民法・登記
債務不履行・解除・相殺|原則・例外と判断の手順【2026年度試験対応】
支払いの遅れ、履行不能、契約解除を同じ効果として扱わず、要件ごとに整理します。確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 5問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
支払いの遅れ、履行不能、契約解除を同じ効果として扱わず、要件ごとに整理します。確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-09
設例を解く判断手順
条件をこの順に確認してから、各記述の正誤を判断します。
- 債務の期限と不履行の内容を確認する
- 賠償・解除・相殺のどの効果かを区別する
- 軽微性や金銭債務の特則を確認する
根拠:民法
確定期限の遅滞
確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。
確認例:支払期日を明確に定めた金銭債務でも、必ず別途督促しなければ履行遅滞にならない。
誤り。412条1項は確定期限到来からの遅滞を定める。期限の定めのない債務との違いを確認する。
根拠:民法
損害賠償
債務不履行でも、契約等に照らして債務者の責めに帰せない事由であれば415条の賠償責任は負わない。
確認例:415条は、帰責事由がない不履行についても例外なく損害賠償責任を負わせる。
誤り。415条1項ただし書の帰責事由を読む。解除の要件とは別に整理する。
根拠:民法
金銭債務
金銭債務の不履行による損害賠償について、債権者は損害の証明を要しない。
確認例:金銭債務の遅延損害金を請求する際、民法419条2項では損害の証明を要しない。
正しい。419条の金銭債務の特則である。同条3項には不可抗力の抗弁についての特則もある。
根拠:民法
催告解除
相当期間を定めて履行を催告し期間内に履行がなければ解除できるが、不履行が軽微なときは除かれる。
確認例:債務不履行が契約等に照らして軽微な場合でも、催告期間を過ぎれば541条で必ず解除できる。
誤り。541条ただし書は軽微な不履行を除く。単なる期日経過だけで判断しない。
根拠:民法
無催告解除
履行の全部が不能であるなど法定の場合には、催告なしで解除できる。
確認例:全部履行不能の場合にも、民法上は必ず相当期間を置いた催告が必要である。
誤り。542条は催告不要の解除を定める。履行機会を与える意味がない場面等を区別する。
根拠:民法
相殺の要件
双方が同種の債務を負い双方の弁済期が到来したときは、原則として対当額で相殺できる。
確認例:相殺は原則として同種の債務と双方の弁済期の到来などを要件とする。
正しい。505条の原則である。差押えや不法行為債権などの制限は別途確認する。
根拠:民法
軽微な不履行
催告解除は不履行が契約等に照らし軽微であるときは認められない。
確認例:工事契約の履行遅れが契約等に照らして軽微な場合でも、催告期間が経過すれば541条による解除は必ず認められる。
誤り。541条ただし書を確認する。期限経過のみで判断せず不履行の程度と契約目的に照らす。
根拠:民法
相殺額の計算
相殺は要件を満たす同種債権を対当額で消滅させる。
確認例:双方に弁済期の到来した金銭債権があり相殺の制限もない。AのBに対する8万円とBのAに対する5万円を相殺すると、A側に3万円が残る。
正しい。消滅するのは両債権が重なる5万円である。8万円−5万円=3万円となり、残る債権の向きも確認する。
根拠:民法
設例の結論と判断を分けた条件
同じ論点でも、判断に使う条件を取り違えると結論が変わります。問題の数字や前提はこの教材の独自設例です。
| 設例 | 記述の判定 | 判断を決めた条件 |
|---|---|---|
| 軽微な不履行 | 誤り | 541条ただし書を確認する。期限経過のみで判断せず不履行の程度と契約目的に照らす。 |
| 相殺額の計算 | 正しい | 消滅するのは両債権が重なる5万円である。8万円−5万円=3万円となり、残る債権の向きも確認する。 |
根拠:民法
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 民法確認日:2026-09-09
債務不履行・解除・相殺|確定期限の遅滞
確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。 確認例:支払期日を明確に定めた金銭債務でも、必ず別途督促しなければ履行遅滞にならない。 誤り。412条1項は確定期限到来からの遅滞を定める。期限の定めのない債務との違いを確認する。
覚え方確定期限の遅滞:確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。
01債務不履行・解除・相殺の重要暗記項目
債務不履行・解除・相殺|確定期限の遅滞
確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。 確認例:支払期日を明確に定めた金銭債務でも、必ず別途督促しなければ履行遅滞にならない。 誤り。412条1項は確定期限到来からの遅滞を定める。期限の定めのない債務との違いを確認する。
覚え方確定期限の遅滞:確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。
