2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

基礎知識

財政・経済と社会保障

基礎的財政収支が黒字でも利払費は残るため債務残高が増えることがある、という理屈を問う出題が増えています。介護保険は市町村、後期高齢者医療は都道府県単位の広域連合という運営主体の違いも定番です。

要点 8件・基本問題 8読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

行政書士試験での出題

出題ランク C対応する一問一答 14

収録している過去問には、この論点に直接あたる問題はありません。 下の確認問題で押さえてください。

最重要ポイント

国債の種類と発行根拠

財政法4条1項は、国の歳出は公債または借入金以外の歳入をもって賄うことを原則とし(健全財政主義)、ただし書で公共事業費、出資金および貸付金の財源については国会の議決を経た金額の範囲内で公債の発行または借入れを認める。これに基づくのが建設国債である。これに対し赤字国債(特例国債)は財政法上の根拠がなく、毎年度特例法を制定して発行される。日本銀行が国債を直接引き受けることは財政法5条により原則として禁止されている(市中消化の原則)。

覚え方建設国債は財政法四条ただし書、赤字国債は毎年の特例法

01財政・経済と社会保障の重要暗記項目

01
重要度 A / 収録過去問 4回

国債の種類と発行根拠

財政法4条1項は、国の歳出は公債または借入金以外の歳入をもって賄うことを原則とし(健全財政主義)、ただし書で公共事業費、出資金および貸付金の財源については国会の議決を経た金額の範囲内で公債の発行または借入れを認める。これに基づくのが建設国債である。これに対し赤字国債(特例国債)は財政法上の根拠がなく、毎年度特例法を制定して発行される。日本銀行が国債を直接引き受けることは財政法5条により原則として禁止されている(市中消化の原則)。

覚え方建設国債は財政法四条ただし書、赤字国債は毎年の特例法

ひっかけ注意赤字国債も財政法4条ただし書を根拠に発行できるとする誤りが定番。特例法が必要である。

02
重要度 A / 収録過去問 4回

介護保険の仕組み

介護保険の保険者は市町村および特別区である。第1号被保険者は65歳以上の者で、原因を問わず要介護・要支援状態となれば給付を受けられる。第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者で、加齢に伴う特定疾病による場合に限り給付を受けられる。給付を受けるには市町村の要介護認定を受ける必要があり、認定は介護認定審査会の審査判定に基づいて行われる。利用者は原則として費用の1割(所得に応じて2割または3割)を負担する。

覚え方保険者は市町村。六十五歳以上は原因不問、四十歳以上は特定疾病のみ

ひっかけ注意第2号被保険者が原因を問わず給付を受けられるとする誤りが定番。特定疾病による場合に限られる。

03
重要度 A / 収録過去問 3回

日本銀行の金融政策

金融政策の手段は公開市場操作(オペレーション)が中心であり、買いオペは市中に資金を供給し、売りオペは資金を吸収する。かつての公定歩合操作や預金準備率操作は現在では主要な手段ではない。金融政策は日本銀行政策委員会の金融政策決定会合で決定される。政府が行う財政政策と異なり、金融政策の目的は物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することにある(日本銀行法2条)。日本銀行の独立性は同法3条が定める。

覚え方買いオペで資金供給、売りオペで吸収。目的は物価の安定

ひっかけ注意買いオペを金融引締めの手段とする誤りが定番。買いオペは資金供給であり緩和方向に働く。

04
重要度 A / 収録過去問 3回

働き方改革と労働時間規制

時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間である。臨時的な特別の事情がある場合でも、年720時間、単月100時間未満(休日労働を含む)、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)を超えることはできず、月45時間を超えることができるのは年6箇月までである。あわせて、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対する年5日の時季指定義務、雇用形態にかかわらない待遇差の禁止(同一労働同一賃金)も導入された。違反には罰則がある。

覚え方原則月四十五・年三百六十、特例でも年七百二十・単月百未満

ひっかけ注意特別条項があれば上限なく時間外労働をさせられるとする誤りが狙われる。罰則付きの上限が定められている。

05
重要度 B / 収録過去問 3回

予算の種類

予算は内閣が作成して国会に提出し、衆議院に先議権がある(憲法60条1項)。参議院が衆議院と異なる議決をした場合に両院協議会を開いても意見が一致しないとき、または参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる(同2項)。予算には当初予算のほか、成立後の事情変更に対応する補正予算、成立が間に合わない場合の暫定予算がある。一般会計のほか、特定の事業や資金運用のための特別会計が置かれる。

