行政法
審査請求の対象と不服申立ての種類
現行法は一般概括主義で、7条1項の12類型と固有の資格の場合だけが例外です。処分への審査請求は「不服がある者」と広いのに不作為は申請者に限られる点、再調査の請求が個別法に定めのある例外的手続である点で落とします。
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情報公開と個人情報保護
情報公開法3条により何人も行政文書の開示を請求でき、国籍・住所・請求目的による制限はなく、行政機関は請求の理由を審査できない。開示決定等は行政処分であり、審査請求がされたときは原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問される。文書の存否を答えるだけで不開示情報を開示することとなるときは、存否を明らかにしないで請求を拒否できる(8条、グローマー拒否)。個人情報保護法は令和3年改正により地方公共団体の機関も適用対象とし、規律が一元化された。
覚え方何人も請求でき理由も不要。存否すら答えないのがグローマー拒否
01審査請求の対象と不服申立ての種類の重要暗記項目
情報公開と個人情報保護
情報公開法3条により何人も行政文書の開示を請求でき、国籍・住所・請求目的による制限はなく、行政機関は請求の理由を審査できない。開示決定等は行政処分であり、審査請求がされたときは原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問される。文書の存否を答えるだけで不開示情報を開示することとなるときは、存否を明らかにしないで請求を拒否できる(8条、グローマー拒否)。個人情報保護法は令和3年改正により地方公共団体の機関も適用対象とし、規律が一元化された。
覚え方何人も請求でき理由も不要。存否すら答えないのがグローマー拒否
ひっかけ注意「開示請求には利害関係や請求の理由の記載が必要」とする肢。目的を問わず何人も請求でき、行政機関は請求の目的を審査できない。
行政不服審査法の目的
行政不服審査法の目的は、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することにある(1条1項)。審査庁は処分の違法性だけでなく、裁量権の行使が妥当を欠くという「不当」まで審査できるため、裁量処分については取消訴訟より広い救済を受けられる点が最大の実益である。
覚え方救済と適正運営の二本立て。訴訟にはない「不当」の審査ができる
ひっかけ注意「審査請求でも取消訴訟と同じく違法性しか争えない」とする肢。裁量の当・不当を争えることが不服申立ての固有の強みである。
不服申立ての対象
旧訴願法は訴願事項を列挙する列記主義であったが、現行法は2条・3条で行政庁の処分および法令に基づく申請に対する不作為を包括的に対象とする一般概括主義を採用する。例外は7条1項が列挙する適用除外(国会の両院の議決による処分、裁判の執行としてされる処分、学識技能に関する試験の結果についての処分など)と、7条2項の固有の資格に基づく処分に限られる。
覚え方原則は概括、除外は7条の限定列挙
ひっかけ注意「列記主義」と「概括主義」を入れ替える肢が基本形。7条1項が原則を定めた規定ではなく適用除外を定めた規定である点も押さえる。
固有の資格
7条2項の「固有の資格」とは、一般私人が立ち得ないような立場をいう。地方公共団体が行政主体としての地位に基づいて国から処分を受ける場合が典型で、この場合は行政不服審査法の適用が全面的に排除される。逆に、地方公共団体が庁舎について建築確認を受けるなど一般私人と同じ立場で処分の相手方となるときは、審査請求をすることができる。行政手続法4条1項の固有の資格と同じ概念である。
覚え方行政主体としてなら不可、私人と同じ立場なら可
ひっかけ注意「地方公共団体は常に審査請求できない」と一般化させる肢が典型。区別の基準は固有の資格かどうかであって、団体の性格そのものではない。
不作為についての審査請求
不作為についての審査請求は、①法令に基づく申請をした者が、②当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、③行政庁が何らの処分もしないときにすることができる(3条)。処分についての審査請求(2条)が「行政庁の処分に不服がある者」と広いのに対し、不作為については申請者本人に限られ、申請していない第三者はできない。また不作為には審査請求期間の定めがなく、不作為の状態が続く限りいつでも審査請求できる。
覚え方不作為は申請者だけ、期間制限なし
ひっかけ注意処分についての審査請求の広い申立人適格を不作為にも及ぼす肢。不作為に期間制限がないことも落としやすい。
食品衛生法違反通知の処分性
最判平成16年4月26日は、食品衛生法に基づく検疫所長の違反通知について、これを受けると税関長から輸入の許可を受けられなくなるという法的仕組みが存在し、当該食品を輸入できなくなるという法的効力を有するとして、抗告訴訟の対象となる処分に当たるとした。「通知」は本来観念の通知にすぎないが、他法令と結合して生ずる法効果の有無を見て判断する必要がある。
覚え方違反通知が出ると税関を通れない。だから通知に処分性がある
ひっかけ注意「通知は観念の通知にすぎないから処分性はない」と行為類型で切る肢が狙われる。他法令と結合した法効果を見る必要がある。
再調査の請求の要件
再調査の請求は、①処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であり、②法律に再調査の請求ができる旨の定めがある場合に、③処分庁に対してする簡易な手続である(5条1項)。国税、関税、公害健康被害の補償などに定めがある。すでに審査請求をしたときは再調査の請求をすることができない(同項ただし書)。事実関係の調査を簡易迅速に行わせる趣旨の制度であり、大量に行われる処分について設けられている。
覚え方法律に定めがあるときだけ、処分庁に対して簡易に
ひっかけ注意「どの処分についても再調査の請求を選べる」とする肢。再調査の請求は個別法に定めがある場合の例外的手続である。
再調査の請求と審査請求の関係
再調査の請求をしたときは、その決定を経た後でなければ審査請求をすることができない(5条2項本文)。例外は①再調査の請求をした日の翌日から起算して3か月を経過しても処分庁が決定をしない場合②その決定を経ないことにつき正当な理由がある場合である(同項ただし書)。この例外により審査請求がされたときは、当該再調査の請求は取り下げられたものとみなされる(56条)。
覚え方再調査を選んだら決定を待つ。3か月放置なら待たずに審査請求へ
ひっかけ注意再調査の請求をするかどうかが自由選択であることと、いったん選んだ後に決定を経ずに審査請求へ移れるかどうかを混同させる肢。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1対象が処分か不作為かを分ける。不作為は法令に基づく申請をした者に限られ、審査請求期間の定めもない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 27条1項の適用除外12類型と、7条2項の固有の資格に基づく処分に当たらないかを確認する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3使える手続を選ぶ。再調査の請求も再審査請求も法律に定めがある場合だけで、原則は審査請求だけである
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 行政不服審査法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
審査請求の対象と不服申立ての種類の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
行政法重要度 S頻出度 13/24(編集部の目安)
再調査の請求の要件
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときに限り、当該処分に不服がある者は処分庁に対して再調査の請求をすることができる。
全784問から、分野・重要度で解く
行政法240問、民法180問、憲法60問、商法・会社法40問、基礎法学20問、基礎知識80問を収録。