ひっかけ注意412条1項は確定期限到来からの遅滞を定める。期限の定めのない債務との違いを確認する。
債務不履行・解除・相殺|損害賠償
債務不履行でも、契約等に照らして債務者の責めに帰せない事由であれば415条の賠償責任は負わない。 確認例:415条は、帰責事由がない不履行についても例外なく損害賠償責任を負わせる。 誤り。415条1項ただし書の帰責事由を読む。解除の要件とは別に整理する。
覚え方損害賠償:債務不履行でも、契約等に照らして債務者の責めに帰せない事由であれば415条の賠償責任は負わない。
ひっかけ注意415条1項ただし書の帰責事由を読む。解除の要件とは別に整理する。
債務不履行・解除・相殺|金銭債務
金銭債務の不履行による損害賠償について、債権者は損害の証明を要しない。 確認例:金銭債務の遅延損害金を請求する際、民法419条2項では損害の証明を要しない。 正しい。419条の金銭債務の特則である。同条3項には不可抗力の抗弁についての特則もある。
覚え方金銭債務:金銭債務の不履行による損害賠償について、債権者は損害の証明を要しない。
ひっかけ注意419条の金銭債務の特則である。同条3項には不可抗力の抗弁についての特則もある。
債務不履行・解除・相殺|催告解除
相当期間を定めて履行を催告し期間内に履行がなければ解除できるが、不履行が軽微なときは除かれる。 確認例:債務不履行が契約等に照らして軽微な場合でも、催告期間を過ぎれば541条で必ず解除できる。 誤り。541条ただし書は軽微な不履行を除く。単なる期日経過だけで判断しない。
覚え方催告解除:相当期間を定めて履行を催告し期間内に履行がなければ解除できるが、不履行が軽微なときは除かれる。
ひっかけ注意541条ただし書は軽微な不履行を除く。単なる期日経過だけで判断しない。
債務不履行・解除・相殺|無催告解除
履行の全部が不能であるなど法定の場合には、催告なしで解除できる。 確認例:全部履行不能の場合にも、民法上は必ず相当期間を置いた催告が必要である。 誤り。542条は催告不要の解除を定める。履行機会を与える意味がない場面等を区別する。
覚え方無催告解除:履行の全部が不能であるなど法定の場合には、催告なしで解除できる。
ひっかけ注意542条は催告不要の解除を定める。履行機会を与える意味がない場面等を区別する。
債務不履行・解除・相殺|相殺の要件
双方が同種の債務を負い双方の弁済期が到来したときは、原則として対当額で相殺できる。 確認例:相殺は原則として同種の債務と双方の弁済期の到来などを要件とする。 正しい。505条の原則である。差押えや不法行為債権などの制限は別途確認する。
覚え方相殺の要件:双方が同種の債務を負い双方の弁済期が到来したときは、原則として対当額で相殺できる。
ひっかけ注意505条の原則である。差押えや不法行為債権などの制限は別途確認する。
債務不履行・解除・相殺|軽微な不履行
催告解除は不履行が契約等に照らし軽微であるときは認められない。 確認例:工事契約の履行遅れが契約等に照らして軽微な場合でも、催告期間が経過すれば541条による解除は必ず認められる。 誤り。541条ただし書を確認する。期限経過のみで判断せず不履行の程度と契約目的に照らす。
覚え方軽微な不履行:催告解除は不履行が契約等に照らし軽微であるときは認められない。
ひっかけ注意541条ただし書を確認する。期限経過のみで判断せず不履行の程度と契約目的に照らす。
債務不履行・解除・相殺|相殺額の計算
相殺は要件を満たす同種債権を対当額で消滅させる。 確認例:双方に弁済期の到来した金銭債権があり相殺の制限もない。AのBに対する8万円とBのAに対する5万円を相殺すると、A側に3万円が残る。 正しい。消滅するのは両債権が重なる5万円である。8万円−5万円=3万円となり、残る債権の向きも確認する。
覚え方相殺額の計算:相殺は要件を満たす同種債権を対当額で消滅させる。
ひっかけ注意消滅するのは両債権が重なる5万円である。8万円−5万円=3万円となり、残る債権の向きも確認する。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- ひっかけ412条1項は確定期限到来からの遅滞を定める。期限の定めのない債務との違いを確認する。
- ひっかけ415条1項ただし書の帰責事由を読む。解除の要件とは別に整理する。
- ひっかけ541条ただし書は軽微な不履行を除く。単なる期日経過だけで判断しない。
- ひっかけ542条は催告不要の解除を定める。履行機会を与える意味がない場面等を区別する。
- ひっかけ541条ただし書を確認する。期限経過のみで判断せず不履行の程度と契約目的に照らす。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2債務不履行でも、契約等に照らして債務者の責めに帰せない事由であれば415条の賠償責任は負わない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3金銭債務の不履行による損害賠償について、債権者は損害の証明を要しない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 4相当期間を定めて履行を催告し期間内に履行がなければ解除できるが、不履行が軽微なときは除かれる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 5履行の全部が不能であるなど法定の場合には、催告なしで解除できる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 6双方が同種の債務を負い双方の弁済期が到来したときは、原則として対当額で相殺できる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 7催告解除は不履行が契約等に照らし軽微であるときは認められない。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 8相殺は要件を満たす同種債権を対当額で消滅させる。
