基礎知識
戸籍法と住民基本台帳法
出生届は14日以内、死亡届は7日以内で、起算点も「出生の日」と「死亡の事実を知った日」で違います。住民異動では転出届だけが「あらかじめ」の事前届出である点が最大の引っかけです。
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行政書士試験での出題
出題ランク C対応する一問一答 6問
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住民異動の届出期間
転入届(22条)、転居届(23条)、世帯変更届(25条)は、いずれも当該事由が生じた日から14日以内にしなければならない。これに対し転出届(24条)のみは「あらかじめ」行う事前届出であり、日数の制限という形をとらない点が異なる。届出は書面によることが原則である。世帯主は世帯員に代わって届け出ることができ、世帯員が届け出ることができないときは世帯主が代わって届け出る義務を負う(26条)。
覚え方転入・転居・世帯変更は十四日以内、転出だけあらかじめ
最重要・比較表
出生届・死亡届・転出届・転入届の期限
最初に確認するのは起算点です。死亡届だけが「知った日」から数え、転出届だけが引っ越す前の届出なので日数の制限という形をとりません。
| 事由 | 出生届 | 死亡届 | 転出届 | 転入届 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 届出の期間 | 14日以内。国外で出生があったときは3か月以内(戸籍法49条1項) | 7日以内。国外で死亡があったときは3か月以内(戸籍法86条1項) | 日数の制限はなく、転出する前にあらかじめ届け出る(住民基本台帳法24条) | 転入した日から14日以内(住民基本台帳法22条1項) | 同じ市町村内での引越しにあたる転居届も、転居した日から14日以内です(23条)。 |
| 期間の起算点最重要 | 出生の日から数える。届出人が事実を知った日ではない | 届出義務者が死亡の事実を知った日から数える(戸籍法86条1項) | 転出前の届出なので起算点はなく、転出の予定年月日を届け出る | 現に転入した日から数える。転出の予定年月日ではない | 死亡届の起算点を「死亡の日」と読むと7日の数え方がずれます。 |
| 届出先 | 本籍地または届出人の所在地のほか、出生地でも届け出られる(戸籍法25条1項、51条1項) | 本籍地または届出人の所在地のほか、死亡地でも届け出られる(戸籍法25条1項、88条1項) | 転出前に住んでいる市町村の市町村長に届け出る(住民基本台帳法24条) | 転入した先の市町村の市町村長に届け出る(住民基本台帳法22条1項) | 戸籍の届出は出生地・死亡地でもでき、住民異動は転出前と転入先で届出先が分かれます。 |
| 届け出る者と届出事項 | 嫡出子は父または母、非嫡出子は母が届け出る(戸籍法52条1項・2項) | 同居の親族、その他の同居者、家主・地主・家屋や土地の管理人(戸籍法87条1項) | 転出する者が、氏名・転出先・転出の予定年月日を届け出る(住民基本台帳法24条) | 転入した者が、氏名・住所・転入した年月日・従前の住所等を届け出る(住民基本台帳法22条1項) | 戸籍の届出は義務者が順位付きで法定されている点が、住民異動の届出と違います。 |
| 届け出なかった場合 | 正当な理由がなく期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法137条) | 正当な理由がなく期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法137条) | 正当な理由がなく届出をしない者は5万円以下の過料(住民基本台帳法52条2項) | 正当な理由がなく届出をしない者は5万円以下の過料(住民基本台帳法52条2項) | どちらの法律でも刑罰ではなく過料で、過料の裁判は簡易裁判所が行います。 |
届出の期間
- 出生届
- 14日以内。国外で出生があったときは3か月以内(戸籍法49条1項)
- 死亡届
- 7日以内。国外で死亡があったときは3か月以内(戸籍法86条1項)
- 転出届
- 日数の制限はなく、転出する前にあらかじめ届け出る(住民基本台帳法24条)
- 転入届
- 転入した日から14日以内(住民基本台帳法22条1項)
判断ポイント
同じ市町村内での引越しにあたる転居届も、転居した日から14日以内です(23条)。
期間の起算点
最重要- 出生届
- 出生の日から数える。届出人が事実を知った日ではない
- 死亡届
- 届出義務者が死亡の事実を知った日から数える(戸籍法86条1項)
- 転出届
- 転出前の届出なので起算点はなく、転出の予定年月日を届け出る
- 転入届
- 現に転入した日から数える。転出の予定年月日ではない
判断ポイント
死亡届の起算点を「死亡の日」と読むと7日の数え方がずれます。
届出先
- 出生届
- 本籍地または届出人の所在地のほか、出生地でも届け出られる(戸籍法25条1項、51条1項)
- 死亡届
- 本籍地または届出人の所在地のほか、死亡地でも届け出られる(戸籍法25条1項、88条1項)
- 転出届
- 転出前に住んでいる市町村の市町村長に届け出る(住民基本台帳法24条)
- 転入届
- 転入した先の市町村の市町村長に届け出る(住民基本台帳法22条1項)
判断ポイント
