2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

賃貸経営

賃貸管理士の役割と倫理|守秘・利益相反・専門性を整理【2026年度試験対応】

賃貸不動産経営管理士に求められる倫理を、貸主と入居者への説明、秘密の扱い、利益相反、専門外の相談への対応で解説します。

要点 7件・基本問題 5・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

法令基準日
2026-04-01
最終確認日
2026-08-15
確認
chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15
賃貸不動産経営管理士の役割と倫理の解説記事カバー(写真調イメージ)

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

賃貸不動産経営管理士には、法令を守るだけでなく、貸主・入居者などの信頼に応える誠実で公正な対応が求められます。会社や依頼者の希望だけを理由に、相手方の利益や権利を無視してよいわけではありません。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08

貸主だけでなく入居者との関係も考える

誠実・公正:事実と根拠を確認して説明:依頼者の希望だけで結論を決めない。情報の取扱い:利用目的と必要範囲を確認:興味本位で共有しない。利益相反:関係者と自社の利害を把握:不都合な情報を隠さない。専門性:能力の限界を認識する:必要に応じ専門家へつなぐ

誠実・公正:事実と根拠を確認して説明:依頼者の希望だけで結論を決めない。情報の取扱い:利用目的と必要範囲を確認:興味本位で共有しない。利益相反:関係者と自社の利害を把握:不都合な情報を隠さない。専門性:能力の限界を認識する:必要に応じ専門家へつなぐ

図を大きく見る

資格者の役割は、家賃収入を最大化することだけではありません。維持管理を通じて居住環境を守り、契約や負担について関係者が理解できるよう支援することも含まれます。誰が依頼者かと、誰に配慮する必要があるかは別の問いです。

例えば修繕費を借主へ請求する場面でも、貸主が望んでいるという理由だけでは判断できません。契約や法令、損傷の原因を確認し、請求の根拠と不明点を整理して説明します。

貸主だけでなく入居者との関係も考える
項目基本ルール注意点
誠実・公正事実と根拠を確認して説明依頼者の希望だけで結論を決めない
情報の取扱い利用目的と必要範囲を確認興味本位で共有しない
利益相反関係者と自社の利害を把握不都合な情報を隠さない
専門性能力の限界を認識する必要に応じ専門家へつなぐ

根拠:賃貸不動産経営管理士協議会:倫理憲章e-Gov:賃貸住宅管理業法の目的・管理業務の定義試験実施団体:過去の試験問題

知った情報を扱う範囲を限定する

管理の過程では、連絡先、家族の状況、生活上の事情などに触れます。業務で知ったことを、管理に必要な範囲を超えて不用意に共有しない姿勢が重要です。誰に何の目的で伝えるかを確認します。

貸主へ報告する際も、必要な事実と無関係な個人情報を分けます。トラブルの相談記録は、憶測や評価を事実のように書かず、確認した内容と未確認の内容を区別して残すと、関係者への説明がぶれにくくなります。

根拠:賃貸不動産経営管理士協議会:倫理憲章試験実施団体:過去の試験問題

会社の利益と公正な判断がぶつかる場面

修繕の提案や業者選定では、自社の収益や紹介先との関係が判断に影響することがあります。その関係を隠して、依頼者にとって唯一の選択肢であるかのように説明すべきではありません。必要性、費用、代替案を根拠から検討します。

法令や適切な手順に反する対応を会社から求められた場合も、指示されたことを理由にそのまま実行するのではなく、問題点を整理して是正を求めます。人権への配慮や差別を避ける姿勢も、日々の判断の一部です。

根拠:賃貸不動産経営管理士協議会:倫理憲章試験実施団体:過去の試験問題

専門外の問題を抱え込まない

知識が足りない論点について断定したり、専門職の独占業務に当たる相談を無制限に引き受けたりしないことも専門性の一部です。事実を整理し、弁護士・税理士等への相談が必要な範囲を見極めます。

令和4年度問46では、コンプライアンス、利益相反、能力を超えた業務などが問われています。「依頼者のため」「会社の指示」という言葉だけで正当化せず、法令、根拠、自分の対応可能な範囲を確認しましょう。

根拠:賃貸不動産経営管理士協議会:倫理憲章試験実施団体:過去の試験問題

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 会社から指示されていれば、法令に反する管理手法でもそのまま実施してよい。

