2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

民法

制限行為能力者と意思表示

四つの制限行為能力者で「原則が単独有効か取消しか」が逆になる点と、心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺で第三者保護要件が善意か善意無過失かに分かれる点、この二つの表が正誤を決めます。強迫だけ保護規定がないことも要注意です。

要点 8件・確認問題 8読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

最重要ポイント

未成年者の行為能力

未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を要し、同意なくした行為は取り消せる(5条1項・2項)。ただし単に権利を得または義務を免れる法律行為は同意不要で、負担のない贈与の受諾や債務免除の受領がこれにあたる。負担付贈与の受諾や弁済の受領は債務・不利益を伴うため同意が必要。目的を定めて処分を許された財産はその目的の範囲内で、目的を定めずに許された財産は自由に処分できる(5条3項)。営業を許された未成年者は、その営業に関し成年者と同一の行為能力を有する(6条1項)。

覚え方「もらうだけ・免れるだけ」は同意不要。負担が付いたら同意が要る

01制限行為能力者と意思表示の重要暗記項目

01
重要度 A / 過去6年 4

未成年者の行為能力

未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意を要し、同意なくした行為は取り消せる(5条1項・2項)。ただし単に権利を得または義務を免れる法律行為は同意不要で、負担のない贈与の受諾や債務免除の受領がこれにあたる。負担付贈与の受諾や弁済の受領は債務・不利益を伴うため同意が必要。目的を定めて処分を許された財産はその目的の範囲内で、目的を定めずに許された財産は自由に処分できる(5条3項)。営業を許された未成年者は、その営業に関し成年者と同一の行為能力を有する(6条1項)。

覚え方「もらうだけ・免れるだけ」は同意不要。負担が付いたら同意が要る

ひっかけ注意「弁済の受領は利益を得る行為だから同意不要」とする誤りが定番。債権を失う行為なので同意が必要である。

02
重要度 S / 過去6年 5

成年被後見人の法律行為

後見開始の審判は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、本人・配偶者・四親等内の親族・検察官等の請求で行う(7条)。本人自身も請求できる。成年被後見人の法律行為は取り消せるが、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消せない(9条)。成年後見人が持つのは代理権・取消権・追認権であり同意権はない。したがって後見人の同意を得てした行為も取り消せる点で、未成年者・被保佐人・被補助人と決定的に異なる。

覚え方後見人に同意権なし。同意を得ても取り消せる

ひっかけ注意「成年後見人の同意を得て行えば確定的に有効になる」とする誤りが狙われる。日用品購入が取消しの対象外である点も落としやすい。

03
重要度 A / 過去6年 3

被保佐人の同意を要する行為

保佐開始の審判は事理弁識能力が著しく不十分な者を対象とする(11条)。13条1項は保佐人の同意を要する行為を1号から10号に限定列挙し、元本の領収・利用、借財・保証、不動産その他重要な財産の得喪、訴訟行為、贈与・和解・仲裁合意、相続の承認・放棄・遺産分割、新築改築増築大修繕、602条の期間を超える賃貸借などがこれにあたる。日用品の購入その他日常生活に関する行為は除かれる。同意も家庭裁判所の許可も得ずにした列挙行為は取り消せる(13条4項)。

覚え方保佐は十号の限定列挙。列挙外は単独で有効

ひっかけ注意「被保佐人の行為は原則として取り消せる」とする誤りが狙われる。原則は単独で有効で、13条1項の列挙行為だけが例外である。

04
重要度 B / 過去6年 2

被補助人と同意権付与の審判

補助は事理弁識能力が不十分な者を対象とする(15条1項)。補助開始の審判は、同意権付与の審判または代理権付与の審判とともにしなければならず、単独ではできない(15条3項)。同意を要すると定めうる行為は13条1項の列挙行為の一部に限られる(17条1項ただし書)。本人以外の者の請求で同意権付与の審判をするには本人の同意が必要である(17条2項)。同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可を得ずにした行為は取り消せる(17条4項)。

