2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

商法・会社法

行政書士の商法総則・商行為|商人の意味と民法との違い【2026年度試験対応】

商法総則と商行為の入口を、商人の定義、商法・商慣習・民法の適用順序、絶対的・営業的・附属的商行為から解説。商事代理と諾否通知の特則も具体例で整理します。

要点 8件・基本問題 8・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

行政書士の商法総則・商行為|商人の意味と民法との違いを説明する記事カバー

記事内容を表す生成イメージ。

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

商法は、事業者の取引に民法と異なるルールを置く法律です。商事に特別の定めがあるかを確認し、商法に定めがなければ商慣習、商慣習もなければ民法へ進みます。「商人か」と「その行為が商行為か」を分けると、適用する特則を選びやすくなります。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12

まず商法・商慣習・民法の適用順序を見る

商法1条は、他の法律に特別の定めがある場合を除き、商人の営業や商行為等を商法で扱うとします。商法に規定がないからといって直ちに民法に移らず、商慣習の有無も確認します。

例えば民法の代理では原則として本人のためにすることを示しますが、商行為の代理には商法504条の特則があります。民法を学んだ後の復習では、同じ場面で結論が変わる条件に印を付けると整理できます。

適用する規範を確認する順番
段階確認するもの
1他の法律に特別の定めがあるか
2商法に定めがあるか
3商慣習があるか
4民法の定め

根拠:商法民法

商人は「自己の名」で商行為を業とする人

商法4条1項の商人は、自己の名で商行為を業とする者です。「自己の名」とは取引の権利義務が本人に帰属することを指します。従業員として店のために取引する人まで、店と同じ商人になるわけではありません。

店舗等で物品を販売することを業とする者や鉱業を営む者は、同条2項により商人とみなされます。商行為を営むという説明だけを暗記すると、この擬制商人を落としやすくなります。

根拠:商法

絶対的・営業的・附属的商行為を条件で区別する

絶対的商行為は行為自体、営業的商行為は営業として行うこと、附属的商行為は商人が営業のために行うことに着目する。

絶対的商行為は行為自体、営業的商行為は営業として行うこと、附属的商行為は商人が営業のために行うことに着目する。

図を大きく見る

501条の絶対的商行為は、転売して利益を得る意思で物を有償取得する行為など、行為自体の性質に着目します。502条の営業的商行為は、列挙された行為を営業として行うことが条件です。

503条の附属的商行為は、商人が営業のためにする行為です。例えば事業用設備を購入する場面は、この観点で検討します。商人の行為には営業のためにするとの推定がありますが、反証を許さない「みなし」とは異なります。

商行為の三分類
分類判断する条件
絶対的商行為501条の行為に当たるか
営業的商行為502条の行為を営業としてするか
附属的商行為商人が営業のためにするか

根拠:商法

商事代理と、取引先への返答をしなかった場合

商行為の代理では、本人のためにすることを示さなくても原則として本人に効力が及びます。ただし相手方が代理と知らなかった場合、代理人に履行を請求することも妨げません(504条)。顕名不要だから代理人への請求が常に排除される、という理解は誤りです。

商人が平常取引する相手から営業の部類に属する申込みを受けたときは、遅滞なく諾否を通知し、怠ると承諾したものとみなされます(509条)。初めて届いた無関係な申込みまで、沈黙で承諾になるわけではありません。令和5年度問36では、これらの商行為特則と、申込みとともに受け取った物の保管費用等が比較されました。

根拠:商法行政書士試験研究センター:公式問題原本

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 商事について商法に規定がなければ、商慣習の有無を問わず直ちに民法だけを適用する。

