権利関係
宅建の共有|保存・管理・変更の違いと持分の数え方【2026年度試験対応】
宅建の共有を、保存は単独・管理は持分の過半数・著しい変更は全員同意という判断順で解説。軽微な変更、持分放棄、共有物分割を具体例と確認問題で整理します。
要点 8件・基本問題 8問・解説の確認問題 3問読む → 覚える → 解くまでこのページで完結

記事内容を表す生成イメージ。
2026年度試験対応。法令基準日:2026-04-01。
まず押さえるポイント
共有とは、一つの物の所有権を複数人が持分に応じて持つことです。宅建では、保存行為は各共有者が単独で、管理と軽微な変更は持分の価格の過半数で、形状・効用の著しい変更は原則として全員の同意で行う、と区別します。人数の多数決ではありません。
法令基準日:2026-04-01 / 解説更新日:2026-09-12
保存・管理・変更を先に区別する

共有物の保存は単独、管理は持分価格の過半数、重大な変更は原則全員同意。軽微な変更等の例外は本文で確認。
図を大きく見る民法251条・252条では、共有物に加える行為の内容によって必要な同意が変わります。「修繕」という名称だけで決めず、現状の維持なのか、利用の改良なのか、形状や効用を著しく変えるのかを確認します。
2023年施行の改正後は、形状又は効用の著しい変更を伴わない変更は持分の価格の過半数で決められます。古い教材の「変更なら常に全員同意」をそのまま使わないようにします。
| 行為 | 必要な同意 | 判断の軸 |
|---|---|---|
| 保存 | 各共有者が単独でできる | 現状の維持 |
| 管理・軽微な変更 | 持分の価格の過半数 | 著しい形状・効用の変更を伴わない |
| 著しい変更 | 原則、共有者全員 | 形状又は効用を著しく変更 |
根拠:民法
軽微な変更でも、使用者への特別な影響に注意
共有者間の決定に基づいて共有物を使用している人に、管理の決定が特別の影響を及ぼす場合は、その人の承諾が必要です。過半数があれば既存の使用関係をどのようにでも変えられるわけではありません(252条3項)。
所在等が不明な共有者を外して決められる制度もありますが、勝手に除外できる制度ではありません。251条2項・252条2項の裁判所の判断など、所定の手続を経る点を押さえます。
根拠:民法
持分放棄と共有物分割の違い
持分を放棄した場合、又は共有者が死亡して相続人がない場合、その持分は他の共有者に帰属します(255条)。不動産全体に所有者がいない場合の扱いと混同しないでください。
共有物の分割は原則いつでも請求できますが、5年以内の不分割契約を結ぶことができ、更新も可能です。協議が調わなければ裁判所へ請求し、現物分割や持分取得と金銭支払、それが困難な場合等の競売を検討します(256条・258条)。
根拠:民法
令和7年度問8では、持分放棄と各共有者の権利が問われた
令和7年度問8は、持分を各3分の1とする共有を素材に、虚偽登記の抹消、持分放棄、共有物分割、共有者による占有を区別する問題でした。公式正解は2です。
この出題例から確認するのは、持分の放棄が直ちに国庫への帰属になるわけではないことと、共有者自身にも使用権があることです。第三者の不法占有と共有者の占有を同じに扱わず、249条・255条へ戻って理由を説明してみてください。
出題例の原本・年度別問題
過去の出題を手がかりに、判断する条件を整理します。このページの説明と確認問題は合トレのオリジナルです。
- 令和7年度 問8
持分放棄の帰属先、共有物分割と各共有者の権利の区別
公式の公表資料を確認する
オリジナル確認問題で判断する
○か×かを選び、理由を確認してください。実際の過去問を転載したものではありません。
この解説の一次資料
- 民法確認日:2026-09-12
