2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

賃貸住宅管理業法

管理受託契約の締結時書面とは?記載事項・交付時期・変更時を解説|賃貸不動産経営管理士【2026年度試験対応】

管理受託契約の締結時書面を、重要事項説明との違い、法14条・施行規則35条の記載事項、電子交付、変更・更新時の扱いから整理。賃貸不動産経営管理士の判断問題に備えます。

要点 1件・基本問題 7・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

法令基準日
2026-04-01
最終確認日
2026-08-15
確認
chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15
管理受託契約の締結時書面を確認する記事のカバー(写真調イメージ)

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

管理受託契約の締結時書面は、確定した管理業務の内容や報酬などを委託者へ示す書面です。賃貸住宅管理業者は契約締結後、遅滞なく交付します。契約前に行う重要事項説明とは時期と役割が異なり、両書面を一体で交付することはできません。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-10

重要事項説明は契約前、締結時書面は契約後

管理受託契約は契約前に重要事項説明、契約後に締結時書面を遅滞なく交付する順序の図

契約前の重要事項説明と、契約後の締結時書面を時間順に確認します。

図を大きく見る

賃貸住宅の管理を委託する貸主が、契約するかを判断するために受けるのが締結前の重要事項説明です。これに対し、締結時書面は、契約を結んだ後に確定した条件を確認する役割を持ちます。法13条と14条を時間軸で区別しましょう。

契約前に渡した重要事項説明書に同じ内容が書いてあっても、それだけで締結後の交付を済ませたことにはなりません。ただし、必要事項を満たす管理受託契約書を、締結時書面として交付することはできます。「契約書と兼用できるか」と「事前の説明書と一体交付できるか」は別の問題です。

重要事項説明は契約前、締結時書面は契約後
項目契約締結前契約締結後
主な役割契約するかの判断材料確定した契約条件の確認
根拠法13条法14条
対応原則、書面交付と説明遅滞なく書面を交付

根拠:e-Gov|賃貸住宅管理業法13条・14条国土交通省|賃貸住宅管理業法FAQ

誰に、いつ渡す?「遅滞なく」の意味を確認

法14条の交付先は、管理業務を委託する賃貸住宅の賃貸人、つまり委託者です。管理会社が入居者へ渡す賃貸借契約書や、入居者への管理内容の周知とは区別します。交付義務を負うのは賃貸住宅管理業者です。

条文の期限は「遅滞なく」であり、契約後30日以内などの固定日数ではありません。必要な事務処理を踏まえ、正当な理由なく遅らせないという考え方で確認します。

締結前の説明には専門的知識等を有する相手方に関する除外がありますが、その除外を法14条へ移してはいけません。委託者が別の登録管理業者であることだけを理由に、締結時書面の交付が一律に不要となるわけではありません。

根拠:e-Gov|賃貸住宅管理業法13条・14条

記載事項は法14条と施行規則35条を合わせて覚える

法14条だけで学習を終えると、登録番号、報告、再委託などの事項を落としやすくなります。法の基本項目と、施行規則35条で追加・具体化される項目を一つの表で確認します。

報酬は金額だけでなく、支払う時期と方法も含みます。更新・解除、一部再委託、責任・免責は「定めがあるとき」の内容が対象です。必ず記載する事項と、定めがある場合に記載する事項を区別すると、語句だけの暗記から抜け出せます。

記載事項は法14条と施行規則35条を合わせて覚える
まとまり主な記載内容
対象と業務対象住宅、管理業務の内容と実施方法
期間と報酬契約期間、報酬の額・支払時期・方法
業者の表示商号・名称・氏名、登録年月日・登録番号
報告と周知委託者への報告、入居者への業務内容等の周知
定めがある事項更新・解除、一部再委託、責任・免責の内容

根拠:e-Gov|賃貸住宅管理業法13条・14条e-Gov|同法施行規則31条・35条

契約書の兼用と電子交付は、条件を付けて判断

必要事項がすべて記載されていれば、管理受託契約書を法14条の書面として交付できます。標準契約書は参考となるひな形であり、使う名称だけで法定事項の充足が決まるわけではありません。個別契約で加除した後の内容を確認します。

相手方の承諾を得るなど所定の手続・方法を満たせば、電磁的方法による提供もできます。法14条2項が13条2項を準用しているためです。「電子メールなら何でもよい」「電子交付は一切できない」のどちらも適切ではありません。

紙の押印欄の有無だけで判断せず、相手方の承諾、必要事項、記録の提供方法を別々に確認しましょう。電子化しても、契約前の説明と契約後の条件確認という区別は残ります。

根拠:e-Gov|賃貸住宅管理業法13条・14条国土交通省|賃貸住宅管理業法FAQ

変更・更新のたびに再交付する?形式的変更との違い

契約内容を変更する契約を結んだ場合は、原則として変更した事項について書面を交付します。報酬額や管理業務の内容を変更する場合と、単に日付を書き換える場合を同じに扱わないことが大切です。

