民法
相続人と法定相続分
相続放棄をした者の子は代襲しない、という点が計算問題の分岐になります。欠格は当然に生じ廃除は家庭裁判所の審判で生じるという手続の違い、兄弟姉妹に再代襲がなく遺留分もないという二重の限定も頻出です。
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親等の計算方法
親等は親族間の世代数を数えて定める(726条1項)。傍系親族については、その一方またはその配偶者から同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数による(同2項)。父母・子は一親等、祖父母・孫・兄弟姉妹は二親等、おじ・おば・甥・姪は三親等、いとこは四親等となる。六親等内の血族が親族なので、いとこの子(五親等)やいとこの孫(六親等)も親族に含まれる。
覚え方祖先まで上って下りる。兄弟二・おじ三・いとこ四
01相続人と法定相続分の重要暗記項目
親等の計算方法
親等は親族間の世代数を数えて定める(726条1項)。傍系親族については、その一方またはその配偶者から同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数による(同2項)。父母・子は一親等、祖父母・孫・兄弟姉妹は二親等、おじ・おば・甥・姪は三親等、いとこは四親等となる。六親等内の血族が親族なので、いとこの子(五親等)やいとこの孫(六親等)も親族に含まれる。
覚え方祖先まで上って下りる。兄弟二・おじ三・いとこ四
ひっかけ注意兄弟姉妹を一親等とする誤りが狙われる。いったん親までさかのぼるため二親等である。
婚姻の無効と婚姻意思
742条1号の婚姻をする意思とは、単に届出をする意思では足りず、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する実質的意思をいう。最判昭和44年10月31日は、子に嫡出子の地位を与える目的だけでされた婚姻届を無効とした。他方、事実上の夫婦の一方が届出の作成を他人に委託した後に意識を失い、届出時に意識がなかった場合でも、届出が本人の意思に基づいて作成されている限り婚姻は有効とされる(最判昭和44年4月3日)。
覚え方届出意思だけでは足りず、夫婦になる実質的意思が要る
ひっかけ注意届出の受理時に当事者が意識を失っていれば当然に無効とする誤りが狙われる。判例は有効としている。
有責配偶者からの離婚請求
最大判昭和62年9月2日は、婚姻破綻について専ら責任のある配偶者からの離婚請求について、消極的破綻主義を改め、別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと、夫婦間に未成熟の子が存在しないこと、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれる等離婚請求の認容が著しく社会正義に反するといえる特段の事情がないことという3要素を示し、これらを満たす場合には請求を認めうるとした。
覚え方長期別居・未成熟子なし・苛酷でないの三条件
ひっかけ注意有責配偶者からの離婚請求が一切認められないとする記述、および3要件のうち1つでも満たせば認められるとする記述が誤り。
代襲相続の要件
代襲相続は、被相続人の子が相続開始以前に死亡したとき、891条の欠格事由に該当したとき、廃除によって相続権を失ったときに生じる(887条2項)。相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされるため(939条)、その子は代襲しない。代襲者となるのは被相続人の直系卑属に限られるため、子の配偶者や養子縁組前に生まれた養子の子は代襲相続人になれない。子の代襲者がさらに相続権を失った場合には再代襲が認められる(887条3項)。
覚え方死亡・欠格・廃除は代襲、放棄は代襲しない
ひっかけ注意相続放棄も代襲原因になるとする誤りが定番。放棄は代襲原因ではない。
兄弟姉妹の代襲相続
相続人の順位は、第一順位が子(887条)、第二順位が直系尊属(889条1項1号、親等の異なる者の間では近い者が先)、第三順位が兄弟姉妹(同項2号)であり、配偶者は常にこれらの者と同順位で相続人となる(890条)。889条2項は887条2項のみを準用し3項を準用していないため、兄弟姉妹の系統では甥・姪の一代限りで代襲が打ち切られ、再代襲は生じない。子の系統では再代襲・再々代襲が認められる点と対照的である。
覚え方甥・姪まで。その子には行かない
ひっかけ注意兄弟姉妹の系統でも再代襲が生じるとする誤りが定番。889条2項は887条3項を準用していない。
相続欠格と廃除
相続欠格は、被相続人または先順位・同順位の相続人を故意に死亡させて刑に処せられた者、被相続人の殺害されたことを知って告発・告訴しなかった者、詐欺・強迫により被相続人の遺言を妨げまたはさせた者、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者について、何らの手続を要せず法律上当然に生じる(891条)。これに対し廃除は被相続人が家庭裁判所に請求し、審判の確定によって効力を生じる。いずれも代襲原因となり、一身専属的で他の相続人には影響しない。
覚え方欠格は当然に、廃除は家裁の審判で。どちらも代襲する
ひっかけ注意欠格にも家庭裁判所の手続が必要とする誤りが狙われる。欠格は当然に効力を生じる。
推定相続人の廃除
廃除は、遺留分を有する推定相続人が被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき、またはその他の著しい非行があったときに、被相続人の請求により家庭裁判所が審判で行う(892条)。遺言で廃除の意思を表示したときは遺言執行者が家庭裁判所に請求し、廃除の効力は被相続人の死亡の時にさかのぼる(893条)。被相続人はいつでも廃除の取消しを請求できる(894条)。遺留分を有しない兄弟姉妹は廃除の対象とならず、遺言で相続させない旨を定めれば足りる。
覚え方廃除の相手は遺留分を持つ相続人だけ。兄弟姉妹は対象外
ひっかけ注意兄弟姉妹を廃除できるとする誤りが狙われる。廃除の対象は遺留分を有する推定相続人に限られる。
法定相続分
900条の法定相続分は、子および配偶者が相続人であるときは各2分の1(1号)、配偶者および直系尊属であるときは配偶者3分の2・直系尊属3分の1(2号)、配偶者および兄弟姉妹であるときは配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1(3号)である。子・直系尊属・兄弟姉妹が数人あるときは各自の相続分は相等しい(4号本文)。被相続人が遺言で相続分を指定したときはそれが優先し(902条)、共同相続人の一人または数人についてのみ定めることもできる。
覚え方子と二分の一、尊属と三分の二、兄弟と四分の三
ひっかけ注意配偶者と直系尊属の場合の配偶者の相続分を2分の1とする誤りが狙われる。正しくは3分の2である。
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1相続人を確定する。配偶者は常に相続人で、血族は子・直系尊属・兄弟姉妹の順に第一順位の者だけが相続人となる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2代襲の有無を見る。死亡・欠格・廃除は代襲原因だが放棄は代襲原因にならず、兄弟姉妹の代襲は甥姪の一代限り
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3相続分を当てはめる。配偶者は子となら2分の1、直系尊属となら3分の2、兄弟姉妹となら4分の3を取る
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 内容の基準日
- 2026年4月1日
- 復習方法
- 要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
相続人と法定相続分の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
民法重要度 S頻出度 11/24(編集部の目安)
法定相続分
配偶者と直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は三分の一、直系尊属の相続分は三分の二である。
全784問から、分野・重要度で解く
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