- 不動産適正取引推進機構:令和7年度公式問題・正解確認日:2026-09-12
共有物の保存・管理・変更行為の要件
保存行為(修繕、不法占拠者への明渡・損害賠償請求)は各共有者が単独でできる(ただし損害賠償は自己の持分割合を超えて請求できない)。管理行為・軽微な変更は持分価格の過半数で決定。変更行為(重大な変更)・処分行為は共有者全員の同意が必要。短期賃貸借(土地5年・建物3年以内)の設定は管理行為に含まれる。
覚え方保存は単独、管理と軽微変更はカハンスウ(過半数)、重大変更・処分は全員、短期賃借(土地5・建物3)は管理だ
最重要・比較表
共有物の保存・管理・変更・処分
「単独、持分過半数、全員同意、軽微変更、短期賃貸借」を同じ順番で比較し、正誤判断の条件を整理します。
| 事由 | 基本ルール | 例外・ひっかけ | 理由・判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 共有物の保存・管理・変更行為の要件最重要 | 保存行為(修繕、不法占拠者への明渡・損害賠償請求)は各共有者が単独でできる(ただし損害賠償は自己の持分割合を超えて請求できない)。管理行為・軽微な変更は持分価格の過半数で決定。変更行為(重大な変更)・処分行為は共有者全員の同意が必要。短期賃貸借(土地5年・建物3年以内)の設定は管理行為に含まれる。 | 保存は単独、管理・軽微変更は過半数、重大変更・処分は全員同意。短期賃貸借は管理行為。要件の混同に注意 | 覚え方:保存は単独、管理と軽微変更はカハンスウ(過半数)、重大変更・処分は全員、短期賃借(土地5・建物3)は管理だ |
| 共有物の管理者・管理費等 | 共有者は持分価格の過半数で共有物の管理者を選任・解任できる。共有物の管理費等は各共有者が持分に応じて負担し、ある共有者が管理費等を1年以上滞納した場合、他の共有者は相当の償金を支払って滞納共有者の持分を取得できる。 | 管理者選任は持分過半数。管理費1年以上滞納で償金を払い持分取得可。期間の数字に注意 | 覚え方:管理者はカハンスウ(過半数)で選任解任、管理費イチ(1年)以上滞納なら償金払って持分ゲット |
共有物の保存・管理・変更行為の要件
最重要- 基本ルール
- 保存行為(修繕、不法占拠者への明渡・損害賠償請求)は各共有者が単独でできる(ただし損害賠償は自己の持分割合を超えて請求できない)。管理行為・軽微な変更は持分価格の過半数で決定。変更行為(重大な変更)・処分行為は共有者全員の同意が必要。短期賃貸借(土地5年・建物3年以内)の設定は管理行為に含まれる。
- 例外・ひっかけ
- 保存は単独、管理・軽微変更は過半数、重大変更・処分は全員同意。短期賃貸借は管理行為。要件の混同に注意
判断ポイント
覚え方:保存は単独、管理と軽微変更はカハンスウ(過半数)、重大変更・処分は全員、短期賃借(土地5・建物3)は管理だ
共有物の管理者・管理費等
- 基本ルール
- 共有者は持分価格の過半数で共有物の管理者を選任・解任できる。共有物の管理費等は各共有者が持分に応じて負担し、ある共有者が管理費等を1年以上滞納した場合、他の共有者は相当の償金を支払って滞納共有者の持分を取得できる。
- 例外・ひっかけ
- 管理者選任は持分過半数。管理費1年以上滞納で償金を払い持分取得可。期間の数字に注意
判断ポイント
覚え方:管理者はカハンスウ(過半数)で選任解任、管理費イチ(1年)以上滞納なら償金払って持分ゲット
01共有の重要暗記項目
共有物の保存・管理・変更行為の要件
保存行為(修繕、不法占拠者への明渡・損害賠償請求)は各共有者が単独でできる(ただし損害賠償は自己の持分割合を超えて請求できない)。管理行為・軽微な変更は持分価格の過半数で決定。変更行為(重大な変更)・処分行為は共有者全員の同意が必要。短期賃貸借(土地5年・建物3年以内)の設定は管理行為に含まれる。
