基礎知識
衆議院と参議院の選挙制度|比例代表・特定枠を比較【行政書士】【2026年度試験対応】
衆議院・参議院の定数、任期、比例代表の投票先を比較。参議院の特定枠と個人得票順の関係を、図解・具体例・独自問題で整理します。2026年度行政書士試験対応。
要点 6件・基本問題 6問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
衆議院は小選挙区比例代表並立制、参議院は選挙区選挙と比例代表選挙を組み合わせます。比例の投票用紙は衆議院が政党名、参議院が候補者名又は政党名です。参議院比例には特定枠があり、すべての候補者が個人得票順で当選するわけではありません。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-21
定数と改選の仕組みを分ける
2026年4月1日時点の衆議院の定数は465人で、小選挙区289人と比例代表176人に分かれます。参議院は248人で、選挙区148人と比例代表100人です。これらは総定数であり、参議院の1回の通常選挙で全員を改選する数字ではありません。
憲法上、衆議院議員の任期は4年ですが解散の場合には期間満了前に終了します。参議院議員は6年で、3年ごとに半数を改選します。衆議院の解散を参議院にも適用するなど、任期と改選の組合せを取り違えないようにします。
根拠:公職選挙法(2026年4月1日基準)参議院公式資料(123頁・特定枠制度の概要)参議院公式FAQ(参議院選挙の方式)日本国憲法45・46条(任期・改選)
比例代表の投票先は衆参で異なる

図は判断の要点です。適用条件・例外は本文と一次資料を確認してください。
図を大きく見る衆議院比例代表では政党等の名称・略称を記載し、参議院比例代表では候補者名又は政党等の名称・略称を記載します。衆議院では小選挙区の候補者名を書く用紙と、比例で政党名を書く用紙を分けて理解します。
衆議院の並立制では、小選挙区と比例代表の議席をそれぞれの方法で配分します。小選挙区で獲得した議席の数を差し引き、全体を比例得票に一致させる併用制とは異なります。「比例代表がある」という共通点だけで同じ制度と考えないでください。
| 比例代表 | 投票先・順位 |
|---|---|
| 衆議院 | 政党等の名称・略称 |
| 参議院 | 候補者名又は政党名/特定枠の優先あり |
根拠:公職選挙法(2026年4月1日基準)参議院公式資料(123頁・特定枠制度の概要)参議院公式FAQ(参議院選挙の方式)日本国憲法45・46条(任期・改選)
参議院比例は特定枠の例外を忘れない
参議院比例の当選順位は個人得票を基礎とする非拘束名簿式が基本です。ただし政党等は、優先的に当選させる候補者とその順位を特定枠として定めることができます。特定枠の候補者は他の候補者より先に、定められた順位に従って当選人となります。
例えば、ある政党が比例で2議席を得て、特定枠に1人を登載しているなら、その者を優先したうえで残る議席の当選者を決めます。全候補を個人得票順に並べる図だけでは、この例外を説明できません。試験では基本方式と特定枠をセットで確認します。
根拠:公職選挙法(2026年4月1日基準)参議院公式資料(123頁・特定枠制度の概要)参議院公式FAQ(参議院選挙の方式)日本国憲法45・46条(任期・改選)
過去問で確認するポイント
令和6年度問6では、選挙制度形成の裁量や参議院比例の特定枠に関する問題。
出題当時の法令と現在の法令は区別して確認してください。下の独自確認問題では、この解説で整理した条件を一つずつ判断し、誤った文はどの語句を直せば正しくなるかまで考えましょう。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和6年度 問6
選挙制度形成の裁量や参議院比例の特定枠に関する問題。
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 公職選挙法(2026年4月1日基準)確認日:2026-09-21
- 参議院公式資料(123頁・特定枠制度の概要)確認日:2026-09-21
- 参議院公式FAQ(参議院選挙の方式)確認日:2026-09-21
- 日本国憲法45・46条(任期・改選)確認日:2026-09-21
- 行政書士試験研究センター・令和6年度公表問題 問6確認日:2026-09-21
衆議院の選挙制度
衆議院議員の選挙は小選挙区比例代表並立制で行われ、有権者は小選挙区では候補者名を、比例代表では政党名を記載する2票制である。比例代表は全国を11のブロックに分け、政党があらかじめ順位を付した名簿を届け出る拘束名簿式で行われる。小選挙区と比例代表への重複立候補が認められ、名簿で同一順位とされた者の当落は惜敗率によって決まる。惜敗率とは、小選挙区における当該候補者の得票数を同じ選挙区の当選者の得票数で割った割合をいう。
覚え方小選挙区は人名、比例は政党名。同一順位は惜敗率で決着