戸籍の届出は出生地・死亡地でもでき、住民異動は転出前と転入先で届出先が分かれます。
届け出る者と届出事項
- 出生届
- 嫡出子は父または母、非嫡出子は母が届け出る(戸籍法52条1項・2項)
- 死亡届
- 同居の親族、その他の同居者、家主・地主・家屋や土地の管理人(戸籍法87条1項)
- 転出届
- 転出する者が、氏名・転出先・転出の予定年月日を届け出る(住民基本台帳法24条)
- 転入届
- 転入した者が、氏名・住所・転入した年月日・従前の住所等を届け出る(住民基本台帳法22条1項)
判断ポイント
戸籍の届出は義務者が順位付きで法定されている点が、住民異動の届出と違います。
届け出なかった場合
- 出生届
- 正当な理由がなく期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法137条)
- 死亡届
- 正当な理由がなく期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法137条)
- 転出届
- 正当な理由がなく届出をしない者は5万円以下の過料(住民基本台帳法52条2項)
- 転入届
- 正当な理由がなく届出をしない者は5万円以下の過料(住民基本台帳法52条2項)
判断ポイント
どちらの法律でも刑罰ではなく過料で、過料の裁判は簡易裁判所が行います。
01戸籍法と住民基本台帳法の重要暗記項目
住民異動の届出期間
転入届(22条)、転居届(23条)、世帯変更届(25条)は、いずれも当該事由が生じた日から14日以内にしなければならない。これに対し転出届(24条)のみは「あらかじめ」行う事前届出であり、日数の制限という形をとらない点が異なる。届出は書面によることが原則である。世帯主は世帯員に代わって届け出ることができ、世帯員が届け出ることができないときは世帯主が代わって届け出る義務を負う(26条)。
覚え方転入・転居・世帯変更は十四日以内、転出だけあらかじめ
ひっかけ注意転出届も転出の日から14日以内とする誤りが定番。転出届は事前届出である。
出生の届出の期間
出生の届出は出生の日から14日以内(国外で出生したときは3箇月以内)にしなければならない(戸籍法49条)。嫡出子の届出義務者は父または母であり、子の出生前に父母が離婚した場合は母が届け出る。嫡出でない子は母が届け出る。これらの者が届け出ることができないときは、同居者、出産に立ち会った医師・助産師またはその他の者の順で義務を負う(52条)。届出は本籍地または届出人の所在地のほか、出生地でもすることができる(51条)。
覚え方出生は十四日以内、国外なら三箇月以内
ひっかけ注意出生届の期間を1箇月とする誤り、および出生地では届け出られないとする誤りが狙われる。
死亡の届出の期間
死亡の届出は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは、その事実を知った日から3箇月以内)にしなければならない(戸籍法86条1項)。届出義務者は同居の親族、その他の同居者、家主・地主または家屋・土地の管理人の順であるが、この順序にかかわらず届け出ることができる(87条1項)。同居していない親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者も届け出ることができる(同2項)。届書には診断書または検案書を添付する。
覚え方死亡は知った日から七日以内。出生の十四日と区別する
ひっかけ注意死亡届の期間を出生届と同じ14日とする誤りが定番。死亡は7日以内である。
転出届の時期
転出届は転出をする前にあらかじめ行う事前届出であり、届け出る内容も「転出の予定年月日」である(住民基本台帳法24条)。届出を受けた市町村長は転出証明書を交付し、転入先の市町村長への転入届に添付させるのが原則である。ただし個人番号カードの交付を受けている者が転出届をした場合には、最初の転入届について転出証明書の添付が不要となる特例が置かれ(24条の2)、転出地市町村長から転入予定地市町村長へ電子的に情報が通知される。
覚え方転出は予定日を届け出る。マイナカードがあれば転出証明書は不要
ひっかけ注意個人番号カードがあれば転出届自体が不要になるとする誤りが狙われる。省略できるのは転出証明書の添付である。
戸籍の編製単位
戸籍は一の夫婦およびこれと氏を同じくする子ごとに編製され、三世代が同一の戸籍に入ることはない(三代戸籍の禁止、戸籍法6条)。婚姻の届出があったときは夫婦について新戸籍が編製され、筆頭者となるのは夫婦が称することとした氏の側の者である。外国人と婚姻した者や配偶者がない者については、その者と氏を同じくする子ごとに編製される。戸籍は本籍地の市町村長が管掌し、戸籍事務は法定受託事務である。
覚え方夫婦と同氏の子で一組。孫までは同じ戸籍に入らない
ひっかけ注意祖父母・父母・孫が同一戸籍に記載されるとする誤りが定番。三代戸籍は禁止されている。
住民基本台帳の一部の写しの閲覧
住民基本台帳の一部の写しの閲覧は平成18年改正で原則非公開とされ、認められるのは、総務大臣が定める基準に照らして公益性が高いと認められる統計調査・世論調査・学術研究等、公共的団体が行う地域住民の福祉の向上に寄与する公益性の高い活動、営利以外の目的で行う居住関係の確認のうち市町村長が定めるものに限られる(11条の2)。国または地方公共団体の機関は法令で定める事務の遂行に必要な場合に請求できる(11条)。市町村長は閲覧の状況を公表する。