    根拠:資料1

  2. 2 商人の行為は営業のためにするものと推定されるが、その推定を覆す余地はある。

    根拠:資料1

  3. 3 商人が平常取引する者から営業の部類に属する申込みを受け、遅滞ない諾否通知を怠ると、原則として承諾したものとみなされる。

    根拠:資料1

この解説の一次資料

最重要ポイント

商号と名板貸人の責任

名板貸人の責任(商法14条・会社法9条)の要件は、自己の商号を使用して営業または事業を行うことを他人に許諾したこと、相手方が営業主体を誤認したこと、誤認と取引との間に因果関係があることである。責任の範囲は「当該取引によって生じた債務」に限られ、名板借人が起こした交通事故のような取引外の不法行為による債務には及ばない(最判昭和52年12月23日)。相手方に悪意または重大な過失があるときは保護されない。最判平成7年11月30日はスーパー内のテナント営業について同条を類推適用した。

覚え方看板を貸せば連帯責任。ただし取引から生じた債務だけ

混同注意・比較表

商法と民法でルールが変わる場面

まず当事者が商人かどうか、その行為が商行為かどうかを確認します。商人間の商行為なら商法が先に適用され、代理・寄託・留置権の結論が民法と変わります。

適用される順序

最重要
民法(一般の人のルール)
商事について商法にも商慣習にも定めがないときに、はじめて民法が適用される(商法1条2項)
商法(商売をしている人のルール)
商人の営業・商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがある場合を除き商法による(1条1項)

判断ポイント

商法→商慣習→民法の順です。「まず民法、次に商慣習」と入れ替えた肢が定番の誤りです。

本人のためにすることを示さなかった代理行為

民法(一般の人のルール)
相手方が善意無過失のときは、代理人自身のためにした意思表示とみなされる(民法100条
商法(商売をしている人のルール)
示さなくても本人に対して効力を生じる。相手方が知らなかったときは代理人に履行を請求することもできる(504条

判断ポイント

商法では相手方に選択の余地を残す形で、本人への効果帰属が原則になります。

本人が死亡したときの代理権

民法(一般の人のルール)
本人が死亡すると代理権は消滅する(民法111条1項1号)
商法(商売をしている人のルール)
商行為の委任による代理権は、本人が死亡しても消滅しない(506条

判断ポイント

商取引は継続的に行われるため、本人の死亡で取引を止めない扱いになっています。

無報酬で物を預かった者の注意義務

民法(一般の人のルール)
無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって保管すれば足りる(民法659条
商法(商売をしている人のルール)
営業の範囲内で寄託を受けた商人は、無報酬であっても善良な管理者の注意をもって保管する(595条

判断ポイント

「無報酬だから注意義務が軽い」は民法の話で、商人にはあてはまりません。

留置権の目的物と牽連性

民法(一般の人のルール)
債務者所有の物かどうかを問わないが、債権と物との直接的・個別的な関係が必要
商法(商売をしている人のルール)
債務者所有の物に限られるが、債権と物との関係は一般的・抽象的なもので足りる(521条

判断ポイント

商法は「目的物の範囲は狭く、牽連性はゆるく」と逆方向に振れています。

質権の流質契約

民法(一般の人のルール)
禁止される
商法(商売をしている人のルール)
商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権では有効になる(515条

判断ポイント

商人は自分の利害を自分で計算できるため、法が後見的に介入しないという理由づけです。

混同注意・比較表

支配人と表見支配人の権限の違い

最初に、その人が支配人として選任された者か、支配人らしい名称を付けられただけの者かを見ます。この区別で、裁判上の行為ができるかどうかが分かれます。

どういう者か

支配人
商人に雇われ、その営業に関する行為をする権限を与えられた商業使用人(21条1項)
表見支配人
支配人ではないが、営業所の営業の主任者であるかのような名称を付けられた使用人(24条

判断ポイント

どちらも商人に雇われている使用人で、支配人自身が商人になるわけではありません。

代理権の範囲

支配人
商人に代わって、その営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をすることができる(21条1項)
表見支配人
当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる(24条本文)

判断ポイント

表見支配人は「権限があるものとみなされる」だけで、支配人にみなされるわけではありません。

裁判上の行為

最重要
支配人
できる
表見支配人
含まれない

判断ポイント

擬制されるのは裁判外の行為の代理権だけ。ここが最も出題される分かれ目です。

相手方が悪意のとき

支配人
代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できないが、悪意の第三者には対抗できる(21条3項)
表見支配人
相手方が悪意であるときは、表見支配人の規定は適用されない(24条ただし書)