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 内容の基準日
- 2026-04-01
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
債務不履行・解除・相殺の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
民法・登記重要度 B
債務不履行・解除・相殺|確定期限の遅滞
支払期日を明確に定めた金銭債務でも、必ず別途督促しなければ履行遅滞にならない。
債務不履行・解除・相殺の○×一問一答8問|問題と解説
この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
債務不履行・解除・相殺|確定期限の遅滞重要度B支払期日を明確に定めた金銭債務でも、必ず別途督促しなければ履行遅滞にならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。412条1項は確定期限到来からの遅滞を定める。期限の定めのない債務との違いを確認する。 要点:確定期限がある債務は、その期限の到来時から履行遅滞となる。 根拠:民法 第412条。
問2
債務不履行・解除・相殺|損害賠償重要度B415条は、帰責事由がない不履行についても例外なく損害賠償責任を負わせる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。415条1項ただし書の帰責事由を読む。解除の要件とは別に整理する。 要点:債務不履行でも、契約等に照らして債務者の責めに帰せない事由であれば415条の賠償責任は負わない。 根拠:民法 第415条。
問3
債務不履行・解除・相殺|金銭債務重要度B金銭債務の遅延損害金を請求する際、民法419条2項では損害の証明を要しない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。419条の金銭債務の特則である。同条3項には不可抗力の抗弁についての特則もある。 要点:金銭債務の不履行による損害賠償について、債権者は損害の証明を要しない。 根拠:民法 第419条。
問4
債務不履行・解除・相殺|催告解除重要度B債務不履行が契約等に照らして軽微な場合でも、催告期間を過ぎれば541条で必ず解除できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。541条ただし書は軽微な不履行を除く。単なる期日経過だけで判断しない。 要点:相当期間を定めて履行を催告し期間内に履行がなければ解除できるが、不履行が軽微なときは除かれる。 根拠:民法 第541条。
問5
債務不履行・解除・相殺|無催告解除重要度B全部履行不能の場合にも、民法上は必ず相当期間を置いた催告が必要である。
答え:×(誤り)
解説
誤り。542条は催告不要の解除を定める。履行機会を与える意味がない場面等を区別する。 要点:履行の全部が不能であるなど法定の場合には、催告なしで解除できる。 根拠:民法 第542条。
問6
債務不履行・解除・相殺|相殺の要件重要度B相殺は原則として同種の債務と双方の弁済期の到来などを要件とする。
答え:○(正しい)
解説
正しい。505条の原則である。差押えや不法行為債権などの制限は別途確認する。 要点:双方が同種の債務を負い双方の弁済期が到来したときは、原則として対当額で相殺できる。 根拠:民法 第505条。
問7
債務不履行・解除・相殺|軽微な不履行重要度B工事契約の履行遅れが契約等に照らして軽微な場合でも、催告期間が経過すれば541条による解除は必ず認められる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。541条ただし書を確認する。期限経過のみで判断せず不履行の程度と契約目的に照らす。 要点:催告解除は不履行が契約等に照らし軽微であるときは認められない。 根拠:民法 第541条。
問8
債務不履行・解除・相殺|相殺額の計算重要度B双方に弁済期の到来した金銭債権があり相殺の制限もない。AのBに対する8万円とBのAに対する5万円を相殺すると、A側に3万円が残る。
答え:○(正しい)
解説
正しい。消滅するのは両債権が重なる5万円である。8万円−5万円=3万円となり、残る債権の向きも確認する。 要点:相殺は要件を満たす同種債権を対当額で消滅させる。 根拠:民法 第505条。
収録している全問から、分野・重要度で解く
区分所有法・再生158問、民法・登記88問、規約・管理実務80問、建物・設備118問、管理適正化法58問を収録。