憲法
財政・地方自治と憲法改正
国民健康保険料は反対給付があるため租税ではないが84条の趣旨は及ぶ、という中間的な結論が狙われます。地方特別法の住民投票が国会単独立法の原則の例外であること、99条の尊重擁護義務に国民が入らないことも定番です。
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行政書士試験での出題
出題ランク C対応する一問一答 12問
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公金支出の制限
最大判平成22年1月20日(空知太神社事件)は目的効果基準を明示せず、①国公有地が無償で宗教的施設の敷地として利用されている状態が生じた経緯②当該施設の性格③無償提供の態様等の諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断するとして89条・20条1項後段違反を認めた。もっとも違憲状態の解消手段は撤去・明渡し以外に譲与や有償貸付け等もあり得るとして、直ちに撤去等を命ずることなく原審に差し戻している。89条後段の私学助成は法令上の監督が及ぶことを理由に許容されると解されている。
覚え方空知太は総合判断。違憲だが撤去以外の解消手段を検討させて差戻し
混同注意・比較表
国会の権能と議院の権能
まず衆参が一緒に行うことなのか、各議院が単独で行えることなのかを見ます。裁判やルールづくりのように、似た名前で所属が分かれるものが狙われます。
| 事由 | 国会の権能 | 議院の権能 | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 誰が行うか | 衆議院と参議院が共同して行うことができるもの | 衆議院と参議院がそれぞれ独立して行うことができるもの | |
| 裁判に関するもの最重要 | 弾劾裁判所の設置(64条)。裁判官を罷免すべきかを判断する機関で、衆参各7人の計14人で構成する | 議員の資格争訟の裁判(55条)。議席を失わせるには出席議員の3分の2以上の議決が必要 | 資格争訟は裁判という名前でも裁判所ではなく議院の権能です。 |
| ルールをつくるもの | 法律の制定(59条)と、憲法改正の発議(96条) | 議院規則の制定(58条2項)。各議院が自分の議事のルールを定める | |
| 人に関するもの | 内閣総理大臣の指名(67条)。国会議員の中から国会の議決で指名する | 議長その他の役員の選任(58条1項)と、議員の懲罰(58条2項) | |
| そのほか | 条約の承認(61条)と、予算の議決などの財政監督(86条等) | 国政調査権(62条)、国務大臣の出席要求(63条)、会期前に逮捕された議員の釈放要求(50条)、秘密会の開催(57条1項) |
誰が行うか
- 国会の権能
- 衆議院と参議院が共同して行うことができるもの
- 議院の権能
- 衆議院と参議院がそれぞれ独立して行うことができるもの
判断ポイント
裁判に関するもの
最重要- 国会の権能
- 弾劾裁判所の設置(64条)。裁判官を罷免すべきかを判断する機関で、衆参各7人の計14人で構成する
- 議院の権能
- 議員の資格争訟の裁判(55条)。議席を失わせるには出席議員の3分の2以上の議決が必要
判断ポイント
資格争訟は裁判という名前でも裁判所ではなく議院の権能です。
ルールをつくるもの
- 国会の権能
- 法律の制定(59条)と、憲法改正の発議(96条)
- 議院の権能
- 議院規則の制定(58条2項)。各議院が自分の議事のルールを定める
判断ポイント
人に関するもの
- 国会の権能
- 内閣総理大臣の指名(67条)。国会議員の中から国会の議決で指名する
- 議院の権能
- 議長その他の役員の選任(58条1項)と、議員の懲罰(58条2項)
判断ポイント
そのほか
- 国会の権能
- 条約の承認(61条)と、予算の議決などの財政監督(86条等)
- 議院の権能
- 国政調査権(62条)、国務大臣の出席要求(63条)、会期前に逮捕された議員の釈放要求(50条)、秘密会の開催(57条1項)
判断ポイント
混同注意・比較表
政教分離に違反しない行為と違反する行為
国家と宗教の完全な分離までは求められていないので、かかわり合いが相当とされる限度を超えたかを見ます。似た場面で結論が反転するため、必ず対にして覚えます。