覚え方保存は単独、管理と軽微変更はカハンスウ(過半数)、重大変更・処分は全員、短期賃借(土地5・建物3)は管理だ
ひっかけ注意保存は単独、管理・軽微変更は過半数、重大変更・処分は全員同意。短期賃貸借は管理行為。要件の混同に注意
共有と持分の処分
共有=1つの物を2人以上で共同所有すること。持分=各共有者の共有物に対する所有権割合。持分は各共有者の合意で決まるが、合意がない・不明な場合は均等と推定される。各共有者は自己の持分を自由に処分でき、他の共有者の同意は不要。
覚え方共有キョウユウ、持分は合意、不明なら均等と推定、自分の持分は同意なしで自由に処分
ひっかけ注意自己の持分は自由に処分でき他の共有者の同意不要。持分不明なら均等と推定。同意の要否に注意
持分の放棄・共有者の死亡
共有者が持分を放棄したとき、または共有者の1人が死亡し相続人等がいないときは、その者の持分は他の共有者に帰属する(国庫には帰属しない)。
覚え方持分ホウキ(放棄)や相続人なし死亡、その分は国庫でなく他の共有者にドッキング
ひっかけ注意持分放棄や相続人不存在の持分は他の共有者に帰属(国庫でない)。帰属先のすり替えに注意
共有物の分割
各共有者は原則としていつでも共有物の分割を請求できる。共有者全員の意思で5年間を限度に分割しない特約を結べる。分割方法は現物分割・賠償分割・競売分割の3つ。協議が調わない・できないときは裁判所に分割を請求でき、裁判所の分割は現物分割または賠償分割が原則で、いずれもできないときは競売分割とできる。
覚え方分割ブンカツいつでも請求OK、ゴ(5年)まで不分割特約、現物・賠償・競売の3方法、裁判は競売が最後
ひっかけ注意分割禁止特約は5年が限度。裁判所の分割は現物・賠償が原則で最後に競売。期間と方法に注意
共有物の使用
共有者は共有物の全体を持分に応じて使用できる。ただし別段の合意がある場合を除き、自己の持分を超えて共有物を使用する共有者は、他の共有者にその使用の対価を支払わなければならない。
覚え方共有物は全体を持分に応じて使える、でも持分超えて使うなら他の仲間に対価を払え
ひっかけ注意持分を超えて使用する共有者は別段の合意がない限り対価支払義務。無償で使えるとする誤りに注意
所在等不明共有者がいる場合の決定
所在等不明の共有者がいる場合は、裁判所の決定を得て、その共有者以外の持分価格の過半数で管理し、重大な変更は残り全員の同意で行えます(民法251条2項・252条2項1号)。所在が分かるのに賛否を明らかにしない共有者は、相当期間を定めて催告しても賛否を明らかにしない場合に、裁判所の決定を得て管理の決定から除外できます(252条2項2号)。この賛否不明者の除外を重大な変更へ広げることはできません。
覚え方所在不明は裁判所の決定で管理・重大変更、賛否不明は催告等を経た管理だけ
ひっかけ注意賛否不明者を除外する制度は管理の決定。重大な変更についてまで除外できるわけではない。
共有物の管理者・管理費等
共有者は持分価格の過半数で共有物の管理者を選任・解任できる。共有物の管理費等は各共有者が持分に応じて負担し、ある共有者が管理費等を1年以上滞納した場合、他の共有者は相当の償金を支払って滞納共有者の持分を取得できる。
覚え方管理者はカハンスウ(過半数)で選任解任、管理費イチ(1年)以上滞納なら償金払って持分ゲット
ひっかけ注意管理者選任は持分過半数。管理費1年以上滞納で償金を払い持分取得可。期間の数字に注意
所在等不明共有者の持分取得・譲渡
共有者の請求により裁判所が、所在等不明共有者の持分を請求者に取得させる、または第三者へ譲渡する権限を付与する裁判ができる。ただし持分が相続財産に属し遺産分割すべき場合で相続開始から10年を経過していないときは、これらの裁判を求められない。