覚え方予算は衆議院先議、三十日で自然成立

ひっかけ注意予算にも法律案と同じ60日ルールが適用されるとする誤りが狙われる。予算は30日である。

06
重要度 B / 収録過去問 3回

租税の分類

租税は、課税主体により国税と地方税に、納税者と担税者が一致するかにより直接税と間接税に分類される。この二つの区分は別の切り口であり、組み合わせて整理する。所得税や相続税には累進税率が用いられ所得の再分配機能を持つ。これに対し消費税は所得にかかわらず同率であるため、低所得者ほど所得に占める負担割合が高くなる逆進性が指摘され、飲食料品等に対する軽減税率が設けられている。租税法律主義により、租税の新設・変更には法律の根拠が必要である(憲法84条)。

覚え方国税か地方税か、直接税か間接税かは別の物差し

ひっかけ注意所得税を間接税とする誤り、および消費税に累進性があるとする誤りが狙われる。

07
重要度 B / 収録過去問 3回

公的年金の仕組み

公的年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての者が加入する国民年金(基礎年金)を1階、被用者が加入する厚生年金を2階とする二階建て構造である。被保険者は、第1号(自営業者・学生等)、第2号(被用者)、第3号(第2号被保険者に扶養される配偶者)に区分される。老齢基礎年金の受給資格期間は10年で、支給開始年齢は原則65歳、繰上げは60歳から、繰下げは75歳まで選択できる。給付水準を自動調整する仕組みとしてマクロ経済スライドが導入されている。

覚え方二十歳から六十歳まで全員加入、二階建て、資格期間十年

ひっかけ注意受給資格期間を25年とする改正前の記述が誤りとして出る。平成29年から10年に短縮されている。

08
重要度 B / 収録過去問 3回

最低賃金制度

地域別最低賃金は、労働者の生計費、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力の3要素を考慮して定められ、生計費の考慮にあたっては労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとされる(最低賃金法9条)。産業や職種に応じた特定最低賃金も設けられており、地域別と競合する場合は高い方が適用される。最低賃金額に達しない賃金の定めは無効となり、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされる(同4条2項)。

覚え方生計費・賃金・支払能力の三要素。下回る定めは無効

ひっかけ注意最低賃金を下回る合意も当事者が同意していれば有効とする誤りが狙われる。当該部分は無効となる。

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覚える数字と、狙われる引っかけ

  • 国民年金の加入 第1号・第3号被保険者は20歳以上60歳未満(第2号被保険者に年齢の下限はない)
  • 後期高齢者医療 75歳以上
  • 時間外労働の上限 原則は月45時間・年360時間。特別条項を結んだ場合に限り年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間(月45時間超は年6か月まで)
  • ひっかけ建設国債に特例法が必要とする肢。特例法が必要なのは赤字国債(特例国債)のほう
  • ひっかけプライマリーバランスが黒字なら国債残高が減少するとする肢。利払費が除かれているため増えることがある
  • ひっかけ第3号被保険者を自営業者の配偶者とする肢。第2号被保険者に扶養される配偶者である

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    財政の話なら根拠法を確認する。建設国債は財政法4条ただし書、赤字国債は毎年度の特例法が根拠になる

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    指標は定義に戻る。基礎的財政収支は利払費を除いた収支なので、黒字でも債務残高が増えることがある

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    社会保険は保険者と対象を押さえる。介護保険は市町村、後期高齢者医療は都道府県単位の広域連合が運営する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
財政法
情報確認日
2026年4月1日施行法令基準
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

財政・経済と社会保障の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

基礎知識重要度 A頻出度 9/24(編集部の目安)

国債の種類と発行根拠

歳入の不足を補うために発行される特例国債(赤字国債)は、道路や港湾等の公共事業費の財源に充てる建設国債と同様に、財政法第4条ただし書を根拠として発行が認められている。

財政・経済と社会保障○×一問一答14問|問題と解説

この論点で収録している14問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    国債の種類と発行根拠重要度A

    歳入の不足を補うために発行される特例国債(赤字国債)は、道路や港湾等の公共事業費の財源に充てる建設国債と同様に、財政法第4条ただし書を根拠として発行が認められている。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。財政法4条ただし書が認めるのは公共事業費等に充てる建設国債のみである。特例国債の発行には毎年度の特例法の制定が必要である。

  2. 2

    介護保険の仕組み重要度A

    介護保険を運営する保険者は都道府県であり、被保険者となるのは、当該都道府県の区域内に住所を有する者のうち、要介護状態となるおそれの高い六十五歳以上の者に限られる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。保険者は市町村及び特別区である。被保険者は65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である第2号被保険者に分かれる。