覚え方補助は単独では立たない。同意権か代理権とセットで開始

ひっかけ注意「補助開始の審判だけを単独で行える」とする誤りが狙われる。同意を要する行為を13条1項以外にも広げられるとする記述も誤り。

05
重要度 A / 過去6年 3

制限行為能力者の相手方の催告権

20条の催告は1箇月以上の期間を定めて行う。単独で追認できる者(行為能力者となった本人、法定代理人、保佐人、補助人)に催告して確答がなければ追認が擬制される(20条1項・2項)。これに対し被保佐人・被補助人本人に「保佐人等の追認を得よ」と催告して期間内に通知がないときは取消しが擬制される(20条4項)。特別の方式を要する行為で方式を具備した旨の通知がないときも取消し擬制である(20条3項)。催告は相手方が悪意でも行使できる。

覚え方単独で追認できる者への催告は追認、本人経由の催告は取消し

ひっかけ注意無応答の効果を一律に追認擬制とする誤りが狙われる。被保佐人・被補助人本人への催告は取消し擬制である。

06
重要度 B / 過去6年 2

心裡留保

93条1項本文は、表意者が真意でないことを知ってした意思表示も原則として有効とする。相手方の信頼を保護する趣旨である。ただし書により、相手方がその意思表示が表意者の真意でないことを知り、または知ることができたとき(悪意または有過失)は無効となる。錯誤や詐欺が「取り消すことができる」とされるのに対し、心裡留保の効果は端的に無効である点が異なる。無効主張は善意の第三者には対抗できない(93条2項)。

覚え方冗談も原則有効。相手が悪意か有過失なら無効

ひっかけ注意「心裡留保による意思表示は取り消すことができる」とする誤りが狙われる。効果は取消しではなく無効である。

07
重要度 C / 過去6年 2

心裡留保と第三者保護

93条2項は「善意の第三者に対抗することができない」と定めるにとどまり、無過失も登記等の対抗要件具備も要求しない。94条2項も同じく善意のみである。これに対し95条4項(錯誤)と96条3項(詐欺)は「善意でかつ過失がない第三者」と規定し、無過失を要求する。強迫については第三者保護規定が置かれていないため、取消しを善意無過失の第三者にも対抗できる。第三者の主観要件は条文ごとに整理して覚える。

覚え方心裡留保と虚偽表示は善意だけ、錯誤と詐欺は善意無過失、強迫は保護なし

ひっかけ注意心裡留保・虚偽表示の第三者に無過失まで要求する誤りが狙われる。強迫に96条3項が適用されるとする記述も誤り。

08
重要度 S / 過去6年 6

通謀虚偽表示と第三者

94条1項は相手方と通じてした虚偽の意思表示を無効とし、2項でその無効を善意の第三者に対抗できないとする。最判昭和45年7月24日は、94条2項の第三者は登記を具備することを要しないとした。虚偽表示の当事者と第三者は対抗関係に立たず、権利保護資格要件としての登記も不要と解されている。善意は虚偽表示の事実について要求され、その判断時期は第三者が法律上の利害関係を有するに至った時である。過失の有無は問わない。

覚え方虚偽表示の第三者は善意だけでよく、登記はいらない

ひっかけ注意「94条2項の第三者として保護されるには登記が必要」とする誤りが定番。判例は登記不要とする。

民法の暗記表をすべて見る →

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    どの類型かを確定する。成年被後見人だけは同意を得ても取り消せ、被保佐人は13条1項の列挙行為だけが例外になる

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    意思表示の瑕疵なら、無効(心裡留保・通謀虚偽表示)か取消し(錯誤・詐欺・強迫)かを分ける

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    第三者が登場したら保護要件を当てはめる。心裡留保と虚偽表示は善意で足り、錯誤と詐欺は善意無過失、強迫には保護規定がない

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
民法
内容の基準日
2026年4月1日
復習方法
要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

制限行為能力者と意思表示の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

民法重要度 S頻出度 14/24(編集部の目安)

通謀虚偽表示と第三者

通謀虚偽表示の目的とされた不動産を譲り受けた善意の第三者は、所有権の移転の登記を備えていなくても、虚偽表示の当事者に対して所有権の取得を対抗することができる。

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