| 事由 | 政教分離に違反しない | 政教分離に違反する | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 判断の物差し | 目的がもっぱら世俗的で、効果も特定の宗教を援助・助長したり他の宗教を圧迫したりしない場合 | 行為の目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教への援助・助長・促進または圧迫・干渉になる場合 | 禁じられるのは、かかわり合いが相当とされる限度を超えるものだけです。 |
| 儀式・祭祀への公金支出最重要 | 市が体育館の建設にあたり神式の地鎮祭を行い、公金を支出したこと(津地鎮祭事件) | 県が靖国神社等に対し玉串料その他の名目で、公金により金品を支出したこと(愛媛玉串料訴訟) | 同じ公金支出でも、その行為が宗教的意義を失っているかどうかで分かれます。 |
| 公有地の無償での提供 | 小学校の工事に伴い、遺族会所有の忠魂碑の移転先敷地を市が無償で貸し付けたこと(箕面忠魂碑訴訟) | 市が町内会に対し、市有地を神社施設の敷地として無償で利用させていたこと(砂川空知太神社訴訟) | |
| そのほかの便宜・関与 | 殉職自衛官の護国神社への合祀申請に自衛隊職員が協力したこと(殉職自衛官合祀拒否訴訟) | 市が公園内に設置された孔子廟について、土地使用料の全額を免除していたこと(孔子廟訴訟) |
判断の物差し
- 政教分離に違反しない
- 目的がもっぱら世俗的で、効果も特定の宗教を援助・助長したり他の宗教を圧迫したりしない場合
- 政教分離に違反する
- 行為の目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教への援助・助長・促進または圧迫・干渉になる場合
判断ポイント
禁じられるのは、かかわり合いが相当とされる限度を超えるものだけです。
儀式・祭祀への公金支出
最重要- 政教分離に違反しない
- 市が体育館の建設にあたり神式の地鎮祭を行い、公金を支出したこと(津地鎮祭事件)
- 政教分離に違反する
- 県が靖国神社等に対し玉串料その他の名目で、公金により金品を支出したこと(愛媛玉串料訴訟)
判断ポイント
同じ公金支出でも、その行為が宗教的意義を失っているかどうかで分かれます。
公有地の無償での提供
- 政教分離に違反しない
- 小学校の工事に伴い、遺族会所有の忠魂碑の移転先敷地を市が無償で貸し付けたこと(箕面忠魂碑訴訟)
- 政教分離に違反する
- 市が町内会に対し、市有地を神社施設の敷地として無償で利用させていたこと(砂川空知太神社訴訟)
判断ポイント
そのほかの便宜・関与
- 政教分離に違反しない
- 殉職自衛官の護国神社への合祀申請に自衛隊職員が協力したこと(殉職自衛官合祀拒否訴訟)
- 政教分離に違反する
- 市が公園内に設置された孔子廟について、土地使用料の全額を免除していたこと(孔子廟訴訟)
判断ポイント
01財政・地方自治と憲法改正の重要暗記項目
公金支出の制限
最大判平成22年1月20日(空知太神社事件)は目的効果基準を明示せず、①国公有地が無償で宗教的施設の敷地として利用されている状態が生じた経緯②当該施設の性格③無償提供の態様等の諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断するとして89条・20条1項後段違反を認めた。もっとも違憲状態の解消手段は撤去・明渡し以外に譲与や有償貸付け等もあり得るとして、直ちに撤去等を命ずることなく原審に差し戻している。89条後段の私学助成は法令上の監督が及ぶことを理由に許容されると解されている。
覚え方空知太は総合判断。違憲だが撤去以外の解消手段を検討させて差戻し
ひっかけ注意「違憲だから直ちに施設の撤去と土地明渡しを命じた」とする肢。判決は他の解消手段の検討を求めて差し戻している。私学助成を違憲とする肢も誤りである。
国権の最高機関と唯一の立法機関
41条の「国権の最高機関」は、国会が主権者たる国民を直接代表する機関であることを政治的に強調した美称にすぎないと解される(政治的美称説)。「唯一の立法機関」からは、国会以外の機関による立法を認めない国会中心立法の原則と、国会の議決のみで法律が成立する国会単独立法の原則が導かれる。前者の例外は議院規則(58条2項)、最高裁判所規則(77条1項)、条例(94条)、後者の例外は一の地方公共団体のみに適用される特別法の住民投票(95条)である。
覚え方中心立法の例外は議院規則・最高裁規則・条例、単独立法の例外は95条
ひっかけ注意最高機関性から統括機関としての法的権限を導く肢が出る。また政令を国会中心立法の例外として挙げる肢も誤りで、政令は法律の委任等に基づくものである。
免責特権
