民法・登記
売買・請負・委任|原則・例外と判断の手順【2026年度試験対応】
工事の完成を約束する請負と、事務処理を委託する委任では、求められる結果や注意義務が違います。種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 5問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
工事の完成を約束する請負と、事務処理を委託する委任では、求められる結果や注意義務が違います。種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09
設例を解く判断手順
条件をこの順に確認してから、各記述の正誤を判断します。
- 売買・請負・委任の契約目的を読む
- 結果完成と事務処理の注意義務を分ける
- 不適合の種類と通知の起算点を確認する
根拠:民法
契約不適合
種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。
確認例:売買目的物の数量不足は、契約不適合責任の対象にならない。
誤り。562条は種類・品質・数量を列挙する。品質の欠陥だけの制度と理解しない。
根拠:民法
通知期間
種類又は品質の不適合は、原則として買主が知った時から1年以内の通知が必要となる。
確認例:売買の品質不適合の通知期間は、原則として引渡しから一律1年である。
誤り。566条の起算点は不適合を知った時である。売主の悪意等による例外や一般時効も別に確認する。
根拠:民法
請負
請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。
確認例:大規模修繕の請負では、仕事の完成が契約の中心となる。
正しい。632条の定義である。委任の事務処理に対する注意義務だけと同一視しない。
根拠:民法
委任の注意義務
受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。
確認例:無報酬の受任者は、民法644条上、善良な管理者の注意義務を一切負わない。
誤り。644条は報酬の有無で善管注意義務を免除していない。管理組合役員の事務処理にも関係する。
根拠:民法
委任の報告
受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。
確認例:委任が終了した受任者には、事務の経過及び結果を報告する義務がある。
正しい。645条の終了後報告である。契約期間中の請求に応じた報告とともに整理する。
根拠:民法
準委任
法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。
確認例:事実行為の事務処理を頼んだ準委任には、民法の委任規定は全く適用されない。
誤り。656条は法律行為でない事務の委託に委任規定を準用する。管理実務の契約分類に役立つ。
根拠:民法
無報酬の受任者
委任の善管注意義務は報酬がないというだけでなくならない。
確認例:Aが無報酬で管理組合の事務を受任した。報酬がないことだけを理由に644条の善管注意義務が免除されるわけではない。
正しい。644条は委任の本旨に従う善良な管理者の注意を求める。請負の完成義務とは別の義務である。
根拠:民法
不適合通知の起算点
品質不適合の通知期間は原則として不適合を知った時から1年である。
確認例:売主の悪意等の例外はない。引渡しの2年後に品質不適合を知った買主は、引渡しから1年を過ぎたという理由だけで566条の通知期間を徒過している。
誤り。起算点は知った時であり引渡し時ではない。ただし一般の消滅時効等が別に問題となる点にも注意する。
根拠:民法
設例の結論と判断を分けた条件
同じ論点でも、判断に使う条件を取り違えると結論が変わります。問題の数字や前提はこの教材の独自設例です。
| 設例 | 記述の判定 | 判断を決めた条件 |
|---|---|---|
| 無報酬の受任者 | 正しい | 644条は委任の本旨に従う善良な管理者の注意を求める。請負の完成義務とは別の義務である。 |
| 不適合通知の起算点 | 誤り | 起算点は知った時であり引渡し時ではない。ただし一般の消滅時効等が別に問題となる点にも注意する。 |
根拠:民法
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 民法確認日:2026-09-09

約束する内容が仕事の完成か事務処理かを確認します。
売買・請負・委任|契約不適合
種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。 確認例:売買目的物の数量不足は、契約不適合責任の対象にならない。 誤り。562条は種類・品質・数量を列挙する。品質の欠陥だけの制度と理解しない。
覚え方契約不適合:種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。
比較して覚える
請負と委任・準委任
約束する内容が仕事の完成か事務処理かを確認します。
| 事由 | 中心となる内容 | 確認する義務 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 請負 | 仕事の完成と結果への報酬 | 工事内容・完成・契約不適合 | 請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。 |
| 委任 | 法律行為の委託 | 善管注意義務・報告義務 | 受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。 受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。 |
| 準委任 | 法律行為でない事務の委託 | 委任規定を準用 | 法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。 |
