資格・キャリア2026年版
宅建で転職するには?未経験からの入口と年代別の進め方【2026年版】
PR:この記事の後半に、転職サービスの広告リンク(A8.net)を含みます。
2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。
宅建に合格した、あるいは合格を目指している人が次に考えるのは、その資格で仕事をどう変えるかです。このページは、合格者がどの業界にいるのか、不動産業の人の出入りはどのくらいか、年代によって転職後の賃金がどう動いたかを公的な統計で確かめたうえで、職種の選び方と、資格登録・宅建士証と応募の順番までを1本にまとめたものです。
- 公開日
- 2026年11月2日
- 更新日
- 2026年11月2日
- 読了目安
- 約17分
- 法令基準日
- 2026年11月2日

先に結論
宅建を活かす転職は、職種を先に決め、資格登録と宅建士証の段取りを応募と並行させると進めやすくなります。令和7年度の合格者45,821人のうち不動産業で働く人は33.2%で、残りは金融・建設・他業種・学生などです。未経験でも、合格後に登録実務講習を修了すれば実務経験2年の代わりになり、資格登録を受けられます。重要事項説明と35条・37条書面への記名は宅建士にしかできないため、売買仲介・賃貸仲介では未経験者でも資格が応募の入口になります。年代別では、令和7年の転職入職者のうち賃金が増えた人の割合は20代後半で49.8%、50代前半で29.4%と、年齢が上がるほど下がります。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 合格者の3分の2は不動産業の外にいるという前提
- 職種ごとに宅建士が担う業務と、未経験で入るときの条件
- 年代別に見た転職後の賃金の動きと、求人の年齢制限のルール
- 資格登録・宅建士証・応募を並べる順番
01結論:宅建の転職は職種と順番で決まる
宅建を取ったからといって、転職先が自動的に決まるわけではありません。決め手になるのは、宅建士でなければできない業務がある職種を選ぶかどうかと、資格登録・宅建士証・応募をどの順番で進めるかの2点です。
不動産会社が宅建士を必要とする根拠は宅地建物取引業法にあります。重要事項説明は宅建士にしかできず、事務所ごとに成年者である専任の宅建士を置く義務もあります。この業務と義務がある職種ほど、資格が採用の判断に直接効きます。
一方で、合格しただけでは重要事項説明はできません。資格登録を受け、宅建士証の交付を受けて初めて宅建士として業務を行えます。合格から宅建士証までの段取りを知らないまま応募すると、面接で「いつから重要事項説明ができるか」と聞かれて答えに詰まります。
このページでは、合格者の現状と不動産業の人の動きを統計で確かめ、職種ごとの違い、未経験・年代別の進め方、応募の順番の順に整理します。求人の構造や応募先の会社の確かめ方は、別の記事で扱っています。
02合格者の3分の2は不動産業の外にいる
不動産適正取引推進機構が令和7年11月26日に公表した令和7年度試験の結果によると、合格者は45,821人、合格率は18.7%でした。合格者の平均年齢は36.2歳です。
注目したいのは職業別の構成比です。不動産業は33.2%にとどまり、金融業8.1%、建設業8.7%、他業種27.9%、学生10.9%、その他11.3%が続きます。合格者のおよそ3分の2は、不動産業以外で働いているか、まだ働いていない人です。
この数字は、宅建が「業界の人が取る資格」だけではないことを示しています。他業種から不動産業へ移りたい人、今の業界で不動産の知識を使いたい人、就職活動に使いたい学生が、毎年まとまった数で合格しています。
裏を返すと、転職市場で宅建を持っていることは珍しくありません。合格者の平均年齢36.2歳という数字は、30代で取得して転職を考える人が多いことも示しています。資格に加えて、どの職種で何をしたいかを説明できるかが差になります。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 職業 | 構成比 | 転職との関係 |
|---|---|---|
| 不動産業 | 33.2% | 社内での担当替え・同業他社への転職 |
| 他業種 | 27.9% | 不動産業への転職、今の業界での活用 |
| 学生 | 10.9% | 新卒の就職活動 |
| 建設業 | 8.7% | 宅建業も営む建設会社での活用など |
| 金融業 | 8.1% | 不動産を担保にする融資などで知識を使う |
| その他(主婦を含む) | 11.3% | 再就職・職種の選び直し |
この節・表の確認資料: 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(確認日 2026年11月2日)/国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(確認日 2026年11月2日)/厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況(確認日 2026年11月2日)/不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)
