2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

憲法

財政・地方自治と憲法改正

国民健康保険料は反対給付があるため租税ではないが84条の趣旨は及ぶ、という中間的な結論が狙われます。地方特別法の住民投票が国会単独立法の原則の例外であること、99条の尊重擁護義務に国民が入らないことも定番です。

要点 8件・確認問題 8読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

最重要ポイント

公金支出の制限

最大判平成22年1月20日(空知太神社事件)は目的効果基準を明示せず、①国公有地が無償で宗教的施設の敷地として利用されている状態が生じた経緯②当該施設の性格③無償提供の態様等の諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断するとして89条・20条1項後段違反を認めた。もっとも違憲状態の解消手段は撤去・明渡し以外に譲与や有償貸付け等もあり得るとして、直ちに撤去等を命ずることなく原審に差し戻している。89条後段の私学助成は法令上の監督が及ぶことを理由に許容されると解されている。

覚え方空知太は総合判断。違憲だが撤去以外の解消手段を検討させて差戻し

01財政・地方自治と憲法改正の重要暗記項目

01
重要度 A / 過去6年 4

公金支出の制限

最大判平成22年1月20日(空知太神社事件)は目的効果基準を明示せず、①国公有地が無償で宗教的施設の敷地として利用されている状態が生じた経緯②当該施設の性格③無償提供の態様等の諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断するとして89条・20条1項後段違反を認めた。もっとも違憲状態の解消手段は撤去・明渡し以外に譲与や有償貸付け等もあり得るとして、直ちに撤去等を命ずることなく原審に差し戻している。89条後段の私学助成は法令上の監督が及ぶことを理由に許容されると解されている。

覚え方空知太は総合判断。違憲だが撤去以外の解消手段を検討させて差戻し

ひっかけ注意「違憲だから直ちに施設の撤去と土地明渡しを命じた」とする肢。判決は他の解消手段の検討を求めて差し戻している。私学助成を違憲とする肢も誤りである。

02
重要度 B / 過去6年 3

公務員の労働基本権

最大判昭和48年4月25日(全農林警職法事件)は、公務員も28条にいう勤労者に当たるとしたうえで、①地位の特殊性と職務の公共性②勤務条件が国会の制定する法律と予算により定められること(勤務条件法定主義)③争議行為が議会制民主主義に背馳すること④私企業のような市場の抑制力を欠くこと⑤人事院勧告等の代償措置が講じられていることを理由に、争議行為の一律全面禁止とあおり行為等の処罰を合憲とした。

覚え方勤労者ではある。しかし法定主義と代償措置を理由に全面禁止も合憲

ひっかけ注意「公務員は勤労者に当たらない」と入口で切る肢が典型。判例は主体性を認めたうえで制約を正当化している。

03
重要度 A / 過去6年 3

国権の最高機関と唯一の立法機関

41条の「国権の最高機関」は、国会が主権者たる国民を直接代表する機関であることを政治的に強調した美称にすぎないと解される(政治的美称説)。「唯一の立法機関」からは、国会以外の機関による立法を認めない国会中心立法の原則と、国会の議決のみで法律が成立する国会単独立法の原則が導かれる。前者の例外は議院規則(58条2項)、最高裁判所規則(77条1項)、条例(94条)、後者の例外は一の地方公共団体のみに適用される特別法の住民投票(95条)である。

覚え方中心立法の例外は議院規則・最高裁規則・条例、単独立法の例外は95条

ひっかけ注意最高機関性から統括機関としての法的権限を導く肢が出る。また政令を国会中心立法の例外として挙げる肢も誤りで、政令は法律の委任等に基づくものである。

04
重要度 A / 過去6年 3

免責特権

51条により、両議院の議員は議院で行った演説、討論または表決について院外で責任を問われない。免責されるのは民事責任・刑事責任および弁護士の懲戒責任などの法的責任であり、対象は議院での職務行為およびこれに付随する行為に限られるから、暴力行為のような職務と無関係な行為には及ばない。主体は両議院の議員に限られ、議院で発言する国務大臣や証人・参考人には及ばない。院内での懲罰(58条2項)は妨げられず、地方議会の議員にも免責特権はない。