請負
- 中心となる内容
- 仕事の完成と結果への報酬
- 確認する義務
- 工事内容・完成・契約不適合
判断ポイント
請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。
委任
- 中心となる内容
- 法律行為の委託
- 確認する義務
- 善管注意義務・報告義務
判断ポイント
受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。 受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。
準委任
- 中心となる内容
- 法律行為でない事務の委託
- 確認する義務
- 委任規定を準用
判断ポイント
法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。
01売買・請負・委任の重要暗記項目
売買・請負・委任|契約不適合
種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。 確認例:売買目的物の数量不足は、契約不適合責任の対象にならない。 誤り。562条は種類・品質・数量を列挙する。品質の欠陥だけの制度と理解しない。
覚え方契約不適合:種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。
ひっかけ注意562条は種類・品質・数量を列挙する。品質の欠陥だけの制度と理解しない。
売買・請負・委任|通知期間
種類又は品質の不適合は、原則として買主が知った時から1年以内の通知が必要となる。 確認例:売買の品質不適合の通知期間は、原則として引渡しから一律1年である。 誤り。566条の起算点は不適合を知った時である。売主の悪意等による例外や一般時効も別に確認する。
覚え方通知期間:種類又は品質の不適合は、原則として買主が知った時から1年以内の通知が必要となる。
ひっかけ注意566条の起算点は不適合を知った時である。売主の悪意等による例外や一般時効も別に確認する。
売買・請負・委任|請負
請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。 確認例:大規模修繕の請負では、仕事の完成が契約の中心となる。 正しい。632条の定義である。委任の事務処理に対する注意義務だけと同一視しない。
覚え方請負:請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。
ひっかけ注意632条の定義である。委任の事務処理に対する注意義務だけと同一視しない。
売買・請負・委任|委任の注意義務
受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。 確認例:無報酬の受任者は、民法644条上、善良な管理者の注意義務を一切負わない。 誤り。644条は報酬の有無で善管注意義務を免除していない。管理組合役員の事務処理にも関係する。
覚え方委任の注意義務:受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。
ひっかけ注意644条は報酬の有無で善管注意義務を免除していない。管理組合役員の事務処理にも関係する。
売買・請負・委任|委任の報告
受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。 確認例:委任が終了した受任者には、事務の経過及び結果を報告する義務がある。 正しい。645条の終了後報告である。契約期間中の請求に応じた報告とともに整理する。
覚え方委任の報告:受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。
ひっかけ注意645条の終了後報告である。契約期間中の請求に応じた報告とともに整理する。
売買・請負・委任|準委任
法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。 確認例:事実行為の事務処理を頼んだ準委任には、民法の委任規定は全く適用されない。 誤り。656条は法律行為でない事務の委託に委任規定を準用する。管理実務の契約分類に役立つ。
覚え方準委任:法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。
ひっかけ注意656条は法律行為でない事務の委託に委任規定を準用する。管理実務の契約分類に役立つ。
売買・請負・委任|無報酬の受任者
委任の善管注意義務は報酬がないというだけでなくならない。 確認例:Aが無報酬で管理組合の事務を受任した。報酬がないことだけを理由に644条の善管注意義務が免除されるわけではない。 正しい。644条は委任の本旨に従う善良な管理者の注意を求める。請負の完成義務とは別の義務である。
覚え方無報酬の受任者:委任の善管注意義務は報酬がないというだけでなくならない。
ひっかけ注意644条は委任の本旨に従う善良な管理者の注意を求める。請負の完成義務とは別の義務である。
売買・請負・委任|不適合通知の起算点
品質不適合の通知期間は原則として不適合を知った時から1年である。 確認例:売主の悪意等の例外はない。引渡しの2年後に品質不適合を知った買主は、引渡しから1年を過ぎたという理由だけで566条の通知期間を徒過している。 誤り。起算点は知った時であり引渡し時ではない。ただし一般の消滅時効等が別に問題となる点にも注意する。
覚え方不適合通知の起算点:品質不適合の通知期間は原則として不適合を知った時から1年である。
ひっかけ注意起算点は知った時であり引渡し時ではない。ただし一般の消滅時効等が別に問題となる点にも注意する。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- ひっかけ562条は種類・品質・数量を列挙する。品質の欠陥だけの制度と理解しない。
