2026年10月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

税・その他

宅建の不動産鑑定評価|3手法・価格形成要因を比較【2026年度試験対応】

原価法・取引事例比較法・収益還元法を、着目点と価格名で比較。一般的・地域・個別の価格形成要因と、直接還元の計算例を解説します。

要点 8件・基本問題 8・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

不動産鑑定評価の解説記事カバー(写真調イメージ)

2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01

まず押さえるポイント

不動産価格を求める代表的な手法は、原価法・取引事例比較法・収益還元法です。費用、似た取引、得られる収益という異なる視点から価格を検討し、対象不動産に適した手法を使います。

法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-08

手法と価格の名前を対応させる

原価法:再調達原価と減価修正:積算価格。取引事例比較法:類似事例の補正・比較:比準価格。収益還元法:将来の純収益:収益価格

原価法:再調達原価と減価修正:積算価格。取引事例比較法:類似事例の補正・比較:比準価格。収益還元法:将来の純収益:収益価格

図を大きく見る

原価法は、対象不動産を改めて調達する原価から減価修正を行う考え方です。取引事例比較法は、似た事例の取引価格を対象不動産に合わせて補正・比較する考え方です。

収益還元法は、将来得られると期待される純収益の現在価値を基に価格を求めます。手法名だけでなく、計算の入口となる情報と、得られる試算価格の名前を対応させると整理できます。

手法と価格の名前を対応させる
手法着目する情報試算価格
原価法再調達原価と減価修正積算価格
取引事例比較法類似事例の補正・比較比準価格
収益還元法将来の純収益収益価格

根拠:国土交通省:不動産鑑定評価基準国土交通省:地価公示制度の概要・鑑定評価3手法

一般的要因・地域要因・個別的要因を区別

一般的要因は、経済社会全体の不動産価格に影響する事情です。地域要因は、近隣地域などの特性として価格に影響する事情、個別的要因は対象不動産そのものの特性を指します。

同じ金利環境・同じ地域でも、敷地形状や接道条件などで個々の価格は変わります。「自然的・社会的・経済的・行政的要因」という一般的要因の分類を、そのまま個別的要因の定義と覚えないようにします。

根拠:国土交通省:不動産鑑定評価基準不動産適正取引推進機構:過去の試験問題と正解番号

年120万円を還元利回り4%で割ると?

単純化した直接還元の例として、年間純収益が120万円、還元利回りが4%なら、120万円÷0.04=3,000万円です。4%を4で割ってしまわないよう、割合を小数に直します。

ここで使うのは前提を定めた純収益であり、家賃の総額を無条件に使うわけではありません。また、将来収益を年ごとに予測して割り引くDCF法などもあり、この単純計算だけが収益還元法の全てではありません。

根拠:国土交通省:不動産鑑定評価基準国土交通省:地価公示制度の概要・鑑定評価3手法

自用不動産だから収益還元法を使えないとは限らない

賃貸されていない自用不動産でも、賃貸を想定して収益還元法を適用することがあります。「今、家賃が発生しているか」だけで手法の適用可能性を決めないことが大切です。

令和7年度問25では、価格形成要因や収益還元法、原価法などが問われました。原価法の減価修正と税務の減価償却を同一視せず、鑑定評価の目的と各手法の役割を確認してください。

根拠:国土交通省:不動産鑑定評価基準不動産適正取引推進機構:過去の試験問題と正解番号

出題例の原本・年度別問題

過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。

オリジナル確認問題で判断する

○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。

  1. 1 原価法によって求める試算価格は、積算価格という。

    根拠:資料1

  2. 2 年間純収益120万円、還元利回り4%の単純な直接還元では、価格は3,000万円となる。

    根拠:資料1

  3. 3 現在自分で使っている不動産には、収益還元法を一切適用できない。

    根拠:資料1資料2

この解説の一次資料

最重要ポイント

鑑定評価方式の3手法

鑑定評価方式は原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つ。手法の適用は複数の手法を適用すべきとされる。

覚え方原価・事例・収益の三(3)手法、一つに頼らず合わせ技

混同注意・比較表

鑑定評価3方式・4価格

「原価・事例・収益、直接還元・DCF、正常・限定・特定・特殊」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。

鑑定評価によって求める4つの価格

基本ルール
原則は正常価格(市場性を有する不動産の通常の取引で成立する市場価値)。特殊な場合として、限定価格(市場が相対的に限定される場合。隣接地の併合目的等)、特定価格(法令等の社会的要請を背景とし正常価格の前提を満たさない場合)、特殊価格(市場性を有しない不動産。文化財等)。
例外・ひっかけ
4価格の定義入替え。原則は正常価格、隣接地併合は限定価格、文化財は特殊価格