51条により、両議院の議員は議院で行った演説、討論または表決について院外で責任を問われない。免責されるのは民事責任・刑事責任および弁護士の懲戒責任などの法的責任であり、対象は議院での職務行為およびこれに付随する行為に限られるから、暴力行為のような職務と無関係な行為には及ばない。主体は両議院の議員に限られ、議院で発言する国務大臣や証人・参考人には及ばない。院内での懲罰(58条2項)は妨げられず、地方議会の議員にも免責特権はない。
覚え方免責されるのは院外の法的責任。院内の懲罰は受ける
ひっかけ注意「民事責任だけが免除される」とする肢のほか、免責を国務大臣や地方議会議員に広げる肢も出る。対象は国会議員の職務上の発言である。
特別裁判所の禁止
76条2項前段は特別裁判所の設置を禁止する。特別裁判所とは通常裁判所の系列から独立した特別の裁判機関をいい、明治憲法下の行政裁判所や軍法会議がこれに当たる。憲法自身が認めた例外は国会の弾劾裁判所(64条)と各議院による議員の資格争訟の裁判(55条)である。また76条2項後段は行政機関が終審として裁判を行うことを禁じるにとどまるから、前審としての審判・裁決は許され、特許庁の審決、海難審判所の裁決、国税不服審判所の裁決がその例である。公正取引委員会の審判は平成25年改正(平成27年4月1日施行)により廃止されている。
覚え方禁止されるのは特別裁判所と行政機関の終審。前審ならよい
ひっかけ注意「行政機関は前審としても裁判できない」と76条2項後段を読み違えさせる肢が典型。弾劾裁判所と資格争訟の裁判が憲法上の例外である点も問われる。
租税法律主義
84条は、あらたに租税を課しまたは現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とすると定める。租税とは、特別の給付に対する反対給付としてではなく、国等が課税権に基づき強制的に賦課徴収する金銭給付をいう。最大判平成18年3月1日(旭川市国民健康保険条例事件)は、国民健康保険料は反対給付として徴収されるものであるから租税には当たらないが、強制徴収される点で84条の趣旨が及ぶとした。国民健康保険税の形式をとる場合は84条が直接適用される。
覚え方保険料は租税ではないが84条の趣旨は及ぶ。保険税なら直接適用
ひっかけ注意「保険料も84条にいう租税に当たる」と一段強める肢が出る。租税該当性の否定と趣旨の及び方を区別させる出題である。
憲法改正の手続
憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には特別の国民投票または国会の定める選挙の際に行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする(96条1項)。承認を経たときは天皇が国民の名で、この憲法と一体を成すものとして直ちに公布する(同2項)。99条の憲法尊重擁護義務を負うのは天皇・摂政・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員であり、国民は列挙されていない。
覚え方発議は総議員の3分の2、国民の承認は過半数
ひっかけ注意発議要件を出席議員とする肢、国民の承認に3分の2を要求する肢のほか、99条の義務主体に国民を加える肢も頻出である。
公務員の労働基本権
最大判昭和48年4月25日(全農林警職法事件)は、公務員も28条にいう勤労者に当たるとしたうえで、①地位の特殊性と職務の公共性②勤務条件が国会の制定する法律と予算により定められること(勤務条件法定主義)③争議行為が議会制民主主義に背馳すること④私企業のような市場の抑制力を欠くこと⑤人事院勧告等の代償措置が講じられていることを理由に、争議行為の一律全面禁止とあおり行為等の処罰を合憲とした。
覚え方勤労者ではある。しかし法定主義と代償措置を理由に全面禁止も合憲
ひっかけ注意「公務員は勤労者に当たらない」と入口で切る肢が典型。判例は主体性を認めたうえで制約を正当化している。
予算と決算の手続
予算は内閣が作成して国会に提出し、先に衆議院に提出して審議を受け議決を経る(60条1項、86条)。予見し難い予算の不足に充てるための予備費は国会の議決に基づいて設け、内閣の責任で支出するが、すべての予備費の支出については事後に国会の承諾を得なければならない(87条)。決算は会計検査院が検査し、内閣が検査報告とともに国会に提出するが(90条1項)、これは「議決」ではなく審査を受けるにとどまる。内閣は国会および国民に対し少なくとも毎年1回、国の財政状況を報告しなければならない(91条)。
覚え方予備費は事前に設けて事後に承諾。決算は議決ではない
ひっかけ注意決算に予算と同じ議決手続を要求する肢が典型。予備費の支出に事後の承諾が必要な点と混同させにくる。
覚える数字と、狙われる引っかけ
