憲法
人権の享有主体・私人間効力と法の下の平等
外国人の地方選挙権は「憲法上保障される」でも「禁止される」でもなく、立法政策に委ねられる許容説が判例です。八幡製鉄と南九州税理士会で法人の目的の範囲の広狭が反転する点も、対で押さえないと外します。
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行政書士試験での出題
出題ランク A対応する一問一答 12問
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外国人の人権享有主体性
最大判昭和53年10月4日(マクリーン事件)は、権利の性質上日本国民のみを対象とすると解されるものを除き、憲法の人権保障は外国人にも及ぶとした。もっとも入国の自由、在留を継続する権利、再入国の自由(最判平成4年11月16日、森川キャサリーン事件)は保障されない。政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障されるが、それは在留制度の枠内で与えられるにとどまり、その行使を在留期間更新の際に消極的な事情として斟酌されないことまでは保障されない。
覚え方権利の性質説。ただし保障は在留制度の枠内にとどまる
混同注意・比較表
法人の支出と目的の範囲(会社と強制加入団体)
まず脱退の自由がある団体かを確かめます。強制加入団体では、構成員の考えが割れる支出かどうかで、目的の範囲内といえるかの結論が変わります。
| 事由 | 株式会社 | 税理士会 | 司法書士会 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 団体の性質 | 加入も脱退も自由な法人で、自然人と同様に政治的行為の自由を有する | 加入が法律で義務付けられた強制加入団体。税理士として働くには登録が必要 | 税理士会と同じく、加入が法律で義務付けられた強制加入団体 | |
| 問題になった支出 | 政党など政治団体への政治資金の寄付。会社が政治献金をできるかが争われた | 税理士法の改正運動に関して政治献金をするため、会員から特別会費を徴収する総会決議 | 阪神・淡路大震災で被災した兵庫県司法書士会への復興支援拠出金の寄付 | |
| 目的の範囲内か最重要 | 範囲内の行為 | 範囲外の行為 | 範囲内の行為 | 同じ強制加入団体でも、政治献金か相互扶助かで結論が反転します。 |
| 判例 | 八幡製鉄事件(最大判昭和45年6月24日)。政治資金の寄付も政治的行為の自由の一環とした | 南九州税理士会政治献金事件(最判平成8年3月19日)。特別会費を徴収する総会決議を無効とした | 群馬司法書士会事件(最判平成14年4月25日)。復興支援拠出金を目的の範囲内とした | |
| 分かれ目 | 政治活動の自由の保障は株式会社にも及ぶので、政治献金を行うことができる | 政治色のある献金は、構成員個人の政治思想に基づいて判断すべきという要請が強く働く | 政治献金ではなく司法書士会どうしの支援であるため、強制加入団体でも範囲内とされた |
団体の性質
- 株式会社
- 加入も脱退も自由な法人で、自然人と同様に政治的行為の自由を有する
- 税理士会
- 加入が法律で義務付けられた強制加入団体。税理士として働くには登録が必要
- 司法書士会
- 税理士会と同じく、加入が法律で義務付けられた強制加入団体
判断ポイント
問題になった支出
- 株式会社
- 政党など政治団体への政治資金の寄付。会社が政治献金をできるかが争われた
- 税理士会
- 税理士法の改正運動に関して政治献金をするため、会員から特別会費を徴収する総会決議
- 司法書士会
- 阪神・淡路大震災で被災した兵庫県司法書士会への復興支援拠出金の寄付
判断ポイント
目的の範囲内か
最重要- 株式会社
- 範囲内の行為
- 税理士会
- 範囲外の行為
- 司法書士会
- 範囲内の行為
判断ポイント
同じ強制加入団体でも、政治献金か相互扶助かで結論が反転します。
判例
- 株式会社
- 八幡製鉄事件(最大判昭和45年6月24日)。政治資金の寄付も政治的行為の自由の一環とした
- 税理士会
- 南九州税理士会政治献金事件(最判平成8年3月19日)。特別会費を徴収する総会決議を無効とした
- 司法書士会
- 群馬司法書士会事件(最判平成14年4月25日)。復興支援拠出金を目的の範囲内とした
判断ポイント
分かれ目
- 株式会社
- 政治活動の自由の保障は株式会社にも及ぶので、政治献金を行うことができる
- 税理士会
- 政治色のある献金は、構成員個人の政治思想に基づいて判断すべきという要請が強く働く
- 司法書士会
- 政治献金ではなく司法書士会どうしの支援であるため、強制加入団体でも範囲内とされた
判断ポイント
01人権の享有主体・私人間効力と法の下の平等の重要暗記項目
外国人の人権享有主体性
最大判昭和53年10月4日(マクリーン事件)は、権利の性質上日本国民のみを対象とすると解されるものを除き、憲法の人権保障は外国人にも及ぶとした。もっとも入国の自由、在留を継続する権利、再入国の自由(最判平成4年11月16日、森川キャサリーン事件)は保障されない。政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障されるが、それは在留制度の枠内で与えられるにとどまり、その行使を在留期間更新の際に消極的な事情として斟酌されないことまでは保障されない。