判断ポイント

覚え方:基本は正常価格、隣を買うなら限定、法令要請は特定、文化財は特殊

直接還元法とDCF法の違い

基本ルール
直接還元法は一期間の純収益を還元利回りで還元する方法。DCF法は保有期間中の複数年の純収益と最終的な売却価格を現在価値に割り戻して価格を求める方法。
例外・ひっかけ
直接還元法とDCF法の説明を入れ替える罠(一期間か複数年か)。

判断ポイント

覚え方:直接(直接還元法)さんは一期でパッと、DCFさんは複数年と売値を現在価値に割り戻す

鑑定評価方式の3手法

基本ルール
鑑定評価方式は原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つ。手法の適用は複数の手法を適用すべきとされる。
例外・ひっかけ
3手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)。複数手法の適用が原則である点に注意

判断ポイント

覚え方:原価・事例・収益の三(3)手法、一つに頼らず合わせ技

収益還元法

基本ルール
対象不動産が将来生み出す純収益(収益−費用)と最終的な売却価格から試算価格(収益価格)を求める方法。賃貸用・事業用不動産の価格を求めるときに特に有効。市場性のない不動産以外には基本的にすべて適用すべき。収益価格を求める方法に直接還元法とDCF法がある。
例外・ひっかけ
「賃貸・事業用のみ」「市場性のない不動産にも適用」等の適用範囲すり替え。

判断ポイント

覚え方:収益(収益還元法)の姉さん『家賃で稼ぐわよ』、純収益と売値を割り戻し収益価格ゲット

取引事例が備えるべき要件

基本ルール
取引事例は次の要件をすべて備える必要がある。①取引事情が正常と認められること(投機的取引は不可)、②時点修正が可能なこと、③地域要因の比較および個別的要因の比較が可能なこと。
例外・ひっかけ
「投機的取引でも可」など正常性要件の逆転、要件の一部欠落。

判断ポイント

覚え方:事例(取引事例)3兄弟の条件は、正常・時点直せる・地域個別くらべOKの3つ揃い

原価法

基本ルール
価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、減価修正を加えて試算価格(積算価格)を求める方法。建物・建物&敷地に有効。土地のみでも再調達原価を適切に求められれば適用可。減価額を求める方法は耐用年数にもとづく方法と観察減価法があり、原則2つを併用する。
例外・ひっかけ
「土地のみには適用不可」と断定させる罠。再調達原価を求められれば土地にも適用可。

判断ポイント

覚え方:原価(原価法)のゲンさん『今造ったらいくら?(再調達原価)』、古びた分を引いて(減価修正)積算価格ズドン

01不動産鑑定評価の重要暗記項目

01
重要度 A / 収録過去問 4回

鑑定評価方式の3手法

鑑定評価方式は原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つ。手法の適用は複数の手法を適用すべきとされる。

覚え方原価・事例・収益の三(3)手法、一つに頼らず合わせ技

ひっかけ注意3手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)。複数手法の適用が原則である点に注意

02
重要度 A / 収録過去問 4回

原価法

価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、減価修正を加えて試算価格(積算価格)を求める方法。建物・建物&敷地に有効。土地のみでも再調達原価を適切に求められれば適用可。減価額を求める方法は耐用年数にもとづく方法と観察減価法があり、原則2つを併用する。

覚え方原価(原価法)のゲンさん『今造ったらいくら?(再調達原価)』、古びた分を引いて(減価修正)積算価格ズドン

ひっかけ注意「土地のみには適用不可」と断定させる罠。再調達原価を求められれば土地にも適用可。

03
重要度 A / 収録過去問 4回

取引事例比較法

似た取引事例を参考に、事情補正・時点修正を加えて試算価格(比準価格)を求める方法。多数の事例収集が必要。取引事例は原則として近隣地域または同一需給圏内の類似地域の不動産から選択(やむを得ない場合は近隣地域の周辺地域から選択可)。

覚え方取引(取引事例)の兄貴、ご近所の実例集めて事情と時点を直し、比準価格をはじき出す

ひっかけ注意求める試算価格の名称すり替え(比準価格を積算価格等に)や補正の種類のすり替え。

04
重要度 A / 収録過去問 4回

収益還元法

対象不動産が将来生み出す純収益(収益−費用)と最終的な売却価格から試算価格(収益価格)を求める方法。賃貸用・事業用不動産の価格を求めるときに特に有効。市場性のない不動産以外には基本的にすべて適用すべき。収益価格を求める方法に直接還元法とDCF法がある。

覚え方収益(収益還元法)の姉さん『家賃で稼ぐわよ』、純収益と売値を割り戻し収益価格ゲット

ひっかけ注意「賃貸・事業用のみ」「市場性のない不動産にも適用」等の適用範囲すり替え。

05
重要度 B / 収録過去問 4回

鑑定評価によって求める4つの価格

原則は正常価格(市場性を有する不動産の通常の取引で成立する市場価値)。特殊な場合として、限定価格(市場が相対的に限定される場合。隣接地の併合目的等)、特定価格(法令等の社会的要請を背景とし正常価格の前提を満たさない場合)、特殊価格(市場性を有しない不動産。文化財等)。