判断ポイント

支配人は「制限を対抗できるか」、表見支配人は「制度自体が使えるか」で悪意が効いてきます。

地位の生じ方

支配人
商人が支配人として選任し、選任したときはその登記をしなければならない(22条前段)
表見支配人
支配人らしい名称を付けたことにより、法律上その権限があるものとみなされるにとどまる

判断ポイント

選任と登記があるのが支配人、名称だけなのが表見支配人という入口の違いです。

判断の順序:支配人として選任されているか → 裁判上の行為か裁判外の行為か → 相手方は悪意か

法令確認:商法21条・22条・24条(確認日 2026-08-05)

01商法総則・商行為の重要暗記項目

01
重要度 A / 収録過去問 4回

商号と名板貸人の責任

名板貸人の責任(商法14条・会社法9条)の要件は、自己の商号を使用して営業または事業を行うことを他人に許諾したこと、相手方が営業主体を誤認したこと、誤認と取引との間に因果関係があることである。責任の範囲は「当該取引によって生じた債務」に限られ、名板借人が起こした交通事故のような取引外の不法行為による債務には及ばない(最判昭和52年12月23日)。相手方に悪意または重大な過失があるときは保護されない。最判平成7年11月30日はスーパー内のテナント営業について同条を類推適用した。

覚え方看板を貸せば連帯責任。ただし取引から生じた債務だけ

ひっかけ注意名板借人の交通事故による損害賠償債務にも名板貸人が責任を負うとする誤りが狙われる。取引外の不法行為には及ばない。

02
重要度 A / 収録過去問 4回

商業登記の効力

登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗できない(商法9条1項前段。消極的公示力)。登記後は悪意が擬制されるが、災害による交通途絶や登記簿の滅失など客観的な障害である「正当な事由」があるときは対抗できない(同項後段)。多忙や病気といった主観的事情は正当な事由にあたらない。また故意または過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることを善意の第三者に対抗できない(同2項)。

覚え方登記前は善意者に勝てず、登記後は正当な事由がある者にだけ勝てない

ひっかけ注意登記後は例外なく第三者に対抗できるとする誤りが狙われる。正当な事由がある第三者には対抗できない。

03
重要度 A / 収録過去問 4回

支配人の代理権と競業避止義務

支配人は商人に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする包括的代理権を有し(商法21条1項)、他の使用人を選任し解任することもできる(同2項)。代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できない(同3項)。支配人は商人の許可がなければ、自ら営業を行うこと、自己または第三者のために商人の営業の部類に属する取引をすること、他の商人または会社の使用人となること、会社の取締役・執行役・業務執行社員となることができない(23条1項)。

覚え方支配人は裁判上の行為までできる。四つの兼業は許可がなければ不可

ひっかけ注意支配人の代理権が裁判外の行為に限られるとする誤りが狙われる。裁判上の行為も含む点が表見支配人との違いである。

04
重要度 A / 収録過去問 3回

商行為の分類

商行為は3種に分かれる。絶対的商行為は誰が行っても商行為となるもので、投機購買とその実行行為、投機売却とその実行行為、取引所においてする取引、手形その他の商業証券に関する行為の4種である(501条)。営業的商行為は営業として行うときに商行為となるもので、賃貸借・製造加工・電気ガス供給・運送・請負・出版・場屋取引・両替・保険・寄託の引受けなど13種が列挙される(502条)。附属的商行為は商人がその営業のためにする行為である(503条)。

