2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

管理実務

退去立会いで何を確認する?原状回復の負担とサインの意味【賃貸管理士】【2026年度試験対応】

退去立会いを、損傷の記録・原因の確認・費用負担の合意に分けて解説。通常損耗と借主負担、入居時写真、サインの意味を国土交通省ガイドラインで整理します。

要点 2件・基本問題 2・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

法令基準日
2026-04-01
最終確認日
2026-08-15
確認
chintaikanrishi-critical-review-2026-08-15
退去立会いを学ぶ記事のカバー(写真調イメージ)

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

退去立会いは、部屋の状態を記録し、入居時との違いを確認する場面です。損傷があることの確認と、その費用を誰がいくら負担するかの合意は分けます。通常損耗・経年変化は原則として借主の原状回復義務の範囲から除かれ、特約は内容と有効性を別に検討します。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08

入居時の記録と比較する|傷を見つけるだけでは足りない

退去時に傷が見つかっても、入居前からあったのか、居住中に生じたのかが分からなければ負担の判断は進みません。入居時の写真、チェックリスト、設備の修繕履歴と照合し、場所・範囲・状態を具体的に残します。

鍵の返却や設備の数量確認も含め、当事者が確認できた事実と、未確認の事項を区別します。写真は全景と該当箇所を対応させ、同じ箇所を比較できるようにすると、後の説明に役立ちます。

根拠:国土交通省:原状回復ガイドラインQ&A国土交通省:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

通常損耗と借主負担|新品に戻す義務ではない

退去立会いでは部屋の状態、損傷原因、負担範囲と金額を確認する。状態の確認と費用負担の合意は区別する。

退去立会いでは部屋の状態、損傷原因、負担範囲と金額を確認する。状態の確認と費用負担の合意は区別する。

図を大きく見る

民法621条では、通常の使用による損耗や経年変化を原状回復義務の対象から除きます。故意・過失などによる損傷であっても、補修範囲や経過年数を無視して新品交換費用の全額を一律に負担させるという整理はしません。

例えば、家具を通常置いていたことによる床のへこみと、不注意で大きく傷つけた床は原因が異なります。ガイドラインの区分を参考に、損傷原因、補修の範囲、経過年数、契約の特約を順に確認します。

通常損耗と借主負担|新品に戻す義務ではない
確認事項何を整理するか結論を急がない点
発生時期入居前か入居後か退去時にある傷がすべて借主負担ではない
原因通常使用・経年変化・故意過失等新品との差だけで判断しない
範囲・金額補修範囲と経過年数等全面交換費を当然に全額負担としない
特約内容の明確さと有効性署名だけで有効と決めない

根拠:e-Gov:民法621条国土交通省:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

立会いのサインは何への同意かを確かめる

損傷の位置を確認した署名と、具体的な金額や負担割合に合意した署名は同じとは限りません。書面の題名だけでなく、何が記載され、どの説明を受けて署名したのかを確認します。

国土交通省のQ&Aでも、退去時の確認サインとその後の費用請求が問題となる事例が扱われています。「一度サインしたから全額負担」「立会いサインは一切効力がない」という両極端な理解を避け、合意の対象を読み分けます。

根拠:国土交通省:原状回復ガイドラインQ&A

立会いをしなければ原状回復費用は発生しない?

Q. 立会いをしていない場合、借主の原状回復義務はなくなりますか。A. 立会いの有無だけで義務は決まりません。契約、実際の損傷、原因などに基づく判断は残ります。立会いは事実確認と紛争防止のために重要です。

令和4年度問7では、引渡し時に立会い等で客観的な情報を残すことが、修繕や原状回復のトラブル防止につながるとされています。退去の時点だけでなく、入居時の記録から一続きの管理業務として理解します。

根拠:e-Gov:民法621条国土交通省:原状回復ガイドラインQ&A賃貸不動産経営管理士協議会:過去の試験問題

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 通常の使用による損耗や経年変化は、民法上の原状回復義務の範囲から原則として除かれる。