覚え方免責されるのは院外の法的責任。院内の懲罰は受ける

ひっかけ注意「民事責任だけが免除される」とする肢のほか、免責を国務大臣や地方議会議員に広げる肢も出る。対象は国会議員の職務上の発言である。

05
重要度 A / 過去6年 3

特別裁判所の禁止

76条2項前段は特別裁判所の設置を禁止する。特別裁判所とは通常裁判所の系列から独立した特別の裁判機関をいい、明治憲法下の行政裁判所や軍法会議がこれに当たる。憲法自身が認めた例外は国会の弾劾裁判所(64条)と各議院による議員の資格争訟の裁判(55条)である。また76条2項後段は行政機関が終審として裁判を行うことを禁じるにとどまるから、前審としての審判は許され、公正取引委員会の審判や特許庁の審決がその例である。

覚え方禁止されるのは特別裁判所と行政機関の終審。前審ならよい

ひっかけ注意「行政機関は前審としても裁判できない」と76条2項後段を読み違えさせる肢が典型。弾劾裁判所と資格争訟の裁判が憲法上の例外である点も問われる。

06
重要度 C / 過去6年 2

最高裁判所裁判官の国民審査

最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の際にさらに審査に付し、以後も同様とする(79条2項)。投票者の多数が罷免を可とするときにその裁判官は罷免される(同3項)。判例は国民審査の性質を解職制度(リコール)と解している。最高裁判所長官は内閣の指名に基づき天皇が任命し(6条2項)、その他の裁判官は内閣が任命する(79条1項)。

覚え方審査は衆議院議員総選挙の際、初回とその後10年ごと

ひっかけ注意審査の対象から長官を除く肢や、参議院議員通常選挙の際に行うとする肢。審査は衆議院議員総選挙の際に行われ、長官も対象である。

07
重要度 A / 過去6年 3

租税法律主義

84条は、あらたに租税を課しまたは現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とすると定める。租税とは、特別の給付に対する反対給付としてではなく、国等が課税権に基づき強制的に賦課徴収する金銭給付をいう。最大判平成18年3月1日(旭川市国民健康保険条例事件)は、国民健康保険料は反対給付として徴収されるものであるから租税には当たらないが、強制徴収される点で84条の趣旨が及ぶとした。国民健康保険税の形式をとる場合は84条が直接適用される。

覚え方保険料は租税ではないが84条の趣旨は及ぶ。保険税なら直接適用

ひっかけ注意「保険料も84条にいう租税に当たる」と一段強める肢が出る。租税該当性の否定と趣旨の及び方を区別させる出題である。

08
重要度 B / 過去6年 3

予算と決算の手続

予算は内閣が作成して国会に提出し、先に衆議院に提出して審議を受け議決を経る(60条1項、86条)。予見し難い予算の不足に充てるための予備費は国会の議決に基づいて設け、内閣の責任で支出するが、すべての予備費の支出については事後に国会の承諾を得なければならない(87条)。決算は会計検査院が検査し、内閣が検査報告とともに国会に提出するが(90条1項)、これは「議決」ではなく審査を受けるにとどまる。内閣は国会および国民に対し少なくとも毎年1回、国の財政状況を報告しなければならない(91条)。

覚え方予備費は事前に設けて事後に承諾。決算は議決ではない

ひっかけ注意決算に予算と同じ議決手続を要求する肢が典型。予備費の支出に事後の承諾が必要な点と混同させにくる。

憲法の暗記表をすべて見る →

02試験で正誤を分けるチェック順

  1. 1
    強制的に賦課徴収される金銭給付でも、反対給付性があれば租税ではない。ただし84条の趣旨は及びうる

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  2. 2
    予算・決算・予備費を手続で分ける。予備費の支出は事後に国会の承諾が要り、決算は議決ではなく審査の対象である

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

  3. 3
    特定の地方公共団体の組織・運営・権能について特例を定める法律なら、住民投票で過半数の同意が要る

    問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。

03この論点の根拠

関連法令
日本国憲法
内容の基準日
2026年4月1日
復習方法
要点を確認した後、下の○×問題で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

財政・地方自治と憲法改正の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

憲法重要度 A頻出度 11/24(編集部の目安)

租税法律主義

最高裁判所は、市町村が行う国民健康保険の保険料は被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものであるから憲法84条にいう租税にはあたらないが、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するので、同条の趣旨が及ぶとしている。

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