覚え方絶対は四つ、営業的は十三、附属的は商人の営業のため

ひっかけ注意運送や保険の引受けを絶対的商行為とする誤りが狙われる。これらは営業として行うことが必要な営業的商行為である。

05
重要度 A / 収録過去問 3回

表見支配人

商法24条・会社法13条の表見支配人は、本店または支店の事業の主任者であることを示す名称(支店長・営業所長等)を付された使用人に、当該本店または支店の事業に関する裁判外の行為の代理権を擬制する制度である。裁判上の行為は含まれない点が支配人と異なる。相手方が悪意であるときは適用されない(ただし書)。最判昭和37年5月1日は、当該営業所が本店から離れて独自に営業活動を決定しうる実質を備えていることを要求した。

覚え方肩書だけで裁判外の行為までは有効。訴訟はできない

ひっかけ注意表見支配人にも裁判上の行為の代理権が擬制されるとする誤りが定番。裁判外の行為に限られる。

06
重要度 B / 収録過去問 2回

商事留置権

商法521条の商事留置権の要件は、当事者双方が商人であること、双方のために商行為となる行為によって生じた債権であること、債権が弁済期にあること、債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者所有の物または有価証券であることである。民事留置権と異なり債権と目的物との牽連性は不要である一方、目的物が債務者所有のものに限られる点で範囲が狭い。当事者が別段の意思表示をすれば排除できる。

覚え方牽連性は不要、ただし物は債務者所有に限る

ひっかけ注意商事留置権にも牽連性が必要とする誤り、および第三者所有物にも成立するとする誤りが狙われる。

07
重要度 B / 収録過去問 2回

商行為の代理と非顕名

商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでした行為も本人に対して効力を生じる(商法504条本文)。ただし相手方が本人のためにすることを知らなかったときは、代理人に対して履行の請求をすることを妨げない(ただし書)。最大判昭和43年4月24日は、ただし書の場合でも本人と相手方の法律関係は当然には否定されず、善意の相手方は本人との法律関係を主張することも代理人との法律関係を主張することもできる選択権を有するとした。商行為の委任による代理権は本人の死亡によって消滅しない(506条)。

覚え方商行為は顕名不要。善意の相手方は本人か代理人かを選べる

ひっかけ注意商行為の委任による代理権が本人の死亡で消滅するとする誤りが狙われる。民法111条1項1号の例外である。

08
重要度 C / 収録過去問 2回

商人の意義と擬制商人

商人には、自己の名をもって商行為をすることを業とする固有の商人(商法4条1項)と、店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者および鉱業を営む者である擬制商人(同2項)がある。農家が自家生産物を店頭で販売する行為は、利益を得て譲渡する意思での有償取得を伴わないため501条・502条の商行為にあたらないが、擬制商人として商人となる。小商人(営業のために使用する財産の価額が50万円を超えない商人)には商業登記や商号登記の規定が適用されない(7条)。

覚え方商行為を業とすれば固有の商人、店舗販売と鉱業は擬制商人

ひっかけ注意自家生産物を販売する農家は商行為をしていないから商人でないとする誤りが狙われる。擬制商人にあたる。

商法・会社法の暗記表をすべて見る →

覚える数字と、狙われる引っかけ

  • 場屋営業 責任を負わない旨の掲示は無効
  • 高価品 種類と価額の通知がなければ責任を負わない
  • ひっかけ表見支配人に裁判上の行為の代理権まで擬制する肢。裁判外の行為に限られる
  • ひっかけ商業登記の正当な事由に病気や多忙を含める肢。災害による交通途絶など客観的障害に限られる
  • ひっかけ場屋営業者が責任を負わない旨を掲示すれば免責されるとする肢。商法596条3項が明文で否定している

押さえる判例

テナント営業と名板貸最判平成7年11月30日

スーパーマーケットのテナント営業について名板貸人の責任の規定を類推適用し、店舗の外観を信頼した顧客の保護を認めた

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    商人か商行為かを確定する。絶対的商行為は1回限りでも商行為、営業的商行為は営業として行うとき、附属的商行為は商人が営業のためにするとき

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    使用人の権限を見る。支配人は裁判上・裁判外の一切の行為、表見支配人は当該営業所の裁判外の行為に限られる