- 憲法改正の発議 各議院の総議員の3分の2以上
- 国民の承認 過半数
- 財政状況の報告 少なくとも毎年1回
- ひっかけ国民健康保険料も84条にいう租税に当たるとする肢。反対給付性があるため租税そのものではない
- ひっかけ私立学校への助成金は89条後段に反し違憲とする肢。法令上の監督が及ぶことを理由に許容されると解されている
- ひっかけ99条の憲法尊重擁護義務の主体に国民を加える肢。列挙されているのは天皇・摂政・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員
押さえる判例
国民健康保険料は反対給付として徴収されるため租税ではないが、強制的に賦課徴収される点で憲法84条の趣旨が及ぶとした
02試験で正誤を分けるチェック順
- 1強制的に賦課徴収される金銭給付でも、反対給付性があれば租税ではない。ただし84条の趣旨は及びうる
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 2予算・決算・予備費を手続で分ける。予備費の支出は事後に国会の承諾が要り、決算は議決ではなく審査の対象である
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
- 3特定の地方公共団体の組織・運営・権能について特例を定める法律なら、住民投票で過半数の同意が要る
問題文の限定語を先に拾い、上の暗記項目と照合してから結論を出します。
03この論点の根拠
- 関連法令
- 日本国憲法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
財政・地方自治と憲法改正の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
憲法重要度 A頻出度 11/24(編集部の目安)
租税法律主義
最高裁判所は、市町村が行う国民健康保険の保険料は被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものであるから憲法84条にいう租税にはあたらないが、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するので、同条の趣旨が及ぶとしている。
財政・地方自治と憲法改正の○×一問一答12問|問題と解説
この論点で収録している12問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
租税法律主義重要度A最高裁判所は、市町村が行う国民健康保険の保険料は被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものであるから憲法84条にいう租税にはあたらないが、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するので、同条の趣旨が及ぶとしている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。最大判平成18年3月1日(旭川市国民健康保険条例事件)の判示である。もっとも本件条例は84条の趣旨に反しないとされた。
問2
公金支出の制限重要度A最高裁判所は、市が町内会に対して市有地を神社施設の敷地として無償で使用させている行為について、その目的は世俗的であり効果も特定の宗教を援助するものではないから、憲法89条が禁止する宗教上の組織または団体に対する公の財産の利用提供にはあたらないとしている。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最大判平成22年1月20日(空知太神社事件)は、諸般の事情を社会通念に照らして総合的に判断し、本件利用提供行為は89条および20条1項後段に違反するとした。
問3
国権の最高機関と唯一の立法機関重要度A憲法41条が国会を国権の最高機関と定めるのは、主権者である国民によって直接選挙された議員で組織される機関として国政の中心的地位を占めることを強調した政治的美称であって、国会が内閣や裁判所に対し法的に優越する地位に立つことを意味するものではないと解されている。
答え:○(正しい)
解説
正しい。通説は政治的美称説を採る。国会が最高機関であることから直ちに他の機関の行為の効力を否定したり指揮監督したりする権限が導かれるわけではない。
問4