    根拠:資料1資料2

  2. 2 管理で得た個人情報は、業務目的と必要性を確認して取り扱う。

    根拠:資料1

  3. 3 自分の専門性や対応できる範囲の限界を認識することも重要である。

    根拠:資料1資料2

この解説の一次資料

最重要ポイント

個人情報取扱事業者の義務

個人情報データベース等を事業の用に供している者は、その規模や取扱件数を問わず個人情報取扱事業者に該当する(国の機関等を除く)。5,000件要件は既に撤廃されており、小規模な管理業者や個人の賃貸人であっても義務を負う。利用目的の特定と通知・公表、目的外利用の禁止、適正取得、正確性の確保、安全管理措置、従業者及び委託先の監督、開示・訂正・利用停止請求への対応などが求められる。

覚え方個人情報の義務は件数に関係なくかかる

01賃貸不動産経営管理士の役割と倫理の重要暗記項目

01
重要度 A

個人情報取扱事業者の義務

個人情報データベース等を事業の用に供している者は、その規模や取扱件数を問わず個人情報取扱事業者に該当する(国の機関等を除く)。5,000件要件は既に撤廃されており、小規模な管理業者や個人の賃貸人であっても義務を負う。利用目的の特定と通知・公表、目的外利用の禁止、適正取得、正確性の確保、安全管理措置、従業者及び委託先の監督、開示・訂正・利用停止請求への対応などが求められる。

覚え方個人情報の義務は件数に関係なくかかる

ひっかけ注意5,000件要件はすでに撤廃済み。「小規模だから対象外」とする誤りが狙われる。

02
重要度 A

個人データの第三者提供

個人データの第三者提供は原則としてあらかじめ本人の同意が必要だが、①利用目的の達成に必要な範囲内での委託、②合併等の事業承継、③共同利用(一定事項の通知・公表が必要)に伴う提供は第三者提供に当たらない。ただし委託元は委託先に対する必要かつ適切な監督義務を負う。法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意を得ることが困難な場合も同意は不要である。要配慮個人情報はオプトアウトによる提供ができない。

覚え方委託・承継・共同利用は第三者提供でない、ただし委託先の監督は必要

ひっかけ注意委託を第三者提供として同意が必要とする誤り。委託先の監督義務を落とす記述にも注意する。

03
重要度 A

漏えい等が生じた場合の対応

令和2年改正により、①要配慮個人情報を含む漏えい等、②財産的被害が生じるおそれがある漏えい等、③不正の目的をもって行われたおそれがある漏えい等、④1,000人を超える個人データの漏えい等が生じたときは、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化された。報告は速報(速やかに)と確報(原則30日以内、不正アクセス等の場合は60日以内)の二段階で行う。本人への通知が困難なときは代替措置をとる。

覚え方報告は要配慮・財産被害・不正目的・千人超の四類型、速報と確報

ひっかけ注意報告を任意とする誤り、本人通知を不要とする誤りが狙われる。件数要件は1,000人超である。

04
重要度 A

賃貸不動産経営管理士の役割と倫理憲章

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法の登録証明事業による証明を受けた者として、管理業務に関する2年以上の実務経験と併せて業務管理者になることができる。協議会が定める倫理憲章は、公共的使命、法令等の遵守、信義誠実の義務、公正と中立性の保持、専門的サービスの提供と自己研鑽、能力を超える業務の引受けの禁止、秘密を守る義務を掲げ、依頼者と入居者の双方に対し公正中立に職務を行うことを求める。

覚え方依頼者にも入居者にも公正中立、能力を超える仕事は受けない

ひっかけ注意「依頼者である貸主の利益を最優先する」とする誤りが狙われる。倫理憲章は公正中立を求めている。

05
重要度 B

賃貸住宅管理の意義と社会的役割

日本では総住宅数が総世帯数を上回り空き家が増加する一方、単身世帯・高齢世帯の増加により賃貸住宅の役割は拡大している。賃貸住宅管理業者には、貸主の資産価値の維持・向上だけでなく、借主の居住の安定確保、住宅確保要配慮者の受入れ、地域社会への貢献といった公共的な役割が求められる。賃貸住宅管理業法が登録制度と業務規制を設けたのも、管理業務の適正化により管理水準を高めるためである。