03不動産業は入る人が辞める人を上回っている
厚生労働省の令和7年雇用動向調査によると、不動産業,物品賃貸業の入職率は14.4%、離職率は12.1%で、入職率が離職率を2.3ポイント上回りました。産業全体の入職超過は1.0ポイントなので、人が増えている側の業種です。
一般労働者に限ると、不動産業,物品賃貸業の入職率は12.6%、離職率は10.5%です。金融業,保険業の8.6%・6.3%や建設業の10.0%・7.9%と比べると、人の出入りが多い業種だと読み取れます。出入りが多いことは、未経験者が入る枠が生まれやすいことと、辞める人も一定数いることの両方を意味します。
受け皿の側も広がっています。宅地建物取引業者は令和7年度末に133,727業者となり、令和6年度末の132,291業者から1,436業者増えました(国土交通省)。業者数の増加はこれで12年連続で、新しく開く事務所の数だけ専任の宅建士の席も生まれます。
ただし、統計の区分は「不動産業,物品賃貸業」で、レンタル業なども含みます。宅建士だけの転職統計はありません。数字は業界の傾向として読み、応募先ごとの条件は求人票と面接で確かめてください。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 産業 | 入職率 | 離職率 | 入職超過 |
|---|---|---|---|
| 産業計 | 12.0% | 11.4% | 0.6ポイント |
| 不動産業,物品賃貸業 | 12.6% | 10.5% | 2.1ポイント |
| 金融業,保険業 | 8.6% | 6.3% | 2.3ポイント |
| 建設業 | 10.0% | 7.9% | 2.1ポイント |
| 卸売業,小売業 | 8.9% | 8.5% | 0.4ポイント |
この節・表の確認資料: 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(確認日 2026年11月2日)/国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(確認日 2026年11月2日)/厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況(確認日 2026年11月2日)/不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)
04宅建士でなければできない3つの業務
宅建を活かす職種を選ぶ基準は、宅建士でなければできない業務がその仕事にあるかどうかです。宅地建物取引業法が宅建士に限っている業務は3つあります。
1つ目は重要事項説明です。宅建業者は契約が成立するまでに、宅建士に書面を交付させて説明させなければなりません(第35条第1項)。説明するときは相手に宅建士証を提示する必要があります。2つ目はその重要事項説明書への記名、3つ目は契約成立後に交付する書面(37条書面)への記名です。
この3つは、売買でも賃貸でも、仲介をする限り取引のたびに発生します。だから仲介の職種では、宅建士の人数がそのまま処理できる契約の数に関わります。資格の有無で任せられる仕事が変わるため、未経験者でも宅建を持っていることが採用の判断材料になります。
逆に、この3つの業務が日常的に発生しない職種では、宅建は知識の証明という位置づけになります。評価されないわけではありませんが、資格だけで採用が決まる場面は少なくなります。職種を選ぶときは、この違いを先に押さえてください。
05宅建を活かす職種と、宅建士が担う業務
不動産業界で宅建が効く職種は、売買仲介、賃貸仲介、賃貸管理、不動産事務の4つに大きく分けられます。どれも宅建を活かせますが、資格が担う役割と、未経験で入るときに問われることが違います。
売買仲介は、重要事項説明と記名が最も重い場面です。1件の取引額が大きく、説明すべき事項も多くなります。営業の成果が報酬に反映されやすい職種で、求人では歩合の条件を確かめる必要があります。
賃貸仲介は、契約の件数が多く、重要事項説明の回数も多くなります。繁忙期には説明が集中するため、宅建士証を持つ人が店舗にいるかどうかで処理できる件数が変わります。
賃貸管理は、賃貸住宅管理業法の業務管理者という役割があります。管理業者は営業所ごとに業務管理者を1人以上置く義務を負い、宅建士は管理業務の実務経験2年以上(またはそれと同等と認められる能力)に加えて、国土交通大臣が指定する講習を修了すれば業務管理者の要件を満たせます。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 職種 | 宅建士が担う業務 | 応募前に確かめること |
|---|---|---|
| 売買仲介 | 重要事項説明・35条書面と37条書面への記名 | 固定給と歩合の比率、宅建士証の交付時期 |
| 賃貸仲介 | 重要事項説明・記名(件数が多い) | 繁忙期の体制、店舗ごとの宅建士の人数 |
| 賃貸管理 | 賃貸住宅管理業法の業務管理者(指定講習の修了が必要) | 管理戸数、業務管理者の配置予定 |