- ひっかけ566条の起算点は不適合を知った時である。売主の悪意等による例外や一般時効も別に確認する。
- ひっかけ644条は報酬の有無で善管注意義務を免除していない。管理組合役員の事務処理にも関係する。
- ひっかけ656条は法律行為でない事務の委託に委任規定を準用する。管理実務の契約分類に役立つ。
- ひっかけ起算点は知った時であり引渡し時ではない。ただし一般の消滅時効等が別に問題となる点にも注意する。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2種類又は品質の不適合は、原則として買主が知った時から1年以内の通知が必要となる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 4受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 5受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 6法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 7委任の善管注意義務は報酬がないというだけでなくならない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 8品質不適合の通知期間は原則として不適合を知った時から1年である。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
売買・請負・委任の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
民法・登記重要度 B
売買・請負・委任|契約不適合
売買目的物の数量不足は、契約不適合責任の対象にならない。
売買・請負・委任の○×一問一答8問|問題と解説
この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
売買・請負・委任|契約不適合重要度B売買目的物の数量不足は、契約不適合責任の対象にならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。562条は種類・品質・数量を列挙する。品質の欠陥だけの制度と理解しない。 要点:種類・品質・数量が契約内容に適合しない目的物について、買主は原則として追完請求をできる。 根拠:民法 第562条。
問2
売買・請負・委任|通知期間重要度B売買の品質不適合の通知期間は、原則として引渡しから一律1年である。
答え:×(誤り)
解説
誤り。566条の起算点は不適合を知った時である。売主の悪意等による例外や一般時効も別に確認する。 要点:種類又は品質の不適合は、原則として買主が知った時から1年以内の通知が必要となる。 根拠:民法 第566条。
問3
売買・請負・委任|請負重要度B大規模修繕の請負では、仕事の完成が契約の中心となる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。632条の定義である。委任の事務処理に対する注意義務だけと同一視しない。 要点:請負は仕事を完成することと、その結果に対する報酬の支払いを約する契約である。 根拠:民法 第632条。
問4
売買・請負・委任|委任の注意義務重要度B無報酬の受任者は、民法644条上、善良な管理者の注意義務を一切負わない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。644条は報酬の有無で善管注意義務を免除していない。管理組合役員の事務処理にも関係する。 要点:受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する。 根拠:民法 第644条。
問5
売買・請負・委任|委任の報告重要度B委任が終了した受任者には、事務の経過及び結果を報告する義務がある。
答え:○(正しい)
解説
正しい。645条の終了後報告である。契約期間中の請求に応じた報告とともに整理する。 要点:受任者は求めがあれば処理状況を報告し、委任終了後は経過・結果を遅滞なく報告する。 根拠:民法 第645条。
問6
売買・請負・委任|準委任重要度B事実行為の事務処理を頼んだ準委任には、民法の委任規定は全く適用されない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。656条は法律行為でない事務の委託に委任規定を準用する。管理実務の契約分類に役立つ。 要点:法律行為でない事務の委託には、委任の規定が準用される。 根拠:民法 第656条。
問7
売買・請負・委任|無報酬の受任者重要度BAが無報酬で管理組合の事務を受任した。報酬がないことだけを理由に644条の善管注意義務が免除されるわけではない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。644条は委任の本旨に従う善良な管理者の注意を求める。請負の完成義務とは別の義務である。 要点:委任の善管注意義務は報酬がないというだけでなくならない。 根拠:民法 第644条。
問8
売買・請負・委任|不適合通知の起算点重要度B売主の悪意等の例外はない。引渡しの2年後に品質不適合を知った買主は、引渡しから1年を過ぎたという理由だけで566条の通知期間を徒過している。
答え:×(誤り)
解説
誤り。起算点は知った時であり引渡し時ではない。ただし一般の消滅時効等が別に問題となる点にも注意する。 要点:品質不適合の通知期間は原則として不適合を知った時から1年である。 根拠:民法 第566条。
収録している全問から、分野・重要度で解く
区分所有法・再生158問、民法・登記88問、規約・管理実務80問、建物・設備118問、管理適正化法58問を収録。