覚え方権利の性質説。ただし保障は在留制度の枠内にとどまる
ひっかけ注意「在留中の政治活動を理由に更新を拒否すれば当然に憲法違反」とする肢が典型。在留制度の枠内という限定を落とさせにくる。
憲法の私人間効力
最大判昭和48年12月12日(三菱樹脂事件)は、憲法の人権規定は私人相互の関係を直接規律するものではないとしたうえで、私的自治に対する一般的制限規定である民法1条・90条や不法行為に関する規定を適切に運用することで調整を図るべきとした(間接適用説)。そして企業者は契約締結の自由を有し、特定の思想信条を有する者の雇入れを拒んでも当然に違法とはならず、労働者の思想信条を調査してその申告を求めることも違法ではないとした。
覚え方間接適用説。民法1条・90条を通して憲法の価値を及ぼす
ひっかけ注意「憲法の人権規定は私人間にも直接適用される」とする直接適用説の肢のほか、雇入れの段階と雇入れ後の段階を混同させる肢も出る。雇入れ後は労働基準法3条が信条差別を禁じる。
尊属殺重罰規定違憲判決
最大判昭和48年4月4日は、尊属に対する尊重報恩という自然的情愛ないし普遍的倫理の維持は刑法上の保護に値し、加重処罰の立法目的自体は不合理ではないとした。しかし旧刑法200条が法定刑を死刑と無期懲役刑のみに限り、2回の減軽をしても執行猶予を付し得ないほど加重した点は、目的達成の手段として甚だしく均衡を失し著しく不合理であるとして14条1項に違反するとした。刑法200条は平成7年の改正で削除されている。
覚え方違憲とされたのは目的ではなく手段(刑の加重の程度)
ひっかけ注意「立法目的自体が違憲とされた」とする肢が定番。違憲とされたのは刑の加重の程度という手段の側である。
外国人の参政権
最判平成7年2月28日は、15条1項の公務員選定罷免権の保障は日本国民に限られ、93条2項の「住民」も地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するから、外国人に地方選挙権が憲法上保障されているわけではないとした(要請説の否定)。もっとも、永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係をもつに至った者について、法律で地方選挙権を付与することは憲法上禁止されておらず、立法政策に委ねられているとした(許容説)。
覚え方憲法上の要請ではないが、法律で与えることは許される
ひっかけ注意「憲法上保障されている」とする要請説の肢と「憲法上禁止されている」とする禁止説の肢の両方向から出題される。判例は中間の許容説である。
法人の人権享有主体性
最大判昭和45年6月24日(八幡製鉄事件)は、憲法第三章の人権は性質上可能な限り内国の法人にも適用されるとしたうえで、会社は社会的実在として相応の社会的作用を負担せざるを得ず、憲法上の政治的行為をなす自由を有するとした。そして政治資金の寄附も、客観的抽象的に観察して会社の社会的役割を果たすためにされたものと認められる以上、定款所定の目的の範囲内の行為であり、取締役の忠実義務違反にもならないとした。
覚え方会社にも政治的行為の自由。政治献金は目的の範囲内
ひっかけ注意「会社の政治献金は定款の目的の範囲外で無効」とする肢。目的の範囲を狭く解する強制加入団体の判例と混同させにくる。
非嫡出子相続分違憲決定
最大決平成25年9月4日は、父母が婚姻関係になかったという子自身が選択・修正する余地のない事柄を理由に子に不利益を及ぼすことは許されないとして、非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする旧民法900条4号ただし書前段を遅くとも平成13年7月当時において14条1項に違反していたとした。違憲判断の効力については、平成13年7月から本決定までに開始された他の相続について、遺産分割の審判等により確定的なものとなった法律関係には影響を及ぼさないと明示している。
覚え方平成13年7月時点で違憲。ただし確定した分割はやり直さない
ひっかけ注意違憲判断の遡及効を無限定に認めさせる肢。既に確定した法律関係には影響しないという限定が付されている。
国籍法違憲判決
最大判平成20年6月4日は、日本国籍は基本的人権の保障等を受けるうえで重要な法的地位であり、父母の婚姻という子が自ら選択できない事柄による区別は慎重な検討を要するとして、認知に加え準正を国籍取得の要件とする旧国籍法3条1項を14条1項に違反するとした。ただし規定全部を無効とすると届出による国籍取得の道が閉ざされ立法者意思に反するとして、準正要件を除いた要件を満たす場合に届出による取得を認める形で救済した。現行3条1項は認知された18歳未満の子に届出による取得を認める。
覚え方準正要件だけを取り除いて救済する(部分違憲)
ひっかけ注意「規定全体が無効となり届出による国籍取得は一切認められなくなった」とする肢。判決は救済のため合憲的に読み替えている。
選挙権の制限と国家賠償
最大判平成17年9月14日(在外邦人選挙権訴訟)は、遅くとも本判決言渡し後に初めて行われる衆議院議員総選挙または参議院議員通常選挙の時点において、選挙区選出議員の選挙について在外国民に投票を認めない公職選挙法の規定は15条1項・3項、43条1項、44条ただし書に違反するとした。あわせて、立法の内容が憲法上一義的に明白であるのに国会が正当な理由なく長期にわたり立法を怠った場合には国家賠償法上違法となるとして、慰謝料の請求を認容した。
