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民法・登記

相続・共有住戸と権利の承継|原則・例外と判断の手順【2026年度試験対応】

相続開始による権利義務の承継、承認・放棄の期限、共同相続の共有関係、相続登記の義務を整理します。管理費請求や議決権行使の相手方が誰になるかを確認します。

要点 8件・基本問題 8・解説の確認問題 5問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

相続開始による権利義務の承継、承認・放棄の期限、共同相続の共有関係、相続登記の義務を整理します。管理費請求や議決権行使の相手方が誰になるかを確認します。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09

設例を解く判断手順

条件をこの順に確認してから、各記述の正誤を判断します。

  1. 相続開始と包括承継を確認する
  2. 放棄の起算点・期間・方式を確認する
  3. 共有住戸の議決権行使者と相続登記を確認する

根拠:民法建物の区分所有等に関する法律不動産登記法

開始

相続は死亡によって開始する。

確認例:遺産分割協議が成立するまでは、民法上の相続そのものは開始しない。

誤り。882条は死亡を開始原因とする。遺産分割は開始後の遺産帰属を具体化する手続である。

根拠:民法

権利義務の承継

相続人は原則として被相続人の一切の権利義務を承継するが、一身専属のものは除かれる。

確認例:相続では財産だけでなく、被相続人の債務も原則として承継の対象となる。

正しい。896条の包括承継である。預金や不動産だけを承継し管理費債務は当然無関係とはしない。

根拠:民法

放棄の期間

相続の承認・放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に行う。

確認例:相続放棄の原則的期間は、常に被相続人死亡の日から3か月であり、知った時期は無関係である。

誤り。915条の起算点は自己のための相続開始を知った時である。家庭裁判所による期間伸長もある。

根拠:民法

放棄の方式

相続放棄は家庭裁判所に申述して行う。

確認例:管理組合理事長に相続しませんと手紙を送れば、それだけで民法上の相続放棄が成立する。

誤り。938条が家庭裁判所への申述を要求する。私的な宣言や遺産分割で取得しないこととは異なる。

根拠:民法

共有住戸の議決権

専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。

確認例:住戸を共同相続した3人は、その共有住戸について区分所有法40条により議決権行使者1人を定める。

正しい。共有者各人が独立して一住戸分ずつ投票する仕組みではない。所有者の共有と団体の議決方法を分ける。

根拠:建物の区分所有等に関する法律

相続登記義務

相続で不動産所有権を取得した者は、取得を知った日から原則3年以内に相続登記を申請する。

確認例:相続登記は、2026年時点でも法律上完全に任意であり申請義務はない。

誤り。不動産登記法76条の2の申請義務がある。旧相続にも経過措置があるため、具体的期限は取得時期等を確認する。

根拠:不動産登記法

放棄と口頭通知

相続放棄には家庭裁判所への申述が必要である。

確認例:Aが管理組合に相続しないと口頭で伝えただけでは、938条の相続放棄の方式を満たしたとはいえない。

正しい。相続人の意向の伝達と家庭裁判所での申述手続は異なる。住戸を使わないことも相続放棄そのものではない。

根拠:民法

共有相続の一票

専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。

確認例:相続により1住戸を3人が共有した場合、共有者は40条にかかわらず同じ住戸の議決権を各自独立して3倍行使できる。

誤り。40条は共有住戸の行使者1人を求める。相続人数が増えたことだけでその住戸の議決権が増えるわけではない。

根拠:建物の区分所有等に関する法律

設例の結論と判断を分けた条件

同じ論点でも、判断に使う条件を取り違えると結論が変わります。問題の数字や前提はこの教材の独自設例です。

相続・共有住戸と権利の承継の設例比較
設例記述の判定判断を決めた条件
放棄と口頭通知正しい相続人の意向の伝達と家庭裁判所での申述手続は異なる。住戸を使わないことも相続放棄そのものではない。
共有相続の一票誤り40条は共有住戸の行使者1人を求める。相続人数が増えたことだけでその住戸の議決権が増えるわけではない。

根拠:民法建物の区分所有等に関する法律

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 遺産分割協議が成立するまでは、民法上の相続そのものは開始しない。

    根拠:資料1

  2. 2 相続では財産だけでなく、被相続人の債務も原則として承継の対象となる。

    根拠:資料1

  3. 3 相続放棄の原則的期間は、常に被相続人死亡の日から3か月であり、知った時期は無関係である。

    根拠:資料1

  4. 4 Aが管理組合に相続しないと口頭で伝えただけでは、938条の相続放棄の方式を満たしたとはいえない。

    根拠:資料1

  5. 5 相続により1住戸を3人が共有した場合、共有者は40条にかかわらず同じ住戸の議決権を各自独立して3倍行使できる。

    根拠:資料1

この解説の一次資料

相続と売買による承継。相続:権利義務の包括承継/債務も原則承継。放棄の有無等を確認。住戸の売買:特定承継/区分所有法8条により一定の管理費等を請求可能。規約・決議:特定承継人にも効力/購入前の規約というだけで適用を免れない
図で覚える

