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民法

親権の2026年改正|共同親権・単独行使と親子関係を整理【行政書士】【2026年度試験対応】

2026年4月施行の改正民法に沿って、離婚後の親権者の指定と親権の行使を解説。共同・単独の原則と例外、認知との違いを図解と独自問題で確認します。行政書士試験対応。

要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

親権の2026年改正|共同親権・単独行使と親子関係を整理の解説カバー

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。

まず押さえるポイント

2026年4月1日施行の民法では、離婚後の親権者を父母双方又は一方と定めます。双方が親権者でも、日常の監護教育や子の利益のため急迫の事情がある場合などは単独で行使できます。「離婚後は必ず共同」「共同親権なら全行為に双方の同意が必要」という理解はいずれも誤りです。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-21

親権者を誰にするかと、誰が行使するかは別問題

協議離婚では父母の協議によって双方又は一方を親権者と定め、裁判離婚では裁判所が定めます。2026年度行政書士試験の法令基準日は4月1日であり、この日に施行された改正後の819条が基準になります。過去問の離婚後親権に関する記述は、出題当時の制度と区別して読みます。

裁判所は子の利益のために一切の事情を考慮します。父又は母が子に害悪を及ぼすおそれがある場合、暴力等の事情も踏まえて共同の親権行使が困難な場合など、共同とすることで子の利益を害すると認められるときには、一方を親権者と定めなければなりません。共同と単独のどちらかを無条件に優先する条文ではありません。

根拠:民法(2026年4月1日基準)法務省・父母の離婚後等の子の養育に関する民法等改正

双方が親権者でも単独でできる行為がある

区別する段階と判断を整理した図解

図は判断の要点です。適用条件・例外は本文と一次資料を確認してください。

図を大きく見る

824条の2は共同での親権行使を原則としつつ、一方のみが親権者の場合、他方が親権を行えない場合、子の利益のため急迫の事情がある場合には一方が行うとしています。親権者を定めることと、具体的な場面で一方が行為できることは区別します。

双方が親権者でも、監護・教育に関する日常の行為は単独でできます。例えば通常の日々の世話と、子の将来に大きく関わる重要な決定を同一に扱わないことが大切です。単独でできる場合を除き、特定事項について協議が調わず子の利益のため必要があるときは、家庭裁判所が申立てにより一方の単独行使を定めることができます。

判断条件の比較
区別する段階判断
親権者の指定父母双方又は一方/子の利益を考慮
親権の行使共同が原則/日常行為等は単独可能

根拠:民法(2026年4月1日基準)法務省・父母の離婚後等の子の養育に関する民法等改正

認知と親権を混同しない

親子関係が成立することと、誰が親権者になるかは別です。父が認知した子については母が親権を行い、父母の協議で双方又は父を親権者と定めることができます。認知をしただけで当然に父が親権者になる、という説明は正しくありません。

親子分野の設問では、認知・嫡出推定・養子縁組などの親子関係の成立に関する論点と、親権者の指定・変更・行使に関する論点を分けます。設問の行為が親子関係そのものを変えるのか、既にある関係のもとで権限を行使するのかを先に確認すると、条文を選びやすくなります。

根拠:民法(2026年4月1日基準)法務省・父母の離婚後等の子の養育に関する民法等改正

過去問で確認するポイント

令和7年度問35では、認知の規律を確認する問題。認知と親権者の指定は別制度として整理する。

出題当時の法令と現在の法令は区別して確認してください。下の独自確認問題では、この解説で整理した条件を一つずつ判断し、誤った文はどの語句を直せば正しくなるかまで考えましょう。

根拠:行政書士試験研究センター・令和7年度公表問題 問35民法(2026年4月1日基準)

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 問1 改正民法では、離婚後の親権者は必ず父母双方としなければならない。