| 不動産事務 | 宅建士証があれば重要事項説明を担う場合がある | 説明を担当するか、書類作成までか |
この節・表の確認資料: 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(確認日 2026年11月2日)/国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(確認日 2026年11月2日)/厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況(確認日 2026年11月2日)/不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)
06宅建事務という働き方と、実務経験の数え方
宅建を持つ事務職の求人は「宅建事務」と呼ばれることがあります。仕事の中心は契約書類や重要事項説明書の作成、物件情報の入力、来客対応で、宅建士証を持つ人には重要事項説明そのものを任せる会社もあります。
注意したいのは、資格登録に必要な実務経験の数え方です。不動産適正取引推進機構の案内では、登録に必要な実務経験は宅地建物取引業の実務が2年以上で、一般管理部門は除くとされています。宅建業者の総務や経理として働いた期間は、実務経験に数えられない可能性があります。
事務職として入社し、実務経験で資格登録を目指す場合は、担当する仕事が取引の実務に当たるかを面接で確認してください。判断に迷う場合は、合格した都道府県の宅建業法主管課に問い合わせるのが確実です。
実務経験を待たずに登録したいなら、登録実務講習を修了する方法があります。講習を修了すれば実務経験2年以上と同等の能力があると認められ、事務職でも入社前に資格登録の要件を満たせます。
07不動産会社以外の就職先
宅建の就職先は不動産会社に限りません。合格者の構成比でも、金融業8.1%、建設業8.7%、他業種27.9%の人が合格しています。これらの業界では、宅建の知識を今の仕事や社内の異動に使う形が多くなります。
建設会社やハウスメーカーのうち、自社で宅地や建物を売る会社は宅地建物取引業の免許を持ち、事務所ごとに専任の宅建士を置く義務があります。会社の業種が建設業でも、宅建業を営む部門では仲介業者と同じように宅建士が必要です。
金融機関では、不動産を担保にした融資や住宅ローンの相談で、権利関係や法令上の制限の知識が役立ちます。ただし宅建士の独占業務を行う場面は限られるため、資格は業務知識の証明という位置づけになります。
事業会社でも、自社で不動産を売買・賃貸する総務や資産管理の部署で宅建が評価されることがあります。不動産業界へ移るのではなく今の業界で宅建を使う道を選ぶなら、社内でその知識を使う部署があるかを先に調べるほうが早く結果が出ます。
08未経験から不動産業界へ入るときの条件
未経験から不動産業界へ転職する場合、宅建の合格は応募の入口として効きます。ただし、合格の時点でできることと、資格登録・宅建士証の交付を受けた後にできることは違います。この差を理解しておくと、面接で自分の状態を正確に説明できます。
合格しただけの段階では、重要事項説明も記名もできません。資格登録には、宅建業の実務経験2年以上か、登録実務講習の修了が必要です。未経験者は実務経験がないので、入社後に2年の実務を積むか、講習を修了するかのどちらかを選ぶことになります。
講習を修了して登録を受け、宅建士証の交付を受ければ、入社直後から重要事項説明を担える状態で応募できます。会社から見ると、未経験でも重要事項説明を任せられる人材になるため、評価が変わります。
一方、入社後に実務経験を積んで登録する道を選ぶと、最初の2年間は宅建士として業務を行えません。どちらの道を選ぶかは、入社の時期、講習の費用と日程、会社が費用を負担するかで決まります。求人に「資格取得支援」とあっても、対象が講習費用まで含むかは会社ごとに違います。
09年代別に見た転職後の賃金の変化
厚生労働省の令和7年雇用動向調査は、転職した人の賃金が前の職場と比べてどう変わったかを年齢別に示しています。全体では、賃金が「増加」した人が40.8%、「減少」した人が31.0%で、増加が9.8ポイント上回りました。
年齢別に見ると、20代から40代までは増加が減少を上回っています。25〜29歳は増加49.8%・減少23.9%、35〜39歳は増加43.5%・減少23.9%、45〜49歳は増加41.1%・減少30.1%です。これが50〜54歳になると増加29.4%・減少42.0%となり、減少のほうが多くなります。
この統計は全産業の転職者を対象にしたもので、宅建士や不動産業に限った数字ではありません。また、60〜64歳の男性の転職理由は「定年・契約期間の満了」が57.8%を占め、この年代は減少の割合が大きく出ます。自分の年代の数字は、転職市場全体の傾向として参照してください。
読み取れるのは、40代までは転職で賃金を上げた人のほうが多く、50代からは条件を下げて移る人が増えるという全体の流れです。宅建を持っていてもこの流れの外に出られるとは限りません。50代以降の転職では、賃金以外に何を得たいかを先に決めておく必要があります。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 年齢 | 増加した | 減少した | 増加-減少 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 55.2% | 17.5% | 37.7ポイント |