覚え方管理は貸主の資産と借主の暮らしの両方を守る仕事

ひっかけ注意「管理業は貸主の私的な代行にすぎない」とする誤りが狙われる。法は公共的な役割を前提に規制を設けている。

06
重要度 B

賃貸不動産経営管理士の倫理憲章

倫理憲章は、公共的使命、法令等の遵守、信義誠実の義務、公正と中立性の保持、専門的サービスの提供および自己研鑽の努力、能力を超える業務の引受けの禁止、秘密を守る義務の7項目を掲げる。秘密を守る義務は業務を離れた後も継続する。賃貸住宅管理業法21条も、賃貸住宅管理業者およびその使用人等に対し、正当な理由がなければ業務上知り得た秘密を漏らしてはならず、業を営まなくなった後も同様である旨を定めている。

覚え方使命・遵法・誠実・中立・研鑽・分をわきまえる・口は堅く

ひっかけ注意秘密保持は在職中だけと考えるのが罠。管理業を営まなくなった後、従業者でなくなった後も義務は続く。

07
重要度 B

賃貸不動産経営管理士のコンプライアンス

管理業者は賃貸人から委託を受ける立場にあるが、賃借人・入居希望者との関係でも信義に従い誠実に行動する義務を負う。契約の判断に影響する事実を故意に告げなければ、説明義務違反として損害賠償責任を生じ得る。なお宅地建物取引業法47条の不告知はあくまで宅地建物取引業者を名宛人とする規定であり、売主・媒介・代理として宅建業を行う場面で適用される。賃貸住宅管理業者や賃貸不動産経営管理士であるというだけで同条違反になるわけではない。委託者の指示であっても、法令や公序良俗に反する行為には従うことができず、その旨を説明して是正を促すのが専門家としての職責である。

覚え方依頼者の味方でも、相手をだます側には立たない

ひっかけ注意「委託者の意向が最優先」は誤り。違法な指示に従えば、管理業者自身が行政処分や損害賠償の責任を負う。

賃貸経営の暗記表をすべて見る →

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    賃貸不動産経営管理士の資格保有と、法定の業務管理者としての選任を混同しない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    業務管理者が管理・監督する契約内容、維持保全方法、財産分別等の事項を確認する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    法21条の秘密保持義務と、個人情報保護法に基づく利用目的・安全管理等を区別する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026-04-01
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

賃貸不動産経営管理士の役割と倫理の○×一問一答

1/5解答 0・正解 0

管理実務重要度 A

個人情報取扱事業者の義務

個人情報取扱事業者に該当するのは、取り扱う個人情報の数が5,000人分を超える事業者に限られる。

賃貸不動産経営管理士の役割と倫理○×一問一答5問|問題と解説

この論点で収録している5問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    個人情報取扱事業者の義務重要度A

    個人情報取扱事業者に該当するのは、取り扱う個人情報の数が5,000人分を超える事業者に限られる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。5,000人分の要件は撤廃されており、取扱件数を問わず該当する。

  2. 2

    個人データの第三者提供重要度A

    管理業者が入居者名簿の作成をシステム会社に委託し、その業務の範囲内で個人データを渡すことは第三者提供に当たるため、あらかじめ本人の同意を得なければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。利用目的の達成に必要な範囲内の委託に伴う提供は、第三者提供に当たらない。

  3. 3

    漏えい等が生じた場合の対応重要度A

    個人データの漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態に該当する場合、個人情報取扱事業者は個人情報保護委員会への報告と本人への通知を行わなければならない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。一定の類型に該当する漏えい等では、委員会への報告と本人への通知が義務である。

  4. 4

    賃貸不動産経営管理士の倫理憲章重要度B

    賃貸不動産経営管理士倫理憲章は、自らの能力や知識を超える業務を引き受けてはならないこと、および秘密を守るべきことを定めている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。能力を超える業務の引受け禁止と秘密を守る義務は、いずれも倫理憲章に掲げられている。

  5. 5

    賃貸不動産経営管理士のコンプライアンス重要度B

    賃貸不動産経営管理士は、賃貸人から委託を受けて業務を行う立場にあるため、賃借人や入居希望者に対して不利益となる事実を説明しないことも許される。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。委託者の利益のためであっても、相手方に不利益な事実を隠すことは信義誠実の義務に反する。

次の学習

賃貸不動産経営管理士の役割と倫理の問題を続けて解く

この論点に対応する5問を絞り込んで出題します。

○×一問一答