基礎知識
財政・経済と社会保障
基礎的財政収支が黒字でも利払費は残るため債務残高が増えることがある、という理屈を問う出題が増えています。介護保険は市町村、後期高齢者医療は都道府県単位の広域連合という運営主体の違いも定番です。
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国際経済機関の役割
ブレトンウッズ体制の下で、IMF(国際通貨基金)は為替の安定を目的として短期の国際収支不均衡に融資し、国際復興開発銀行(世界銀行、IBRD)は長期の復興・開発資金を融資し、貿易面はGATT(関税及び貿易に関する一般協定)が担当した。GATTは1995年にWTO(世界貿易機関)へ発展し、紛争解決手続の司法化とサービス貿易・知的財産権への対象拡大が図られた。WTOは全会一致を原則とするため近年は交渉が停滞し、地域的な自由貿易協定が広がっている。
覚え方IMFは短期、世界銀行は長期、貿易はGATTからWTOへ
01財政・経済と社会保障の重要暗記項目
国際経済機関の役割
ブレトンウッズ体制の下で、IMF(国際通貨基金)は為替の安定を目的として短期の国際収支不均衡に融資し、国際復興開発銀行(世界銀行、IBRD)は長期の復興・開発資金を融資し、貿易面はGATT(関税及び貿易に関する一般協定)が担当した。GATTは1995年にWTO(世界貿易機関)へ発展し、紛争解決手続の司法化とサービス貿易・知的財産権への対象拡大が図られた。WTOは全会一致を原則とするため近年は交渉が停滞し、地域的な自由貿易協定が広がっている。
覚え方IMFは短期、世界銀行は長期、貿易はGATTからWTOへ
ひっかけ注意IMFが長期の開発資金を融資するとする誤りが狙われる。長期の開発融資は世界銀行の役割である。
予算の種類
予算は内閣が作成して国会に提出し、衆議院に先議権がある(憲法60条1項)。参議院が衆議院と異なる議決をした場合に両院協議会を開いても意見が一致しないとき、または参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる(同2項)。予算には当初予算のほか、成立後の事情変更に対応する補正予算、成立が間に合わない場合の暫定予算がある。一般会計のほか、特定の事業や資金運用のための特別会計が置かれる。
覚え方予算は衆議院先議、三十日で自然成立
ひっかけ注意予算にも法律案と同じ60日ルールが適用されるとする誤りが狙われる。予算は30日である。
国債の種類と発行根拠
財政法4条1項は、国の歳出は公債または借入金以外の歳入をもって賄うことを原則とし(健全財政主義)、ただし書で公共事業費、出資金および貸付金の財源については国会の議決を経た金額の範囲内で公債の発行または借入れを認める。これに基づくのが建設国債である。これに対し赤字国債(特例国債)は財政法上の根拠がなく、毎年度特例法を制定して発行される。日本銀行が国債を直接引き受けることは財政法5条により原則として禁止されている(市中消化の原則)。
覚え方建設国債は財政法四条ただし書、赤字国債は毎年の特例法
ひっかけ注意赤字国債も財政法4条ただし書を根拠に発行できるとする誤りが定番。特例法が必要である。
基礎的財政収支
基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、国債費(元利払い)を除く歳出と、国債発行収入を除く歳入との差額をいう。これが均衡していれば、その年度の政策的経費を新たな借金に頼らずに賄えている状態を意味する。ただし均衡しても利払費は残るため、名目成長率が名目金利を下回る局面では債務残高の対GDP比は上昇しうる。財政健全化目標は、基礎的財政収支の黒字化と債務残高対GDP比の安定的な引下げをあわせて語られることが多い。
覚え方利払いを除いた収支。均衡しても借金残高は減らない
ひっかけ注意基礎的財政収支が均衡すれば債務残高が減少するとする誤りが狙われる。利払費の分だけ残高は増えうる。
日本銀行の金融政策
金融政策の手段は公開市場操作(オペレーション)が中心であり、買いオペは市中に資金を供給し、売りオペは資金を吸収する。かつての公定歩合操作や預金準備率操作は現在では主要な手段ではない。金融政策は日本銀行政策委員会の金融政策決定会合で決定される。政府が行う財政政策と異なり、金融政策の目的は物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することにある(日本銀行法2条)。日本銀行の独立性は同法3条が定める。
覚え方買いオペで資金供給、売りオペで吸収。目的は物価の安定
ひっかけ注意買いオペを金融引締めの手段とする誤りが定番。買いオペは資金供給であり緩和方向に働く。
租税の分類
租税は、課税主体により国税と地方税に、納税者と担税者が一致するかにより直接税と間接税に分類される。この二つの区分は別の切り口であり、組み合わせて整理する。所得税や相続税には累進税率が用いられ所得の再分配機能を持つ。これに対し消費税は所得にかかわらず同率であるため、低所得者ほど所得に占める負担割合が高くなる逆進性が指摘され、飲食料品等に対する軽減税率が設けられている。租税法律主義により、租税の新設・変更には法律の根拠が必要である(憲法84条)。
覚え方国税か地方税か、直接税か間接税かは別の物差し
ひっかけ注意所得税を間接税とする誤り、および消費税に累進性があるとする誤りが狙われる。
国内総生産と物価指標
国内総生産(GDP)は、一定期間に国内で新たに生み出された付加価値の合計であり、生産・分配・支出のいずれの面から測っても等しくなる(三面等価の原則)。国内という地理的範囲で捉える点で、居住者が生み出した所得を捉える国民総所得(GNI)と異なる。名目GDPを物価変動の影響を除いて実質化したものが実質GDPで、その比率がGDPデフレーターである。消費者物価指数は家計が購入する財・サービスを対象とし、企業物価指数は企業間で取引される財を対象とする。
覚え方GDPは国内、GNIは居住者。三面等価で必ず一致
ひっかけ注意GDPに海外で稼いだ所得が含まれるとする誤りが狙われる。それを含むのはGNIである。
為替相場の変動と影響
円安は輸出品の外貨建て価格を引き下げて輸出数量の増加につながる一方、輸入コストの上昇をもたらし、訪日外国人にとっては日本での支出が割安になる。円高はその逆で、海外旅行や海外からの調達に有利に働く一方、輸出産業の採算を圧迫する。為替相場は内外金利差、物価の動向、経常収支、資本移動などの影響を受け、一般に自国の金利が上昇すると通貨は上昇しやすい。1985年のプラザ合意はドル高是正のための協調介入の合意である。
覚え方円安は輸出に追い風・輸入に逆風。円高はその逆
ひっかけ注意円高が輸出企業に有利とする誤り、および金利上昇が自国通貨安を招くとする誤りが狙われる。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1財政の話なら根拠法を確認する。建設国債は財政法4条ただし書、赤字国債は毎年度の特例法が根拠になる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2指標は定義に戻る。基礎的財政収支は利払費を除いた収支なので、黒字でも債務残高が増えることがある
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3社会保険は保険者と対象を押さえる。介護保険は市町村、後期高齢者医療は都道府県単位の広域連合が運営する
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 財政法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
財政・経済と社会保障の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
基礎知識重要度 A頻出度 9/24(編集部の目安)
国債の種類と発行根拠
歳入の不足を補うために発行される特例国債(赤字国債)は、道路や港湾等の公共事業費の財源に充てる建設国債と同様に、財政法第4条ただし書を根拠として発行が認められている。
全784問から、分野・重要度で解く
行政法240問、民法180問、憲法60問、商法・会社法40問、基礎法学20問、基礎知識80問を収録。