国土交通省FAQでは、契約の同一性を保ったまま期間だけを延ばす場合や、組織運営が変わらない商号変更など、形式的な変更なら再交付を行わなくても差し支えないとされています。更新という言葉があっても、何が変わったかを読んで判断します。

法施行前の契約で、それまで法定事項を網羅した締結時書面を交付していなかった場合は注意が必要です。内容を変更する際、変更部分だけでなく必要な全事項を示す扱いがFAQに示されています。通常の変更と、経過措置のある契約を混ぜないでください。

根拠:国土交通省|賃貸住宅管理業法FAQe-Gov|賃貸住宅管理業法13条・14条e-Gov|同法施行規則31条・35条

過去問では「変更した中身」を見分ける

令和5年度問4は、管理受託契約の変更に対する対応を扱っています。商号変更の実質や、法施行前の契約で書面を交付していたかという条件を読み分ける出題例です。設問の全文を覚えるより、変更内容と以前の交付状況を確認する練習に使います。

独自チェックの順序は、①締結前か後か、②委託者は誰か、③法14条と規則35条の事項を満たすか、④電子交付の条件、⑤変更の実質、です。次は「管理受託契約の重要事項説明」と「委託者への定期報告」を読み、契約前・締結後・管理中の役割をつなげましょう。

根拠:e-Gov|賃貸住宅管理業法13条・14条e-Gov|同法施行規則31条・35条賃貸不動産経営管理士協議会|令和5年度試験問題

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 契約前の重要事項説明書に必要事項が網羅されていれば、その交付だけで契約締結後の書面交付も済ませられる。

    根拠:資料1資料2

  2. 2 所定の承諾・方法などの条件を満たした電磁的方法による提供は、管理受託契約の締結時書面の交付に代えることができる。

    根拠:資料1

  3. 3 契約の同一性を保ち、契約期間だけを延長する場合でも、常に締結時書面を再交付しなければならない。

    根拠:資料1

この解説の一次資料

最重要ポイント

管理受託契約締結時書面

契約を締結したときは遅滞なく書面を交付する。交付のみでよく説明義務はない点が締結前の重要事項説明との違いである。重要事項説明にあるような相手方の除外規定がないため、相手方が賃貸住宅管理業者や宅地建物取引業者でも交付を省略できない。法定事項がすべて記載された管理受託契約書をもって代えることもできる。相手方の承諾を得れば電磁的方法による提供も可能。違反は30万円以下の罰金。

覚え方締結したら遅滞なく交付、説明までは求められない

最重要・比較表

管理受託契約の重要事項説明と締結時書面

最初に見るのは契約の前か後かです。前なら説明まで必要な重要事項説明、後なら交付だけでよい締結時書面で、相手方による省略ができるかどうかも変わります。

交付と説明の時期

重要事項説明
管理受託契約の締結前まで。説明から契約締結まで1週間程度の期間をおくことが望ましいとされる
契約締結時の書面
管理受託契約を締結したときは、遅滞なく交付する

判断ポイント

1週間程度は望ましいとされるだけで、義務ではありません。

説明義務

重要事項説明
重要事項説明書を交付したうえで、貸主に説明しなければならない
契約締結時の書面
交付すればよく、説明までは求められていない

判断ポイント

交付だけで済むのは締結後の書面のほうです。

相手方による省略

最重要
重要事項説明
貸主が賃貸住宅管理業者、特定転貸事業者、宅地建物取引業者など専門的知識および経験を有すると認められる8者なら、交付も説明も不要
契約締結時の書面
専門的知識および経験を有する者を除く定めは置かれておらず、契約を締結したときは交付する

判断ポイント

重要事項説明の除外者リストを締結時書面にも当てはめる出題が最頻出です。

他の書面と一つにできるか

重要事項説明
交付の時期が異なるため、締結時の書面と同一の書面とすることはできない
契約締結時の書面
必要な事項が記載された管理受託契約書であれば、その契約書を締結時の書面とすることができる

判断ポイント

時期が違う書面は一つにまとめられない、という筋で覚えます。

違反したときの罰則

重要事項説明
罰則の定めはなく、業務改善命令等で対応される
契約締結時の書面
交付しなかった、所定の事項が記載されていない書面や虚偽の記載のある書面を交付した場合は30万円以下の罰金

判断ポイント

罰則があるのは締結時書面のほうだけです。

混同注意・比較表

違反ごとの罰則の重さ

最初に分けるのは刑罰か過料かです。そのうえで、登録の根幹に関わる違反ほど重く、サブリースの説明・書面の違反は管理受託側より重い、という順で押さえます。

1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金

賃貸住宅管理業者の違反
無登録営業、不正の手段による登録、名義貸しの禁止に違反して他人に賃貸管理業を営ませたこと
特定転貸事業者等の違反
該当する違反はない

判断ポイント

名義貸しは無登録営業と同じ重さで、軽い罰金ではありません。

6ヵ月以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金

最重要
賃貸住宅管理業者の違反
国土交通大臣の業務停止命令に違反して業務を行ったこと
特定転貸事業者等の違反
不当な勧誘等の禁止に違反して故意に事実を告げず、または不実のことを告げたこと。業務停止命令違反も同じ