01選挙制度と政治・国際関係の重要暗記項目
衆議院の選挙制度
衆議院議員の選挙は小選挙区比例代表並立制で行われ、有権者は小選挙区では候補者名を、比例代表では政党名を記載する2票制である。比例代表は全国を11のブロックに分け、政党があらかじめ順位を付した名簿を届け出る拘束名簿式で行われる。小選挙区と比例代表への重複立候補が認められ、名簿で同一順位とされた者の当落は惜敗率によって決まる。惜敗率とは、小選挙区における当該候補者の得票数を同じ選挙区の当選者の得票数で割った割合をいう。
覚え方小選挙区は人名、比例は政党名。同一順位は惜敗率で決着
ひっかけ注意衆議院の比例代表を非拘束名簿式とする誤りが狙われる。拘束名簿式であり、非拘束式は参議院である。
投票価値の平等と判例
最大判昭和51年4月14日は、較差が約1対5に達した昭和47年の衆議院総選挙について、定数配分規定を全体として違憲としたうえで、選挙を無効とすると議員が存在しない状態が生じ憲法の所期しない結果を招くとして、行政事件訴訟法31条の事情判決の法理を援用し、主文で違法を宣言するにとどめた。最大判昭和60年7月17日も同様の処理をしている。国政選挙が無効とされた例はない。近年の判決は「違憲状態」の宣言にとどまるものが多い。
覚え方違憲と言っても選挙は無効にしない。事情判決の法理
ひっかけ注意昭和51年判決が選挙を無効としたとする誤りが定番。主文では違法を宣言するにとどめている。
地方分権改革の内容
機関委任事務は、都道府県知事や市町村長を国の下級機関として位置づけ包括的な指揮監督に服させる仕組みであったが、平成11年の地方分権一括法により全廃され、自治事務と法定受託事務に再編された。国の関与は法定主義・一般法主義・公正透明の原則に服することとされ、関与の基本類型(助言・勧告、資料の提出の要求、是正の要求、同意、許可・認可・承認、指示、代執行、協議)が定められた。関与に不服がある場合には国地方係争処理委員会への審査の申出が認められている。
覚え方機関委任事務は全廃、自治事務と法定受託事務の二本立て
ひっかけ注意機関委任事務が現在も残っているとする誤り、および法定受託事務が国の事務であるとする誤りが狙われる。
参議院の選挙制度
参議院議員の任期は6年で、3年ごとに議員の半数が改選され、解散はない(憲法46条)。比例代表は全国を一つの単位とし、有権者は政党名または候補者名のいずれかを記載できる非拘束名簿式で、政党名と当該政党の候補者名の合計得票で各党の議席が配分される。平成30年改正により、政党があらかじめ優先的に当選人となる順位を定める特定枠が導入された。選挙区選挙は原則として都道府県単位であるが、鳥取県と島根県、徳島県と高知県は合区とされている。
覚え方六年任期で三年ごとに半数改選、解散なし。比例は非拘束+特定枠
ひっかけ注意参議院の比例代表を拘束名簿式とする誤り、および参議院に解散があるとする誤りが狙われる。
国際連合の安全保障理事会
安全保障理事会はアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の常任理事国5か国と非常任理事国10か国で構成され、非常任理事国の任期は2年で連続再選は認められない。実質事項の決定には常任理事国5か国すべてを含む9か国の賛成が必要で、常任理事国は拒否権を持つ。手続事項の決定は9か国の賛成で足り、拒否権は及ばない。安保理が拒否権により機能しない場合、総会は「平和のための結集」決議に基づき緊急特別総会を開いて勧告を行うことがある。
覚え方常任五・非常任十、実質事項は九か国かつ拒否権なし
ひっかけ注意手続事項にも拒否権が及ぶとする誤り、および非常任理事国が連続再選できるとする誤りが狙われる。
主要国の政治体制
大統領制では、大統領が国民から直接的な民主的基盤を得て行政権を担い、議会と相互に独立する。アメリカ大統領は議会が可決した法案に対する拒否権を持つが、両院がそれぞれ3分の2以上で再可決すれば法律となる。大統領に法案提出権はなく、教書によって立法を勧告する。これに対し議院内閣制では、内閣は議会の信任に依拠し、内閣が法案提出権を持ち、内閣不信任決議と議会の解散が対応関係に立つ。フランスは大統領と首相が併存する半大統領制である。
覚え方大統領は拒否権あり法案提出権なし。議院内閣制は不信任と解散が対
ひっかけ注意アメリカ大統領に法案提出権があるとする誤りが狙われる。大統領は教書で勧告するにとどまる。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- 参議院議員の任期 6年・3年ごとに半数改選
- 安全保障理事会 常任5か国・非常任10か国(任期2年)
- 衆議院の比例代表 全国11ブロック
- ひっかけ衆参の比例代表の方式を入れ替える肢。候補者名を書けるのは参議院の比例代表
- ひっかけ一票の較差に関する最高裁判決で国政選挙が無効とされた例があるとする肢。一般の選挙訴訟すべての話と混同しない