    根拠:資料1資料2

  2. 問2 双方が親権者でも、監護・教育に関する日常の行為は単独で行える。

    根拠:資料1資料2

  3. 問3 父が子を認知すると、協議をしなくても当然に父が親権者になる。

    根拠:資料1資料2

この解説の一次資料

最重要ポイント

離婚後の親権者

令和6年法律第33号により2026年4月1日から離婚後の共同親権が導入された。改正後の819条は、協議離婚では父母の協議で双方または一方を親権者と定め(1項)、裁判離婚では裁判所が双方または一方を定める(2項)。裁判所は子の利益のため一切の事情を考慮し、父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあるとき、暴力等により父母が共同して親権を行うことが困難と認められるときは、一方を親権者と定めなければならない(7項)。子の利益のため必要があるときは親権者の変更もできる(6項)。

覚え方離婚後も双方を親権者にできる。危険があれば単独に決める

最重要・比較表

普通養子縁組と特別養子縁組の違い

最初に見るのは実方の父母との関係が切れるかどうかです。切れるのは特別養子だけで、そのぶん成立の手続も年齢の要件も厳しく定められています。

成立の方法

普通養子縁組
縁組意思の合致と養子縁組の届出によって成立する
特別養子縁組
養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判によって成立する(817条の2第1項)

判断ポイント

届出で成立するか審判で成立するかが、そのまま他の要件の厳しさに直結します。

家庭裁判所の許可

普通養子縁組
未成年者を養子とする場合など、必要となるときがある
特別養子縁組
不要。審判によって成立するため、別に許可を得る必要はない

判断ポイント

特別養子で「許可が必要」と書かれていたら誤りです。審判そのものが成立要件だからです。

養親の要件

普通養子縁組
20歳以上であること。配偶者のある者が未成年者を養子とするときは夫婦共同縁組による
特別養子縁組
原則25歳以上で、夫婦であり共同で縁組をすること。片方が25歳以上なら他方は20歳以上でよい

判断ポイント

普通養子は独身でもなれますが、特別養子は夫婦であることが要件です。

養子の要件

普通養子縁組
年齢の上限はないが、尊属または年長者を養子とすることはできない(793条)
特別養子縁組
原則15歳未満であること。実方の父母の同意と6か月以上の試験養育期間も必要

判断ポイント

特別養子は実親子関係を切るため、実方の父母の同意と試験養育という手続が加わります。

実方の父母との関係

最重要
普通養子縁組
終了しない
特別養子縁組
終了する

判断ポイント

効果の最大の違いはここで、届出でした縁組なら実親子関係は切れません。

実親子関係が切れるか → 切れるなら審判・年齢・実父母の同意・試験養育というハードルがそろっているか

法令確認:民法793条、民法817条の2(確認日 2026-08-05)

01親子・親権(嫡出推定・養子縁組)の重要暗記項目

01
重要度 S / 収録過去問 3回

離婚後の親権者

令和6年法律第33号により2026年4月1日から離婚後の共同親権が導入された。改正後の819条は、協議離婚では父母の協議で双方または一方を親権者と定め(1項)、裁判離婚では裁判所が双方または一方を定める(2項)。裁判所は子の利益のため一切の事情を考慮し、父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあるとき、暴力等により父母が共同して親権を行うことが困難と認められるときは、一方を親権者と定めなければならない(7項)。子の利益のため必要があるときは親権者の変更もできる(6項)。

覚え方離婚後も双方を親権者にできる。危険があれば単独に決める

ひっかけ注意「離婚するときは必ず父母の一方を親権者と定める」とする改正前の記述が誤りとして出る。現行法は双方も選択できる。

02
重要度 A / 収録過去問 3回

嫡出否認の訴え

改正前は夫だけが否認権者であったが、774条は父・子・母・前夫に否認権を認める。子の否認権は、親権を行う母、親権を行う養親または未成年後見人が子のために行使できる(同2項)。母および前夫の否認権は、その行使が子の利益を害することが明らかなときは行使できない(3項・4項)。嫡出の推定を受けない子との父子関係は嫡出否認の訴えではなく親子関係不存在確認の訴えで争い、こちらには出訴期間の制限がない。

覚え方否認権者は父・子・母・前夫の四者に拡大

ひっかけ注意否認権者を夫のみとする改正前の記述が誤りとして出る。推定を受けない子の争い方との区別も狙われる。

03
重要度 A / 収録過去問 2回

特別養子縁組

特別養子縁組は家庭裁判所の審判により成立し、養子と実方の父母およびその血族との親族関係が終了する(817条の9)。養子となる者は請求時に15歳未満であることが原則で、15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されていた等やむを得ない事由があれば例外がある(817条の5)。養親は配偶者のある者で夫婦がともに縁組をしなければならず(817条の3)、原則25歳以上である(817条の4)。離縁は養子の利益のため特に必要な場合に限られる。