覚え方誰でも閲覧できた時代は終わった。公益性が認められる場合だけ
ひっかけ注意何人でも住民基本台帳の一部の写しを閲覧できるとする改正前の記述が誤りとして出る。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- 出生届 14日以内
- 死亡届 7日以内
- 転入・転居・世帯変更 14日以内
- 転出届 あらかじめ
- ひっかけ転出届も14日以内とする肢。転出は住所を移す前にする事前届出である
- ひっかけ死亡届の起算点を死亡の日とする肢。死亡の事実を知った日から起算する
- ひっかけ住民基本台帳の閲覧を「何人も」できるとする肢。何人もできるのは情報公開法の開示請求のほう
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1届出の種類を確定し、期間と起算点を当てはめる。出生は出生の日から14日、死亡は死亡の事実を知った日から7日
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2住民異動は事前か事後かで分ける。転入・転居・世帯変更は14日以内の事後届出、転出だけが事前届出
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3職務上請求なら根拠条項を見る。行政書士は戸籍法10条の2第3項の請求はできるが、紛争処理代理を理由とする4項の主体には含まれない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 住民基本台帳法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
戸籍法と住民基本台帳法の○×一問一答
1/6問解答 0・正解 0
基礎知識重要度 A頻出度 9/24(編集部の目安)
住民異動の届出期間
転入をした者は、転入をした日から十四日以内に、氏名、住所、転入をした年月日、従前の住所、世帯主との続柄その他の事項を、新たに住所を定めた市町村の市町村長に届け出なければならない。
戸籍法と住民基本台帳法の○×一問一答6問|問題と解説
この論点で収録している6問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
住民異動の届出期間重要度A転入をした者は、転入をした日から十四日以内に、氏名、住所、転入をした年月日、従前の住所、世帯主との続柄その他の事項を、新たに住所を定めた市町村の市町村長に届け出なければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。住民基本台帳法22条1項の定めである。同一市町村内での住所変更である転居届も14日以内である(23条)。
問2
出生の届出の期間重要度A出生の届出は、医師又は助産師等が作成した出生証明書を添付して、国内で出生があったときは出生の日から十四日以内に、国外で出生があったときは三箇月以内にしなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。戸籍法49条1項が定める期間である。届書には医師又は助産師等が作成する出生証明書を添付する。
問3
転出届の時期重要度B他の市町村の区域内に住所を移す転出をする者は、転出をした日から十四日以内に、その氏名、転出先及び転出の年月日を、転出前の住所地の市町村長に届け出なければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。住民基本台帳法24条は、転出をする者は「あらかじめ」氏名、転出先及び転出の予定年月日を届け出るべきものとしている。
問4
死亡の届出の期間重要度B死亡の届出は、同居の親族その他の届出義務者が、診断書又は検案書を添付して、死亡の日から七日以内(国外で死亡があったときはその日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。戸籍法86条1項の起算点は「死亡の事実を知った日」であり、死亡の日ではない。国外の場合も知った日から3か月以内である。
問5
住民基本台帳の一部の写しの閲覧重要度C何人も、市町村長に対し、当該市町村が備える住民基本台帳のうち氏名、出生の年月日、男女の別及び住所に係る部分の写しについて、その利用の目的を問わず閲覧を請求することができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。平成18年改正により何人でも閲覧できる制度は廃止された。個人又は法人は、公益性の高い調査研究等の活動に必要な場合に限り、申出により閲覧が認められる(11条の2)。
問6
戸籍の編製単位重要度B戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦、これと氏を同じくする子及び当該子の配偶者を単位とし、これらの者を三世代にわたり同一の戸籍に記載する方法により編製される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。戸籍法6条の編製単位は一の夫婦及びこれと氏を同じくする子までであり、子の配偶者を同一の戸籍に記載することはできない。
戸籍法と住民基本台帳法の問題を続けて解く
この論点に対応する6問を絞り込んで出題します。