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資格・キャリア2026年版

宅建とは|宅建士の定義・3つの独占業務・試験の概要【2026年版】

2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。

「宅建」は、不動産の仕事をする人の資格としてよく知られていますが、資格の名前なのか試験の名前なのか、宅建士と何が違うのかは意外と混同されています。この記事では、宅地建物取引業法の条文と、試験を行う不動産適正取引推進機構(RETIO)の公表をもとに、宅建とは何かを、資格・仕事・試験の順に確かめます。

公開日
2026年11月6日
更新日
2026年11月6日
読了目安
約10分
法令基準日
2026年4月1日
宅建とはの記事カバー

先に結論

宅建とは、宅地建物取引士(宅建士)という国家資格と、その資格を得るための宅地建物取引士資格試験の略称です。宅建業法は、宅建士を宅地建物取引士証の交付を受けた者と定めています。宅建士は、不動産の売買や賃貸の契約の前に重要事項を説明し、その書面と契約書面に記名する役割を担い、不動産会社は事務所ごとに業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任の宅建士を置かなければなりません。試験は日本国内に住んでいれば誰でも受けられ、令和7年度の合格率は18.7%でした。

この記事でわかること

迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます

  • 宅建は資格(宅地建物取引士)と試験(宅地建物取引士資格試験)の略称
  • 法律上の宅建士は、宅建士証の交付を受けた人(宅建業法2条4号)
  • 重要事項の説明、その書面への記名、契約書面への記名の3つが宅建士の役割
  • 試験は年1回・50問・2時間。令和7年度は受験者245,462人、合格率18.7%

01結論:宅建は、不動産取引の説明を担う国家資格とその試験の略称

宅建は、宅地建物取引士という国家資格と、宅地建物取引士資格試験の両方を指して使われる略称です。「宅建に受かった」は試験の話、「宅建を持っている」は資格の話というように、文脈で意味が変わります。

宅建士は、土地や建物の売買・賃貸の取引で、買主や借主に重要な事項を説明する専門家です。不動産会社にとっては、事務所を開くために一定数を置かなければならない存在でもあります。

試験に合格、資格登録、宅建士証の交付、宅建士として業務の4段階
図解法律上の宅建士は、宅建士証の交付を受けた人です。拡大して見る ↗

試験は都道府県知事が行い、その事務をRETIOが担っています。受験資格に学歴や年齢の制限はなく、令和7年度は245,462人が受験した大規模な国家試験です。

02正式名称:宅地建物取引士。2015年に「主任者」から改められた

宅建士の正式名称は、宅地建物取引士です。以前は宅地建物取引主任者という名称でしたが、宅建業法の改正(平成26年法律第81号)により、平成27年(2015年)4月1日から宅地建物取引士に改められました。

国土交通省は、この改正で名称の変更とあわせて、宅建士の業務処理の原則や、従業者に必要な教育を行うよう努める宅建業者の義務などを定めたと公表しています。今の15条から15条の3にある宅建士の義務は、このときに設けられたものです。

古い資料やベテランの人の会話で「宅建主任者」という言葉が出てくるのは、この名称変更の前の呼び方だからです。今の試験と資格は、すべて宅地建物取引士の名前で行われています。

03法律上の宅建士は「宅建士証の交付を受けた者」

宅建業法2条4号は、宅地建物取引士を、22条の2第1項の宅地建物取引士証の交付を受けた者と定めています。試験に合格しただけの人は、法律上はまだ宅建士ではありません。

合格してから宅建士になるまでには、資格登録と宅建士証の交付という2つの手続があります。資格登録には、宅建業の実務経験が2年以上あるか、登録実務講習を修了していることなどが必要です。

合格は一生有効で、登録しないままでも失われません。不動産の仕事に就く予定がない人は合格のまま持っておき、仕事で使う時に登録と宅建士証の交付を受けることもできます。

04宅建士の3つの独占業務:重要事項の説明と2つの書面への記名

宅建業法35条は、不動産会社に、契約が成立するまでの間に、宅建士に重要事項を説明させることを求めています。説明は宅建士証を示して行い、説明した書面には宅建士が記名します。

37条は、契約が成立した後に交付する書面にも、宅建士の記名を求めています。重要事項の説明、重要事項説明書への記名、契約書面への記名の3つが、宅建士でなければできない業務です。

物件の案内や広告、価格の交渉は、宅建士でない社員でも行えます。宅建士の役割は、取引の最後に、買主や借主が判断に必要な情報を受け取ったことを法律に沿って確かめることにあります。

05宅建士の義務:公正誠実・信用失墜行為の禁止・知識の維持向上

宅建業法15条は、宅建士は業務に従事するときは、取引の専門家として、購入者等の利益の保護と円滑な流通に資するよう、公正かつ誠実に事務を行うとともに、関連する業務に従事する者との連携に努めなければならないと定めています。

15条の2は、宅建士の信用や品位を害するような行為をしてはならないと定めています。業務の外での行為も含まれると解されていて、資格者としての振る舞いが求められます。

15条の3は、宅地や建物の取引に必要な知識と能力の維持向上に努めなければならないと定めています。宅建士証の更新のたびに法定講習を受けるのも、この考え方に沿った仕組みです。

