資格・キャリア2026年版
宅建はやめとけ?言われる理由と、取る価値がある人の見分け方【2026年版】
2026年版の解説です。手続・費用・統計の対象時点は、本文と各出典に記載しています。
「宅建はやめとけ」という声には、試験の難しさ、資格がなくても不動産の営業はできること、合格してから登録までに手間がかかることなど、いくつかの理由が混ざっています。この記事では、それぞれの理由を法令と公的な統計で確かめ、宅建士にしかできない事務と設置義務から、取る価値がある人とそうでない人を見分けます。
- 公開日
- 2026年11月6日
- 更新日
- 2026年11月6日
- 読了目安
- 約10分
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 情報確認日
- 2026年11月6日

先に結論
宅建は、令和7年度の合格率が18.7%で、合格しても登録と宅建士証の交付までに実務経験か講習が要ります。一方、重要事項の説明と、35条・37条の書面への記名は宅建士にしかできず、宅建業者は事務所ごとに業務に従事する者の5分の1以上の専任の宅建士を置く義務があります。不動産の取引に関わる人には価値があり、関わる予定のない人には負担が大きい資格です。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- やめとけと言われる理由は、難しさ・資格不要の仕事・登録の手間の3つ
- 重要事項の説明と35条・37条書面の記名は宅建士にしかできない
- 宅建業者は事務所ごとに5分の1以上の専任の宅建士を置く
- 不動産の取引に関わるかどうかで、取る価値が分かれる
01結論:やめとけと言われる理由と、取る理由は両方ある
宅建を「やめとけ」と言う人が挙げる理由は、主に3つです。試験が難しいこと、資格がなくても不動産の営業の仕事はできること、合格しても登録と宅建士証の交付までに手間がかかることです。
一方で、宅建業法は、重要事項の説明などを宅建士にしかできない事務と定め、宅建業者に専任の宅建士を置くことを義務づけています。どちらの話も事実なので、自分が不動産の取引に関わるかどうかで判断します。

02理由1:試験が難しい
令和7年度の宅建試験は、受験者245,462人のうち45,821人が合格し、合格率は18.7%、合格点は50問中33点でした。受験者の8割以上が届かない試験です。
合格には、宅建業法、権利関係、法令上の制限、税・その他の範囲を学ぶ必要があります。働きながら学ぶ人には、数か月単位の時間の確保が負担になります。
合格点は年度ごとに決まり、令和7年度は33点でした。合格点の発表は、令和8年度なら試験から5週間あまり後の11月25日で、それまでは自分の点数で合否が分からない期間もあります。
03理由2:資格がなくても営業の仕事はできる
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、「住宅・不動産営業」について、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされないと説明しています。物件の案内や、顧客との条件の調整などは、宅建士でなくても行えます。
そのため、不動産会社で働いている人の中には、宅建を持たずに営業をしている人もいます。「資格がなくても働けるなら要らない」という意見は、この事実から来ています。
04理由3:合格しても、すぐに宅建士にはなれない
宅建業法2条4号は、宅建士を、宅建士証の交付を受けた者と定めています。試験に合格しただけでは宅建士ではなく、都道府県知事の登録を受け、宅建士証の交付を受ける必要があります。
登録には2年以上の実務経験か、それに代わる講習の修了が必要です。宅建士証の有効期間は5年で、更新の手続も続きます。合格後の手間が多いことも、やめとけと言われる理由の一つです。
宅建士証の更新では、有効期間が切れる前に法定講習を受けます。宅建士として働き続ける間は、5年ごとにこの手続が続きます。
05宅建士にしかできない事務
宅建業法は、次の事務を宅建士に行わせるよう定めています。宅建業者は、これらを宅建士でない従業者に任せることはできません。
重要事項の説明のときは、説明の相手方に宅建士証を見せなければなりません。資格を持っていることを、取引の相手に示す場面があるということです。
表が画面幅より広い場合は、左右にスクロールして確認できます。