- ひっかけ安全保障理事会の手続事項にも拒否権が及ぶとする肢。手続事項は9か国の賛成で決まり拒否権は及ばない
押さえる判例
較差が約1対5に達した定数配分規定を全体として違憲としたが、事情判決の法理により選挙自体は無効とせず主文で違法を宣言した
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1衆参どちらの選挙かを確定する。衆議院は小選挙区比例代表並立制で比例は11ブロックの拘束名簿式、参議院は全国1単位の非拘束名簿式。参院比例には特定枠があり、枠内順位によって優先される
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2較差の問題なら判決の主文を確認する。定数配分規定を違憲としても、事情判決の法理により選挙自体は無効とされていない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3国際機構なら任務で仕分ける。IMFは短期の国際収支不均衡、世界銀行は長期の開発資金、WTOは貿易ルールと紛争解決を担う
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 公職選挙法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
選挙制度と政治・国際関係の○×一問一答
1/6問解答 0・正解 0
基礎知識重要度 A頻出度 10/24(編集部の目安)
投票価値の平等と判例
最高裁判所は、衆議院議員の定数配分規定が投票価値の平等に反し違憲であると判断した場合にも、事情判決の法理を援用して選挙自体は無効とせず、主文で違法を宣言するにとどめている。
選挙制度と政治・国際関係の○×一問一答6問|問題と解説
この論点で収録している6問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
投票価値の平等と判例重要度A最高裁判所は、衆議院議員の定数配分規定が投票価値の平等に反し違憲であると判断した場合にも、事情判決の法理を援用して選挙自体は無効とせず、主文で違法を宣言するにとどめている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判昭和51年4月14日は定数配分規定を違憲としつつ、行政事件訴訟法31条1項の事情判決の法理により選挙を無効とはしなかった。
問2
衆議院の選挙制度重要度A衆議院議員総選挙では小選挙区選挙と比例代表選挙とに重複して立候補することができ、小選挙区で落選した候補者が惜敗率に基づく順位により比例代表で当選人となることがある。
答え:○(正しい)
解説
正しい。小選挙区比例代表並立制の下では重複立候補が認められ、名簿の同一順位者は惜敗率の高い順に当選人が決まる。
問3
地方分権改革の内容重要度A1999年に成立した地方分権一括法により、国の下級機関として長を指揮監督する機関委任事務は廃止され、これに代わる地方公共団体の事務はすべて法定受託事務に一本化された。
答え:×(誤り)
解説
誤り。機関委任事務は廃止され、その事務は自治事務と法定受託事務に再構成された。一本化されたわけではない。
問4
参議院の選挙制度重要度B参議院議員通常選挙の比例代表選挙は拘束名簿式で行われ、有権者が投票用紙に記載できるのは政党名に限られ、政党があらかじめ届け出た名簿の順位に従って当選人が決定される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。参議院の比例代表は非拘束名簿式であり、候補者個人の得票数の多い順に当選人が決まる。特定枠に記載された候補者のみが例外的に優先される。
問5
国際連合の安全保障理事会重要度B国際連合の安全保障理事会において手続事項以外の実質事項に関する決定を行うには、表決に当たり常任理事国である五か国すべての同意投票を含む、理事国九か国以上の賛成が必要である。
答え:○(正しい)
解説
正しい。国連憲章27条3項の文言どおりで、実質事項の議決には常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成が必要である(五大国一致の原則)。ただし常任理事国の棄権は反対とは扱われず、決議の成立を妨げないという慣行が確立している点に注意する。実務上問題になるのは反対票(拒否権)の有無である。
問6
主要国の政治体制重要度Cアメリカ合衆国の大統領は、連邦議会が可決した法案に対する拒否権を有する一方で、議会に対して法案を提出する権限をもたず、教書を送付して必要と認める施策の立法を促すにとどまる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。厳格な権力分立に立つ大統領制の特徴であり、大統領は議会を解散できず、議会も大統領を不信任により罷免できない。
選挙制度と政治・国際関係の問題を続けて解く
この論点に対応する6問を絞り込んで出題します。