    根拠:資料1

  2. 2 退去時の書面に署名があるなら、その後に提示された費用の全額について必ず合意したことになる。

    根拠:資料1

  3. 3 入居時の写真やチェックリストは、退去時に損傷の発生時期を確認する資料になる。

    根拠:資料1

この解説の一次資料

最重要ポイント

入居時の物件状況の確認

入居の際は、貸主又は管理業者と借主が立ち会い、部位ごとの傷・汚れ・設備の作動状況をチェックリストと写真・動画で記録し、双方が署名して保管する。この記録がないと、退去時に損耗の発生時期や負担区分の立証が難しくなる。ただし、記録がないことだけで原状回復費用の請求が一律に否定されるわけではなく、他の証拠も含めて判断する。国土交通省の原状回復ガイドラインにも入退去時の物件状況及び原状回復確認リストの様式が示されている。設備の取扱いや24時間換気の運転についても併せて説明する。

覚え方入居時の記録が退去時の武器になる

01入居時・退去時の立会いと記録の重要暗記項目

01
重要度 A

入居時の物件状況の確認

入居の際は、貸主又は管理業者と借主が立ち会い、部位ごとの傷・汚れ・設備の作動状況をチェックリストと写真・動画で記録し、双方が署名して保管する。この記録がないと、退去時に損耗の発生時期や負担区分の立証が難しくなる。ただし、記録がないことだけで原状回復費用の請求が一律に否定されるわけではなく、他の証拠も含めて判断する。国土交通省の原状回復ガイドラインにも入退去時の物件状況及び原状回復確認リストの様式が示されている。設備の取扱いや24時間換気の運転についても併せて説明する。

覚え方入居時の記録が退去時の武器になる

ひっかけ注意入居時の記録の重要性と、原状回復義務の成立を混同しない。記録がなければ当然に全額請求できるわけでも、一切請求できないわけでもない。

02
重要度 A

退去時の立会いと確認

退去時は賃借人立会いのもとで各部位の損耗状況を点検し、賃借人負担とする箇所とその理由を説明して確認書に相互に署名する。入居時に作成したチェックリストや写真と照合すれば、入居前から存在した損耗との区別が容易になる。立会いができない場合も、写真・動画で状況を記録し、負担区分の根拠を示した精算明細を送付して説明する。立会い後に一方的に費用を追加するのは不適切である。

覚え方立会いは入居時の記録と突き合わせ、その場で署名

ひっかけ注意入居時の記録がないと損耗の発生時期を争われる。立会い後に一方的に費用を追加するのも不適切である。

管理実務の暗記表をすべて見る →

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    入居時に貸主・借主が現況確認リストと写真で損耗・設備状態を共有する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    退去時は入居時記録と比較し、損耗原因・経過年数・施工単位から負担を判定する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    敷金から控除する債務の内訳を示し、精算資料と合意経過を保存する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

内容の基準日
2026-04-01
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

入居時・退去時の立会いと記録の○×一問一答

1/2解答 0・正解 0

管理実務重要度 A

退去時の立会いと確認

退去時の立会いでは、賃借人の立会いを求めて損耗の状況と負担区分を相互に確認し、確認書に署名を得ておくことが望ましい。

入居時・退去時の立会いと記録○×一問一答2問|問題と解説

この論点で収録している2問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    退去時の立会いと確認重要度A

    退去時の立会いでは、賃借人の立会いを求めて損耗の状況と負担区分を相互に確認し、確認書に署名を得ておくことが望ましい。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。双方立会いで確認し、記録と署名を残すことが紛争予防につながる。

  2. 2

    入居時の物件状況の確認重要度A

    入居時の物件状況の確認は、退去時の原状回復をめぐる争いを避けるため、管理業者が単独で行い、その記録を管理業者が保管しておくのが適切である。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。入居時の確認は賃借人の立会いのもとで双方が行い、記録は双方が保管するのが適切である。

次の学習

入居時・退去時の立会いと記録の問題を続けて解く

この論点に対応する2問を絞り込んで出題します。

○×一問一答