誰がどの根拠で義務を引き継ぐか確認します。

最重要ポイント

相続・共有住戸と権利の承継|開始

相続は死亡によって開始する。 確認例:遺産分割協議が成立するまでは、民法上の相続そのものは開始しない。 誤り。882条は死亡を開始原因とする。遺産分割は開始後の遺産帰属を具体化する手続である。

覚え方開始:相続は死亡によって開始する。

比較して覚える

相続と売買による承継

誰がどの根拠で義務を引き継ぐか確認します。

相続

性格
権利義務の包括承継
管理との関係
債務も原則承継。放棄の有無等を確認

判断ポイント

相続人は原則として被相続人の一切の権利義務を承継するが、一身専属のものは除かれる。 相続放棄は家庭裁判所に申述して行う。

住戸の売買

性格
特定承継
管理との関係
区分所有法8条により一定の管理費等を請求可能

判断ポイント

7条1項の債権は、債務者の特定承継人にも行使できる。

規約・決議

性格
特定承継人にも効力
管理との関係
購入前の規約というだけで適用を免れない

判断ポイント

規約・集会決議は特定承継人に効力を持ち、占有者には使用方法について同一の義務が及ぶ。

01相続・共有住戸と権利の承継の重要暗記項目

01
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|開始

相続は死亡によって開始する。 確認例:遺産分割協議が成立するまでは、民法上の相続そのものは開始しない。 誤り。882条は死亡を開始原因とする。遺産分割は開始後の遺産帰属を具体化する手続である。

覚え方開始:相続は死亡によって開始する。

ひっかけ注意882条は死亡を開始原因とする。遺産分割は開始後の遺産帰属を具体化する手続である。

02
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|権利義務の承継

相続人は原則として被相続人の一切の権利義務を承継するが、一身専属のものは除かれる。 確認例:相続では財産だけでなく、被相続人の債務も原則として承継の対象となる。 正しい。896条の包括承継である。預金や不動産だけを承継し管理費債務は当然無関係とはしない。

覚え方権利義務の承継:相続人は原則として被相続人の一切の権利義務を承継するが、一身専属のものは除かれる。

ひっかけ注意896条の包括承継である。預金や不動産だけを承継し管理費債務は当然無関係とはしない。

03
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|放棄の期間

相続の承認・放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に行う。 確認例:相続放棄の原則的期間は、常に被相続人死亡の日から3か月であり、知った時期は無関係である。 誤り。915条の起算点は自己のための相続開始を知った時である。家庭裁判所による期間伸長もある。

覚え方放棄の期間:相続の承認・放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に行う。

ひっかけ注意915条の起算点は自己のための相続開始を知った時である。家庭裁判所による期間伸長もある。

04
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|放棄の方式

相続放棄は家庭裁判所に申述して行う。 確認例:管理組合理事長に相続しませんと手紙を送れば、それだけで民法上の相続放棄が成立する。 誤り。938条が家庭裁判所への申述を要求する。私的な宣言や遺産分割で取得しないこととは異なる。

覚え方放棄の方式:相続放棄は家庭裁判所に申述して行う。

ひっかけ注意938条が家庭裁判所への申述を要求する。私的な宣言や遺産分割で取得しないこととは異なる。

05
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|共有住戸の議決権

専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。 確認例:住戸を共同相続した3人は、その共有住戸について区分所有法40条により議決権行使者1人を定める。 正しい。共有者各人が独立して一住戸分ずつ投票する仕組みではない。所有者の共有と団体の議決方法を分ける。

覚え方共有住戸の議決権:専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。

ひっかけ注意共有者各人が独立して一住戸分ずつ投票する仕組みではない。所有者の共有と団体の議決方法を分ける。

06
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|相続登記義務

相続で不動産所有権を取得した者は、取得を知った日から原則3年以内に相続登記を申請する。 確認例:相続登記は、2026年時点でも法律上完全に任意であり申請義務はない。 誤り。不動産登記法76条の2の申請義務がある。旧相続にも経過措置があるため、具体的期限は取得時期等を確認する。

覚え方相続登記義務:相続で不動産所有権を取得した者は、取得を知った日から原則3年以内に相続登記を申請する。

ひっかけ注意不動産登記法76条の2の申請義務がある。旧相続にも経過措置があるため、具体的期限は取得時期等を確認する。

07
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|放棄と口頭通知

相続放棄には家庭裁判所への申述が必要である。 確認例:Aが管理組合に相続しないと口頭で伝えただけでは、938条の相続放棄の方式を満たしたとはいえない。 正しい。相続人の意向の伝達と家庭裁判所での申述手続は異なる。住戸を使わないことも相続放棄そのものではない。

覚え方放棄と口頭通知:相続放棄には家庭裁判所への申述が必要である。

ひっかけ注意相続人の意向の伝達と家庭裁判所での申述手続は異なる。住戸を使わないことも相続放棄そのものではない。

08
重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|共有相続の一票

専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。 確認例:相続により1住戸を3人が共有した場合、共有者は40条にかかわらず同じ住戸の議決権を各自独立して3倍行使できる。 誤り。40条は共有住戸の行使者1人を求める。相続人数が増えたことだけでその住戸の議決権が増えるわけではない。