覚え方所在不明の持分、裁判所が請求者に取得か第三者に譲渡、でも遺産分割でトウ(10年)未満は求められん
ひっかけ注意相続財産の持分は相続開始から10年未満だと持分取得・譲渡の裁判を求められない。期間の数字に注意
誤答が集中する引っかけ
8件ひっかけ共有物の保存・管理・変更行為の要件
保存は単独、管理・軽微変更は過半数、重大変更・処分は全員同意。短期賃貸借は管理行為。要件の混同に注意
残り7件は論点整理プレミアムでご覧いただけます。61論点分の引っかけを、出題ランク順にまとめています。
論点整理プレミアムを見る03この論点の根拠
- 関連法令
- 民法
- 情報確認日
- 2026年4月1日施行法令基準
- 復習方法
- 要点を確認した後、○×一問一答で条件の違いを見分ける
法改正により扱いが変わる場合があります。試験日程や申込みに関する情報は、 必ず公式案内も確認してください。
問題演習
共有の○×一問一答
1/8問解答 0・正解 0
権利関係重要度 A頻出度 2/24(編集部の目安)
共有と持分の処分
各共有者は、自己の持分を処分するには他の共有者全員の同意を得なければならない。
共有の○×一問一答8問|問題と解説
この論点で収録している8問を、正誤と解説つきで通して読めます。 上の演習で迷った問題を見直すときに使ってください。
問1
共有と持分の処分重要度A各共有者は、自己の持分を処分するには他の共有者全員の同意を得なければならない。
答え:×(誤り)
解説
誤り。自己の持分は自由に処分でき、他の共有者の同意は不要である。
問2
持分の放棄・共有者の死亡重要度A共有者の1人が持分を放棄したとき、または死亡して相続人等がいないときは、その持分は国庫に帰属する。
答え:×(誤り)
解説
誤り。その持分は国庫ではなく他の共有者に帰属する。
問3
共有物の使用重要度B別段の合意がある場合を除き、自己の持分を超えて共有物を使用する共有者は、他の共有者にその使用の対価を支払わなければならない。
答え:○(正しい)
解説
正しい。別段の合意がなければ持分超過使用分の対価支払義務を負う。
問4
共有物の保存・管理・変更行為の要件重要度S共有物に重大な変更を加える行為は、各共有者の持分価格の過半数の同意があれば行うことができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。重大な変更(変更行為)は共有者全員の同意が必要である。
問5
所在等不明共有者がいる場合の決定重要度B所在等不明の共有者がいる場合、他の共有者は裁判所の決定を得て、その共有者以外の共有者の持分価格の過半数で管理を行うことができる。
答え:○(正しい)
解説
正しい。裁判所の決定を得て残り共有者の持分価格の過半数で管理できる。
問6
共有物の管理者・管理費等重要度Bある共有者が管理費等を6カ月以上滞納した場合、他の共有者は相当の償金を支払ってその者の持分を取得できる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。正しくは管理費等を1年以上滞納した場合である。
問7
共有物の分割重要度A共有者は、共有物を分割しない旨の特約を10年を限度として結ぶことができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。分割しない特約は5年を限度として結べる。
問8
所在等不明共有者の持分取得・譲渡重要度C所在等不明共有者の持分が相続財産に属し遺産分割すべき場合でも、相続開始から5年を経過していれば、持分取得の裁判を求めることができる。
答え:×(誤り)
解説
誤り。相続開始から10年を経過していないときは裁判を求められない。
共有の問題を続けて解く
この論点に対応する8問を絞り込んで出題します。