覚え方実方と縁が切れる。十五歳未満・夫婦共同・二十五歳以上

ひっかけ注意養子の年齢上限を改正前の6歳とする記述が誤りとして出る。平成31年改正で原則15歳未満に引き上げられた。

04
重要度 A / 収録過去問 2回

親権の共同行使

824条の2は親権を父母が共同して行うことを原則とし、父母の一方のみが親権者であるとき、他の一方が親権を行うことができないとき、子の利益のため急迫の事情があるときに単独行使を認める。また監護および教育に関する日常の行為に係る親権の行使は、双方が親権者であっても単独ですることができる(2項)。特定の事項について父母間に協議が調わず子の利益のため必要な場合は、家庭裁判所が父または母の請求により一方の単独行使を定めることができる(3項)。2026年4月1日施行の規定である。

覚え方原則は共同、急迫と日常行為は単独

ひっかけ注意共同親権では日常の行為まで常に父母双方の合意が必要とする誤りが狙われる。824条の2第2項が単独行使を認めている。

05
重要度 B / 収録過去問 2回

嫡出否認の出訴期間

777条の出訴期間は原則として3年であり、起算点は父については子の出生を知った時、子および母については子の出生の時、前夫については子の出生を知った時である。改正前は夫が子の出生を知った時から1年であった。前の父が否認された結果として新たに父と定められた者らの否認権については、その裁判が確定したことを知った時から1年以内という特則が置かれている(778条)。子については出訴期間の特例(778条の2)もある。

覚え方改正で一年から三年へ。子と母は出生の時から起算

ひっかけ注意出訴期間を改正前の1年とする記述が誤りとして出る。起算点が否認権者ごとに異なる点も狙われる。

06
重要度 B / 収録過去問 2回

普通養子縁組の要件

成年年齢が18歳に引き下げられた際、養親の年齢要件は「成年に達した者」から「20歳に達した者」に改められた(792条)。尊属または年長者を養子とすることはできない(793条)。未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可が必要だが、自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は不要である(798条)。養子となる者が15歳未満のときは法定代理人が本人に代わって縁組の承諾をする(797条1項)。配偶者のある者が未成年者を養子とするには配偶者とともにしなければならないが、配偶者の嫡出である子を養子とする場合と配偶者が意思を表示することができない場合は単独でできる(795条ただし書)。

覚え方養親は二十歳から。孫や連れ子なら家裁の許可は不要

ひっかけ注意養親の年齢要件を18歳とする誤りが狙われる。成年年齢が下がっても養親は20歳以上である。

07
重要度 B / 収録過去問 1回

親族の範囲と親等

725条の親族は、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族の3類型に限られる。配偶者は血族でも姻族でもない独立の類型で、親等はない。姻族とは血族の配偶者と配偶者の血族をいい、配偶者の血族の配偶者は姻族に含まれない。姻族関係は離婚によって当然に終了するが、夫婦の一方が死亡した場合は生存配偶者が終了の意思表示をしてはじめて終了する(728条2項)。養子と養親の血族との間には縁組の日から血族間と同一の親族関係が生じる(727条)。

覚え方血族は六親等、姻族は三親等、配偶者に親等なし

ひっかけ注意配偶者を一親等の姻族として扱う誤りが狙われる。配偶者には親等がなく、独立の類型である。

08
重要度 C / 収録過去問 2回

子の人格の尊重

旧822条は親権を行う者が監護教育に必要な範囲で子を懲戒できると定めていたが、児童虐待を正当化する口実になるとして令和4年改正で削除され、821条が新設された。同条は、親権を行う者が子の監護および教育をするにあたっては子の人格を尊重するとともにその年齢および発達の程度に配慮しなければならず、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないと定める。820条の監護教育の権利義務も子の利益のために行使される。