| 25〜29歳 | 49.8% | 23.9% | 25.9ポイント |
| 30〜34歳 | 48.6% | 29.0% | 19.6ポイント |
| 35〜39歳 | 43.5% | 23.9% | 19.6ポイント |
| 40〜44歳 | 44.9% | 27.4% | 17.5ポイント |
| 45〜49歳 | 41.1% | 30.1% | 11.0ポイント |
| 50〜54歳 | 29.4% | 42.0% | -12.6ポイント |
| 55〜59歳 | 25.5% | 38.9% | -13.4ポイント |
この節・表の確認資料: 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(確認日 2026年11月2日)/国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(確認日 2026年11月2日)/厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況(確認日 2026年11月2日)/不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)
10求人の年齢制限は原則として禁止されている
「宅建の転職は何歳まで」という疑問に対して、法律は年齢で応募を区切らないことを原則にしています。労働施策総合推進法第9条と同法施行規則第1条の3により、事業主は募集・採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならず、年齢制限は例外の場合にしか認められません。
例外として認められるのは、定年の年齢を下回る人を期間の定めのない雇用で募集する場合、法令で特定の年齢の就業が制限されている場合、そして合理的な制限として定められた場合です。合理的な制限には、職業経験を問わず新卒と同等の処遇で若年者を長期育成のために募集する場合や、60歳以上の高年齢者を募集する場合などがあります。
求人票に年齢の上限と「長期勤続によるキャリア形成のため」という理由が並んでいる場合は、この若年者の例外を使った募集です。この例外は職業経験を求めないことが条件なので、未経験者を育てる前提の求人だと読めます。
したがって、年齢の上限が書かれていない求人には、年齢にかかわらず応募できます。採否を決めるのは年齢そのものではなく、その年齢で何ができるかの説明です。求人票の年齢の記載は、例外のどれに当たるかを確かめる手がかりとして読んでください。
1120代・30代・40代以降で変える準備
20代は、若年者の長期育成を目的とした未経験者向けの募集の対象になりやすい年代です。宅建の合格は、未経験でも不動産の基礎知識があることの証明として働きます。雇用動向調査でも、20代の転職者は賃金が増えた人の割合が高い層です。
30代は、合格者の平均年齢36.2歳と重なる年代で、競う相手も多くなります。前職で身に付けた営業・接客・事務の経験を、不動産のどの職種で使うかを具体的に説明できるかが分かれ目です。資格登録まで済ませて宅建士証の交付を受けていれば、即戦力としての説明がしやすくなります。
40代以降は、前職の業界知識と宅建を組み合わせる形が現実的です。金融機関で融資を扱ってきた人、建設業で施工や積算に関わってきた人、管理部門で契約書を扱ってきた人は、その経験を不動産の取引や管理に直結させて説明できます。
どの年代でも共通するのは、宅建を「持っている」だけでなく、資格登録・宅建士証・専任の宅建士への就任のどこまで対応できるかを言えることです。会社が知りたいのは、入社後いつから重要事項説明を任せられるかだからです。
12資格登録・宅建士証と応募の順番
合格から宅建士として働けるまでには、3つの段階があります。試験に合格した段階、都道府県知事の資格登録を受けた段階、宅建士証の交付を受けた段階です。重要事項説明や記名ができるのは、最後の段階に進んでからです。

宅建士証の交付には、原則として申請前6か月以内に行われる法定講習の受講が必要です。ただし、試験に合格した日から1年以内に交付を受ける場合は、法定講習が免除されます。合格から1年を過ぎると講習の分だけ手間と費用が増えるため、転職の時期とあわせて段取りを組んでください。
求人票の「宅建必須」が3段階のどれを指すかは、会社によって読み方が違います。入社後すぐ事務所の専任として数えたい会社は宅建士証まで求め、未経験者を育てる前提の会社は合格だけで応募を受け付け、入社後に登録を進めさせます。分からなければ、書類を出す前に「宅建士証の交付が入社の条件か」を問い合わせてください。
履歴書に書ける表記も段階で変わります。合格しただけなら「宅地建物取引士資格試験 合格」、宅建士証の交付を受けていれば宅建士として記載できます。段階を正確に書くことが、面接での確認を短くします。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 段階 | できること | 次の段階へ進む条件 |