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    登記の効力を当てはめる。登記前は善意の第三者に対抗できず、登記後は客観的障害という正当な事由がある場合だけ対抗できない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
商法
情報確認日
2026年4月1日施行法令基準
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

商法総則・商行為の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

商法・会社法重要度 A頻出度 10/24(編集部の目安)

商業登記の効力

登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗することができないが、いったん登記がされた以上、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときであっても、これを対抗することができる。

商法総則・商行為○×一問一答10問|問題と解説

この論点で収録している10問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    商業登記の効力重要度A

    登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗することができないが、いったん登記がされた以上、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときであっても、これを対抗することができる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。9条1項後段により、正当な事由で登記を知らなかった第三者には登記の後であっても対抗することができない。

  2. 2

    商号と名板貸人の責任重要度A

    スーパーマーケットの経営者がその建物の一部をテナントに使用させてペット類を販売させ、外観上その営業が経営者自身のものと誤認されるときは、名板貸人の責任の規定が類推適用され、経営者は買主に対して責任を負う。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。最判平成7年11月30日は、営業主体を誤認させる外観があり許諾と同視できる帰責事由があるときに商法14条の類推適用を認めた。

  3. 3

    支配人の代理権と競業避止義務重要度A

    支配人は商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有するが、他の使用人を選任し又は解任する権限までは有せず、その選任及び解任は商人自身が行わなければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。21条2項は支配人に他の使用人を選任し又は解任する権限を認めており、包括的代理権の一内容とされている。

  4. 4

    商行為の分類重要度A

    商人がその営業のためにする行為は附属的商行為として商行為となるが、商人の行為が営業のためにするものであることは、これを主張する者が立証すべきであって、法律上推定されることはない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。503条2項は商人の行為を営業のためにするものと推定しており、商行為性を争う側が反証する必要がある。

  5. 5

    表見支配人重要度A

    営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、その名称に対する信頼を保護するため、当該営業所が営業所としての実質を備えていない場合であっても、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。最判昭和37年5月1日は、表見支配人の規定の適用にはその営業所が営業所としての実質を備えることを要するとした。

  6. 6

    商事留置権重要度B

    商人間の留置権は、留置の目的物が被担保債権と個別の牽連関係に立たない場合であっても、債務者との商行為によって債権者が占有するに至った債務者所有の物であれば成立する。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。521条の商事留置権は民法の留置権と異なり、債権と目的物との個別的な牽連性を要求していない。

  7. 7

    商行為の代理と非顕名重要度B

    商行為の代理人が本人のためにすることを示さないで代理行為をした場合であってもその効果は本人に生ずるが、代理人が本人のためにすることを相手方が知らなかったときは、相手方は代理人に対して履行を請求することもできる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。504条本文で効果は本人に帰属し、同条ただし書により善意の相手方は代理人への履行請求も選択できる。

  8. 8

    商人の意義と擬制商人重要度C

    自己の名をもって商行為をすることを業とする者は商人であるが、店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない場合であっても商人とみなされる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。4条1項の固有の商人に加え、同条2項は店舗販売業者と鉱業を営む者を擬制商人として商人に取り込む。

  9. 9

    場屋営業者の責任重要度C

    旅館や飲食店などの場屋営業者は、客から寄託を受けた物品が滅失し又は損傷したときは、それが不可抗力によるものであったことを証明しなければ、損害賠償の責任を免れることができない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。596条1項は場屋営業者に不可抗力の証明を求める厳格な責任を課している。

  10. 10

    匿名組合重要度C

    匿名組合契約において匿名組合員が出資した財産は営業者の財産に属するが、匿名組合員は営業者の業務を執行し又は営業者を代表する権限を有し、営業者の行為について第三者に対して権利を有し義務を負う。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。536条3項及び4項により、匿名組合員は業務執行も代表もできず、第三者に対して権利義務を有しない。

次の学習

商法総則・商行為の問題を続けて解く

この論点に対応する10問を絞り込んで出題します。

○×一問一答