貸主には、その通知に加えて正当事由が必要です。期間内に通知すれば正当事由が不要になるわけではありません。
期間の定めのない普通借家について貸主が解約を申し入れる場合は、原則として申入れから6か月の経過と正当事由を確認します。通知の種類に応じて、満了日から逆算する期間か、申入れから数える期間かを分けてください。
根拠:借地借家法
法定更新と使用継続の扱い
期間の定めのある普通借家で所定の通知をしなかった場合、従前と同じ条件で更新したとみなされ、期間は定めのないものとなります。また、通知後でも、満了後に借主が使用を続け、貸主が遅滞なく異議を述べなかった場合には同様の扱いが問題になります。
例えば、貸主が半年より短い時期に初めて「更新しない」と伝えただけの場面では、正当事由の検討以前に、更新拒絶通知の期間を満たしているかを確認します。「理由が強ければ通知の遅れを常に無視できる」とは考えません。
根拠:借地借家法
定期借家の終了通知と混ぜない
定期借家でも、期間1年以上なら満了の1年前から6か月前までの終了通知が必要です。しかし、これは有効な定期借家の期間満了についての制度です。同じ数字が出ても、普通借家の更新拒絶に必要な正当事由をそのまま当てはめません。
令和7年度問5では賃貸借の終了が扱われています。2026年度試験対応として、「普通か定期か」「期間の定めがあるか」「誰からどの理由で終わらせるか」を確認してから、必要な通知と正当事由を判定します。
根拠:借地借家法
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和7年度 問5
賃貸借終了の場面で、貸主の更新拒絶と正当事由を含む終了要件が問われた。
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 借地借家法確認日:2026-09-09
- 民法(債権・賃貸借・相続)確認日:2026-09-09
- 試験実施機関:令和7年度の公式問題確認日:2026-09-09
- 試験実施機関:2026年度試験の適用法令基準確認日:2026-09-09
解約の申入れ
期間の定めのない建物賃貸借は、賃貸人からは正当事由を備えた解約申入れの日から6か月、賃借人からは正当事由不要で申入れの日から3か月の経過により終了する(借地借家法27条1項、民法617条1項2号)。賃借人の3か月は民法の任意規定なので、特約で期間を変えることができる。借地借家法30条が無効とするのは同法第三章第一節(26条〜30条)に反する特約で、賃貸人からの解約・更新拒絶に関するものである。
覚え方貸主はロクかげつ+正当事由、借主はサンかげつで特約も可
01更新拒絶と正当事由の重要暗記項目
解約の申入れ
期間の定めのない建物賃貸借は、賃貸人からは正当事由を備えた解約申入れの日から6か月、賃借人からは正当事由不要で申入れの日から3か月の経過により終了する(借地借家法27条1項、民法617条1項2号)。賃借人の3か月は民法の任意規定なので、特約で期間を変えることができる。借地借家法30条が無効とするのは同法第三章第一節(26条〜30条)に反する特約で、賃貸人からの解約・更新拒絶に関するものである。
覚え方貸主はロクかげつ+正当事由、借主はサンかげつで特約も可
ひっかけ注意賃借人の予告期間を6か月に延ばす特約を借地借家法30条により当然に無効とする誤り。同条の射程外であり、消費者契約法10条などによる個別判断となる。
更新拒絶と正当事由
正当事由は、①賃貸人・賃借人が建物の使用を必要とする事情を主たる要素とし、②賃貸借に関する従前の経過、③建物の利用状況及び建物の現況、④明渡しと引換えの財産上の給付(立退料)の申出を補完的に考慮して判断する(借地借家法28条)。立退料だけで正当事由が満たされるわけではない。正当事由が必要なのは賃貸人からの更新拒絶・解約申入れだけで、賃借人からの更新拒絶には不要である。
覚え方正当事由は必要性が主役、経過・利用状況・立退料は脇役
ひっかけ注意立退料さえ払えば明け渡させられるという誤りが定番。賃借人側の更新拒絶に正当事由を要求する出題も誤りである。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1賃貸人による更新拒絶・解約申入れには、法定の通知時期に加えて正当事由が必要となる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2建物使用の必要性、従前の経過、利用状況・現況、財産上の給付の申出を総合考慮する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3立退料の申出だけで正当事由が当然に成立するのではなく、他の事情を補完する一要素となる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 借地借家法
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
更新拒絶と正当事由の○×一問一答
1/3問解答 0・正解 0
借地借家法・民法重要度 S
解約の申入れ
期間の定めがない建物賃貸借において、賃貸人が解約の申入れをした場合、賃貸借は申入れの日から3か月を経過することによって終了する。
更新拒絶と正当事由の○×一問一答3問|問題と解説
この論点で収録している3問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
解約の申入れ重要度S期間の定めがない建物賃貸借において、賃貸人が解約の申入れをした場合、賃貸借は申入れの日から3か月を経過することによって終了する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。賃貸人からの解約申入れには正当事由が必要で、終了は申入れの日から6か月を経過した時である(借地借家法27条1項)。
問2
更新拒絶と正当事由重要度A建物の賃貸人が更新拒絶の通知をする場合、立退料の提供を申し出れば、他の事情を考慮するまでもなく正当事由が認められる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。立退料は正当事由を補完する要素にすぎず、それだけで正当事由が認められるわけではない。
問3
解約の申入れ重要度A期間の定めがない建物賃貸借において、賃借人が解約の申入れをした場合、賃貸借は申入れの日から3か月を経過することによって終了する。
答え:○(正しい)
解説
正しい。借地借家法に定めがないため、民法617条1項2号により3か月の経過で終了する。
更新拒絶と正当事由の問題を続けて解く
この論点に対応する3問を絞り込んで出題します。