|---|---|---|
| 試験に合格 | 応募で知識を示せる(重要事項説明はできない) | 実務経験2年以上か登録実務講習の修了 |
| 資格登録を受けた | 宅建士証の交付を申請できる | 合格から1年超なら法定講習の受講 |
| 宅建士証の交付を受けた | 重要事項説明・35条書面と37条書面への記名 | 専任として就任するなら常勤の勤務 |
この節・表の確認資料: 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(確認日 2026年11月2日)/国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(確認日 2026年11月2日)/厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況(確認日 2026年11月2日)/不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)
13合格発表から入社までを逆算する
令和8年度の宅建試験は10月18日に行われ、合格発表は11月25日です。合格発表の前でも、自己採点で合格の見込みが立っていれば、職種の絞り込みと職務経歴書の準備は始められます。
未経験から入社直後に重要事項説明を担いたい場合は、合格発表の後に登録実務講習を受け、修了後に資格登録を申請し、登録後に宅建士証の交付を申請する流れになります。講習の日程は実施機関ごとに違い、登録の審査にも日数がかかります。
入社の時期を先に決めると、間に合う段階が見えてきます。たとえば年度替わりの4月入社を目指すなら、合格発表から約4か月の間に、講習・登録・宅建士証のどこまで進められるかを講習の日程と都道府県の案内で確かめます。
在職中に転職活動をする場合は、面接の日程と講習の日程が重ならないように組む必要があります。講習を先に済ませておけば、面接で「登録の要件は満たしている」と言えるため、選考が進めやすくなります。
14転職エージェントと自分で探す方法の使い分け
宅建を活かす求人の探し方は、ハローワーク、求人サイト、会社のサイトへの直接応募、転職エージェントの4つに大きく分かれます。どれか1つに絞る必要はなく、目的に合わせて組み合わせるのが現実的です。
自分で探す方法の強みは、地域の中小の宅建業者まで広く見られることです。宅建業者の97%超は1つの都道府県内だけに事務所を持つ知事免許の業者で、地元の会社はハローワークや自社サイトにだけ求人を出していることがあります。
転職エージェントは、求人の紹介に加えて、条件の交渉や面接日程の調整を担います。職業安定法により、職業紹介事業者は原則として求職者から手数料を受け取れないため、利用料はかかりません。未経験で業界の事情が分からない人や、在職中で時間が取れない人に向いています。
使い分けの目安は、職種と地域が決まっていれば自分で探す方法を軸にし、職種を決めかねているか条件の交渉を任せたいならエージェントを併用することです。エージェントの選び方と使い方は、別の記事で詳しく扱っています。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 探し方 | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ハローワーク | かからない | 地元の中小の宅建業者を探す |
| 求人サイト | かからない | 条件で絞り込んで多くの求人を比べる |
| 会社のサイトへ直接応募 | かからない | 行きたい会社が決まっている |
| 転職エージェント | 求職者はかからない | 職種の相談・条件交渉・日程調整を任せたい |
この節・表の確認資料: 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要(確認日 2026年11月2日)/国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について(確認日 2026年11月2日)/厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況(確認日 2026年11月2日)/不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)/e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(確認日 2026年11月2日)
15今日できること
最初に決めるのは職種です。売買仲介、賃貸仲介、賃貸管理、不動産事務、今の業界での活用のうち、どれを目指すかで、必要な段階も応募の時期も変わります。表の4職種から1つ選び、応募前に確かめることを書き出してください。
次に、自分が合格・資格登録・宅建士証のどの段階にいて、入社までにどこまで進めるかを決めます。合格から1年以内に宅建士証の交付を受ければ法定講習が免除されることも、日程を組む材料になります。