判断ポイント

勧誘規制で拘禁刑まであるのは、事実不告知と不実告知だけです。

50万円以下の罰金

賃貸住宅管理業者の違反
該当する違反はない
特定転貸事業者等の違反
特定賃貸借契約の重要事項説明義務違反、特定賃貸借契約の締結時の書面の交付義務違反

判断ポイント

同じ締結時書面でも、管理受託は30万円、特定賃貸借は50万円です。

30万円以下の罰金

賃貸住宅管理業者の違反
変更の届出をしない、業務管理者を選任しない、締結時書面の不交付、従業者証明書、標識、帳簿、守秘義務、業務改善命令や報告徴収への違反
特定転貸事業者等の違反
誇大広告等の禁止違反、書類の閲覧義務違反、指示処分違反、報告徴収等の義務違反

判断ポイント

管理受託契約の重要事項説明義務違反は、この一覧に入りません。

20万円以下の過料

賃貸住宅管理業者の違反
廃業等の届出をしなかった、虚偽の廃業等の届出をした。過料であり刑罰ではない
特定転貸事業者等の違反
該当する違反はない

判断ポイント

過料は刑罰ではないため、前科にはなりません。

01管理受託契約締結時書面の重要暗記項目

01
重要度 S

管理受託契約締結時書面

契約を締結したときは遅滞なく書面を交付する。交付のみでよく説明義務はない点が締結前の重要事項説明との違いである。重要事項説明にあるような相手方の除外規定がないため、相手方が賃貸住宅管理業者や宅地建物取引業者でも交付を省略できない。法定事項がすべて記載された管理受託契約書をもって代えることもできる。相手方の承諾を得れば電磁的方法による提供も可能。違反は30万円以下の罰金。

覚え方締結したら遅滞なく交付、説明までは求められない

ひっかけ注意重要事項説明の除外者リストを締結時書面にも当てはめさせる出題が最頻出の引っかけである。

賃貸住宅管理業法の暗記表をすべて見る →

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    管理受託契約を締結したときは、遅滞なく契約の相手方へ締結時書面を交付する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    締結前の重要事項説明と締結後の契約内容を明らかにする書面を時期で区別する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    電磁的方法による提供には相手方の承諾等が必要で、記載事項は省令に従う

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026-04-01
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

管理受託契約締結時書面の○×一問一答

1/7解答 0・正解 0

賃貸住宅管理業法重要度 S

管理受託契約締結時書面

賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結したときは、管理業務を委託する賃貸住宅の賃貸人に対し、遅滞なく、法定事項を記載した書面を交付しなければならない。

管理受託契約締結時書面○×一問一答7問|問題と解説

この論点で収録している7問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    管理受託契約締結時書面重要度S

    賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結したときは、管理業務を委託する賃貸住宅の賃貸人に対し、遅滞なく、法定事項を記載した書面を交付しなければならない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。管理受託契約を締結したときは、委託者に対し遅滞なく書面を交付する(法14条1項)。

  2. 2

    管理受託契約締結時書面重要度A

    管理受託契約締結時書面については、委託者に交付するだけでは足りず、その内容を委託者に説明しなければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。締結時書面は交付が義務であり、説明義務までは課されていない(法14条1項)。

  3. 3

    管理受託契約締結時書面重要度A

    管理業務を委託する賃貸住宅の賃貸人が賃貸住宅管理業者である場合には、管理受託契約締結時書面の交付を省略することができる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。締結時書面には重要事項説明のような相手方の除外規定がなく、交付を省略できない。

  4. 4

    管理受託契約締結時書面重要度A

    管理受託契約締結時書面に記載すべき事項には、報酬に含まれていない管理業務に関する費用であって賃貸住宅管理業者が通常必要とするものが含まれる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。報酬に含まれない通常必要な費用は重要事項説明の事項であり(規則31条5号)、締結時書面の記載事項ではない。

  5. 5

    管理受託契約締結時書面重要度A

    管理受託契約締結時書面を交付せず、又は法定の記載事項を記載しない書面を交付した賃貸住宅管理業者は、30万円以下の罰金に処せられる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。管理受託契約締結時書面の不交付等は30万円以下の罰金である(法44条4号)。

  6. 6

    管理受託契約締結時書面重要度B

    法及び国土交通省令が定める記載事項がすべて記載された契約書であれば、その契約書をもって管理受託契約締結時書面とすることができる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。法定事項がすべて記載された契約書であれば、それを締結時書面とすることができる。

  7. 7

    管理受託契約締結時書面重要度B

    管理受託契約の内容を変更する契約を締結したときは、変更のあった事項に限らず、法及び国土交通省令が定めるすべての記載事項を記載した書面を改めて交付しなければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。変更契約の場合は変更のあった事項について書面を交付すれば足りる(解釈・運用の考え方 法14条1項関係)。

次の学習

管理受託契約締結時書面の問題を続けて解く

この論点に対応する7問を絞り込んで出題します。

○×一問一答