特別裁判所の禁止重要度A憲法上特別裁判所を設置することはできず行政機関は前審としても裁判を行うことができないから、行政機関が争訟について審判を行い、その裁決に不服がある者が裁判所に出訴することとする仕組みは憲法上認められない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。76条2項が禁じるのは行政機関が終審として裁判を行うことであり、前審として審判を行い裁判所への出訴の道が開かれている仕組みは許される。
問5
免責特権重要度A両議院の議員が議院で行った演説、討論または表決について院外で責任を問われないとする免責特権は、民事上および懲戒上の責任を免れさせるにとどまり、刑事上の責任までを免れさせるものではない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。51条の免責は院外における一切の法的責任に及び、刑事責任も民事責任も問われない。所属政党による除名等の政治的責任は別である。
問6
公金支出の制限重要度A公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため、または公の支配に属しない慈善、教育もしくは博愛の事業に対し、これを支出しまたはその利用に供してはならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。89条は前段で政教分離の財政面からの担保を、後段で公の支配に属しない事業への公金支出の禁止を定める。
問7
憲法改正の手続重要度A憲法の改正は各議院の出席議員の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議して国民に提案しその承認を経なければならず、この承認には特別の国民投票または国会の定める選挙の際に行われる投票において有効投票の3分の2以上の賛成を必要とする。
答え:×(誤り)
解説
誤り。発議に必要なのは各議院の総議員の3分の2以上の賛成であり、国民の承認は投票における過半数の賛成で足りる(96条1項)。
問8
公務員の労働基本権重要度B最高裁判所は、公務員は使用者との合意によって勤務条件を決定する立場にないから憲法28条にいう勤労者にあたらず、国家公務員法が争議行為およびそのあおり行為を一律に禁止し処罰の対象としていても、そもそも同条の問題を生じないとしている。
答え:×(誤り)
解説
誤り。最大判昭和48年4月25日(全農林警職法事件)は、公務員も28条にいう勤労者にあたるとしたうえで、勤務条件法定主義や代償措置の存在等を理由に一律禁止を合憲とした。
問9
予算と決算の手続重要度B内閣は毎会計年度の予算を作成して国会に提出しその審議を受け議決を経なければならず、国の収入支出の決算についても、会計検査院の検査を経たうえで国会に提出しその議決を経なければ効力を生じない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。決算は会計検査院の検査を経て内閣が検査報告とともに国会に提出するが(90条1項)、国会の議決は決算の効力要件ではなく事後の政治的責任追及の手段にとどまる。
問10
地方自治の本旨重要度B地方自治の本旨は、地方公共団体が国から独立した団体としてその事務を自らの意思と責任において処理するという団体自治と、その運営が住民の意思に基づいて行われるという住民自治の二つの要素から成る。
答え:○(正しい)
解説
正しい。92条の地方自治の本旨は団体自治と住民自治から構成され、前者は自由主義的要素、後者は民主主義的要素と説明される。
問11
地方特別法の住民投票重要度B一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところによりその地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会はこれを制定することができない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。95条は地方特別法について住民投票を要求しており、国会単独立法の原則の例外にあたる。手続は地方自治法261条以下が定める。
問12
最高裁判所裁判官の国民審査重要度C最高裁判所の裁判官の国民審査は、その長たる裁判官を除くその他の裁判官について任命後初めて行われる参議院議員通常選挙の際に行われ、その後10年を経過するごとに更に審査に付される。
答え:×(誤り)
解説
誤り。国民審査は長たる裁判官を含む最高裁判所の裁判官全員を対象とし、任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に行われる(79条2項)。
財政・地方自治と憲法改正の問題を続けて解く
この論点に対応する12問を絞り込んで出題します。