06不動産会社には、5人に1人以上の専任の宅建士が要る

宅建業法31条の3は、不動産会社(宅建業者)に、事務所ごとに国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅建士を置くことを求めています。事務所では、業務に従事する者5人に1人以上の割合です。

専任の宅建士が退職などで足りなくなったときは、2週間以内に補充などの措置を取らなければなりません。この決まりがあるため、不動産会社は宅建士の採用を続ける必要があり、求人で宅建が重視されます。

宅建の価値は、独占業務と設置義務によって、法律が不動産会社に宅建士を必要とさせている点に支えられています。

07受験資格:日本国内に住んでいれば、年齢・学歴を問わない

RETIOは、受験資格について、日本国内に居住する方であれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験できるとしています。学生も、社会人も、不動産業界の外の人も受けられます。

試験地は、原則として現在住んでいる都道府県です。合格した後の資格登録も、試験を受けた都道府県の知事に申請します。

資格登録の段階では、宅建業法18条の条件が問われます。未成年者の扱いを含む欠格事由や、実務経験か登録実務講習の条件は、受験の時ではなく登録の時に確かめられます。

08試験の概要:年1回・10月第3日曜・50問・2時間

宅建試験は毎年1回、10月の第3日曜日の午後1時から午後3時までの2時間で行われます。登録講習を修了した人は5問が免除され、午後1時10分から午後3時までの1時間50分です。

出題は50問の四肢択一式で、権利関係、法令上の制限、税・その他、宅建業法の4分野から出ます。受験手数料は8,200円です。

合格発表は原則として11月下旬で、令和8年度試験は11月25日(水)の午前9時30分に発表されます。

09令和7年度は受験者245,462人、合格者45,821人、合格率18.7%

RETIOの公表によると、令和7年度試験は、申込者306,099人、受験者245,462人、合格者45,821人で、合格率は18.7%でした。前年度の合格率は18.6%です。

合格点は相対的に決まり、令和7年度は50問中33問以上の正解(5問免除の人は45問中28問以上)でした。毎年の合格率がおおむね15%から18%台に収まっているのは、合格点が受験者の出来に合わせて動くためです。

合格率から見ると、受験者の上位2割弱に入れば合格できる試験です。難易度と勉強時間の目安は、それぞれの記事で詳しく見られます。

10宅建士と宅建業者は別もの。宅建業は免許の制度

宅建業法には、宅建士とは別に、宅地建物取引業者(宅建業者)という言葉が出てきます。宅建業者は、3条1項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者で、主に不動産会社のことです。

宅建士は人に与えられる資格、宅建業者は会社や個人事業主に与えられる免許です。宅建士の資格を持っていても、免許がなければ不動産の売買や仲介を業として行うことはできません。

反対に、自分で不動産会社を開くときは、免許を受けたうえで、事務所に専任の宅建士を置く必要があります。開業を考える人は、資格と免許の両方を準備します。

11宅建を取る人:不動産業界だけでなく、金融・建設・学生も

宅建は、不動産会社で売買や賃貸の仲介をする人にとって、独占業務と設置義務に直結する資格です。不動産の営業職では、入社後に取得を求められることもあります。

金融機関の住宅ローン担当、建設会社や住宅メーカーの営業、管理会社の担当者なども、取引の流れと法令を理解するために受験しています。就職活動の前に取る学生もいます。

自分の家を買う、借りる、相続した土地を売るといった場面でも、宅建で学ぶ民法や法令上の制限の知識は判断の助けになります。

12今日やること:資格・仕事・試験の3つを自分の目的に当てはめる

宅建とは何かは、資格(宅建士証の交付を受けた宅建士)、仕事(重要事項の説明と記名)、試験(年1回・50問)の3つで説明できます。

受験を考えている人は、次に勉強時間の目安と勉強法を確かめ、来年10月の試験日から逆算して学習を始める時期を決めます。

すでに合格した人は、資格登録の条件と宅建士証の交付までの流れを確かめ、仕事で使う時期に合わせて手続を進めます。

よくある質問

宅建とは何ですか。

宅地建物取引士という国家資格と、その資格試験である宅地建物取引士資格試験の略称です。

宅建と宅建士の違いは何ですか。

宅建は資格や試験を指す略称として広く使われます。宅建士は宅地建物取引士の略で、宅建業法上は宅建士証の交付を受けた人を指します。

宅建の正式名称は何ですか。

資格は宅地建物取引士、試験は宅地建物取引士資格試験です。2015年3月までは宅地建物取引主任者という名称でした。

宅建士にしかできない仕事は何ですか。

重要事項の説明、重要事項説明書への記名、契約成立後に交付する書面への記名の3つです(宅建業法35条・37条)。

宅建は誰でも受験できますか。

日本国内に住んでいれば、年齢や学歴に関係なく誰でも受験できます。試験地は原則として住んでいる都道府県です。

宅建の合格率はどれくらいですか。

令和7年度は受験者245,462人のうち45,821人が合格し、合格率は18.7%でした。合格点は50問中33問でした。

確認した公的情報

この記事の参照元

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