覚え方懲戒権は消え、人格尊重と体罰禁止が入った

ひっかけ注意親権者に懲戒権があるとする記述が誤りとして出る。旧822条の懲戒権規定は削除された。

民法の暗記表をすべて見る →

覚える数字と、狙われる引っかけ

  • 嫡出推定 婚姻から200日・解消から300日
  • 嫡出否認の出訴期間 原則3年
  • 普通養子の養親 20歳に達した者
  • 特別養子 原則15歳未満・養親は原則25歳以上
  • ひっかけ嫡出否認権者を夫のみとする肢。改正により子・母・前夫にも認められた
  • ひっかけ特別養子でも実方との親族関係が存続するとする肢。特別養子では終了する
  • ひっかけ親権者は必要な範囲で子を懲戒できるとする肢。懲戒権の規定は削除され、体罰等の禁止が明記された

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    嫡出推定が及ぶかを772条で確認する。婚姻成立から200日以内なら婚姻前の懐胎、200日経過後または解消から300日以内なら婚姻中の懐胎と推定される

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    推定が及ぶなら嫡出否認の訴えで争う。否認権者は父・子・母・前夫で、出訴期間は原則3年である

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    養子縁組は普通か特別かを分ける。特別養子は家庭裁判所の審判により成立し、実方との親族関係が終了する

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
民法
情報確認日
2026年4月1日施行法令基準
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

親子・親権(嫡出推定・養子縁組)の○×一問一答

1/8問解答 0・正解 0

民法重要度 S頻出度 8/24(編集部の目安)

利益相反行為と特別代理人

親権を行う父が自己の債務のために子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、父に子を害する意図がなければ利益相反行為に当たらない。

親子・親権(嫡出推定・養子縁組)の○×一問一答9問|問題と解説

この論点で収録している9問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 問1

    利益相反行為と特別代理人重要度S

    親権を行う父が自己の債務のために子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、父に子を害する意図がなければ利益相反行為に当たらない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。判例は行為の外形から客観的に判断する立場をとり、親権者の動機や意図は考慮しない(最高裁昭和42年4月18日判決)。

  2. 問2

    離婚後の親権者重要度S

    父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、父母の一方のみを親権者と定めなければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。令和八年四月一日施行の改正により、819条1項は協議で父母の双方又は一方を親権者と定めるとしている。

  3. 問3

    嫡出否認の訴え重要度A

    嫡出否認の訴えは、父のほか、子及び母も提起することができる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。令和四年改正により否認権者が拡大され、父・子・母のほか前夫にも否認権が認められた(774条)。

  4. 問4

    特別養子縁組重要度A

    特別養子縁組の請求の時に十五歳に達している者は、原則として特別養子となることができない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。817条の5第1項は請求時に十五歳に達している者を除外し、成立までに十八歳に達した者も同様とする。

  5. 問5

    親権の共同行使重要度A

    父母の双方が親権者である場合であっても、子の利益のため急迫の事情があるときは、父母の一方が単独で親権を行うことができる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。824条の2第1項ただし書三号は、子の利益のため急迫の事情があるときの単独行使を認めている。

  6. 問6

    嫡出否認の出訴期間重要度B

    父の否認権に係る嫡出否認の訴えは、父が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。777条は父の否認権について、父が子の出生を知った時から三年以内に提起すべきものとしている。

  7. 問7

    普通養子縁組の要件重要度B

    養親となることができるのは十八歳に達した者であり、成年に達していない者は養子をすることができない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。792条は二十歳に達した者が養子をすることができるとしており、養親の年齢要件は成年年齢と切り離されている。

  8. 問8

    子の人格の尊重重要度C

    親権を行う者は、監護及び教育をするに当たり、子の人格を尊重するとともに、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。令和四年改正で懲戒権を定めていた822条が削除され、821条に子の人格尊重義務と体罰の禁止が置かれた。

  9. 問9

    親族の範囲と親等重要度B

    自己の配偶者の兄弟姉妹は二親等の姻族に当たるから、民法上の親族に含まれる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。725条は三親等内の姻族を親族とし、配偶者の兄弟姉妹は二親等の姻族に当たる。

次の学習

親子・親権(嫡出推定・養子縁組)の問題を続けて解く

この論点に対応する9問を絞り込んで出題します。

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