覚え方違憲確認と国家賠償の両方を認めた画期的判決
ひっかけ注意「立法不作為が国家賠償法上違法となることはない」とする肢。例外的に違法となる場合があることを認めた点が本判決の意義である。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- ひっかけ外国人に地方選挙権が憲法上保障されているとする肢、または憲法上禁止されているとする肢。判例は立法政策に委ねる許容説
- ひっかけ憲法14条1項を私人間に直接適用して無効としたとする肢。日産自動車事件が適用したのは民法90条
- ひっかけ尊属殺重罰規定違憲判決で立法目的自体が違憲とされたとする肢。違憲とされたのは刑の加重の程度という手段の側
押さえる判例
会社は社会的実在として政治的行為をなす自由を有し、政治資金の寄附も定款の目的の範囲内の行為である
強制加入団体である税理士会が政治団体へ献金するために特別会費を徴収する決議は、目的の範囲外で無効である
憲法の人権規定は私人間に直接適用されず、企業者は契約締結の自由を有し、思想信条を調査して申告を求めることも違法ではない
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1権利の性質上日本国民のみを対象とするかを見る。入国・再入国の自由は保障されず、政治活動の自由も在留制度の枠内で認められるにとどまる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2法人なら強制加入団体かを確認する。強制加入団体では構成員の思想信条との関係で目的の範囲が限定的に解される
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3私人間なら間接適用説で処理する。民法90条や不法行為の規定を通じて調整し、憲法を直接適用しない
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 日本国憲法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
人権の享有主体・私人間効力と法の下の平等の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
憲法重要度 S頻出度 16/24(編集部の目安)
外国人の人権享有主体性
最高裁判所は、憲法第3章の人権保障は権利の性質上日本国民のみを対象とすると解されるものを除き在留外国人にも等しく及ぶが、外国人の政治活動の自由は外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎず、在留期間の更新にあたり法務大臣が在留中の行為を消極的な事情として斟酌することも許されるとしている。
人権の享有主体・私人間効力と法の下の平等の○×一問一答12問|問題と解説
この論点で収録している12問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
外国人の人権享有主体性重要度S最高裁判所は、憲法第3章の人権保障は権利の性質上日本国民のみを対象とすると解されるものを除き在留外国人にも等しく及ぶが、外国人の政治活動の自由は外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎず、在留期間の更新にあたり法務大臣が在留中の行為を消極的な事情として斟酌することも許されるとしている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判昭和53年10月4日(マクリーン事件)は性質説に立ちつつ、憲法上外国人に在留の権利や引き続き在留することを要求しうる権利は保障されていないとした。
問2
憲法の私人間効力重要度S最高裁判所は、憲法19条や14条は国または公共団体と個人との関係を規律するものであって私人相互の関係を直接規律することを予定するものではなく、私人間の侵害に対しては民法1条や90条等の適切な運用によって調整を図るべきであるとしている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判昭和48年12月12日(三菱樹脂事件)は間接適用説に立ち、企業者は雇用の自由を有するから特定の思想信条を理由に雇入れを拒んでも当然に違法とはならないとした。
問3
尊属殺重罰規定違憲判決重要度S最高裁判所は、尊属殺人の法定刑を死刑または無期懲役刑のみに限っていた刑法200条について、尊属に対する尊重報恩を重んじるという立法目的自体が個人の尊厳と人格価値の平等に反するから、憲法14条1項に違反すると判示した。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最大判昭和48年4月4日は、立法目的自体は不合理といえないとしつつ、目的達成の手段として著しく不合理な差別的取扱いにあたるとして刑法200条を違憲とした。
問4
法人の人権享有主体性重要度A最高裁判所は、会社は自然人たる国民と同様に国や政党の特定の政策を支持し推進しまたはこれに反対するなどの政治的行為をなす自由を有し、政治資金の寄附もまたその自由の一環として認められると判示した。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判昭和45年6月24日(八幡製鉄事件)は、性質上可能な限り法人にも人権保障が及ぶとし、会社の政治献金を定款所定の目的の範囲内の行為とした。