| 条文 | 事務 |
|---|---|
| 35条1項 | 契約の前の重要事項の説明 |
| 35条4項 | 説明のときの宅建士証の提示 |
| 35条5項 | 重要事項説明書(35条書面)への記名 |
| 37条3項 | 契約成立時の書面(37条書面)への記名 |
この節・表の確認資料: e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(確認日 2026年11月6日)
06宅建業者には設置義務がある
宅建業法31条の3は、宅建業者に、事務所などごとに成年者である専任の宅建士を置くことを求めています。施行規則15条の5の3は、事務所では業務に従事する者の5分の1以上の数を求めています。
例えば業務に従事する者が10人の事務所なら、専任の宅建士が2人以上必要です。不動産会社が宅建士を求めるのは、この義務があるためです。
07宅建業者と宅建士の数
国土交通省の調査によると、2026年3月末の宅建業者は133,727業者で、12年連続で増えています。宅建士の総登録者数は、令和7年度末で1,243,738人でした。
登録者の中には、宅建業の仕事をしていない人も含まれます。登録者の数が多いことと、仕事で宅建士として働いている人の数は、同じではありません。
令和7年度に新しく登録した人は34,714人でした。毎年3万人を超える人が新たに宅建士の登録をしています。
08公的統計で見る不動産営業の年収
job tagの「住宅・不動産営業」の年収は660.7万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、有効求人倍率は2.72(令和7年度)です。宅建士かどうかで分けた数字ではなく、不動産営業員という職業分類全体の値です。
宅建士の資格手当の額は、会社ごとに違います。手当があるかどうかと額は、求人票や就業規則で確かめます。
09取る価値がある人
不動産会社で働いている、または働く予定の人には、取る価値があります。重要事項の説明と書面の記名を担えるようになり、会社の設置義務の人数にも数えられる立場になるからです。
賃貸管理やマンション管理など、不動産に関わる別の資格を目指す人にも、民法や法令上の制限の知識が土台になります。
10やめておいてよい人
不動産の取引に関わる予定がなく、資格を持つこと自体が目的の人は、学習の負担に見合うかを先に考えます。合格だけでは宅建士にはならず、登録や更新の手間もかかります。
転職のためだけに取る場合も、資格だけで採用が決まるわけではありません。応募したい会社の求人で、宅建がどう扱われているかを先に確かめます。
11判断のための3つの問い
宅建を取るか迷ったら、不動産の売買や賃貸の仲介に関わるか、勤め先や応募先が宅建士を求めているか、1年で何百時間かを学習に使えるか、の3つを書き出します。
1つ目と2つ目が「はい」なら、取る価値は高いと言えます。3つ目が難しい場合は、試験の時期を1年先に置いて計画を立てる方法もあります。
12受けると決めたら
宅建試験は毎年10月の第3日曜日に行われ、申込みは7月です。受けると決めたら、試験日から逆算して学習の計画を立てます。
合トレの一問一答で、宅建業法や権利関係の問題を解き、自分が今どれだけ分かるかを確かめるところから始められます。
よくある質問
宅建はやめとけと言われるのはなぜですか?
試験が難しいこと(令和7年度の合格率18.7%)、資格がなくても営業の仕事はできること、合格後の登録までに手間がかかることが主な理由です。
宅建がなくても不動産の仕事はできますか?
営業などの仕事はできます。ただし、重要事項の説明と35条・37条書面への記名は宅建士にしかできません。
宅建を取る価値がある人はどんな人ですか?
不動産の売買や賃貸の仲介に関わる人、勤め先や応募先が宅建士を求めている人です。
合格すればすぐに宅建士として働けますか?
登録と宅建士証の交付が必要です。登録には2年以上の実務経験か講習の修了が要ります。
不動産会社は宅建士を何人置く必要がありますか?
事務所ごとに、業務に従事する者の5分の1以上の専任の宅建士です。
宅建士の年収は高いですか?
宅建士だけの公的統計はありません。job tagの住宅・不動産営業の年収は660.7万円で、職業分類全体の値です。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。