まだ試験前や合格発表待ちの人は、宅建業法の得点を固めることが転職の準備にもなります。重要事項説明の事項や専任の宅建士の設置義務は、面接で問われる知識でもあり、試験の頻出範囲でもあります。
よくある質問
宅建を取れば未経験でも不動産業界へ転職できますか。
宅建の合格は未経験者の応募の入口として効きますが、採用を約束するものではありません。重要事項説明と35条・37条書面への記名は宅建士にしかできないため、仲介の職種では資格が評価されます。合格後に登録実務講習を修了すれば実務経験2年の代わりになり、資格登録と宅建士証の交付まで進めた状態で応募すると、入社直後から重要事項説明を任せられる人材として説明できます。
宅建を活かせる就職先はどこですか。
宅建士でなければできない業務が日常的にある売買仲介・賃貸仲介が最も直接的です。賃貸管理では、宅建士が管理業務の実務経験2年以上と指定講習の修了を満たせば賃貸住宅管理業法の業務管理者になれます。ほかに不動産事務、宅建業を営む建設会社やハウスメーカー、不動産担保融資を扱う金融機関、自社で不動産を扱う事業会社の総務や資産管理部門があります。
宅建の転職は何歳まで可能ですか。
法律上の上限はありません。労働施策総合推進法第9条により、募集・採用での年齢制限は原則禁止で、若年者の長期育成や60歳以上の募集などの例外に限って認められています。ただし令和7年雇用動向調査では、転職で賃金が増えた人の割合は40代までは減った人を上回り、50〜54歳では増加29.4%・減少42.0%と逆転しています。年齢が上がるほど、前職の経験と宅建を組み合わせた説明が必要になります。
合格しただけで履歴書に宅建士と書けますか。
書けません。宅建士と名乗れるのは、資格登録を受けて宅建士証の交付を受けた後です。合格しただけなら「宅地建物取引士資格試験 合格」と書くのが正確です。資格登録だけを済ませた段階も宅建士証の交付前なので、宅建士としての業務はできません。どの段階にいるかを正確に書くと、面接での確認が短く済みます。
宅建事務として働いた期間は資格登録の実務経験になりますか。
担当する仕事によります。不動産適正取引推進機構の案内では、登録に必要な実務経験は宅地建物取引業の実務2年以上で、一般管理部門は除くとされています。宅建業者の総務や経理として働いた期間は数えられない可能性があるため、判断に迷う場合は合格した都道府県の宅建業法主管課に確認してください。待たずに登録したい場合は、登録実務講習を修了する方法があります。
宅建士証は合格後いつまでに取ればよいですか。
期限はありませんが、試験に合格した日から1年以内に交付を受ければ法定講習の受講が免除されます。1年を過ぎると、交付の申請前6か月以内に行われる法定講習を受ける必要があります。転職先で入社直後から重要事項説明を担うなら、合格発表の後に登録の要件を満たし、1年以内に宅建士証の交付を受ける段取りを組むと手間が少なくなります。
PR
不動産業界の転職を、担当者と進めたい人へ
求人を自分で探すのと並行して、不動産業界専門の転職支援を使う方法もあります。利用料は求職者にはかかりません。合う条件が違うので、下の「向いている人」で選んでください。
宅建Jobエージェント
運営:株式会社ヘイフィールド- 向いている人
- 20代〜40代前半で、不動産会社の正社員を目指す人
- 勤務地を上の地域に限らずに探したい人
アルバイト・パートの求人を探す人には向きません。
登録すると担当者から電話かメールで連絡があります。求人の紹介を受けても、応募するかどうかは自分で決められます。
PR:合トレはA8.netのアフィリエイトプログラムを利用しています。上のリンクから申込や登録があると、合トレに紹介料が支払われます。並び順は紹介料の額ではなく、宅建を学んだ人に合うかで決めています。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。
- 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要確認日 2026年11月2日別画面で開く
- 国土交通省 令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について確認日 2026年11月2日別画面で開く
- 厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況確認日 2026年11月2日別画面で開く
- 不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格登録等の手続について」確認日 2026年11月2日別画面で開く
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」確認日 2026年11月2日別画面で開く
- e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」確認日 2026年11月2日別画面で開く
- e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」確認日 2026年11月2日別画面で開く