問5
非嫡出子相続分違憲決定重要度A最高裁判所は、嫡出でない子の法定相続分を嫡出である子の2分の1と定めていた民法900条4号ただし書前段の規定について、遅くとも平成13年7月当時において憲法14条1項に違反していたとしている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大決平成25年9月4日は、家族形態の多様化や諸外国の立法の変化等を総合して、遅くとも平成13年7月当時には合理的根拠を失っていたとした。同規定は平成25年の改正で削除されている。
問6
外国人の参政権重要度A最高裁判所は、憲法93条2項にいう住民とは地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するから、法律をもって永住者等の外国人に地方公共団体の長や議会の議員の選挙権を付与する措置を講ずることは憲法上禁止されていると判示した。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最判平成7年2月28日は、93条2項の住民を日本国民に限定しつつ、永住者等に法律で地方選挙権を付与することは憲法上禁止されているものではないとした。
問7
国籍法違憲判決重要度A最高裁判所は、日本国民である父と日本国民でない母との間に生まれ出生後に父から認知された子について、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した場合に限って届出による日本国籍の取得を認めていた国籍法の規定は、合理的な区別であって憲法14条1項に違反しないと判示した。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最大判平成20年6月4日は、準正を国籍取得の要件とする部分が遅くとも平成15年当時において14条1項に違反していたとし、届出をした子の国籍取得を認めた。
問8
選挙権の制限と国家賠償重要度A最高裁判所は、国民の選挙権またはその行使を制限するにはやむを得ないと認められる事由が必要であるとしたうえで、在外国民の投票を衆議院比例代表選挙と参議院比例代表選挙に限定していた公職選挙法の規定は憲法15条1項等に違反すると判示した。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判平成17年9月14日は、選挙の公正を確保しつつ選挙権行使を認めることが事実上不可能ないし著しく困難であると認められない限り制限は許されないとし、立法不作為につき国家賠償も認めた。
問9
強制加入団体と目的の範囲重要度A最高裁判所は、大震災で被災した他の司法書士会に復興支援拠出金を寄付するために会員から負担金を徴収する旨の司法書士会の総会決議について、会員の思想信条の自由を侵害し司法書士会の目的の範囲を超えるものとして無効であるとしている。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最判平成14年4月25日(群馬司法書士会事件)は、被災司法書士会への復興支援拠出金の寄付は司法書士会の目的の範囲内であり、会員の負担も過大でないとして決議を有効とした。
問10
再婚禁止期間と夫婦同氏重要度A女性についてのみ再婚を禁止する期間を定めていた民法の規定は、最高裁判所が100日を超える部分を違憲と判断した後、100日に短縮する改正を経て、現在も100日の再婚禁止期間として存置されている。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最大判平成27年12月16日は100日超過部分を違憲としたが、その後の令和4年改正により嫡出推定制度が見直され、再婚禁止期間を定める民法733条自体が削除されている。
問11
法の下の平等の意味重要度A最高裁判所は、夫婦は婚姻の際に定めるところに従い夫または妻の氏を称すると定める民法750条について、夫婦がいずれの氏を称するかは夫婦となろうとする者の間の協議に委ねられており規定自体に男女の形式的な不平等は存在しないから、憲法14条1項に違反しないと判示した。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判平成27年12月16日は民法750条を合憲とし、最大決令和3年6月23日もこの判断を維持した。制度のあり方は国会で論ぜられ判断されるべき事柄とされている。
問12
定年年齢の男女差と公序良俗重要度B最高裁判所は、男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳と定める就業規則について、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法90条により無効であると判示した。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最判昭和56年3月24日(日産自動車事件)は、憲法14条1項を私人間に直接適用したのではなく、民法90条の公序良俗違反を理由に就業規則を無効とした。
人権の享有主体・私人間効力と法の下の平等の問題を続けて解く
この論点に対応する12問を絞り込んで出題します。