覚え方基本は正常価格、隣を買うなら限定、法令要請は特定、文化財は特殊

ひっかけ注意4価格の定義入替え。原則は正常価格、隣接地併合は限定価格、文化財は特殊価格

06
重要度 B / 収録過去問 4回

最有効使用の原則

不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成される。

覚え方サイコー(最有効)に使ってやると鼻息荒く、効用マックスの前提で値がつくのだ

ひっかけ注意「最高度に発揮される使用を前提」を「現在の使用が前提」等にすり替える罠。

07
重要度 B / 収録過去問 4回

取引事例が備えるべき要件

取引事例は次の要件をすべて備える必要がある。①取引事情が正常と認められること(投機的取引は不可)、②時点修正が可能なこと、③地域要因の比較および個別的要因の比較が可能なこと。

覚え方事例(取引事例)3兄弟の条件は、正常・時点直せる・地域個別くらべOKの3つ揃い

ひっかけ注意「投機的取引でも可」など正常性要件の逆転、要件の一部欠落。

08
重要度 B / 収録過去問 4回

直接還元法とDCF法の違い

直接還元法は一期間の純収益を還元利回りで還元する方法。DCF法は保有期間中の複数年の純収益と最終的な売却価格を現在価値に割り戻して価格を求める方法。

覚え方直接(直接還元法)さんは一期でパッと、DCFさんは複数年と売値を現在価値に割り戻す

ひっかけ注意直接還元法とDCF法の説明を入れ替える罠(一期間か複数年か)。

税・その他の暗記表をすべて見る →

誤答が集中する引っかけ

8
  • ひっかけ鑑定評価方式の3手法

    3手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)。複数手法の適用が原則である点に注意

残り7件は論点整理プレミアムでご覧いただけます。61論点分の引っかけを、出題ランク順にまとめています。

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03この論点の根拠

関連法令
国土交通省
情報確認日
2026年4月1日施行法令基準
復習方法
要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける

法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。

問題演習

不動産鑑定評価の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

税・その他重要度 B頻出度 4/24(編集部の目安)

鑑定評価によって求める4つの価格

隣接地の併合を目的とする場合など市場が相対的に限定されるときに求める価格を、特定価格という。

不動産鑑定評価○×一問一答9問|問題と解説

この論点で収録している9問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。

  1. 1

    鑑定評価によって求める4つの価格重要度B

    隣接地の併合を目的とする場合など市場が相対的に限定されるときに求める価格を、特定価格という。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。それは限定価格である。特定価格は法令等の社会的要請による。

  2. 2

    不動産鑑定評価基準とは重要度C

    不動産鑑定評価基準は、適正な鑑定評価を行うための指針であり、法的拘束力を有する。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。鑑定評価基準に法的拘束力はない。

  3. 3

    鑑定評価方式の3手法重要度A

    鑑定評価方式は原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つであり、複数の手法を適用すべきとされる。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。3手法があり、複数の手法を適用すべきとされる。

  4. 4

    最有効使用の原則重要度B

    不動産の価格は、その不動産の現実の使用方法を前提として把握される価格を標準として形成される。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。効用が最高度に発揮される最有効使用を前提とする。

  5. 5

    原価法重要度A

    原価法は、対象不動産の再調達原価を求め減価修正を加える方法だが、土地のみには一切適用できない。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。再調達原価を適切に求められれば土地のみでも適用可。

  6. 6

    取引事例比較法重要度A

    取引事例比較法は、類似の取引事例に事情補正・時点修正等を加えて比準価格を求める方法である。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。比準価格を求める手法で記述のとおり。

  7. 7

    収益還元法重要度A

    収益還元法は賃貸用・事業用不動産に有効だが、市場性を有しない不動産にも当然に適用すべきである。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。市場性のない不動産以外に基本的に適用すべき。

  8. 8

    取引事例が備えるべき要件重要度B

    取引事例比較法で用いる取引事例は、投機的取引と認められる事例であっても採用することができる。

    答え:×(誤り)

    解説

    誤り。取引事情が正常と認められること(投機的取引不可)が要件。

  9. 9

    直接還元法とDCF法の違い重要度B

    DCF法は、保有期間中の複数年の純収益と最終的な売却価格を現在価値に割り戻して価格を求める方法である。

    答え:○(正しい)

    解説

    正しい。DCF法の説明として正確。

次の学習

不動産鑑定評価の問題を続けて解く

この論点に対応する9問を絞り込んで出題します。

○×一問一答