  3. 3

    日本銀行の金融政策重要度A

    日本銀行は、2016年に金融機関が保有する日本銀行当座預金の一部にマイナスの金利を適用する政策を導入したが、賃金と物価の好循環が確認されたとして2024年3月にこの政策は解除された。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。マイナス金利政策は2016年に導入され、2024年3月の金融政策決定会合で解除されて金利操作を軸とする運営に戻された。

  4. 4

    働き方改革と労働時間規制重要度A

    働き方改革関連法による労働基準法の改正により、三六協定によって延長することができる時間外労働については、原則として一箇月四十五時間、一年三百六十時間という上限が設けられている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。従来は行政指導の基準にとどまっていた限度時間が法律上の上限として定められ、違反には罰則が科される。

  5. 5

    予算の種類重要度B

    年度の開始までに本予算が成立しない見込みであるときは、成立までのつなぎとして内閣により暫定予算が組まれ、本予算の成立後に事情の変化が生じたときは補正予算が編成される。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。暫定予算は本予算成立までのつなぎであり、成立した時点で失効して本予算に吸収される。補正予算は成立後の追加・修正である。

  6. 6

    租税の分類重要度B

    消費税は、税を国に納める義務を負う者と税を経済的に実際に負担する者とが一致する租税であるから、納税義務者と担税者が同一である所得税や法人税と同じく直接税に分類される。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。消費税は納税義務者である事業者と担税者である消費者が異なる間接税である。直接税は所得税・法人税・相続税などである。

  7. 7

    公的年金の仕組み重要度B

    日本の公的年金は、あらかじめ積み立てた資金を自らの老後の給付に充てるのではなく、現役世代が納める保険料をその時々の高齢者への給付に充てる賦課方式を基本としている。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。世代間扶養の考え方に立つ賦課方式が基本であり、積立金はその補完として運用されている。

  8. 8

    地球温暖化対策の枠組み重要度C

    パリ協定の下では、温室効果ガスの排出削減目標を策定し提出する義務を負うのは京都議定書と同様に先進国のみであり、途上国は自主的な取組を求められるにとどまり、この義務を負わない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。パリ協定はすべての締約国に削減目標の策定・提出・更新を義務づけている。先進国のみに削減義務を課したのは京都議定書である。

  9. 9

    最低賃金制度重要度B

    最低賃金法に基づく地域別最低賃金は、労働者の生計費や賃金の地域による差異にかかわらず、全国のいずれの地域においても同一の額となるよう、全国一律の金額として定められる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。地域別最低賃金は都道府県ごとに定められており、地域による差がある。全国一律ではない。

  10. 10

    国際経済機関の役割重要度C

    国際通貨基金(IMF)は、加盟国間の関税の引下げ交渉の場を提供するとともに、加盟国間に生じた貿易上の紛争を解決するための手続を運用することを、その主たる任務としている。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。関税交渉の場の提供と紛争解決手続の運用は世界貿易機関(WTO)の任務である。IMFは為替相場の安定と国際収支が悪化した国への短期融資を担う。

  11. 11

    基礎的財政収支重要度C

    基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは、国債の元利払いに充てられる国債費を除いた歳出と、国債の発行による収入を除いた税収等の歳入との間の、その年度における収支をいう。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。過去の借入れの元利払いを除き、その年度の政策的経費をその年度の税収等で賄えているかを示す指標である。

  12. 12

    為替相場の変動と影響重要度C

    為替相場において円安が進行すると、一般に、海外から輸入する原材料や燃料の円建て価格は下落し、他方で輸出企業が外貨建ての代金を円に換算して受け取る売上高は減少する。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。円安は輸入品の円建て価格を上昇させ、輸出企業の円換算の売上高を増加させる。記述は円高の場合の説明である。

  13. 13

    後期高齢者医療制度重要度C

    後期高齢者医療制度において被保険者となるのは原則として七十五歳以上の者であり、その運営は、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入して設立された広域連合が行う。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。一定の障害の状態にある65歳以上75歳未満の者も、広域連合の認定を受けて被保険者となる。

  14. 14

    国内総生産と物価指標重要度C

    一定期間に国内で生み出された付加価値の総額である名目国内総生産を、物価変動の影響を除いた実質国内総生産で割ることによって求められる物価指数は、GDPデフレーターと呼ばれる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。国内で生産されたすべての財・サービスを対象とする包括的な物価指標であり、輸入物価の影響が直接には含まれない点に特徴がある。

次の学習

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この論点に対応する14問を絞り込んで出題します。

○×一問一答