覚え方共有相続の一票:専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。

ひっかけ注意40条は共有住戸の行使者1人を求める。相続人数が増えたことだけでその住戸の議決権が増えるわけではない。

民法・登記の暗記表をすべて見る →

覚える数字と、狙われる引っかけ

  • ひっかけ882条は死亡を開始原因とする。遺産分割は開始後の遺産帰属を具体化する手続である。
  • ひっかけ915条の起算点は自己のための相続開始を知った時である。家庭裁判所による期間伸長もある。
  • ひっかけ938条が家庭裁判所への申述を要求する。私的な宣言や遺産分割で取得しないこととは異なる。
  • ひっかけ不動産登記法76条の2の申請義務がある。旧相続にも経過措置があるため、具体的期限は取得時期等を確認する。
  • ひっかけ40条は共有住戸の行使者1人を求める。相続人数が増えたことだけでその住戸の議決権が増えるわけではない。

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    相続は死亡によって開始する。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    相続人は原則として被相続人の一切の権利義務を承継するが、一身専属のものは除かれる。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    相続の承認・放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に行う。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  4. 4
    相続放棄は家庭裁判所に申述して行う。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  5. 5
    専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  6. 6
    相続で不動産所有権を取得した者は、取得を知った日から原則3年以内に相続登記を申請する。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  7. 7
    相続放棄には家庭裁判所への申述が必要である。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  8. 8
    専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026-04-01
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

相続・共有住戸と権利の承継の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

民法・登記重要度 B

相続・共有住戸と権利の承継|開始

遺産分割協議が成立するまでは、民法上の相続そのものは開始しない。

相続・共有住戸と権利の承継○×一問一答8問|問題と解説

この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    相続・共有住戸と権利の承継|開始重要度B

    遺産分割協議が成立するまでは、民法上の相続そのものは開始しない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。882条は死亡を開始原因とする。遺産分割は開始後の遺産帰属を具体化する手続である。 要点:相続は死亡によって開始する。 根拠:民法 第882条。

  2. 2

    相続・共有住戸と権利の承継|権利義務の承継重要度B

    相続では財産だけでなく、被相続人の債務も原則として承継の対象となる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。896条の包括承継である。預金や不動産だけを承継し管理費債務は当然無関係とはしない。 要点:相続人は原則として被相続人の一切の権利義務を承継するが、一身専属のものは除かれる。 根拠:民法 第896条。

  3. 3

    相続・共有住戸と権利の承継|放棄の期間重要度B

    相続放棄の原則的期間は、常に被相続人死亡の日から3か月であり、知った時期は無関係である。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。915条の起算点は自己のための相続開始を知った時である。家庭裁判所による期間伸長もある。 要点:相続の承認・放棄は原則として自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に行う。 根拠:民法 第915条。

  4. 4

    相続・共有住戸と権利の承継|放棄の方式重要度B

    管理組合理事長に相続しませんと手紙を送れば、それだけで民法上の相続放棄が成立する。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。938条が家庭裁判所への申述を要求する。私的な宣言や遺産分割で取得しないこととは異なる。 要点:相続放棄は家庭裁判所に申述して行う。 根拠:民法 第938条。

  5. 5

    相続・共有住戸と権利の承継|共有住戸の議決権重要度B

    住戸を共同相続した3人は、その共有住戸について区分所有法40条により議決権行使者1人を定める。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。共有者各人が独立して一住戸分ずつ投票する仕組みではない。所有者の共有と団体の議決方法を分ける。 要点:専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第40条。

  6. 6

    相続・共有住戸と権利の承継|相続登記義務重要度B

    相続登記は、2026年時点でも法律上完全に任意であり申請義務はない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。不動産登記法76条の2の申請義務がある。旧相続にも経過措置があるため、具体的期限は取得時期等を確認する。 要点:相続で不動産所有権を取得した者は、取得を知った日から原則3年以内に相続登記を申請する。 根拠:不動産登記法 第76条の2。

  7. 7

    相続・共有住戸と権利の承継|放棄と口頭通知重要度B

    Aが管理組合に相続しないと口頭で伝えただけでは、938条の相続放棄の方式を満たしたとはいえない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。相続人の意向の伝達と家庭裁判所での申述手続は異なる。住戸を使わないことも相続放棄そのものではない。 要点:相続放棄には家庭裁判所への申述が必要である。 根拠:民法 第938条。

  8. 8

    相続・共有住戸と権利の承継|共有相続の一票重要度B

    相続により1住戸を3人が共有した場合、共有者は40条にかかわらず同じ住戸の議決権を各自独立して3倍行使できる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。40条は共有住戸の行使者1人を求める。相続人数が増えたことだけでその住戸の議決権が増えるわけではない。 要点:専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者1人を定める。 根拠:建物の区分所有等に関する法律 第40条。

次の学習

収録している全問から、分野・重要度で解く

区分所有法・再生158問、民法・登記88問、規約・管理実務80問、建物・設備118問、管理適正化法58問を収録。

○×一問一答